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議事概要(ファイル名:gijigaiyou サイズ:15.41 キロバイト)
第1回 京(みやこ)のみちデザイン指針検討委員会 1 日 時 平成20年11月26日(水) 2 場 所 職員会館かもがわ 2階 議事概要 午前10時から12時 大会議室 3 出席者 (1) 委員等 川崎委員長,藤本副委員長, 岡田委員,近藤委員,鈴木委員,西村委員,本間委員,若林委員 オブザーバー 見坂京都国道事務所長 (2) 事務局 建設局長,景観創生監,建設企画部長,道路建設部長, 京都創生課長,景観政策課長,調整管理課長,道路計画課長ほか 4 内 容 検討委員会における内容は以下のとおり。 委員等:委員会では,デザインについて焦点を当てて検討をするのか。道路構成や交通量のことなどに至 るまで考えを広げて検討を行うのか。 事務局:目標としては説明にあったような舗装や照明など具体的なものを検討していただきたい。また, 現在の幅員を前提としていただきたい。 委員等:場所と交通量と状況に応じて形が変わってくるかと思いますので,その辺の議論は後々行って行 きたいと思う。 委員等:電柱の地中化との連動性はあるのか。今回のデザインが反映されるのか。 事務局:電柱の地中化については,市内の幹線道路や景観に配慮すべき地域,伝建地区などを優先的に整 備している。要望は多いが整備の進行が遅いのが現状である。コストが高いことに加えて,特に 細街路では変圧器の設置について,付近住民にコンセンサスをとるのに時間と労力がかかるのが 現状である。 委員等:現況の幅員の中で,道の使い方やソフト面の方向性についても委員会の中で議論できればいいと 思っている。 委員等:景観や人の流れ,使い方,感じ方についても一緒に考えてもよろしいか。 委員等:看板条例は制定されたが自販機などに対する規制はどうなのか。野放しの状態となっており,街 並み景観を阻害していると思われる。 事務局:自販機に広告があれば屋外広告物条例でコントロールすることは可能だが,2㎡以上の広告を対 象としているためきめ細やかなことはできていない。伝建地区などについては,広告のコントロ ールが充分ではなかったが,新景観政策にあわせ,しっかりとコントロールしていきたい。 委員等:デザインそのものを考えていくことが大事である。 委員等:自販機だけでなくコインパーキングの黄色も最近よく目立つ。 委員等:屋外広告物の色彩のところで,自販機は市のおすすめ色というのが決められているかと思う。 委員等:なぜ様々な舗装材が使用されているのか。どういう経緯でこうなったのか。長期的なビジョンが 見えていないことが原因ではないか。具体的なビジョンがあるのか。また全体的な流れについて の説明を行って欲しい。 事務局:風致や景観の位置づけが決まっている場所については,各部署と連携を行った上で,さらに地元 の意向も確認した上で決定している。全体的なビジョンがあったわけではない。位置づけのない 場所については,設計者の判断で進めていることが多い。 委員等:道路は繋がっている。流れは必要である。そういったことも重視して考えられたらよい。 - 1 - 委員等:市民の意見を反映した結果が現状であるとも言える。市として指針を強制的に推し進めていくこ とはできるのか。 事務局:当委員会では大きいコンセプトについて提言していただきたいと思っている。次のステップとし て,デザインマニュアルとして具体的なもの,骨子および肉付けを行っていくことを考えている。 委員会とあわせて庁内の作業部会でも議論をしていきたいと思っている。活用と推進方法につい ても検討していきたいと思っている。 委員等:市民の意見を聞いて進めることが重要だと思う。意見の聞き方も重要で,一方的に聞くのではな く,意見を突き合わせていくことが重要と思われる。 委員等:『地域の個性』について,地域の文脈とは何かを把握することで道は開けると思う。『市民活動』 (日常)と『観光行動』 (非日常),一つの拠点を目指すのではなくそれらを結ぶ区間での移動行 動の中でおもしろさを味わってもらおう。観賞場所,景観を見る上での視点場としての道の役割 も重要視されると思われる。地域性によって植栽のあり方が違うと考えられる。官庁街は高木が 求められ,庶民的な低層の住宅地では低い植栽,植木などがマッチするのではないか。 委員等:地域の個性やコンテクスト,拠点等と言ったキーワードが出された。異なる文脈の結節点が重要 であると考えられる。街路のデザインに真・行・草という言い方がある。都市の大きなスケール からヒューマンスケールに行くに従って連続的な変化が見られる。京都らしさの本質の一部が道 路の理念の考え方に活かされるのではないか。 委員等:有識者だけでなく,市民や観光客,外国人観光客の意見なども重要ではないか。 委員等:自転車のルールづくりができていない。安全性が重要である。人と自転車と車の通るところが美 しい形で表現できればよい。場所によっては,景観への配慮がなされていないところもある。観 光事業で外国人にアンケートを取っているので,道の印象についても聞いてみてはどうか。京都 は日本を代表する都市なので,人,物,観光など全てについて品質の良いまちであることを期待 している。 委員等:自転車に対する京都市での試みについては何かあるか。 事務局:昨年の道路交通法の改正に伴い,京都市でも市域内全体で自転車の空間をどうするか検討中であ る。自転車と歩行者の共存のために,ハードの整備だけでなく,ルールの徹底やマナーの向上な どといったソフトについても考えて行きたいと考えている。 委員等:自転車レーンの視認性を高くしたがために景観にそぐわない事例もある。フランスの事例だと, レンタルの自転車自体を重たくしてスピードが出ないようにしている話もある。 委員等:違法駐輪は景観を台無しにすることもある。駐輪場整備も道のデザインと関連する重要なことで あると考える。 委員等:今回のデザイン指針を参考とし,管理している国道にも反映させていきたいと考えている。自転 車事故を防ぐために,モデル地区として五条通に自転車専用レーンを設けることが決まっている。 歩道幅員が狭い部分では,歩行者と自転車の動線を分けることは難しく,今後の課題だと思って いる。 委員等:通常,自転車は車道を走ることに決まっている。ヨーロッパでは,歩道の中に自転車と歩行空間 を目立たない金具などで区分し,市民が厳しくルールを守っているという事例がある。ソフト面 が大事だと思われる。工夫すれば狭い中での棲み分けは可能だと思う。 委員等:パリやリヨンでは自転車ステーションシステムが採用されている。拠点にレンタサイクルが集中 していない良い例だと思う。 委員等:出町柳にある民間のレンタサイクルでは,昼間の利用者と通勤時間帯の利用者のバランスがよく, 違法駐輪と駐輪場の問題の両方が解決できている。市の指導でそういったことを進めて行くこと ができるのではないか。 事務局:京都市でも駐輪場の整備とあわせてレンタサイクルの検討も行っているところである。自転車道 の確保が重要になってきている。京都市は戦災を受けておらず道が非常に狭いため,自転車通行 可の歩道を地域内に設けている。自転車通行帯を設けているがなかなか徹底されていないのが現 状である。ハード面の整備と共にソフト面や取り締まりを行いながら進めていきたいと思ってい る。景観面も含めながら総合的に考えていきたいと思う。 - 2 - 委員等: (デザイン台帳:北山通り)統一性を出すために,色の連続性や目地の通り,質感,デザインの切 り替わりについて考える必要がある。基調の色は落ち着いたトーンとした場合,商業地や人の集 まる場所は明るいトーンとするなどのバリエーションがあっても良いのではないかと思う。全て 整備することは無理なので,デザインの密度や全体像が見通せるような検討を行っていきたい。 委員等:サイン計画についてはどの程度進めていくのか。バス停と企業広告についてはどう考えているの か(大阪市は企業が上屋を提供,土地を市が提供)。次回には路面の素材の整理した資料の提示を していただきたい。また,委員会で指針について検討を行っている最中であるので,庁内での周 知と道路に関わる大きな変化が行われないようにチェックをしつつ進めていただけたらと思う。 事務局:サイン計画について,法令で決まっている部分については変えることは難しい。ただし柱や版の 背面については委員会の中で議論していきたい。案内板については統一的なデザインを検討中と のことである。バス停については交通局が管轄となるので,確認を行う。路面の素材については 資料を揃えておく。最近はバリアフリーの観点から透水性の舗装へ変えられてきている。プロジ ェクトチーム会議を庁内で設けているので,その中での議論を行っていく。 委員等:路面材などについてどのようなところで制作されているのか知りたい。京都はものづくりのまち であり,構造物にもこだわりを持ちお金をかけずに京都らしいものができるのではないか。 委員等:お金をかけず,例えば面取りをするだけでも雰囲気がある。 委員等:京都製のものをつくってはどうか。大量生産で価格を抑えられるのではないか。デザインは,形 と素材,色が重要である。また,舗装材の貼り方などでの工夫できる。市バス車体の広告にも見 られるように,市民の美意識が欠落していると考えられる。 委員等:京都の街路樹について,京都市ではイチョウが色づく頃に刈り込まれてしまっている。環境教育 の一環としても植物の本来あるべき姿を大事にすべきではないのか。難しいのであれば,刈り込 まないですむ樹種などを検討してはどうか。また,自転車と歩道の境界を緑(植物,コケやトク サなど)としてはどうか。 委員等:街路樹については技術面から考えていく必要がある。京都の規格にあった樹種を選定する必要が ある。 委員等:剪定の話は,一番目として市民からの苦情,二番目としては市電時代の名残だと聞いている。 事務局:街路樹の剪定は2年に1回実施している。規制が厳しく,建築限界線で枝葉の茂る空間が規定さ れ,大型車の影響で道路側の枝はほとんど切る必要が出てくる。また年末年始の工事規制に伴い 剪定の時期が限られている。そこに市民の協力が得られるかどうかである。京都の街路樹の変遷: クロマツとヤナギが多かったのが松食い虫やカミキリ虫の被害などで激減した。三山へのビスタ を強調するとしてイチョウが選定された。 委員等:ガードレールの代わりに低木植栽を一律に行うのではなく,眺望や周辺の山々との連続性から考 える必要がある。また視界を遮らないような工夫も必要である。 委員等: (総括)事務局から調査報告と課題テーマの提示があり,その提示に基づいて様々な議論を行うこ とができた。自販機の色,電柱の地中化の問題,歩行者と自転車の共存と自転車道の安全性をど う考えていくのか,レンタサイクルや諸外国の事例なども含めて考えてはどうかという意見,地 域の個性という点から拠点や文脈というからどう考えていくのか,海外から来た人から見た道の あり方を視点に取り入れるという意見,サイン計画やバス停の上屋,素材や質感,色などについ ても委員会の中で考えていく必要があるのではないかということ,市民の美意識をどのようにと らえていくのか,緑や自然と教育の関係性と本来あるべき樹木の姿など,理念から個々のデザイ ンの詳細に至るまで活発な意見をいただいた。次回も引き続きよろしくお願いいたします。 - 3 -