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計画書(PDF:669KB)
第1章 道路特定事業計画策定にあたって 1-1 道路特定事業計画策定の趣旨 今日の我が国では、本格的な高齢社会の到来や、障害者が障害のない人と同じように生活を送 り活動する社会を目指すノーマライゼーション(※1)の理念の浸透、さらにだれもが自由に行動し 快適に楽しめるまちの実現を目指すユニバーサルデザイン(※2)の考え方の導入により、あらゆる 人の利用を念頭に置いた環境づくりが求められています。 このような背景の中、平成6年には、主に高齢者や身体障害者等が使う建築物のバリアフリー 化を進めるため、 「高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法 律」 (以下「ハートビル法」という)が制定されました。 また、平成 12 年には、公共交通機関と駅などを中心とした地区のバリアフリー化を目標として 「高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律」 (以下「交 通バリアフリー法」という)が制定されました。 さらに平成 18 年6月には、より一体的・連続的な移動空間を形成するための総合的なバリアフ リー施策の推進を目的として、交通バリアフリー法とハートビル法を統合し、新たに「高齢者、 障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」 (以下「バリアフリー新法」という)が公布、同 年 12 月から施行されました。 本市においては、既に交通バリアフリー法に基づき「千葉市交通バリアフリー基本構想」 (平成 13 年 11 月) (以下「旧基本構想」という)を策定し、16 の重点整備地区(※3)を中心にバリアフ リー整備を進めていますが、市民の多様なニーズに応える豊かで質の高いまちづくりをさらに推 進していくため、バリアフリー新法に基づき「千葉市バリアフリー基本構想」(平成 20 年 8 月策 定、平成 24 年 7 月変更) (以下「基本構想」という)に改訂しました。 これらを受け、基本構想で定められた重点整備地区内の生活関連経路等について、バリアフリ ー新法第 31 条に基づき、公安委員会、公共交通事業者や、関係諸団体等の意見をふまえながら、 平成 15 年 7 月策定の道路特定事業計画を今回改訂しました。今後は、この新たな事業計画に沿っ て、高齢者、障害者等(※4)だけでなく、だれもが安全かつ安心して移動することができ、いきい きとした暮らしを享受することのできるバリアフリー化された都市の実現を目指し、各種事業を 展開していきます。 (※1)ノーマライゼーション…高齢者や障害者等、社会的に丌利を受けやすい人々も社会の一員として、お互いに尊重し、支え あいながら、地域の中でともに生活する社会こそが当たり前の社会である、という考え方。 (※2)ユニバーサルデザイン…年齢、性別、国籍、個人の能力にかかわらず、はじめからできるだけ多くの人が利用可能なよう に、利用者本位、人間本位の考え方に立って快適な環境をデザインすること。 (※3)重点整備地区…以下の要件に該当する地区。 ①生活関連施設の所在地を含み、かつ、生活関連施設間の移動が通常徒歩で行われる地区 ②生活関連施設及び生活関連経路を構成する一般交通用施設(道路、駅前広場、通路その他一般交通の用に供する施 設)について移動等円滑化のための事業が実施されることが特に必要であると認められる地区。 ③当該地区において移動等円滑化のための事業を重点的かつ一体的に実施することが、総合的な都市機能の増進を図 る上で有効かつ適切であると認められる地区。 1 1-2 バリアフリー新法について 公共交通機関の旅客施設等に係るバリアフリー化は、平成 12 年に制定された「交通バリアフリ ー法」に基づき、公共施設等の建築物のバリアフリー化は、平成6年に制定された「ハートビル 法」により推進してきました。 そのような中、平成 17 年に国土交通省が策定した「ユニバーサルデザイン政策大綱」の考え方 を踏まえ、この2つの法律を統合拡充し、より総合的、一体的な法制度を構築することで、高齢 者、障害者等の移動上と施設の利用上の利便性及び安全性の向上を図るため、平成 18 年 12 月に 「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」 、通称「バリアフリー新法」が施行さ れました。その主な内容は、以下のとおりです。 【バリアフリー新法の概要】 ①対象者の拡充 ・身体障害者のみならず、知的・精神・発達障害者等、全ての障害者が対象。 ②対象エリアの拡充 ・ 「交通バリアフリー法」と「ハートビル法」を一本化することで、建築物と旅客施設を つなぐ経路を含めた地域全体のバリアフリー化を、まちづくりの視点から総合的に推進 することが可能。 ・バリアフリー化を重点的に進める対象エリアを、鉄道駅などの旅客施設を含まないエリ ア、旅客施設から徒歩圏外のエリアにまで拡充。 ③バリアフリー化の対象施設の拡大 ・交通機関に鉄道、バス等以外に福祉タクシーを追加したほか、高齢者や障害者等の利用 が多い施設をつなぐ道路、公園、路外駐車場を追加。 ④基本構想策定の際の当事者参加 ・基本構想策定時に協議会を発足させることを法定化し、また住民などが基本構想の作成 を提案できる制度を創設。 ⑤ソフト施策の充実 ・関係者と協力して、バリアフリー施策の持続的かつ段階的な発展を目指す「スパイラル アップ(※5)」を導入。また、国民一人ひとりが高齢者や障害者等が感じている困難を 自らの問題として認識する「心のバリアフリー(※6)」を促進。 (※4)高齢者、障害者等…高齢者または障害者で日常生活または社会生活に身体の機能上の制限を受ける者、その 他日常生活または社会生活に身体の機能上の制限を受ける者(妊婦、けが人等) 。 (※5)スパイラルアップ…具体的な施策や措置に関する内容について当事者の参加のもと検証し、その結果に基づいて新たな施 策を講じることにより段階的・持続的な発展を図ること。 (※6)心のバリアフリー…高齢者や障害者等の自立した日常生活や社会生活を確保することの重要性について理解を深めること。 例えば、視覚障害者誘導用ブロック上の駐輪や障害者専用駐車場への一般利用者の駐車等の問題を改善する姿勢を、教育 や疑似体験により理解を深めることなど。 2 交通バリアフリー化の推進 ユニバーサルデザイン政策大綱(H17.7) 現行のハートビル法では、建築物の施設ごとに独立して推進が図られており、連続 したバリアフリー化が実現されていない。また、交通バリアフリー法では、旅客施設 を中心とした生活圏の一部にとどまっている。 これらの課題等について一体的・連続的な移動空間形成のため、ユニバーサルデザ インの考え方を踏まえた現行法の一体化に向けた法整備を構築する。 ハートビル法 による取組み 交通バリアフリー法 による取組み 総合的なバリアフリー法の制定 「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」 (ハートビル法と交通バリアフリー法の一体化) ○旅客施設及び一定の建築物に加え、一定の道路、公園、駐車場についても、新設等 に際しバリアフリー化を義務づける。 ○総合的・一体的なバリアフリー化を推進するため、旅客施設から徒歩圏外のエリア、 旅客施設を含まないエリアについてもバリアフリー化の計画を作成可能とする。 ○利用者、住民等の計画段階からの参加の促進を図るための措置を講ずる。 ○「心のバリアフリー」社会の実現を目指した取り組み ○重点整備地区における移動等の円滑化に係る事業の重点的かつ一体的な実施 ○市町村は、高齢者、障害者等が生活上利用する施設を含む地区について、基本構想を作成 ○公共交通事業者、道路管理者、路外駐車場管理者、公園管理者、建築物の所有者、交安委 員会は、基本構想に基づき移動等の円滑化のための特定事業を実施 ○重点整備地区内の駅、駅前ビル等、複数管理者が関係する経路についての協定制度 等 〔国土交通省ホームページ参照〕 3 【基本構想の位置付け】 交 通 バ リ ア フ リ ー 法 ( 平 成 ハ ー ト ビ ル 法 ( 平 成 6 年 6 月 ) 統 バリアフリー新法 合 (平成 18 年6月 21 日) 年 5 月 ) ( 平 成 13 年 11 月 ) 改 千葉市バリアフリー基本構想 訂 (平成 20 年 8 月策定) (平成 24 年7月変更) ■基本理念 「人間尊重・市民生活優先」 ■基本目標 「人とまち いきいきと幸せに輝く都市」 千 葉 市 新 総 合 ビ ジ ョ ン 基本方針(主務大臣) (平成 18 年 12 月 15 日) (平成 23 年 3 月 31 日改正) ・移動等の円滑化の意義及び目標 ・公共交通事業者、道路管理者、 路外駐車場管理者、公園管理 者、特定建築物の所有者が移動 等の円滑化のための必要な措 置に関する基本的事項 ・市町村側が作成する基本構想の 指針 等 12 千 葉 市 交 通 バ リ ア フ リ ー 基 本 構 想 基本構想 (21 世紀を展望した市政運営の指針) 千葉市新基本計画 (中長期的な市政運営の基本指針 まちづくりの計画中期的な将来像) ■計画期間 2012 年度(平成 24 年度) ~2021年度(平成33年度) ・駅の旅客施設及びその周辺の地 区を重点的に整備すべき地区と して指定 ・旅客施設、道路、駅前広場、路外 駐車場、都市公園、建築物等につ いて移動等円滑化のための事業 に関する基本的事項 等 第 1 次実施計画 2012~2014年度 (平成24~26年度) ■コンセプト わたしから! 未来へつなぐ まちづくり ●千葉市地域福祉計画 ●高齢者保健福祉推進計画 ●障害者計画・ 障害福祉計画 ●夢はぐくむ ちば 子どもプラン 特定事業計画 道路特定事業 路外駐車場特定事業 都市公園特定事業 ・道路管理者が基本構想に即し て事業計画を作成し、事業を 実施 ・路外駐車場管理者等が基本構 想に即して事業計画を作成 し、事業を実施 ・公園管理者等が基本構想に即 して事業計画を作成し、事業 を実施 建築物特定事業 公共交通特定事業 交通安全特定事業 ・建築主等が基本構想に即して 事業計画を作成し、事業を実施 ・公共交通事業者が基本構想に 即して事業計画を作成し、事 業を実施 ・県公安委員会が基本構想に即 して事業計画を作成し、事業 を実施 ○道路特定事業は、千葉市と千葉国道事務所が共同して推進していきます。 4 1-3 道路特定事業計画で定める事項 (1)バリアフリー経路 生活関連経路Ⅰ及びこれと一体的に整備する経路を定めます。 (2)具体的なバリアフリー整備事業の方針 基本構想で示された道路特定事業で実施する事業の整備方針を定めます。 (3)経路毎に実施する具体の事業内容 経路・区間毎に実施する事業を示します。 (4)事業実施予定期間の設定 平成23年度からの年度毎に整備する経路とその事業量を示します。 1-4 道路特定事業実施までの流れ ◇ 千葉市バリアフリー基本構想 ◇ 旧事業計画経路※の総点検 ◇ 道路特定事業計画 ◇ 市民参加 ・バリアフリー経路の再整理 ・具体的なバリアフリー整備事業の 方針 ・対象経路に適用する具体の事業内容 ・事業実施予定期間の設定 ■アンケート調査 ■まち歩き点検 ◇ 事業実施に向けての流れ ■個別路線・区間 ◇ 関係機関との意見照会 ・公共交通事業者等 ・道路管理者 ・千葉県公安委員会 ・福祉団体 ■住民参加 ・比較的大規模な事業を行う経路 ・個別課題が明確な経路 ・地区の骨格となる経路等 ■事業内容の確認 ■設計 ◇ 事業実施 ※H15年7月策定の道路特定事業計画 5