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平成19年12月

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平成19年12月
平成19年12月(第16号)
発行 : 中讃農業改良普及センター
〒765ー0014
善通寺市生野本町1丁目1番12号
TEL(0877)62−1022
FAX(0877)62−1553
E-mail:[email protected]
URL:http://www.pref.kagawa.jp/chusannokai/
頑張る担い手の紹介
今回の担い手は、丸亀市 鎌田 康弘(31歳)さんです。
将来を見据えた経営の確立をめざして
鎌田康弘さん、典子さん御夫妻
鎌田さん御夫妻は平成18年1月に、それまで勤めていた会社を退職し、就農しました。
現在、夫の康弘さんが中心となって、お母さん、妻の典子さんと共にキクの切り花栽培に取り
組んでいます。
康弘さんは、子供の頃からお母さんや、おじいさんのキク作りを見ていて、いずれは就農した
いと考えていたそうで、就農前から徐々に技術を磨いていました。
一方、非農家から嫁がれ就農した典子さんは、最初戸惑いもあったそうですが、最近では作業
の要領もよくなり、キク作りが上手くできた時には達成感があると話してくれました。また、平
成18年度の全国花き品評会では賞を受賞し、その時は夫ともども感激したそうです。
今後は、将来の事を考えて、計画的に規模拡大を行いながら経営の確立を目指すと共に、同じ
ようにキクの栽培をする若い仲間が育ってくれることを願っていると語ってくれました。
(就農促進担当 奥田靖子)
2
平成19年12月(第16号)
品目横断的経営安定対策と集落営農法人化の取り組み(水田農業担当 大矢玲二郎)
品目横断的経営安定対策は、戦後農政を大きく転換するものとして本年4月にスタートしました
が、その内容は、米麦、大豆にかかる国の支援対象を経営規模等一定の要件を備えた認定農業者と
特定農業団体に限定するものです。そこで普及センターでは、昨年、同対策の対象となる認定農業
者の育成はもとより、市町・JA等と連携して特定農業団体や農事組合法人の設立を支援し、34
の特定農業団体と7の農事組合法人が設立されました。
管内は、品質面で実需者の評価が高い麦作の盛んな地域で、大規模農家への農地集積もある程度
進んでおり、中小規模農家の経営意欲も高く特定農業団体等への参画が図られた結果、米や麦の作
付面積のうち品目横断に加入している面積(カバー率)が県下でも比較的高い割合となりました。
1.平成19年度品目横断的経営安定対策の動き
平成19年度品目横断的経営安定対策の加入状況
本年度に入り、水稲・大豆の加入申請と麦・大豆の期間
内生産量(緑ゲタ)の登録申請、水稲・大豆の収入減少影
品目 経営体数 栽培面積 (ha) カバー率 (%)
響緩和交付金(ナラシ)の加入申込が7月2日までに、ま
水稲
118
2,220
40
た、緑ゲタの交付申請が10月1日までにと、順次行われ
麦
99
1,100
90
ました。特定農業団体等の1支店1農場構想組織の事務局
大豆
8
8
100
となっているJAをはじめ関係機関においては、初めての
事務内容に戸惑いながら、団体・法人の運営支援とあわせて多忙を極めつつ支援を行いました。
2.特定農業団体等の運営支援
仲多度地域の27団体では、5月から6月にかけて臨時総会が開催され、新規加入者の承認や農用地
利用改善団体から委託された農地での作付計画等が審議されましたが、あわせて集落営農法人に関する
ビデオを上映し、個々の組合員の、集落営農と法人経営に対する意識を高めました。
9月20日から10月31日にかけては、管内すべての団体・法人で第1回通常総会が開催され、
1 8 事業年度事業報告と収支決算、19事業年度事業計画と収支計画等が審議されました。大半の組織
では、18事業年度は制度に乗っていくことだけで精一杯の状況でしたが、通常総会を機に組合員の間
にも組織経営の中身が徐々に理解され、経営改善の取り組みがスタートしたものと考えています。
3.特定農業団体組合員の意向調査
法人設立に向けた経営計画を推進する上で基礎となるのが
組合員個々の経営実態と意向の把握です。そのため、仲多度
地域の特定農業団体では全組合員に対して「集落営農に関す
る農家意向アンケート」を実施しました。その結果、トラク
ターと田植機とコンバインへの投資総額が10ha規模の集落
であれば1億円余で、従来どおりの更新には毎年約330万
円が必要であること、法人となった場合にオペレーターにな
る意欲のある者が地域にいること等、今後の具体的な検討課
特定農業団体第1回通常総会
題等が明らかになりました。こうした集計・分析結果を総会
で報告することで今後の取り組みへの意欲を高めました。綾坂地域でもアンケート調査を実施中で、現
在作成している経営計画の具体的推進に当っての基礎資料にしていく予定です。
普及センターにおいては、法人化に向けて今後の組織活動を活性化するため、今後も、集落営農講演
会の開催や、各団体が計画する先進事例調査等への情報提供を行うほか、農業機械の集約や農用地利用
計画、オペレーターの確保などについて助言を行い、将来ビジョンの具体化と実践に向けた取り組みを
支援していくこととしています。
平成19年12月(第16号) 3
イチゴ新品種「さぬき姫」試験栽培から本格的普及栽培へ(野菜経営担当 久保昌弘)
管内のイチゴ栽培は、丸亀市、綾川町を中心に主産地が形成
され、本年度、103戸の生産者が約17.5ha栽培し、主に
高設栽培で、年間650t前後を京阪神地域などに出荷を予定
しています。
イチゴ経営は、全国的な産地間競争や多様化する消費者ニー
ズへの対応、最近の原油価格の高騰などから、農業所得の確保
が重要な課題となっており、経営改善のための新技術などの導
入が求められています。
普及センターでは、関係機関等と連携して、平成17年度に
品種登録された県育成品種「さぬき姫」が果実品質や収量性に
優れ、省力栽培可能な有望品種であるとして、各産地に「さぬ
き姫」の現地実証ほ(試験栽培)を設置し、栽培検討会や現地
「さぬき姫」の果実
巡回を通じて、栽培管理技術、出荷動向等の情報を提供しました。
あわせて、本年度、新規生産者などを対象に、「さぬき姫」栽
培研修会(2回)などを実施したことから、平成19年度は、
管内のイチゴ作付面積の約43%(7.6ha)が「さぬき姫」
に切り替わり、管内の主要品種となっています。
「さぬき姫」は、糖度が高く、食味が優れています。果実は、
大きく、形はやや丸みを帯びた円錐形、果皮は、鮮やかな赤色
で優れた光沢があり、11月から安定した収穫が可能な品種です。
しかし、既存品種の「女峰」、「さちのか」と品種特性が異な
るため、最適な施肥量や温度管理等の栽培技術上の留意点があ
ります。特に、果実が軟らかいため、栽培管理や収穫・出荷調
整作業にきめ細かな心配りが必要となります。
高設養液栽培
今後、高い市場評価を得ることが重要となるため、生産者を
中心に県関係機関、JA香川県などが技術検討を行い、高品質・安定生産技術の普及・定着化により、
「さぬき姫」ブランドを確立することが、イチゴ主体の認定農業者の経営改善やイチゴ産地の活性化に
寄与するものと期待されます。
「さぬき姫」栽培研修会(場所:綾川町)
管内の品種別作付面積の推移
(普及センター調べ)
4
平成19年12月(第16号)
善通寺の街にもやってきました!郷土の味さぬきうまいもんネットワーク!(担い手女性担当 宮川三千代)
さぬき女のうまいもの館3号店開店!
さぬきうまいもんネットワークでは、地元の旬の
素材にこだわった農村女性の手作り加工品を広く提
供するため、善通寺市おしゃべり広場にアンテナシ
ョップを開設しました。
10月6日のオープニングではネットワーク参加
の17起業が出展し、試食や即売で大勢の人が賑わ
いました。
アンテナショップでは、常時、ジャム(ヤーコン、ミ
ニトマト、いちご、梨)、焼肉のタレ(ヤーコン入り、
梨入
り)、のり入りそうめん、ヤーコン半生うどん、椎茸の
アンテナショップ
おしゃべり広場
まんでがん
TEL 0877−64−0012
営業時間 9:00∼17:00
辛子漬・佃煮、
乾燥椎茸、
瀬戸の長寿豆
(ビワの甘露煮)
、
( )
味噌、クッキー各種、漬物各種、ぽん菓子など自慢の加
工品が揃っています。あわせて、曜日替わりで寿司
オープニングフェアで
や赤飯、おはぎ、惣菜など街中に農村の味をお届けし
消費者と交流
ていますので、ぜひ来てください。
←至善通寺(五重塔)
に連携し、「農山漁村女性起業」としてのブランド化を図り、起業経営の発展と所
N
〒
JR善通寺駅
「おしゃべり広場」
「さぬきうまいもんネットワーク」は、県下各地の農山漁村女性起業が広域的
市役所
得の向上を目指す団体です。現在、県下で34起業が加入し、アンテナショップ
や宅配便、イベント等で販路を拡大しています。
(うち中讃管内14起業が加入)
GAP手法(適正農業規範・農業生産工程管理手法)の取り組みについて(企画調整担当 荒脇孝志)
○省みよう我が習慣
「毎年決まりごとのように農作業している。」「昔から周囲に排出している。」「昔から日誌は記帳
したことがない。」これらの習慣から最悪の場合、どのような結果が予測されるでしょう?何気ない経
営主の習慣に農業経営にとっての脅威が潜んでいます。他人事ではありません。まずは、自らチェック
(照合、検証)してみましょう。
○さあ始めよう「基礎GAP」
悪習を直すことは苦しい事ですが、食品の安全や環境保全に直結することです。良い習慣を身につけ
なければなりません。そこで、良い習慣を身に着ける初歩として「基礎GAP」が政府より提案されて
います。「基礎GAP」は、食品安全と環境保全を目的とし、品目ごとに農業者用と産地用があります。
また、いくら自分では良い習慣と理解していても他人に理解されないのでは意味がありません。そこ
で、他人から見ても解る基準で自らの習慣をチェック(照合)します。
「基礎GAP」には、他人から解る基準の照合表(クロスチェック)
が用意されています。
GAPの考え方を多くの産地・農業者が取り入れ、自らの営農・生
産条件や実力に応じて取り組むことは、安全な農産物の安定的な供給、
環境保全、農業経営の改善・効率化の実現につながるものです。さら
に、生産された農産物の安全性や品質の確保等について消費者・食品
事業者等の信頼を確保する上でも有効な考え方となります。
食品安全GAPの取り組み説明
(県農業経営課)
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