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駐在員便り - 日本産業機械工業会

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駐在員便り - 日本産業機械工業会
駐在員便り
シカゴ
7月より松本の後任としてジェトロシカゴ事務所に着任いたしました川内と申します。今月より、
海外情報をご報告させていただきます。前任同様、ご指導・ご支援を賜れば幸いに存じます。どう
ぞよろしくお願い申し上げます。この駐在員便りにつきましては、米国での生活を通じて、気づい
たことや感じたことなどを率直にご報告していきたいと思います。
シカゴに到着してから早くも一月が経過しようとしています。周囲の方々に助けられているおか
げで、仕事や生活環境にも徐々に慣れてきました。今回は渡米直後の出来事を振り返りご報告した
いと存じます。
7月31日、妻や2人の息子、両家の両親が成田空港までお見送りに来てくれました。私自身、
海外赴任は今回が初めてであり、まずは生活基盤を整えてから家族を招聘しようと考え、今回は単
身で渡米することとしました。直前まで海外で生活をするということが現実的に意識できていなか
ったのですが、出国ゲートの前で子供たちと別れると、暫く会えない寂しさが全身を貫き、ようや
く実感がわいてきました。
成田発16時半の便で、同日の14時頃にシカゴオヘア空港に到着しました。約12時間のフラ
イトでしたが、寝てしまえばあっという間です。今回は日系の予約が確保できず、米系大手航空会
社を使いました。機内は狭く、個人用モニタも無く、キャビンアテンダントの対応もそれなりと、
ここまでは事前に聞いていたとおり、想定の範囲内でした。しかし、予想外に辛かったのは、エア
コンがガンガン利いて肌寒かったことです。両隣の体格の良いアングロサクソン系の方々は至って
平気そうでしたが、半袖ポロシャツに短パンというラフな格好の私はブランケットにくるまってお
りました。手荷物の中に一枚くらいは何か羽織るものを入れるべきと後悔しきりです。ただ、機内
食で出された鶏肉の照り焼きは味付けも良く、何より温かかったため、これが唯一の評価できる点
でした(もちろんフライト自体は安全・安心です。その点は付け加えさせていただきます)。
夏休みシーズンのためか入国審査は長蛇の列でした。飛行機が着陸してから到着ロビーに出るま
で1時間以上もかかり、オヘア空港に迎えに来ていただいた松本さんをだいぶお待たせしてしまい
ました。その後、空港近くのホテルでスーツに着替え、ダウンタウンにあるジェトロシカゴ事務所
に向かいました。郊外からダウンタウンはハイウェイで1時間弱の距離ですが、今回は運悪く混雑
する時間帯にぶつかってしまいました。
事務所に着いた時には予定時間を大幅に過ぎており、既に歓送迎会は始まっておりました。今回
の対象者は、次長と産業機械担当ディレクターの交代の4名です。新旧次長と松本さんの挨拶が終
わり、次は私の番です。当然、英語でのスピーチになるのですが、緊張と時差ボケのおかげで事前
に考えていたセリフが全く出てこず、苦し紛れに日本語で挨拶してしまいました。最初から失敗し
たなと思いましたが、ナショナルスタッフの「It’s OK」の一声で、だいぶ救われた気がしました。
二次会は日本人駐在員メンバーを中心に開催されました。場所は、事務所から徒歩で3分くらい
の距離にあり、駅に隣接するビルの地下1Fにある「Simply Thalia」というお店です。このお店
は全米で展開されるタイ料理のチェーン店ですが、寿司や変り種の巻物も扱っており、値段もリー
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ズナブルなことから、ジェトロシカゴのメンバーもたまに使っているとのことです。
アメリカナイズドされた寿司も(意外と)美味しく、去られる方々の思い出話を中心に盛り上が
っていたのですが、二次会が開始してから1時間を過ぎた頃に、誰かが「トイレに行ってくる」と
席を立ちました。ところが、なかなか戻ってきません。不思議に思っていると、どうやらトイレが
見つからなかった様子です。なんでも、このビルでトイレがあるのは上の階なのですが、そこまで
行けなくなっているとのことです(後に知ったのですが、このビルは多くのテナントが閉まる19
時になると、エスカレータは下りのみ、エレベータは特定のフロアにしか止まらなくなる仕様との
ことです)。お店のスタッフに「あなたたちはどこでトイレをするのか」と聞いても、「この時間は
トイレが無い」との返事。これは緊急事態と二次会開始から1時間ちょっとでお開きになり、トイ
レに行きたい人々は足早に事務所に戻っていきました。
日本では至るところでトイレを借りることができるので、都心で行動する限りにおいてはトイレ
がどこにあるかをあまり意識する必要性は少ないと思いますが、こと米国において、トイレは基本
的に駅やコンビニにはありません。また、オフィスビルの場合は鍵がかかっていたりすることもあ
ります。よって、外でお酒を飲む際には、事前にトイレの有無と使用可能な時間帯を確認したほう
がよいと思います。なお、ホテルや空港、百貨店やスーパーマーケットなどの施設にはトイレは設
置されておりますので、ご安心ください。
トイレ自体は日本と同様の清潔さです。ただ、不思議に思うのは、トイレのドアや壁が床下から
50 ㎝ほど無く、外から見ると、中に入っている人の脛のあたりまでが見えるような構造になってい
ることです。これは、トイレでの犯罪を防止するための配慮とのことですが、最初はなんとも落ち
着きません。ドアに備え付けられた鍵が非常にゆるいことも少し気になります。また、ウォシュレ
ットも見かけたことがありません。他方で、液体石鹸や、ペーパータオル・エアタオルがほとんど
の場所で設置されている点については好印象です。これは人から聞いた話ですが、ヨーロッパ諸国
に比べれば、米国はかなりましなほうとのことです。しかし、トイレ事情については日本が最高で
あることには間違いなさそうです。
初回からトイレの話ばかりで恐縮です。今後、
公私にわたって得られた様々な経験の中から、
シカゴでの生活の一端をご紹介できればと考え
ております。
ジェトロ・シカゴ事務所
産業機械部
川内
拓行
ジェトロシカゴ事務所ビル(中央)
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