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【全地区概要】(PDF文書)

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【全地区概要】(PDF文書)
平成27年度 まちづくり懇談会
全地区会場の要旨
平成27年11月1日(日) 13:30~15:20
議会棟大会議室 参加者 15名
市長:みなさんこんにちは。だいぶ秋が深まってまいりました。今日は午前中市民の森で「育
樹祭」という行事がございまして、私も植林をしてまいりました。非常に凛とした空気の中で
気持ちの良い作業ができたと思うと同時に、改めて自然の持つ人の気持ちを落ち着かせてくれ
る環境を感じたところでございます。こうしたすばらしい茅野市の自然をしっかりと残してい
くことも私たちに課せられた大きな課題でありますし、これが良いまちづくりになり、人口減
少に立ち向かっていくことにもなるかと思います。さて本日はお忙しく、天気も良くお出かけ
になりたいという中、まちづくり懇談会にご参加いただきありがとうございます。毎年その
時々のテーマに沿って市民の皆さんと意見交換をさせていただいておりますけれども、本年度
は「人口減少時代に立ち向かう」ということで今国を挙げて取り組んでおります。地域創生の
茅野市の取り組みについてお話をさせていただき、意見交換をしていきたいと思います。人数
も多くありませんので、最初に説明をさせていただいて、輪になって意見交換ができれば良い
かと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
市長:
─テーマと資料の説明 内容はちの地区を参照─
市長:これだけの人数ですのでざっくばらんに意見交換をさせていただければと思います。よ
ろしくお願いいたします。せっかくの機会ですので先程説明いたしました人口ビジョン、総合
戦略について、ご質問あるいは気になっていること、ご提案がありましたら気兼ねなくご発言
をいただければと思います。
市民:説明は良く理解できました。いただいた資料でもそうですが、茅野市は福祉というと老
人のことを主体にしています。私が思うには0歳児から全員が対象だと思うのですが、どうも
福祉というと高齢者が主体のように受け止められます。少子高齢化に対しては思い切った対策
が全国的に広がらないと対応できないと思います。茅野市には子育て世帯が何件あるかの計算
に基づいて、せめて小学校時代は100%支援すればどうですかと思うのですがいかがでしょう
か。
市長:おっしゃるようにかなり思い切ったことをやらないと、3人お子さんを持てないかと確
かに思います。要は経済的支援のことだと思いますが、これは茅野市ではかなりやっています。
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思い切ってやっているかと言えば、そうでないのが実情でして、それなりの予算がないとでき
ないという部分があります。そこをどうやり繰りするかということだと思います。そんな中、
本年より第3子の保育料を半額にさせていただきました。正直予算的に4,000万円位多くかか
ります。1年位支援するのであればそれほど難しくはないのですが、一度やれば永遠にやり続
けなければならないことが財政上厳しいということです。この中で高齢者福祉等とバランスを
とりながら重点化していく考えでおります。思い切った対策ができれば良いのですが、なかな
か難しいということでご理解いただきたいと思います。高齢者福祉も予算的な伸び率で行くと
非常にウエイトが大きいです。特に介護保険は非常に充実してきていますが、介護保険を受け
ておられる方は毎年増えていまして、毎年諏訪6市町村で16件程増えております。その16件に
予算を使わなければ思い切ったことができますが、そうもいかないということであります。今
後は新たな視点をもって取り組んでいきたいと思います。
市民:ありがとうございました。敢えてこの問題を聞いた理由は、子育て世代の人たちは生産
人口であり、そういう人たちが茅野市に集まらなければ結果的に企業が衰退してしまうことに
なるということです。その辺を考えてもらえればと思います。
市長:卵が先か鶏が先かという部分はありますが、全部関係していると思います。一銭もお金
がかからなければ別ですが、仕事がなければこの地に住むことができなくなります。またこの
地に住んでくれるから仕事が増えるということもあります。この関係の修復に常に取り組んで
いかなければならないと思います。働くということが大きいウエイトを占めて収入が安定すれ
ば、経済的支援がなくても何とかしていこうとなるでしょうし、正社員として働けるような環
境をいかにしてつくるかという政策をとっていかなければならないと思います。
市民:広報ちのを見まして、これは非常に面白いと思ってきました。日曜日にこれだけの市の
幹部職員が集まっていてびっくりしましたけれども、意見交換は非常に良いことだと思います。
私は偉そうなことは言えませんし、内容的なことはよくわかりません。今日はたまたま「人口
減少時代に立ち向かう」ということでして、地域内外の問題だけでなく国で言っていることだ
と思います。国でやることと地方でやることは違うとは思いますが、私たちが子どもの頃は日
本の人口は多すぎると言われていました。人口密度が上から何番目と言われていましたが、そ
れは良いことではなくて、人が多すぎるという例えで人口密度という言葉が盛んに使われまし
た。そういう観点からすると、国自身も人口減少を問題にするとすれば、産業政策上の問題で、
大企業の仕事がなくなれば困る、世界の産業界で負けたら困るということだと思います。人口
が国力であることは非常に言われています。私が子どもの頃はむしろ適正人口の方が問題にな
っていました。そのことが良かったかはわかりませんが、茅野市だけで考えたときに、経済力
からして適正人口はどれくらいなのか逆に考えると良いと思います。ですから人口が減ること
にびくびくせずに、どれくらいの人口なら安定した地域を維持できるのかという切り口もあっ
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て良いと思います。黙っていてもどんどん人口が減るので国から怒られてしまいますが、私は
適正人口という考え方も大事ではないかと思います。市としてはただ人口を増やすだけでなく、
違う視点もできるかと思います。自然増と言うとすぐに赤ちゃんをいかに増やすかという議論
になってしまいます。国全体としてみるとそうですが、地域で見た場合本当に自然増だけでや
っていけるのかという点で、例えばモノを消費する人がいればそれで十分産業が成り立つわけ
です。産業とか経済力で考えた場合にどの位の人口がいれば良いのか、やはり年齢構成もピラ
ミッド型が望ましいです。しかしピラミッド型を作ろう作ろうと思うとかえって難しい話にな
ります。今日は「人口減少時代に立ち向かう」がテーマということで、敢えて難しい話をして
しまいました。
市長:その視点は非常に大事だと思っています。まち懇をしていても「茅野市は何人くらいの
人口が良いのか」と聞かれることがあります。「何人になれば市としてやっていけなくなるの
か」という質問を受けることもあります。正直言って何人が適正かズバっと言うことは難しい
ですし、人口が減れば減ったで良いまちづくりができれば良いと思います。ただ子どもの数が
減ってきているということは実感しています。学校の現場に行っても、自分が子どもだったこ
ろと比べて活力がないという気がします。人口は4万人なら4万人、3万人なら3万人で良い
と思います。むしろ人口構成が極端に高齢者に偏ってくるのが問題かと思っています。
市民:自然減というのは、亡くなる方と産まれてくる方の数の差です。高齢者が増えれば当然
自然減になると思います。高齢者は非常に費用がかかる存在ですが、当然赤ちゃん以上に消費
をします。経済力があるから生きていられるのだと思います。そういう意味では高齢者は高齢
者として見て、若い人は若い人として見て、自然減・増という言葉はあまり気にしなくても良
いと思います。増やすなら高齢者を増やしても良いと思います。高齢者を増やしても必ず死に
ますからまた増やせば良いです。それを赤ちゃんで埋め合わせようとすると難しいので、高齢
者を外部から連れてきてはどうかと思います。実は私は茅野市に住民票を移していないもので
すから統計上人口に含まれていません。二地域住民ということでこちらには半分お世話になっ
ている形です。住民票を移そうという気はないわけではないです。しかし1人になったら慣れ
たところに戻らざるを得ないと思います。いずれにしても高齢者にもいろんな人がいます。相
当消費もしていることと思います。あまり自然減・増にこだわる必要はありません。自然増に
するために赤ちゃんを増やそうとするのは国が考えなければならないことだと思いますので、
赤ちゃんを増やす方向性、若い人を呼ぶ方向性だけを真剣に考えれば良いと思います。大きな
話で申し訳ないですが切り口としてどうかと思います。
企画総務部長:人口ビジョンの関係で市長の方から説明がありましたが、2060年に45,000人と
いう展望人口になっています。人口が増えも減りもしない出生率2.07で人口流出が止まったと
しても、グラフではまだ下降しています。人口ビジョンのシミュレーションだと、2090年に
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39,000人位の人口になってようやく3世代のバランスが良くなり人口が均衡するという試算に
なっています。今から75年後に4万人を切ってようやく均衡するような大変な話です。また先
程国の問題ではないかという話がありましたが、国では社会増減は関係なく出生率だけ見てい
ます。1.8という出生率を2.07までにしようと考えており、それだと日本の人口は9,000万人で
均衡するという試算になっています。東京では毎年10万人くらいの人が地方から流入して成り
立っているので、地方で人口供給が止まってしまえば東京に対して人を送り込めなくなり政策
自体が立ち行かなくなってしまいます。だから国はここへきて国を挙げての地方創生と言って、
地方に対し子育てなどに力を入れるように言っています。
市民:人口が減るのは悪くないのではないですか。減ったら困る理由があるはずなので、それ
をどうやってクリアしていくかが問題です。人口を増やすのであれば子どもを産むように促す
こと、お年寄りを元気にすることです。日本の今の構造からしたら変わらないことです。私の
周辺では20年前子どもの数は平均して1軒2.5~3.5人でした。公園に行ったら友達がいて、子
どもを育てやすい環境、安心して育てられる環境だったので、それだけの予算が国にあったの
だと思います。どういう不安があるから子どもを産まないのか、それをどうクリアしていくの
か、それには税金も投入していかないといけないと思います。確かに人を外から引っ張ってく
ることもできますが、年齢の高い方が来ていただいても行く行くは大変になると思います。病
院がある、住みやすい、自然が近いなどの条件がありますが、いかに人間らしくいられるか、
自分の生活水準をどこに持っていくかが大切だと思います。こちらに来るとなると仕事が変わ
り、収入も減ると思いますが、一番はそれで生活ができるかです。貯蓄がいっぱいある人なら
別ですが、これから子育てしていく人にはその辺が課題になります。ここは茅野市というより
も八ヶ岳、蓼科があって、茅野市はそこに付け加えられているイメージがあります。外部の方
は自然環境が魅力で茅野市に来るのだと思います。生活は多少不自由になりますが、生活でき
るような支援ができれば良いと思います。また高齢者の方には生きがいを持ってもらい、意欲
をもって体をしっかりとつくってもらうと活性化につながるのではないかと思います。昔の70
代と今の70代は全然違いますからね。その辺を一つのキーポイントにされれば良いと思います。
市長:実際に茅野のファンだとおっしゃってもらえて嬉しいです。こちらに来て生きがいとい
うか、何かなさっていますでしょうか。
市民:実は八ヶ岳の西側が好きで、昔は原村にいたこともあります。今は茅野の方に住んでい
ますが、総合的な自然環境というか、非常にバランスがとれています。また失礼ですが行政や
教育、インフラも場所の割に整っている方だと思います。私は神奈川県の藤沢市に自宅があり
ますが、40数万人の人口があり非常に活発なまちです。湘南があり海に住みたい人にうってつ
けだそうです。全国的にも珍しい人口が増えている自治体で産業も活発です。こちらでは産業
がどうかというと、近代的な産業はないかもしれませんが、長い文化を維持してきたという魅
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力があります。好き好きですが自然もあり良いまちだと思います。自信をもって前向きな施策
をやっていただければと思います。そうするともっと人が集まると思います。何も何100万人
の人口にするというわけではないのですから、あと数万人のファンをつくれば良いと思います。
55,000人の人口がいて、仮想人口としてあと2~3万人いれば、行ったり来たりするだけでも
消費が増え経済力が向上します。安直な経済活性化策という気はしますが、セオリー通り少子
高齢化を解消して人口を増やそうとするとすごく大変だし、それよりは楽にできると思います。
私はファンとして安直なことを言っていますが、1つの視点として持ってもらっても良いと思
います。
市長:視点としては良いと思います。特に子育て世代でこちらに移住を考えている人はいます。
移住促進のイベントなどは、前は高齢者向けでしたが、今は30代の若い人も会社訪問や会社紹
介を含めてやっています。ちょこちょこ応募してくる人がいまして、空気の良いところで働き
たいという流れがあります。ネックになるのはちゃんと生計が立てられる仕事が確保できるか
ということです。
市民:女の人で問題になるのは、近隣と馴染めるかということです。そういう方は街よりも山
の方が良い、近くに家がないところが良いという方が多いです。結構若い方が農業をされてい
て、聞くと儲かるとのことです。寒暖差が激しい中でおいしいものが作れます。いかに収入に
なるスキルを作るかということを考えても、農業は良いのではないでしょうか。市民農園にし
てもあれだけの畑があり、借りてうまくやっている人が多くいます。ちょっと視点を変えるだ
けでビジネスは結構あると思いますし、観光客は来てくれると思います。もっと旅行者とか都
会の人にPRすれば人は集まると思います。今年は例年よりも観光客が多いです。軽井沢では
浅間山が爆発したりとかありましたが、観光客は一切減っていないですし平日は海外のお客さ
んが来ます。毎月イベントがありそれにあわせてツアーを組んでお客さんを引っ張ってきます。
市長:そこのところはまさに大きい課題です。素材は良いのですがうまく生かし切れていない
というか。うまく研究していかなければならないと思います。
市民:茅野市に限りませんが大都市周辺以外は地価が非常に安いです。若い人が家を持つとな
ると首都圏では5,000万円は下らないです。土地代は坪60万~70万円しています。茅野市では
その10分の1以下で坪10万円しないのではないかと思います。ですから若い方が家を持つとき
に相当安く建てられます。建物の値段は高いかもしれませんが知れていると思います。住居だ
けでなく、土地が安いことは産業にも貢献していると思います。茅野市はそれなりに土地が多
いわけですので、土地をもっと活用できるようにすればよいと思います。今都会ではマンショ
ンが盛んに建設されています。一戸建てを持ちたいけれどとても無理という人に需要がありま
すが、値段的には一戸建てと変わらないと思います。それでもマンションを買いたいという方
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はいまして、隣近所もなければ町内会もなく、一戸建てよりも面倒ではないということです。
茅野市では土地が安いですから都会に比べてマンションを建てる必要がないです。むしろ戸建
てのマンションの方が良く、一般的なマンションを建てなくても需要があると思います。市営
住宅も戸建てにした方が案外良いかもしれません。都会に比べたら土地が安いということのメ
リットとして何か考えられることはないかと思います。
市長:普通若い連中が家を建てると言えば2,000万円台ですね。
市民:向こうで家を建てる方は所得も多いです。また長期のローンで返せるだけの安定した仕
事に就いています。例えば大企業に勤めていて、退職金を含めれば返せるという目安があるか
ら5,000~6,000万円の家を建てるわけです。それだけ投資していたら子どもを何人も持つとい
うことは難しいと思います。そもそも居住費にお金がかかっていますから教育費に回らないと
思います。子どもがほしい人は少し不便にはなっても、地方で子育てすると思います。何か一
つスイッチを切り替えてあげるとうまくいくと思います。それが何か私には知恵がありません
が。
市民:市長が数年前に言ったちょっと「不便だけど人らしく生活できる」という言葉、そこに
何かキーワードがありそうですね。
市民:多分そこだと思います。駅の上に立った時のあれだけの景色、誰が来ても良いところだ
と思います。でも現実に来ようとするとハードルがあります。
市民:地方から都会へ行った立場で話をさせてもらうと、今年の2月に呼ばれて横浜へ行きま
した。自分の宿泊費を払って出ようと思ったら、宿泊費と駐車代が同じくらいで、すごくびっ
くりしました。物価が高いなりの給与体系があるということでしょうね。
市長:都会のことを経験されている皆さんなのでお聞きしたいが、もう一つ教育の質の問題が
あると思います。子どもたちにそれなりの良い教育を受けさせてやりたいと思ったとき、皆さ
んから見て茅野市の教育はどう思いますか。
市民:どこでも同じだと思いますけどね。基本的に親の考えに子どもはついていかざるを得な
いので。私は大阪の田舎から東京に行って、横浜に行って最終的にこちらに来ました。どこも
一緒でしたが、勉強したり塾に通ったりということであれば、できる限りの支援はしたいと思
っています。
市民:茅野市に限らず長野県では教育に対し親御さんが熱心であることは実感しています。高
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校生はわかりませんが、小中学生は躾レベルの話だと思います。都会に比べれば躾が非常に良
くできていると思います。教室を覗いたわけではなく、道路で会ったときなどの特定の面しか
見ていませんがね。教育という水準かどうかわかりませんが、親御さんを含め子どもに対する
目配りができていると思います。友人が東京から来て車で走っていると、湖東小学校の近くで
下校時間の横断歩道で停まってあげると「ありがとうございました」と言ってお辞儀をしまし
た。都会から来た友人はびっくりしていました。他のところに行ってもそれはありました。例
えば伊那の方に行ってもありましたし、北山小学校でもありました。やはり生徒から見たとき
の先生への信頼感があるからこそ教育・躾ができるのだと思います。茅野市の方の学問的な水
準に関しては私にはわかりません。ああいうことができるのであれば都会に比べて学問的な水
準は低くはないのではないでしょうか。買い被りも知れませんが実感としてはそんな感じがし
ます。
市民:子供たちが、友達に自慢できるまちはどんなまちと思っているのだろうか。彼らがこれ
から育って、支えていくべきところとなるので。
市長:15歳から18歳のアンケートでは「住みたくない」が9.8%、「わからない」が41.7%、
「ずっと住みたい」が11.4%、「将来的には戻ってきたい」が37.1%でした。「わからない」
を入れると「住みたい」という生徒が半分以上です。残ってくれるかと思いますけどね。
市民:女房がインターネットで見つけた店に学生と行ったのですが、佐久の「青春食堂」と言
って学生とコラボして作ったお店です。学生はこんなものが食べたいと沢山注文していました。
古民家を改築して作った店でした。
市長:理科大の学生が駅前でたむろしてくれないんですよ。下宿している人もいますが、電車
で茅野駅に来て、バスで理科大まで行って、帰りもバスでそのまま帰ってしまうというような
感じです。ようするに学生街ができてこないというか、元々市でそういう雰囲気が高まってこ
なかったのですが、雰囲気を高めていければ活気が出てくるかと思います。
市民:ちょっとしたアイデアだと思いますけどね。
市民:教育とは関係ないですがよそ者という立場で1つお願いします。縄文を使うのは非常に
良いことだと思います。ただ縄文は茅野市だけの特徴ではなくて、日本には縄文時代の遺跡が
たくさんあります。縄文を売りにしようとすると、地元からすれば誇りに思えますが、日本で
はそれほど珍しいものではありません。青森県とか九州の方とか他にも立派な遺跡がたくさん
ありますし、遺跡の遺物だけをもって産業化しようとしてもなかなか難しいと思います。市民
をまとめるのに縄文を使うのは、異論はないし良いことだと思います。しかし対外的にあまり
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縄文縄文というのは。かといってここには縄文時代を代表する国宝があるわけですよね。あれ
は5,000年も昔のものだからというだけで国宝になったのではなく、姿形とか出方とか、そう
いう要素を含めて国宝になったのだと思います。縄文時代の遺跡から出土したものは全国にた
くさんあります。ただ国宝になっていなかっただけの話です。あれは造形学的・美術的に優れ
ており、あるいは宗教的かわかりませんがそういう理由で国宝になったのだと思います。私は
まさにそのとおりだと思いましたし、「縄文のビーナス」と名前を付けたのは良い発想だった
と思います。地面の中から出てきたものだからギリシャのビーナス、本当のビーナスに擬えて
名付けたのかもしれませんが、むしろ縄文の「美」ですよね。縄文時代が国宝になったわけで
はなくて、縄文時代の美術的な価値とか形態的な価値とかがあまりにも高くて国宝になったの
だと思います。古いということを売り物にしてイベントをやったりするのは、市民の方には良
いですが、観光客からするとそんなに珍しいことではないかもしれません。私も全国あちこち
の縄文関係を見に行って知っていますが、尖石縄文考古館に並んでいるものはそんなに珍しい
ものではありませんでした。「尖石縄文考古館」という名前ですが、宮坂先生には申し訳ない
ですが、「尖石考古館・縄文美術館」と名前を変えた方が、観光という観点からするとアピー
ル力があると思います。「尖石」なんて名前はあまりにも堅いです。「縄文美術館」と言われ
ると全国的にもないと思います。あるいは「縄文美術館・尖石考古館」の2本立てでも良いと
思います。ただし全国に発信するときには「縄文美術館」にした方が、ツアー会社が飛びつく
と思います。2つの土偶と、噴水のようなものと、蛇の頭の壺の辺のものは非常に価値がある
と思います。縄文の中でも非常に良い遺産だと思います。矢じりとかは別にしてもらい、芸術
的価値があるものを1箇所にまとめた方が観光客にとっては良いと思います。
市長:非常に良いアイデアをありがとうございます。
市民:私の家は介護のお年寄りがいて私たちがいて子ども2人で、息子は結婚していなくて娘
は東京に行ってしまったという、問題を抱えているという程でもないですが典型的な家庭です。
あまり問題にも思っていませんでしたが、人口減少については個人的に心配ではあります。息
子の意見を聞くと、一応正社員ですが給料の伸びは上の世代の方が良いと言っていました。自
分たちのこの先の給料の伸びがあまり期待できないという漠然とした不安は持っているようで
す。今は年金を払っていますが、自分たちの世代になったときに年金がおりないのではないか
という不安も持っています。結婚したいという気持ちはあるみたいですが、今の給料でやって
いけるのかという漠然とした不安があるようです。そういうことを今の息子たちの世代は抱え
ていると思います。正社員ではない友達もいますし、結婚しない人もいますし、地区の中でも
結婚しない人が増えていると思います。そういうことが人口減少につながっていくと思います。
私もどうすれば良いかわかりませんが、頭の中に漠然とした不安があるのだろうということは
感じています。
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市長:そういうことは本当に一地方自治体では如何ともしがたいところではありますが…。
市民:そこが一番問題ですよ。都会の場合はまだ正社員になれる可能性が高いという話もある
かと思いますが、一方で仕事に就いていない方も多いです。その辺は国全体の問題としてある
と思います。ここでどうのこうのと言っていても違うと思います。そういう人たちを救済する
方法として地方にできることはあると思います。土地が安いなどということはその最たること
だと思います。給料が安くても土地が安いのだから総合的な生活費は安くて済むということで
す。地方創生と言いますが、地方でないとできないことはそんなところではないかと思います。
都会で同じことをやろうとしたらできないと思います。
市民:会社をやっていた人間としては実感としてよくわかります。
市長:私たちが育ったころはあまり裕福ではありませんでしたが、あまり心配事もなかったよ
うに思えます。
市民:そうですね。別の家族としてのあれ(絆)があって、結局は支え合ってきたのが今は分
解してしまいました。
市民:独身女性から「誰かいない?」と相談されるのですが、本人がそこまで必死になってい
ないというか、1人でいる方が気楽みたいなところがあります。
市民:街中の標識とかはすごく統一感がなされています。看板が茶系とか緑系に統一されてい
たりしますが、太陽光発電がどんどん増えていますよね。自然エネルギーを利用する点ではあ
れは必要だと思います。しかし観光ということを考えたときに、果たしてどこでもで造って良
いものかクエスチョンマークが付きます。囲いをするとか場所を考えるとかしてもらえれば、
決して反対ではないのですが。
市長:太陽光については2つ課題があります。1つは霧ケ峰で森林を伐採して非常に大きな太
陽光発電施設を造るという課題、2つ目はそれほど大きくはありませんがあちこちにちょこち
ょこできる太陽光発電の課題です。おっしゃるように太陽光は推進していきたいと思っていま
す。茅野市でも節度ある推進の仕方ということで非常に苦慮していまして、ガイドラインや景
観計画の中に位置付けて植栽をお願いするなどしています。お願いはしていますが、義務化は
できていません。国の方で良い規制をしてくれると市の方でも動きやすいのですが、国の方で
は今のところ野放しです。市の方で必要以上に制限してしまうと、裁判になったときに必ず負
けてしまいます。個人の権利を制限することはできないということです。頭は痛いですが決し
て有害なものではないので、ご理解いただきたいと思います。
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市民:建築の許可の権限は地方公共団体が持っていますから、やりようによっては制限をかけ
ることはできなくもないと思います。
市長:国の方で許可制にしてくれれば非常にやりやすいですけどね。
市民:どこかで土砂崩れでもあれば問題になりますよ。何箇所か「こんなところにこんなもの
造って大丈夫かな」というところがありますからね。
市長:ありがとうございました。ぼちぼち時間となります。今日は本当に良い懇談会ができた
と嬉しく思います。今日に限らずご意見等ありましたらお寄せいただきたいと思いますし、
「こんなことをしてみてはどうか」というアイデアもお寄せいただければ大変嬉しく思います。
どうも貴重な時間をありがとうございました。
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