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晴れたらいいね
八重桜 空を仰いで 晴れたらいいね 2013/4月号 「 そや、たけのこ持ってかれ」 知り合いから渡されたのは、 掘りたてのたけのこと米ぬか。 ずっしりとした重みに、 ふくよかな形、土の香ばしい匂い。 今夜は、春のごちそうだ! そう思うだけで心が弾み、 帰り道の足どりも軽くなります。 家に着いたら、さっそくあく抜きをスタート。 挿絵:日本絵手紙協会 公認講師 二永由美子氏 (南砺市在住) 皮を2~3枚むいて洗ったたけのこを鍋に入れ、水と米ぬかを加え、 おとし蓋をしてぐつぐつと煮ていると、キッチンに幸せな匂いが漂います。 細く開いた窓から、やわらかい夜風が入ってきて、春がやってきたんだなぁと実感。 同じたけのこでも、富山のおせちの定番・すす竹(根曲がり竹)を煮る時は、冬の匂い。 たけのこは春の匂いがします。風味もちがうんですよね。 忘れられないのが、三重の友人宅でご馳走になったたけのこ。 富山では、たけのこの味付けは昆布や醤油が多いですが、 食卓にでてきたのは、かつお節がたっぷりのたけのこの煮物。 「うちの山で採れた、たけのこやよ」と、友人のお母様。 たけのこにもふるさとの味があるんだと、その時に気づいたのでした。 たけのこの「筍」は、「旬」という字に竹かんむりをつけたもの。 「初物を食べると75日寿命が伸びる」と昔から言いますが、 確かに、旬のたけのこは、どっしりとしたエネルギーを感じます。 大地に根を張り、健やかに育った地産の味は、体も心も元気にしてくれそうです。 ね はん だん ご ※よごし…野菜をゆでて細かく切り、味噌で味つけした富山の郷土料理 いまも歌い継がれる五箇山の民謡「こきりこ唄」 この楽曲が、中学校の音楽の教科書に載った 初めての民謡だということをご存知ですか? 今回はこきりこ伝承の物語をご紹介します。 こきりこの竹は七寸五分じゃ 長いは袖のカナカイじゃ 中学校 の音楽の授業で習った、こきりこ唄の一節。 南相馬こどものつばさ 耳に残るメロディと独特の歌詞。 国の無形文化財として、五箇山の里に息づく文化遺産です。 棒ささら さらに、高桑さんたちのグループは 古文書の「筑子踊」が紹介された絵に注目。 そこに記されていた様子や、 棒ささらの絵などの資料、そして、 山崎しいさんが記憶する唄を手がかりに、 上梨地区の山崎宗義さんも協力し、 こきりこ踊りが復活したんだとか。 最初は唄だけが遺されていた! ↑京都の古文書に記してあった輪踊りの様子。 人々が楽しそうに歌い踊り、お茶やお菓子で ひと休みをする姿は今も変わりませんね。 初耳な話の連続にびっくりしてしまいました。 そんなこきりこの唄が広く知られることになったのは、昭和44年(1969)のこと。 当時、中学校一年生の音楽教材で初めて � 教 科 書 � 載 � � 民 謡 � ↑煩悩の数と同じ108枚の板を紐で 結わえたささら(楽器)。 写真のささらは珍しい黒檀。ささら の材料はヒノキが多いようです。 ささらは漢字で書くと、編木子。 この「こきりこ唄」を採譜した 日本の民俗音楽(民謡)を載せるにあたり、 元・中学校の音楽教師、高田庄平さんを訪ねて、 白羽の矢が立ったのがこきりこ唄でした。 春の嵐が吹きあれる旧平村の下梨地区へ。 音楽教師だった高田さんに 80代のいまもお元気な高田さんは、 オーダーされた楽譜は、全部で3パターン。 旅館だったというご自宅の広い玄関の奥から、 1つめは、上梨地区で歌い継がれている 笑顔で出迎えてくださいました。 メロディを忠実に記した楽譜。 高田さんは、富山師範学校(現在の富山大学)を 2つめは、高田さんご自身が演奏する時の 卒業後、中学校の音楽の先生、県教育委員会の こきりこの楽譜。そして3つめは、 指導員、少年自然の家でレクリエーション指導、 中学生向けの教材として、“簡単で素朴で、 小学校の校長先生などを経験され、 興味を持てるような”楽譜でした。 子どもや親たちと向き合いながら、 「おぉお~」や「あぁあ~」など、 文化やこころの教育に力を尽くされた方です。 リズムや抑揚が独特な、こきりこ唄。 ↑手書き文字の楽譜。 「3連符変えても、5連符変えても、 また、五箇山民謡のこきりこ唄や、 しっくりこんくて……」と高田さん。 麦屋節の採譜に携わったお一人でもあります。 どうすれば子どもたちも親しめる譜面になるのか、 ずいぶん悩まれたとおっしゃっていました。 じつは一時、伝承の危機を迎えていたという、 “ほのぼのと”“はやく”と書かれた楽譜から、 こきりこ唄。当時、上梨地区(旧平村) 高田さんの優しい思いが伝わってきますね。 ↑日本民謡研究会の名誉師範 でもある、高田庄平さん。 在住のおばあさん、山崎しいさんが かろうじて古謡のメロディを覚えており、 時代の流れとともに、ふるさとの文化や歴史が見直されるなかで、 これを同地区の教師で郷土史家の高桑敬親さんと 伝承に携わった方の生の声を聞くことができたのは、本当に貴重な体験でした。 高田さんたちが採譜したことで、 無事今日まで歌い継がれることとなりました。 ※御拝…建物の入口に屋根(ひさし)が突き出した部分 ↑「こきりこ」は上梨地区、「麦屋節」は 下梨地区に伝わる五箇山民謡です。 五穀豊穣を願って、人々に唄い踊り継がれてきたこきりこは、 こころまで豊かになれる民謡なのかもしれません。 南砺においで ん け ぇ 福野夜高祭 日時:5月1日(水) ~2日(木) 18:30~ 場所:南砺市 福野神明社・銀行四つ角(福野中心市街地) GWイベント情報 350余年続く福野神明社の春季祭礼。地元の若衆が 何か月もかけて制作した夜高行燈が、笛や太鼓の音 とともに巧みに練り回ります。 最大の見どころ、2日の呼び物の引き合い(けんか)は、威勢のいい拍子木とともに、夜高行 燈に乗り込んだ若衆が相手方の行燈を豪快に壊し合います。行燈の灯りと人々の歓声。毎年観 るたびに胸が熱くなるお祭りです。 城端曳山祭 日時:5月4日(土)18:00頃、5日(日) 9:00~22:30頃 場所:南砺市 城端神明宮、城端市街地一円 国指定無形民俗文化財に指定されている、城端神明宮のお祭 り。4日の宵祭では各町の山宿に飾られた御神像を見ることが できます。5日の本祭では、絢爛豪華な曳山が風情ある「庵 唄」を演奏しながら街中を巡行。夜は提灯山となって、人々の 目を楽しませてくれます。 ちなみに曳山は、地元の塗師さんや漆作家さんが修復を行って おり、大切に守りつがれているんですよ。 い おう ぜん 医王山山開き 日時:4月29日(土) 富山県と石川県の県境にある標高939mの医王山。開山式では国見権現堂で一年の安全が記念 されます。天気のよい日は砺波平野の散居村、富山湾や能登半島まで一望できる医王山。ぜひ 登山・トレッキングにお越しください。 イベント情報の問合せ先 TEL:(0763) 62-1201 <南砺市観光協会> 『人と人、人と自然のきづなを結ぶ』をモットーに 富山県産米100%で作った、 富山県産米100% で作った、 焼きたてのかきやま(米菓)を工場直送でお届けします。 日の出屋製菓産業(株) ささら屋 〒939-1693 富山県南砺市田中411 TEL 0763-52-5705 FAX 0763-52-6490