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注意!PC・TVゲームのし過ぎ! ゲーム脳 不気味な少年・・・ 約束を100
「早寝・早起き・朝ごはん」シリーズ① 不気味な少年・・・ 注意!PC・TVゲームのし過ぎ! 人間と動物の違いは何かというと、 『前頭前野』 が発達しているかどうかです。 多くの動物は前頭前野がほとんどなく、猿は ほんの少しあります。しかし、人間のように広 くはありません。 ※前頭前野とは・・・ ①論理的な思考を司るところ ②抑制信号を発信するところ ③一時的な記憶装置の役割 ④新しい発想を生み出す役割 など、人間にとって重要な場所なのです。 ゲームが出始めたのが 1983 年 頃ですから、今の若い親の世代 は既にゲームっ子だった人もいる ことになります。 最近は以前ほどゲーム機のことが話題になら ないようですが、ゲームが子どもの脳の健康に 及ぼす悪影響を指摘する医学博士がいます。 その人は、日本大学の森昭雄教授(医学博士) です。 ゲーム脳 森教授は、人間らしい感情や創造性を司る大 脳の前頭前野の活動が、テレビゲームをすると きに目立って低下することを、脳波測定実験で 突き止めた人です。 また、ゲーム時間が長い人ほど低下の程度が 大きく、ゲームをしないときも、活動レベルが 回復しないことを発見し、それを【ゲーム脳】 と命名しました。 一日に十時間ゲームをしている少年がいまし た。運動会で全員リレーがあったとき、彼は自 分がバトンを渡すべき友だちが分からなかった のです。不思議に思った先生が「もしかしたら、 クラスの友達の顔が分からないんじゃないの?」 と聞いたら、 「はい」とその少年は答えたのです。 しかも「ぼくは小学校6年生の時もクラスの子 の顔も名前も全然覚えていませんでした」と、 自慢げに言ったそうです。「それでさびしくない の?」と聞いても、 「そんなことは全然ない」と。 授業中もゲームのことばかりを考え、一人で ニヤニヤと笑っている。友達は「不気味」だと 恐れていました。 しかし、国語の授業で、この中学生と同じよ うな少年の話が載っていて、「これは自分じゃな いか」と気づいたようです。そうしたら立ち直 りは早かったそうです。 約束を100%忘れる女子学生 深刻な問題が出てくるのは二十歳を超えてか らと森教授は言います。 森教授の所に相談に来ている大学4年生の女 子学生がいます。彼女は、小学校1年生の時か ら、毎日7時間もゲームをしていました。 「明日は何時に」という約束をしても、百% 忘れています。電話をすると「何でしたっけ?」 と約束を覚えていないのです。前頭前野の記憶 装置が働かず、記憶力が落ち、忘れっぽくなっ ているからです。このような人は、無気力にな るため、身の回りの整理ができずキレやすい。 家庭でできる対策は? ゲームと脳の関係で最も問題となるのは、「ゲ ームをやりすぎることで、 前頭前野が発育不全になる」 ということです。つまり、 上記の①∼④の機能が低下し、 人間らしさを失うことになり ます。 ゲームを長時間すると、人間の右脳の機能が 低下していきます。 右脳が働かなくなると、 A 抽象的なものが表現できなくなる B 芸術的なものに興味がわかなくなる C 美しいものに感動しなくなる D (自分だけの世界に入り込んでしまい)他 人とのコミュニケーションがとれなくなる などの弊害が出て来るのです。 「ゲーム脳」の子どもは、ほとんど本を読ま ないという実態があります。ゲームを禁止する だけでは子どもは変わりません。「代わりにこれ をしてごらん」と提示してあげることが必要に なってきます。 そこで、森教授が奨励している例を紹介しま す。 ◎「声を出して本を読みましょう」 ※ゲームを三十分するのならその三倍は 本を読む ◎「ゲーム以外の趣味を持ちましょう」 ◎「一日に三十分以上は散歩をしましょう」 ◎「三、四個で、お手玉をしましょう」 ゲームからは視覚的な情報は入ってきますが、 「言葉を交わす」という、人間だけが持つ現象 が薄れていきます。それにより、前頭前野の発 育不全になっていきます。 -1- 体に健康が必要であるように、 子どもの「脳」の健康を考えて あげるのも大人の責務でしょう。 (文/教頭 山中)