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中 学 校 技 術 ・ 家 庭 科(技 術 分 野)

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中 学 校 技 術 ・ 家 庭 科(技 術 分 野)
中 学 校
技 術 ・ 家 庭 科(技 術 分 野)
1 技術分野における教育課程実施上の課題と指導上の留意事項
(1) 技術分野の目標と内容から,技術分野が目指している点の確認
① 技術分野の目標
ものづくりなどの実践的・体験的な学習活動を通して,材料と加工,エネルギー変換,生物育成及
び情報に関する基礎的・基本的な知識及び技術(スキル)を習得するとともに,技術(テクノロジー)と社
会や環境とのかかわりについて理解を深め,技術(テクノロジー)を適切に評価し活用する能力を育てる。
② 技術分野の内容
技術分野については,ものづくりを支える力などを一層高めるとともに,よりよい社会を築くため
に,技術を適切に評価し活用できる能力と実践的な態度の育成を重視し,社会で活用されている多様
な技術を,1 材料と加工に関する技術,2 エネルギーの変換に関する技術,3 生物育成に関す
る技術,4 情報活用に関する技術等の観点から整理し,全ての生徒に履修させる。各内容は,
「生活
と技能についての基礎的な理解と技能」
,
「生活や社会の中から問題を見出して課題を設定し,解決策
を構想し,実践を評価・改善し,表現するなど,課題を解決する力」
,
「よりよい生活の実現や持続可
能な社会の構築に向けて,生活を工夫し創造しようとする実践的な態度」に関する項目で構成してい
く。
(2) 技術分野における指導のポイント
① 資質・能力を育む学習過程の在り方
技術分野の目標とする資質・能力は,単に何かをつくるという活動ではなく,
「見方・考え方」を働
かせつつ,生活や社会における技術に関わる問題を見いだして課題を設定し,解決方策が最適なもの
となるよう設計・計画し,製作・制作・育成を行うとともに,解決結果や解決過程を評価・改善する
という活動の中で効果的に育成できると考えられることから,学習過程を以下のように整理する。
ア 既存の技術の理解と課題の設定 ~ 技術分野の見方・考え方に気付き,学習のねらい,目標を
明確化
イ 技術に関する科学的な理解に基づいた設計・計画 ~ 課題の解決策について条件を踏まえて構
想する力,解決策を具体化(設計・計画)する力
ウ 課題解決に向けた製作・制作・育成 ~ 問題を解決する方略を実現
エ 成果の評価と次の問題の解決の視点 ~ 自らの問題解決を改善・修正する力や態度や今後の生
活における新たな解決すべき問題を見出す力
② 技術分野の学習過程・内容の構造化
以下の学習過程は,一方向に進むものではなく,生徒の学習の状況に応じて,各段階を往来する。
既存の技術の
理解と
課題の設定
問題の発見と
課題の設定
↑
過
程
の
評
価
と
修
正
↓
技術に関する
科学的な理解
に基づいた
設計・計画
課題の解決策の
具体化
↑
過
程
の
評
価
と
修
正
↓
課題解決に
向けた製作・
制作・育成
解決策の実践
↑
過
程
の
評
価
と
修
正
↓
成果の評価と
次の問題の
解決の視点
解決活動の振り返り
①生活や社会を支えている技術
基礎的な理解と技能
②技術(Technology)による問題の解決
問題を見いだして課題を設定し,解決策を構想し,実践を評価・改善し,表現するなど,課題を解決する力
③社会の発展と技術
生活を工夫し創造しようとする実践的な態度
(3) 「深い学び」
「対話的な学び」
「主体的な学び」に向けた学習・指導の改善充実
【探究:Technology を評
価・活用できる思考力等と
態度】
① 技術分野の「深い学び」
ア 「より安全に」
,
「より便利に」
,
「より環境に優しく」
,
「より安価に」といった視点で生活や社会
の中から技術により解決すべき問題を見いだして課題を設定
イ 「使い手」だけでなく「作り手」の立場で,
「作る場面」
,
「使う場面」
,
「廃棄する場面」
,
「万が一
のトラブルの場面」等を想定
ウ 「材料の形状」や「生物の育成環境の調整方法」
,
「エネルギーの伝達方法」
,
「情報のディジタル
化の方法」等が最適なものとなるように考え,解決策(設計・計画)を具体化し,解決活動(製作・
制作・育成)を行い,その解決結果や過程を振り返って評価
② 技術分野の「対話的な学び」
ア 生徒同士の相談活動や学び合い,教師との対話,学校外の人材や組織などとの相互作用
イ 直接,他者との対話を伴わなくとも,既製品の分解等の活動を通して,その技術の開発者が込め
た意図を読み取る学習活動
③ 技術分野の「主体的な学び」
ア 教師が与えた設計・計画に基づいて画一的に製作・制作・育成に取り組むのではなく,問題発見
や課題の設定を重視した設計・計画によって,生徒に見通しを持たせる。
イ 学習過程の最後の段階だけでなく,各段階において学習を振り返る活動を充実させ,次の段階の
学習や次の問題解決につなげることで,生徒が自らの成長を自覚し,主体的に学習に取り組む態度
を育む。
(4) 技術分野の言語活動(参考:言語活動の充実に関する指導事例集)
活動の種類
活動の考え方
【他者の思考をなぞることによる思考力・判断力・表現力の育成】
【入力系の
他者がどのように考え課題を解決したのか,
「書かれたものや」「話」
「実物」から
言語活動】
読み取る(思考の道筋をなぞる)ことを通して,他者と同様の思考力・判断力・表
現力等を育む。(設計等のトレーニングの場面)
読む・聞く
活動
【 出 力 系 の 【実際に経験させることによる思考力・判断力・表現力等の育成】
実際に目標とする思考力・判断力・表現力等が必要な場面を意図的に設定し,そ
言語活動】
こで考えたことを言葉や記号を用いて表現させることで,思考力・判断力・表現力
等を育む。(設計・計画の場面)
書く・話す
・言葉や記号を用いて,あいまいな考えや複雑な思考を簡潔に表現する→思考が明
活動
確になる(思考の可視化)。思考の検討・修正が容易になる。
・自分の考えを表現・確認・修正することを繰り返す→思考等の道筋を実際に紙等
に書いたりすることなく頭の中で表現し,それを用いて確認・修正等が行えるよ
うになる。=思考・判断し表現する道筋を身に付ける。
活動例
電気機器の分解
アイディア発見シート
技術者による講義
製作図
回路図
栽培計画表
フローチャート
(5) 技術分野と他の教科等との連携(カリキュラム・マネジメント)
① 小学校・高等学校における関連する教科・科目等との縦の連携について配慮する。
ア 小学校の図画工作科における道具の操作に関する技能や様々な材料に触れる体験,工夫して製作
する力
イ 理科における技術に関係する科学的な原則・法則の知識
ウ 全ての教科におけるコンピュータ等の基本的な操作技能
エ ものづくりや作物の栽培経験等,技術分野における問題の解決に必要となる知識・技能の習得状
況や生徒の興味・関心の方向性
オ 高等学校の共通教科情報や職業に関する科目等の学習へつながることを意識させる指導の検討
② 他教科との連携について,学習内容や指導時期を把握し,特質に応じた連携の在り方を検討する。
(6) 3年間を見通した指導計画と適切な学習評価
① 小学校における学習内容や他教科の指導も含めた生徒の実態の把握
② 生徒の実態及び指導時間等を踏まえた適切な題材の検討及び評価
ア 指導計画及び評価計画の作成に当たっては学習指導要領及びその解説に基づき,各指導項目・事
項の目標を明確にするとともに,確認した生徒の実態等を踏まえ,それぞれに配当する授業時数及
び履修学年を検討し題材を設定する。また,題材の指導計画ができたら評価計画の検討を行う。
2 参考となる資料等
(1) 中央教育審議会教育課程部会家庭 技術・家庭ワーキンググループ資料
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