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4.交通バリアフリーの基本方針

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4.交通バリアフリーの基本方針
4.交通バリアフリーの基本方針
交通バリアフリー法に基づく基本構想策定の目的は、高齢者・障害者等が安全に身体の負担が少
なく移動できるまちを実現することです。
会津若松市では、交通バリアフリーのまちづくり基本方針として次のような理念を掲げます。
官民が一体となり(協働のまちづくり)、あらゆるバリアを総合的に解消することにより
(ハード・ソフト対策の両立)
、四季を通じて快適に過ごすことができる(1 年を通した安全
な歩行環境の創出)
、魅力あふれるまちづくりを目指します。
協
働
の
ま
ち
づ
く
り
ハ ー ド ・ ソ フ ト 対 策 の 両 立
1 年を通した安全な歩行環境の創出
図 4-1 交通バリアフリーの基本方針
4-1.協働のまちづくり
4-1-1.行政・事業者・分野間の連携
交通バリアフリー法では、基本構想を実効性のあるものとするよう、市町村が基本構想を策定す
る際に、事業実施主体と協議する旨の規定があります。
表 4-1 バリアフリー法第 6 条抜粋
第6条
市町村は、基本方針に基づき、単独で又は共同して、当該市町村の区域内の重点整備地区
について、移動円滑化に係る事業の重点的かつ一体的な推進に関する基本的な構想(以下
「基本構想」という。)を作成することができる。
4
市町村は、基本構想を作成しようとするときは、これに定めようとする特定事業に関する事項
について、関係する公共交通事業者等、道路管理者及び都道府県公安委員会(以下「公安委員
会」という。
)と協議しなければならない。
5
市町村は、基本構想を作成するに当たり、あらかじめ、関係する公共交通事業者等、道路管理
者及び公安委員会に対し、特定事業に関する事項について基本構想の案を作成し、当該市町村
に提出するよう求めることができる。
6
前項の案の提出を受けた市町村は、基本構想を作成するに当たっては、当該案の内容が十分に
反映されるよう努めるものとする。
7
前二項に規定するもののほか、関係する公共交通事業者等、道路管理者その他の一般交通用施
設及び公共用施設の管理者並びに公安委員会は、市町村による基本構想の作成に協力するよう
努めなければならない。
交通バリアフリー法
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第6条
第 4∼7 項
基本構想に基づき事業を実施する段階においては、市町村が中心となって、公共交通事業者、道
路管理者、都道府県公安委員会のほか、一般交通用施設や公共用施設の管理者などの関係者との間
で、バリアフリー化を一体的に進めることが大切です。このため、基本構想を作成する段階から、
行政部局内外の関係者、住民等の一体的な取り組みが必要です。
会津若松市
計画を基本構想に
十分反映する
特定事業計画の提出
公共交通事業者
一般交通用施設
および
公共用施設
の管理者
道路管理者
公安委員会
図 4-2 交通バリアフリー基本構想の行政・事業者・分野間の連携
4-1-2.高齢者・身体障害者・住民の参加・参画
個性と魅力あるまちを創り上げていくためには、「自分たちのまちは自分たちの手で」という基
本理念が必要であり、地域に暮らす人々が、身近な地域の中でまちづくりに積極的に参加していく
ことが重要です。
まちづくりにできるだけ多くの視点を持つことは、特定の人に使いにくいという問題の解消につ
ながります。また、参加者にとっては、バリアフリーの学習機会となり、障害者の方と一緒に現場
で確認し議論することで今まで見えなかった問題が見えてくるなど、バリアフリーのまちづくりに
対する理解を深める効果が生まれます。
住民参加のプロセスを共有し、さらに「参加」から構想策定に関与する「参画」に発展していく
ことにより、参加者が納得し合意できる計画をつくることが大切です。
写真:基本構想策定の懇談会風景
写真:まち歩きによるバリアフリー調査風景
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4-2.ハード・ソフト対策の両立
交通バリアフリー法に基づく事業は、旅客施設や公共施設などの物理的な整備改善、すなわちハ
ード面での事業が主となります。誰もがスムーズに街なかを移動できるためには、ハード事業はも
ちろん必要ですが、整備完了までには相当の費用と時間を要します。そこで、迷惑駐車や放置自転
車の追放、看板や陳列商品のはみ出しの自粛など、マナー向上への取り組みにより歩行空間を確保
する工夫も必要です。また、整備された施設を良好な状態で利用するためにも、こういった取り組
みを継続的に実施することが大切です。
誰もが気軽に出かけたくなるような、快適で活気あふれるまちづくりを実現するには、整備され
た施設を有効に活用して、高齢者や障害者が積極的に社会参加できるシステムの導入や情報の提供
など、ソフト事業の充実が望まれています。
(図 4-3 参照)
ハード対策
駅舎、道路、鉄道、バス停などの公共施設や車両、生活関連施設について、段差や勾配
の解消、歩道幅員の確保、エレベーターやスロープの設置など、高齢者や身体障害者を含
めたすべての人々が利用しやすい建築物や交通環境の整備促進を図る。
ソフト対策
心のバリアフリー
すべての人々が、高齢者や身体障害者等への理解を深め、思いやりの心を持って福祉
のまちづくりに取り組むため、福祉ガイドマップの作成、広報・啓発活動、福祉の心を
育む教育、学習機会の提供、ボランティア活動などを促進する。
情報のバリアフリー
高齢者、障害者等を含むすべての人々が、安全で快適な生活に必要な情報を円滑に利
用できるように、情報提供、相談・アドバイス、コミュニケーション手段の確保を図る。
図 4-3:バリア(障壁)の種類と考えられる対策
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4-3. 1 年を通した安全な歩行環境の創出
雪化粧をした鶴ヶ城の姿は絶景であり、雪景色が彩る会津の冬は、美しさと情緒があり素朴な温
かみすら感じさせます。しかし、市民意識調査(平成 10 年実施)における「会津若松市の嫌いな
ところについて」の問いに対しては、
「雪が多く不便である」と回答した人が 2 人に 1 人と最も多
く、市民にとって雪がかなり負担な存在になっていることがうかがえます。
積雪寒冷地では、積雪や凍結による冬期特有のバリアが存在します。
積雪前
積雪後
積 雪 前 のゆと り あ る幅の 広 い 歩 道
積雪後は堆雪により、歩道は狭くな
は、快適な歩行空間です。
り歩行性は悪化します。
このような冬期間におけるバリアに対し、会津若松市交通バリアフリー基本構想においては、無
積雪期間だけではなく冬期においても鉄道駅周辺や通学路などにおいて、融雪施設や流雪溝の整備、
除雪の充実など、さまざまな冬期バリアフリー対策を総合的に進め1年を通し安全な歩行環境の創
出を図っていきます。
融雪施設の整備
歩道除雪の強化
融雪施設の整備により歩行空間の確
除雪の強化等により歩行空間の確保
保を図っていきます。
を図っていきます。
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