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虫の歩行と多足の有効性

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虫の歩行と多足の有効性
虫の歩行と多足の有効性
a209017 江口怜人
私は虫の歩行と多足の有効性について調べました。
さて、当然ながら虫というものには足が複数あります。この足たちを虫はどのように動か
して前へ進んでいくのでしょうか。
重心
すべてのものには「重心」というものがあります。これはその物体の重さの中心で、その
物体のすべての重さはここに集まります。簡単な例を挙げると、
↑
鉛筆だったらこの辺り
指一本で鉛筆を持ち上げてみてください。この点の下あたりに指がくるはずです。そこの
付近に全体の重さが集中しているためです。
歩行
鉛筆を支える一本の指を少しずらします。すると鉛筆は落ちてしまいます。それは、重心
を支えるものがなくなってしまったからです。
これは、生物の歩行にも大きく絡んできます。生物が歩行するためには、この重心が常に
支えられた状態である必要があります。つまり、足が体の重心をしっかり支えていないと
落ちてしまった鉛筆同様、転んでしまう、ということです。
カメラの三脚は安定しています。それは足の接地点を頂点とする多角形の中に重心が入っ
ているからです。
虫の歩行
この重心を踏まえた上で、虫(昆虫)の歩行法を見てみましょう。
虫を観察したところ、虫は 6 本の足を 3 本ずつ動かし進んでいました。
虫の歩行パターン
赤丸が接地している足、青丸が持ち上がって浮いている足です。
3
2
1
4
5
6
7
8
9
10
11
11 以降は 6 から繰り返しになります。
この簡単な虫の重心を考えてみます。だいたい虫の中心と考えます。
これから歩くときの各プロセスの重心を考えてみます。
三脚と同様どんな歩行の過程であっても重心が接地した足を頂点とする多角形の中にあり
ます。これにより虫は常に安定した歩行をしていることがわかります。
多足歩行によるメリット
先ほどのように虫は常に安定した歩行が可能です。虫の歩行方法というのは三脚二つが交
互に歩いているようなものです。
歩行が安定しているので虫の歩行は悪路を進むのに適しています。どんなでこぼこの道で
も転ぶことがありません。
沢山体を支える足があるため、壁にくっついたときに足にかかる重量が分散します。壁面
を歩くときも常に多数の足が壁に引っかかっているので、安定して歩けます。
M
M
M
1
M
3
1
M
3
1
M
3
多足歩行のデメリット
多くのメリットを持つ多足歩行ですが欠点もあります。
制御が大変になります。多くの足をそれぞれ別の動きをするからです。
多くのエネルギーを使うことになります。
虫の歩行は高い安定性と走破性を兼ねそろえた、良い歩行法です。新しく生み出すばかり
でなく、元あるものを良く知ることも重要です。
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