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アメリカ初期労働組合の結成と政策

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アメリカ初期労働組合の結成と政策
説﹀
ア メ リ カ 初 期 労 働 組 合 の結 成 と 政 策
は じめに
一、 独 立 後 の労 働 者 の状 態
二、 商 業 資 本 主 義 の進 出
三 、 一時 的 団 体 の出 現
四 、 初 期 労 働 組 合 の結 成
五 、 初 期 労 働 組 合 の政 策
お わりに
は じめ に
高
橋
保
る 。 一つ は 、 唯 一の生 活 資 料 で あ る労 働 力 を 使 用 者 に 提 供 し、 そ の対 価 と し て 賃 金 を う け と り 、 こ れ に よ って 生 活 を
一般 に 歴 史 発 展 段 階 に お い て、 は じ め て 労 働 組 合 が 結 成 さ れ る と き に は、 二 つの条 件 が 整 って い る こ とが 必 要 であ
る 。
本 稿 は 、 ア メ リ カ に お け る初 期 労 働 組 合 の結 成 の背 景 お よ び 過 程 、 な ら び に そ の政 策 に つい て考 察 し た も の で あ
︿論
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'
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営 む賃 労 働 者 階 級 が 発 生 す る こ と で あ る。 他 は 、 労 働 者 個 人 が 賃 金 、 労 働 時 間 そ の他 の労 働 条 件 の改 善 に つ い て、 使
用 者 と い わ ゆ る個 人 交 渉 を 行 い、 そ の結 果 個 人 で は要 求 が 実 現 さ れ え な い こ と を 痛 感 す る こ と であ る。 資 本 主 義 社 会
に お い て 、 労 働 組 合 の結 成 は も と も と 必然 的 な 現 象 で あ る が 、 そ こに 至 る ま でに は 少 な く と も こ の 二 つ の事 柄 が 必 要
か つ前 提 条 件 と さ れ る 。
ア メ リ カ に お い て、 は じ め て の労 働 組 合 の結 成 を め ぐ って右 の よ う な 前 提 条 件 が 発 生 し て く る の は、 独 立 戦 争 後 、
一七 七 〇 年 代 後 半 で あ る。 こ の こ ろ、 商 業 資 本 主 義 が 進 出 し 、 い く つか の地 方 都 市 に 親 方 と職 人 、 徒 弟 と の離 友 現 象
が 生 じ 、 ま た 工場 制 度 の発 展 に よ り 工場 労 働 者 も 発 生 し て き た 。 そ の結 果 、 労 働 者 の間 に 一時 的 な 団 結 が 形 成 さ れ る
よ う に な った 。 し か し 、 こ のよ う な 団 結 は 、 今 日 のよ う な 近 代 的 な 意 味 に お け る労 働 組 合 と は 異 るが 、 正 式 な 労 働 組
合 結 成 の前 兆 的 な 現 象 で あ った 。
ア メ リ ヵ で は じ め て の労 働 組 合 の結 成 を み る の は 、 一七 九 二年 であ る。 こ の と き 、 ブ イ ラ デ ル フ ィ ア の靴 工 職 人 が
ア メ リ カ で は じ め て の永 続 的 な 労 働 組 合 を 結 成 し た 。 そ の後 、 こ の労 働 組 合 は 約 十 週 間 に 及 ぶ 長 期 的 な スト ラ イ キ な
・ど も 行 って い る。 そ の よ う な 影 響 も あ って 、 同 じ よ う な 永 続 的 な 労 働 組 合 が いく つか の地 方 都 市 に 誕 生 し て き た 。
問 題 は 、 こ の よ う に 発 生 し て き た ア メ リ カ の初 期 労 働 組 合 が 、 いか な る政 策 を 企 画 し、 実 施 し て き た か で あ る。 し
か し 、 これ に つ い て の研 究 は 、 き わ め て 困 難 な も の と し て、 あ ら ゆ る と ころ で指 摘 さ れ てき た。 そ れ は 、 何 よ り も ア
メ リ カ の初 期 労 働 組 合 の ほと ん ど が 一時 的 に 結 成 さ れ 短 期 的 に し か 存 続 し な か った か ら であ る。 さ ら に 、 こ の よ う な
初 期 労 働 組 合 の行 った スト ラ イ キ も 、 そ の お お く は 敗 北 し た か ら で あ る。 そ の こ と か ら 、 ア メ リ カ初 期 労 働 組 合 に つ
い て の歴 史 的 な 記 録 が 残 さ れ て いな く 、 こ れ が ま た 研 究 の大 き な 障 害 に な って いた 。
し か し 、 幸 に も そ の よ う な 初 期 労 働 組 合 に あ って 、 た ま た ま 靴 工 お よ び 印 刷 工 の労 働 組 合 の み が 、 比 較 的 継 続 的 な
労 働 組 合 を 結 成 し、 積 極 的 な 組 合 活 動 も 展 開 し て き た 。 そ のた め ア メ リ カ初 期 の労 働 組 合 の政 策 に つい て は、 こ れ ら
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の 労 働 組 合 の 歴 吏 的 な 記 録 を 通 し て 、 そ の全 体 的 な 状 況 を 知 る 努 力 が な さ れ て き た 。
今 目 、 こ の分 野 の研 究 を 知 る 手 が か り と し て、 優 れ た 古 典 的 な 労 作 が 存 在 し て い る。 た と え ば 、 コモ ンズ を 中 心 と
す る ウ イ ス コ ン シ ン学 派 の 手 に な る ﹁ア メ リ カ 産 業 社 会 資 料 史 ﹂ (> u。2 日魯 § 嘱田 。。
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﹁ア メ リ ヵ 労 働 運
や ﹁ア メ リ カ 労 働 史 ﹂ (田 ω8蔓 駄 い接 自 ぼ 筈 ① d箪 巴 ω翼 Φ。・
)、 ま た 、 フ ォ ナ ー の ﹁ア メ リ カ 労 働 運 動 史 ﹂ (震 .
け
。.団 。h
夢 ① ピ筈 霞 竃 。<①ヨ。三 冒 昏 。 d鼻 巴 ω叶
讐⑦ω) な ど で あ る 。
わ が 国 に お い て 、 こ の 分 野 の 研 究 は け っし て お お い と は い え な い。 し か し 、 な か で も 、 川 田 寿 著
(U C L A) に 留 学 中 、 ベ ンジ ャ
動 史 ﹂、 松 井 七 郎 著 ﹁米 国 労 働 運 動 史 ﹂ な ど は 、優 れ た 古 典 的 な 労 作 で あ る 。 本 稿 に お い て も 、 こ れ ら の 著 書 の ご 威 光
に 浴 し て い る こ と を 断 って お き た い 。
な お 、 本 稿 は 、 ﹁ア メ リ ヵ 労 働 法 の 形 成 過 程 ﹂ の 研 究 の た め 、 カ リ フ ォ ル ニ ア 大 学
ミ ン・ ア ー ロ ン (ゆ。且 ㊤巨 口 ︾費8 ) 教 授 の 心 暖 ま る ご 指 導 に よ り 、 も の に し た 研 究 の 一部 で あ る 。 研 究 の未 熟 さ に 恐
縮 し つ つ、 同 教 授 に 心 か ら 感 謝 申 し 上 げ た い 。
一、 独 立 後 の 労 働 者 の状 態
一、 一七 七 六 年 、 ア メ リ ヵ の 独 立 戦 争 は 、 植 民 地 側 の 勝 利 に 終 った 。 こ の 戦 争 は 、 大 き な 二 つ の 運 動 が 同 時 に 行 わ
(1 )
れ た も の で あ った 。 一 つ は 、 母 国 イ ギ リ ス の抑 圧 的 な 支 配 か ら 植 民 地 を 解 放 す る こ と で あ った 。 他 は 、 ア メ リ カ 植 民
地 に お け る 政 治 的 、 経 済 的 、 社 会 的 制 度 の民 主 化 で あ った。
独 立 戦 争 は 、 こ れ ら の運 動 を 背 景 に 、 労 働 者 、 大 多 数 の小 農 園 者 、 商 人 貴 族 ら の自 発 的 な 結 束 に よ って行 わ れ た 。
な か で も 植 民 地 の労 働 者 た ち は 、 こ の戦 争 中 イ ギ リ ス の植 民 地 政 策 に積 極 的 に 反 対 し て、 結 束 し た 行 動 を と った 。 そ
れ か ら の行 動 は 、 一つ の州 内 の行 動 に 止 ま ら ず 、 他 の州 と の相 互 的 な 関 係 を 形 成 す る ま で発 展 し た 。 こ う し て、 労 働
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者 た ち は、 自 ら 後 に 全 国 的 な 労 働 組 合 を つく る下 地 を つく り あげ て い った 。
独 立 戦 争 の結 果 、 ア メ リ カ は いよ いよ イ ギ リ ス の重 商 主 義 植 民 地 政 策 か ら解 放 さ れ た 。 そ の結 果 、 ア メ リ カ は自 国
の利 益 のた め に 、 国 内 産 業 を 行 う こ と が 可 能 とな った 。 ま た 、 イ ギ リ スか ら の解 放 の結 果 、 ア メ リ カ は 国 内 国 外 の市
場 も 拡 大 し た 。 さ ら に 、 一七 入 九 年 に な る と 、 ワ シ ン ト ンが 初 代 ア メ リ カ大 統 領 に 選 出 さ れ 、 新 政 府 が 発 足 し た 。 そ
し て、 こ の新 政 府 のも と で十 三州 が 結 合 を 強 化 し 、 政 局 が 安 定 し た 。 独 立 後 の これ ら の ア メ リ カ の情 勢 の変 化 は 、 こ
の 国 の豊 か な 天 然 資 源 と あ いま って 、 産 業 を 飛 躍 的 に 発 展 さ せ る こ と に な った 。
二、 し か し 、 独 立 後 ア メ リ カ の産 業 は 飛 躍 的 に 発 展 し た も の の、 労 働 者 の生 活 状 態 は 、 植 民 地 未 期 時 代 と大 差 は な
か った 。 労 働 者 は 、 こ の独 立 戦 争 に よ って、 と く に 得 た も の は何 も な か った 。
公 人 は 、 独 立 後 の大 陸 会 議 の葎
に よ って す べ て自 由 人 (
ヰo
oヨ雪 ) と な 禽
・ ま た・ 奴隷 制 度 から
独 立 後 の ア メ リ カ の労 働 者 に は、 ま ず 戦 争 中 の兵 役 を 免 れ た 植 民 地 時 代 の年 期 奉 公 人 (
ぎ号 三霞巴 ω
霞くき 邑 が い た 。
こ れ ら の末 禦
解 放 さ れ た大 多 数 の奴 隷 も いた 。 さ ら に 、 アイ ル ラ ンド や ヨー ロ ッパ 各 地 方 か ら や ってき た 多 数 の移 民 も いた 。 ま た
さ ら に 、 後 に 述 べ る よ う に 、 工 場 制 度 の発 展 と と も に 登 揚 し て き た 年 少 者 や 女 子 も いた 。
年 少 者 や 女 子 を 除 く と 、 これ ら の労 働 者 の ほ と ん ど は、 靴 工 、 印 刷 工 、 大 工 、 石 工 、 レ ンガ エ 、 帽 子 工 、 縫 裁 工・
船 員 と し て働 い て い た 。 これ ら の労 働 者 に は 、 熟 練 工 や 末 熟 練 工が いた 。 ほ と ん ど の労 働 者 は 、 最 初 徒 弟 と し て 働
き 、 や が て職 入 と な り 、 さ ら に そ のあ るも の は 親 方 職 人 (
ζ 鋤ω
§ 。
歪穿 ヨき )と な った 。
方 と な って いく こ と は 綾
彼 ら は・独 立撃
故に そ
。。09①9 ω) を つく って
の前 か ら ・ 病 気 華
﹁相 互 扶 助 団 体 ﹂ (チo 日βε巴 げg o津
的 容 易 であ %準
親 方 と 職 人 は 、 一つ の仕 事 を お 互 に 協 力 し 合 いな が ら 同 じ道 具 を 使 って働 い た 。 当 時 の労 働 者 は 、 最 初 徒 弟 と な
り、 それ から 職 人 とな 親
な え る た め に 、 ま た 寡 婦 や 弧 児 の救 済 の た め に 、 自 発 的 な
い た 。 し か し 、 こ の よ う な 団 体 を つく っ て い た と は い え 、 労 働 者 た ち は 常 に 賃 金 そ の他 の 労 働 条 件 に つ い て 不 満 を も
贋
(4 )
ち 、 憤 り の感 情 さ え あ ら わ し て い た 。
三 、 独 立 後 、 ア メ リ カ で は 織 物 工 場 を 中 心 と す る 工 場 制 度 が 発 展 し てき た 。 と く に 、 ニ ュー イ ング ラ ンド で は 、 他
に 先 き が け て こ の よ う な 織 物 工 場 が 盛 ん に営 ま れ る よ う に な った 。
ア メ リ カ に お い て 、 こ のよ う な 工場 制 度 が 発 展 し て く る 一つ の背 景 は、 イギ リ ス か ら の移 民 で あ る。 イ ギ リ ス で
は 、 当 時 す で に 繊 維 産 業 が 盛 ん に 行 わ れ て い た 。 ま ず 、 一七 三 五 年 ジ ョ ン ・ワイ ア ッ トが 紡 績 機 を 発 明 し 、 産 業 革 命
の端 を 開 い た 。 続 い て 一七 六 九 年 に 、 ス コ ット ラ ンド の技 師 ジ ェー ム ス ・ワ ット は 実 用 的 な 蒸 気 機 関 を 発 明 し て 産 業
革 命 の第 二段 階 が も た ら さ れ た 。 こ の蒸 気機 関 は 、 本 来 坑 内 の水 を 汲 み 出 す た め に 工 夫 さ れ た も の で あ るが 、 後 に繊
維 工 業 の動 力 と し て 用 いら れ る よ う に な った 。 イ ギ リ ス か ら の移 民 は 、 こ のよ う な 繊 維 産 業 に つ いて の知 識 を も って
ア メ リ カ に や ってき た 。 た と え ば 、 一七 八 九 年 に は サ ミ ェル ・ス レイ タ ー は イ ギ リ ス か ら 移 住 し て き て 、 ア ー ク ラ イ
ト式 水 力 紡 績 ⋮
機 を ア メ リ カ に 伝 え た 。 こ う し て ア メ リ ヵ で は 、 繊 物 工 場 を 中 心 に 工 場 制 度 が 発 展 す る よ う に な った 。
一八 二〇 年 代 後 半 に な る と 、 ア メ リ カ で は地 方 のあ ち ら こち ら に 織 物 工場 が 出 現 し 、 そ こ で働 く 工 揚 労 働 者 が 次 第
に お お く 現 わ れ て き た 。 と く に、 こ の よ う な 工 揚 労 働 者 は 、 一八 四 〇 年 代 以 後 に な る と 、 急 激 に増 加 し て き た 。
工 場 労 働 者 のう ち 、 織 物 工 場 の労 働 者 のほ と ん ど は 、 年 少 者 と 女 子 で あ った 。 一八 二〇 年 頃 、 織 物 工 揚 の半 数 が 九
か ら 十 歳 の 少 年 少 女 で 、 労 働 時 問 は 一日 十 二時 間 か ら 十 三時 間 、 賃 金 は 一週 三 三 か ら 六 七 セ ント で あ った と 報 告 さ れ
(6 )
て 味琵 。 ま た 、 当 時 の典 型 的 な 広 告 に ﹁求 む 。 木 棉 工 場 で働 く こ と の で き る 五 歳 か ら 入 歳 の子 供 た ち ﹂ と いう も の さ
え あ った と い わ れ て い る。
そ の他 の地 方 の織 物 工 揚 の労 働 者 は 、 ほと ん ど 近 く の農 夫 の娘 た ち で あ った 。 彼 女 は 混 み 入 った 風 通 し の悪 い 工場
の寄 宿 舎 で 生 活 し て い た 。 労 働 時 間 は 長 く 、 朝 五時 か ら 夜 の七 時 ま で で賃 金 は 一週 二 ∼ 三 ド ル以 下 と い う 安 さ で あ っ
藁
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織 物 工場 に は 、 男 性 の熟 練 労 働 者 も 働 い て いた 。 し か し 、 彼 ら の賃 金 も 安 く 、 し か も支 払 期 日 も 不 規 則 であ った 。
・ ま た・ 当 時 の賃 金 の計 算 は ・ ほ と
さ ら に 、 賃 金 の支 払 方 法 に も 問 題 が あ った 。 賃 金 の支 払 方 法 は 使 用 者 の所 有 し支 配 す る 店 で の み 使 用 さ れ る ﹁
仮証
券﹂(
ω
O
崔b)で支 払 わ れ た . し か も 使 用 者 の店 で請 求 さ れ る 価 格 は か な り 高 か 匙
ん ど 日額 で あ った 。
一日 の労 働 時 間 は 、 日 昇 か ら 日 没 ま で で あ った 。 夏 期 に は 十 四 時 間 か ら 十 六 時 間 、 冬 期 は 九 時 間 か ら 十 二時 間 働 い
夏 に は 、 労 働 者 を 同 じ賃 金 で遅 く ま で働 か 嵩
・
た 。 使 用 者 は、 労 働 者 の賃 金 を 日 額 で支 払 って い る の で、 な る べく 一日 の労 働 時 間 を 長 く 延 長 す る よ う に し た 。 と く
に 、 目 の長 い奪
四 、 一八 二 〇 年 代 か ら 出 現 し て き た 織 物 工 場 を は じ め と す る 工 揚 制 度 は 、 そ の後 、 造 船 業 、 製 靴 業 、 製 鉄 業 、 印 刷
業 、 ロー プ お よ び 帆 製 造 業 、 建 設 業 、 運 河 な ど に 次 第 に 発 展 し て い った 。 こ の よ う な 情 勢 の な か で 、 次 第 に 工 場 労 働
者 も増 え てき た 。
と く に 、 一入 三 〇 年 代 に 入 る と 、 こ の よ う な 工 場 に 移 民 労 働 者 が お お く 流 れ 込 ん で き た 。 こ の傾 向 は 、 一入 四 〇 年
か ら 五〇 年 に かけ て さら に増加 し た。
し か し 、 移 民 労 働 者 が 次 第 に 増 加 す る に し た が っ て 、 労 働 者 の 住 宅 問 題 が 深 刻 に な っ て き た 。 た と え ば 、 一入 四 九
年 、 ボ ス ト ン に お け る ア イ ル ラ ンド 人 の住 宅 状 況 に つ い て の ﹁国 内 健 康 に 関 す る 委 員 会 報 告 ﹂ (
↓冨 男。b。嵩 鼠 跨。 o守
日ヨぎ 。。 。昌 一昌け
。同
口僧一=。、一
昏 ) に よ る と 、 大 多 数 の ア イ ル ラ ンド 人 の住 居 は 、 み じ め で き た な く 、 不 健 康 で 、 ほ と ん ど
。露無 。な 島 8 。h2①≦ ぎ 蒔 Ω 受 ) の 報 告 に よ る と 、当 時 ニ ュー ヨ
ー
の場 合 、 一 つ の 住 居 に 一家 族 が 住 む こ と が な く 、 二 家 族 か ら 三 家 族 以 上 で 占 め ら れ て い た と 報 告 さ れ て 転 翻 。 ま た ・
一入 五 〇 年 三 月 、 ニ ュー ヨ ー ク 市 警 視 総 監 ﹂ (幕
ク 人 口 の 約 三 % が 地 下 室 で 住 ん で い た と し て い る 。 地 下 室 の宿 泊 料 は 、 藁 が 敷 い て あ る と こ ろ は ニ セ ン ト 、 土 問 が 一
セ ン ト で あ った 。 地 下 室 に は 、 黒 人 や 白 人 、 男 ・女 ・子 供 た ち で 群 って お り 、 絶 え ず 身 の 毛 が よ だ つよ う な 恐 し い様
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(11 )
相 を 呈 し て いた 。
こ の よ う に 、 独 立 後 の労 働 者 の生 活 は 、 け つし て楽 で は な く 、 む し ろ み じ め な 状 態 で あ った 。 し か し 、 新 し い工 場
制 度 のも と で、 次 第 に 工 場 労 働 者 が 現 わ れ て き た こと だ け は確 か な 事 実 で あ る。 と こ ろ で、 こ の よ う な 工 揚 労 働 者 が
現 わ れ て き た と いう こ と は 、 ア メ リ カ に お い て賃 労 働 者 階 級 が 発 生 し て き た こ と を 意 味 す る 。 も と よ り 、 独 立 間 も な
い こ ろ は 、 これ ら の賃 労 働 者 の数 は け っし て お お く は な か った 。 む し ろ 、 当 時 の産 業 全 体 か ら み る と 、 そ の数 は 少 な
く 、 大 多 数 の労 働 者 は 、 職 人 と い わ れ る 手 工業 的 熟 練 労 働 者 と 不 熟 練 労 働 者 で あ った 。
し か し 、 数 の大 小 を 問 わ ず 、 新 し い 工 場制 度 のも と で 、 賃 労 働 者 階 級 の発 生 を み た こと は 、 そ の後 の ア メ リ カ 労 働
運 動 と労 働 組 合 の発 生 の基 礎 を か た ち つ く る も の で あ った 。 し か も 、 これ ら の賃 労 働 者 階 級 は 、 初 期 の 工 場 のな か に
お い て、 低 賃 金 、 長 時 間 労 働 、 不 健 康 な 労働 環 境 、 使 用 者 か ら の恣 意 的 で苛 酷 な 規 則 、 き び し い年 少 、 女 子労 働 、 そ
の他 生 活 条 件 全 般 に わ た って 、 不 平 、 不 満 を 抱 い て い た。 こ の よ う な 賃 労 働 者 階 級 の発 生 と 使 用 者 あ る い は 州 の自 治
体 に 対 す る 不 平 、 不 満 は 、 遠 か ら ず ア リ メ ヵ労 働 組 合 発 生 の前 兆 で あ った と い え よ う 。
二、 商 業 資 本 主 義 の進 出
一、 独 立 直 後 の 一七 〇 〇 年 代 後 半 か ら 一入 ○ ○ 年 代 初 期 の ア メ リ カ は 、 い ぜ ん と し て農 業 生 産 が 支 配 的 で あ った 。
他 方 、 い く つか の都 市 、 た と え ば ニ ュー ヨー ク や ブ イ ラデ ル フ ィ ア、 ボ スト ン、 ピ ッ ツバ ーグ な ど で は 、 小 規 模 な商
業 が 営 ま れ て いた。
こ の商 業 は 、 職 人 と い わ れ る 親 方 が 小 さ な 店 を 構 え 、 地 方 の お客 の注 文 に よ って靴 や 洋 服 や 帽 子 を 製 造 し 、 販 売 す
る も の で あ った 。 そ し て、 こ の こ ろ は技 術 や 熟 練 に 頼 る 手 工 業 的 生 産 が 中 心 で あ った 。 親 方 職 人 は 、 これ ら の商 品 を
製 造 す る た め に 、 一人 な い し 二人 の職 人 や徒 弟 を 雇 った 。 親 方 ・職 人 ・徒 弟 た ち は 同 じ 道 具 を 使 って 、 一つ の商 品 を
50
お 互 に 協 力 し 合 って つく り あ げ て い た 。
(13 )
(ひ。 嘗 8 げ舞σq①ぎ)に 興 味 を も って い た 。 消 費 者 は 政 治 を 支 配 し 、 彼 ら の 関
(12 )
親 方 が 職 人 や 徒 弟 と 行 う 賃 金 交 渉 (チ。 壽 σq⑦ げ霞σq巴胃)は 、 ま だ 世 間 一般 の 関 心 ご と で は な か った 。 そ れ よ り 、 世 間
の人 々 は 、 親 方 が 消 費 者 と行 う 価 格 交 渉
心 ご と は 、 法 外 な 価 格 や ﹁粗 悪 品 ﹂ (
げ巴 ≦霞。
) のす り換 え を 防 止 す る こ と に あ った 。
や が て 、 注 文 生 産 が 増 大 す る に し た が って親 方 の店 も 拡 大 し 、 そ こ で 働 く 労 働 者 の数 も お お く な っ て い っ た 。 他
方 、 親 方 は 、 他 の同 業 者 と の競 争 も 激 し く な って き た 。 と く に 、 有 料 道 路 や 運 河 の発 展 は 、 こ の競 争 を い っそ う 激 し
(14 )
いも の に し た 。 そ し て 、 親 方 は こ の競 争 に 対 応 す る た め に 、 次 第 に 労 働 者 の賃 金 を 切 り 下 げ 、 労 働 時 間 を 増 や し て い
った 。 こ れ に 対 し て、 職 人 や徒 弟 た ち は 、 こ の よ う な 親 方 の や り 方 に 除 々に 不 平 、 不 満 を 高 め て い った 。
二、 こ の よ う な 親 方 と 職 人 ・徒 弟 と の関 係 の亀 裂 は 、 商 業 資 本 主 義 の到 来 と 進 出 に よ って い っそ う 大 き な も の に な っ
た。
(15 )
親 方 で あ り 、 小 売 商 人 で あ る製 造 業 者 が 、 他 の同 業 者 と の競 争 に お いて いち ば ん の悩 み は 、 地 方 市 揚 に お い て ク レ
ジ ッ ト 販 売 そ の 他 経 済 的 な 便 宣 を は か る こ と が な き な い こ と で あ った 。 地 方 市 揚 で 、 靴 や そ の 他 の 商 品 を 買 う 農 夫 た
ち は 、 ほ と ん ど 現 金 を も っ て い な か った 。 し か し 、 小 売 り 商 人 の 方 も 資 本 が な い た め 、 彼 ら に ク レジ ッ ト 販 売 す る 余
裕 も な か った 。
当 時 の 小 規 模 製 造 業 者 を め ぐ る こ の よ う な 国 内 市 揚 の状 況 は 、 期 せ ず し て 、 商 業 資 本 家 (チ。 ヨ96冨 導 8 嘗 集 ωけ
)の
進 出 を 大 い に 許 す こ と に な った 。
商 業 資 本 家 は 、 も と も と 大 き な ﹁倉 庫 ﹂ (野 。 ≦霞 ・ぎ ロω
①)を も つ ﹁卸 問 屋 ﹂ (昏 。≦舞 ⑦ぎ ロ。。。 切
8器) で あ っ た 。 彼 ら
は 、 国 内 、 海 外 を 問 わ ず 、 多 量 の商 品 を 安 く 買 付 け 、 こ れ を 各 主 要 都 市 の倉 庫 に 蓄 積 し 、 市 場 操 作 を し な が ら 小 売 商
人 や 消 費 者 な ど に 高 く 売 り つけ た 。 ま た 、 彼 ら は 原 材 料 を 買 い こ ん で 、 そ れ を よ り 安 く 完 成 品 に 製 造 し て く れ る 親
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方 、 製 造 業 者 を さ が し 、 商 品 を つく ら せ 、 そ れ を 販 売 す る 市 場 を 確 保 す る こ とも し た 。 商 品 の製 造 に あ た って 、 親 方
に 金 融 も し 、 他 方 製 造 価 格 の切 り 下 げ も し た 。 さ ら に 、 彼 ら は自 分 自 身 の資 本 を 利 用 し て、 か な り長 期 に わ た る ク レ
ジ ット 販 売 も し た 。
(16 )
当 時 、 こ の よ う な 商 業 資 本 家 の 進 出 に 対 し て は 、 銀 行 も 協 力 し た 。 商 業 資 本 家 の活 動 と と も に 銀 行 制 度 も 大 いに 拡
大 し 、 ア メ リ カ で 設 立 さ れ た 銀 行 の数 は 、 一七 九 一年 の 三 か ら 一八 一六 年 に は 二 四 六 に も 増 加 し た と い わ れ て い る。
商 業 資 本 家 は 、 銀 行 や そ の他 の資 本 所 有 者 の協 力 を 得 な が ら 、 次 第 に勢 力 を拡 大 し、 や が て地 方 市 揚 に お け る 製
造 ・販 売 ・価 格 決 定 に つい て の独 占 権 を 常 握 す る に 至 った 。 さ ら に 、 商 業 資 本 家 は 、 そ の よ う な 市 揚 の独 占 権 を 手 に
入 れ る こ と に よ り 、親 方 職 人 、小 売 商 人 を も 自 己 の支 配 下 に お く こ と と な った 。か く て 、商 業 資 本 家 は いま や 親 方 ・職
人 ・徒 第 に と って 土ハ
通 の敵 と な った 。 彼 ら は、 商 業 資 本 家 の進 出 に 対 し て 、 団 体 な ど を 組 織 し て、 自 分 た ち の利 益 を
(17 )
擁 護 し よ う と し た 。 た と え ば 、 一七 八 九 年 に プ ロビ デ ン スに お いて ﹁職 人 製 造 業 者 協 会 ﹂ (
︾昌 ︾。・
ω
。
。§ δ昌 。{ζ 弩 ・h
キ
暮霞 。
。。
)な ど が 組 織 さ れ た 。 し か し 、 こ れ ら の団 体 は 。 何 の役 に も た た な い 一時 し のぎ に す ぎ な か った 。 そ れ の み か.
こ のよ う な 団 体 は、 商 業 資 本 家 の 圧 力 に よ って、 彼 ら と 親 方 職 人 と の賃 金 切 下 げ の組 織 に 変 え ら れ て し ま った 。
いま や 、 親 方 職 人 は 、 商 業 資 本 家 に よ る市 揚 の独 占 的 支 配 の 下 で 、 す っか り そ の経 済 的 立 場 を 一変 さ れ て し ま っ
た 。 す な わ ち 、 彼 ら は 、 商 業 資 本 家 の進 出 に よ り 、 使 用 者 と し て の機 能 が 制 的 さ れ た の み か、 む し ろ賃 労 働 者 化 さ れ
て し ま った 。 そ れ ま で の親 方 職 人 は 、 直 接 消 費 者 か ら の注 文 を う け て 、 商 品 を 生 産 し、 自 ら そ の販 売 価 格 を 決 定 し て
き た 。 彼 ら の使 用 者 と し て の利 益 は 、 商 品 の販 売 価 格 か ら 職 人 な ど への賃 金 を 支 払 った 残 り で あ った 。 と こ ろが 、 い
ま で は、 商 業 資 本 家 が き め た安 い契 約 価 格 で、 原 材 料 を う け と り、 そ れ を 加 工 し完 成 品 と し て つく り あ げ て いく こ と
だ け に な って し ま った 。 し か も 、 完 成 し た商 品 の販 売 価 格 は 彼 ら で は な く 、 独 占 権 を も つ商 業 資 本 家 が き め る こと に
な って い た 。 そ のた め こ の よ う な 市 揚 の状 況 のな か で、 あ る親 方 職 人 は 、 も っぱ ら 商 業 資 本 家 か ら 供 給 さ れ た 原 材 料
52
を 、 家 族 の協 力 を 得 て完 成 品 を つく る た め の仕 事 を し た 。 そ の代 り、 彼 は賃 金 と いう か た ち で商 業 資 本 家 か ら 給 料 を
(18 )
う け と った 。 ま た 、 独 立 し た製 造 業 者 であ る こ と を や め て、 賃 金 労 働 者 に な り 下 が った 靴 親 方 も いた 。
し か し 、 親 方 職 人 の立 揚 を維 持 し よ う と し た も の は 、 商 業 資 本 家 の安 い契 約 価 格 の 下 で苦 し い立 場 を よ ぎ な く さ れ
(19 )
る に 至 った 。 彼 ら は 、 安 い契約 価 格 の 下 で 使 用 者 と し て よ り お お く の利 益 を 得 る た め に 、 婦 人 や 子 供 を 雇 って、 通 常
(ω≦①象巴 )、 親 方 の店 は
の 男 性 に 支 払 う 賃 金 の 四 分 の 一で 働 か せ た り し た 。 し か し 、 結 局 は 、 労 働 者 の賃 金 を 切 り 下 げ 、 そ の 労 働 時 間 を 延 長
す る 方 法 し か な か った 。 も は や 、 親 方 職 人 の 利 益 は 、 労 働 者 か ら の "搾 取 に よ っ て つく ら れ
(20 )
"
搾 取 工場 (
ω
≦、
o舞ω
富o℃)" と な り 、 そ し て親 方 は "労 働 搾 取 者 " (
。・
≦。
跨§ ω
) と な った の で あ る 。
三 、 か く て、 職 人 と い わ れ る親 方 は、 他 の同 業 者 と の競 争 のな か で、 労 働 者 の賃 金 を 切 り 下 げ 、 労 働 時 間 を 延 長 す
る こ と に よ り、 彼 ら の不 平 ・不 満 を 高 め て い った 。 こ の傾 向 は 親 方 自 身 が 商 業 資 本 家 の従 属 的 支 配 下 に お か れ る こ と
に よ って 、 い っそ う 強 化 さ れ て き た の で あ る 。
と こ ろ で 、 国 内 市 場 のな か に 、 商 業 資 本 家 が 進 出 し てく る以 前 の毅 階 で は 、 多 少 の不 平 ・不 満 が あ った と し て も 、
何 と か親 方 と 職 人 ・徒 弟 の家 族 的 協 調 関 係 は維 持 で き た 。 そ し て 、 彼 ら の問 に つく ら れ て い た 土ハ
済 的 な 目 的 を も った
﹁
相 互 扶 助 団 体 ﹂ は 、 そ のよ う な 関 係 を 平 和 に 持 続 さ せ る 一つ の重 要 な 役 割 を 果 し て いた と いえ よ う 。 し か し 、 商 業
資 本 家 が 市 揚 に 強 力 に 進 ん でく る に 及 ん で、 親 方 自 身 が 賃 労 働 化 し 、 そ の た め自 己 防 衛 の た め に も 自 己 の労 働 者 に 対
し てき び し い搾 取 行 為 に 及 ぼ ざ る を 得 な か った 。 そ し て 、 そ の必 然 的 な 結 果 と し て、 親 方 、 職 人 ・徒 弟 問 の伝 統 的 な
家 族 的 協 調 関 係 に 亀 裂 が 生 じ、 彼 ら の唯 一の よ り ど こ ろ で あ る 相 互 扶 助 団 体 も 、 共 済 的 救 済 機 関 か ら や が て賃 金 切 下
げ の場 に 変 質 し て い か ざ る を え な か った 。 独 立 後 に お け る ア メ リ ヵ商 業 資 本 主 義 の進 出 は 、 親 方 職 人 で あ る 使 用 者
と 、 職 人 ・徒 弟 で あ る 労 働 者 と の離 反 を 促 す こ と に な った と い え よ う 。
か く て 、 工 場 制 度 下 に お け る賃 労 働 者 の出 現 、 商 業 に お け る 使 用 者 と労 働 者 の離 反 、 こ の 二 つ の経 済 的 、社 会 的 現
ア メ リカ初 期 労 働 組 合 の 結成 と政 策
53
象 は 、 や が て ア メ リ カ 労 働 運 動 の勃 興 と 労 働 組 合 の結 成 を 促 し て い った と いえ よ う 。
三 、 一時 的 団 体 の 出 現
一、 市 場 独 占 を め ぐ る 商 業 資 本 家 の 激 し い 資 本 的 進 出 は 、 つ い に 親 方 と 職 人 ・徒 弟 と の離 反 を 促 し た 。 そ し て 、 こ
の よ う な 離 反 現 象 が や が て 両 者 の 対 立 関 係 を 形 成 す る の に 、 そ ん な に 長 い 時 日 を 要 し な か った 。
す で に 述 べ て き た よ う に 、 親 方 ・職 人 ・徒 弟 の間 に は 、 独 立 戦 争 前 後 か ら 病 気 や 事 故 に そ な え る た め に ﹁相 互 扶 助
団 体 ﹂ (跨 ① ヨ¢εg。一びg ①穿 。・
09①臨oω) が 結 成 さ れ て い た 。 し か し 、 こ の よ う な 扶 助 団 体 が あ った か ら と い っ て 、 職 人 や
は 、 親 方 と職 人 .徒 弟 と の問 に は . 愛 情 や讃
友
徒 弟 た ち の 不 満 は け つ し て 消 え て い た わ け で は な い 。 彼 ら は 、 低 賃 金 、 長 時 間 労 働 と い った 劣 悪 な 労 働 条 件 に つ い
て、 た え ず 不 満 を 抱 い て いた . は や く も 一七 七 ・ 年 のは じ め ゾ乏
階 な ど は ま った く な く 、 労 働 者 は 親 方 を 保 護 者 と み る か わ り に 、 人 を 威 圧 す る 巨 像 と し て 眺 め る よ う に な って い た 。
し か る に 、 こ の よ う な 状 況 の な か で 、 商 業 資 本 家 が 激 し く 進 出 す る に 至 り 、 親 方 に い っそ う 搾 取 的 労 働 強 化 を 行 わ せ
る こ と と な った 。 そ の結 果 、 相 互 扶 助 団 体 は 必 然 的 に 除 々 に 崩 壊 し て い く こ と と な った 。
ま ず 最 初 の崩 壊 は 、 職 人 が こ れ ま で の相 互 扶 助 団 体 を 脱 退 し 、 自 分 た ち 自 身 の ﹁慈 善 団 体 ﹂ (チ。σ。昌。.。一
。纂 鋤。。
。.
。。一
餌,
ぎ 冨 ) を 結 成 し た と き か ら は じ ま った 。 当 時 、 こ の よ う な 団 体 を 結 成 し た も の は 、 印 刷 工 、 大 工 、 靴 工 、 帽 子 工 、 洋
服 工 、 れ ん が 工 な ど の 職 人 た ち で あ った 。 こ れ ら の 団 体 は 、 い ず れ も 熟 練 職 工 (夢 ① 。・
峯 一
Φ鎚 臼鋤穿 ヨ 9昌) の み に よ っ て
つく ら れ 、 一七 九 〇 年 代 に は か な り 多 数 存 在 し た 。
な ぜ 、 熟 練 職 f た ち が こ の よ う な 団 体 を つ く る よ う に な った の か 。 こ れ に つ い て は 、 い ろ い ろ な 理 由 が あ げ ら れ
(22 )
る 。 し か し 、 当 時 彼 らが 考 え た こ と は 、 親 方 が 自 分 た ち 労 働 者 を 突 き 進 め る よ う に 困 窮 に 落 し入 れ て い る こと 、 し た
が っ て 、 重 要 な こ と は こ の よ う な 親 方 の 行 為 を 阻 止 し な け れ ば な ら な い こ と を 悟 った か ら で あ る 。 こ の よ う な 考 え 方
54
は 、 労 働 組 合 の出 現 を 促 す も の で あ った と いえ よ う 。
二、 他 方 、 工 揚 労 働 者 の方 も 、 熟 練 労 働 者 に よ って団 体 が つく ら れ る よ う に な って き た 。
当 時 、 工 場 労 働 者 も 、 低 賃 金 ・長 時 間 労 働 そ の他 劣 悪 な 労 働 環 境 な ど に対 し て 、 た え ず 不 平 ・不 満 を い だ い て い
た 。 し か し 、 工 揚 労 働 者 の ほ と ん ど は 、 年 少 ・女 子 労 働 者 で あ った 。 し た が って、 年 少 労 働 者 に は団 体 の結 成 が 期 待
で き な か った 。 ま た 、 女 子 労 働 者 は 、労 働 組 合 を つく る か 、あ る いは 劣 悪 な労 働 条 件 に 耐 え ら れ な く な った 場 合 に は 、
自 分 の 田舎 に 帰 る か の いず れ か が でき た 。 し か し 、 熟 練 工 に は、 そ の よ う な 二者 択 一の余 地 は な か った 。 彼 ら の な か
そ の 日暮 し に 生 き " 続 け な け れ ば な ら な か 匙
・ か く し て・ 工場 労 讐
に は 、 不 十 分 な 生 活 賃 金 を 補 足 す る た め に 、 農 揚 や 菜 園 を も って い る も のも いた 。 し か し ほ と ん ど の熟 練 工 は 、 も し
団 体 を 結 成 し な け れ ば "貧 乏地 帯 に 止 ま 軌
の熟 練 工 た ち も 、 賃 上 げ 、 労 働 時 間 の短 縮 、 そ の他 の労 働 条 件 の改 善 を め ぐ って、 独 自 の団 体 を 結 成 す る に 至 った 。
彼 ら は まず 霧 的 な労 働組 合
(静。 呂ヨ宕 同9曙 ⇔の8。鉾け
一
8 ) を つく っ(
湾。
す るた め に つく られ た永続 的 な組 織 ではな か 融
三 、 し か し 、 熟 練 工 た ち が つく った 団 体 は 、 今 日 の近 代 的 な 意 味 の労 働 組 合 、 つま り 団 結 活 動 に よ って賃 金 、 労 働
時 間 そ の他 の労 働条 件 の改 善 を護
(夢。 需 毒 碧 。三 昏巴 ①窪三。昌) を 結 成 す る 前 に 、 一時 的 な 団 体
た と え ば 、 一七 七 入 年 に 、 ニ ュー ヨ ー ク の 印 刷 工 た ち が つく った 団 体 は 、 そ の よ う な 性 質 の も の で あ っ た 。 彼 ら
は 、 賃 金 の 値 上 げ の た め に 団 体 を つく り 、 使 用 者 宛 に つぎ の よ う な 手 紙 を だ し た 。 ﹁生 活 必 需 品 が か く も ば く 大 に 値
(26 )
上 り し て い る の で、 現 在 与 え ら れ て い る賃 金 で は働 き 続 け る こ とが で き な く 、 し た が って現 在 の わ ず か ば か り の収 入
に 週 当 り 三 ド ル の追 加 を 要 求 す る﹂ と 。 そ し て、 も し そ の要 求 が 受 け 入 れ ら れ な い場 合 に は 、 働 か な いと 表 明 し た 。
した のであ つ
(
溜・
彼 ら の要 求 は成 功 し 、 使 用 者 は いや いや な が ら そ れ を 受 け 入 れ た 。 印 刷 工 た ち は 、 使 用 者 に よ って要 求 が 受 け 入 れ ら
れ た の で、 も は や 団 体 を 存 続 さ せ る理 由 が な いと し て ・ これ を 蟹
当 時 の 労 働 者 の ス ト ラ イ キ も 、 一時 的 な 団 体 で あ る こ と が 前 提 と な っ て 行 わ れ た 。 ま ず ア メ リ カ で 初 め て ス ト ラ イ
ア メ リカ初 期 労働 組 合 の結 成 と政策
キ が 行 わ れ た の は 一七 八 六 年 で 、 ブ イ ラ デ ル フ イ ア の 印 刷 工 に よ る も の で あ った 。 こ の ス ト ラ イ キ は 、 ア メ リ カ で 最
た め の前 兆 的 な 現 象 で あ った と考 え る こ とが でき る。
ご く 地 方 的 な 現 象 に 止 ま った 。 し か し 、 そ のよ う な 団 体 の結 成 お よ び 行 動 は 、 次 に 誕 生 し て く る近 代 的 な 労 働 組 合 の
基 礎 に 短 期 的 な スト ラ イ キ も 行 な って き た 。 こ の よ う な 一時 的 な 団 体 の結 成 は 、 当 時 は ま だ 全 国 的 な も の で は な く 、
こ の よ う に 、 熟 練 工 た ち は自 ら の生 活 擁 護 のた め に 、 一七 七 〇 年 代 の こ ろ か ら 一時 的 な団 体 を結 成 し 、 ま た そ れ を
財 政 保 障 、 斗 争 を 行 う た め の計 画 を も った 永 続 的 な 組 織 で あ った 。
お 者 を 前 に し て 、 自 分 た ち の賃 金 率 を 維 持 す る こ と が で き な い こ と を 知 った 。 必 要 な こ と は 、 定 期 的 な 会 合 、 緊 急 時 の
た ・ し か し ・ 労 働 者 は や が て 経 験 を と お し て 、 一時 的 な 団 体 で は 、 賃 金 の 切 り 下 げ の た め に た え ず 圧 力 を か け る 使 用
こ れ ら の ス ト ラ イ キ の す べ て は 、 闘 争 が 行 わ れ て い る 間 だ け 存 続 す る 一時 的 な 団 体 に よ っ て 指 導 さ れ た も の で あ っ
ング の賃 上 げ を 要 求 し て ス ト ラ イ キ を 行 な った 。
モ ア の 船 員 労 働 者 が 賃 上 げ を め ぐ っ て ス ト ラ イ キ を 行 な い 、 さ ら に 同 年 に 、 ニ ュー ヨ ー ク の 大 工 と 石 工 が 一日 ニ シ リ
に ・ ブ イ ラ デ ル フ ィ ア の家 大 工 が 一目 十 時 間 労 働 を 要 求 し て ス ト ラ イ キ を 行 な った 。 ま た 、 一七 九 五 年 に は 、 ボ ル チ
こ の ブ イ ラ デ ル フ ィ ア の 印 刷 工 た ち の ス ト ラ イ キ は 、 他 の 熟 練 工 た ち に も 波 及 し て い った 。 す な わ ち 、 一七 九 一年
る ス ト ラ イ キ を 行 い、 要 求 を 獲 得 し た 。
(28 )
仲 間 を 支 援 す る ﹂ と 結 論 し た 。 と こ ろ が 、 使 用 者 が こ の 要 求 を 拒 否 し た た め に 、 印 刷 工 た ち は 4 仁同口。目け〃 を い わ れ
い﹂ こ と を 声 明 し た 決 議 書 を 採 択 し 、 さ ら に ﹁わ れ わ れ は 、 一週 六 ド ル 以 下 で 働 く こ と を 拒 否 し た た め に 解 雇 さ れ た
を 確 保 す る こ と を 決 議 し 、 ﹁自 分 た ち は 今 後 、 一週 六 ド ル 以 下 で は 、 こ の市 お よ び 郡 の い か な る 印 刷 工 場 で も 働 か な
初 に 永 続 的 な 労 働 組 合 が で き る 六 年 前 で あ った 。 フ ィ ラ デ ル フ ィ ア の 印 刷 工 た ち は 、 会 合 を 開 い て 一日 一ド ル の 賃 金
55
四 、 初 期 労 働 組 合 の結 成
一、 ア メ リ カ で は じ め て の 継 続 的 な 労 働 組 合 は 、 一七 九 二 年 に 、 ブ イ ラ デ ル フ ィ ア の 靴 工 職 人 に よ っ て 結 成 さ れ
aU
七九 四年 にな ると・彼 らは こ の
。ご 。§ ①毒 雪 o。a 基 冨 δ 。h 雷 巨 。喜 貯)と い う
鴇.涛。)が 行 わ れ た こ と で あ る 。 す な わ ち 、 こ の と き 長 靴 工 が 靴 工 の 要 求 を 支 援 し て 同 情 ス ト ラ イ キ を 行 っ て い る 。 二
冨 跨魯 。
の点 で 重 要 な 意 義 を も っ て い る 。 一つ は 、 こ の ス ト ラ イ キ に と も な って 、 最 初 の ﹁同 情 ス ト ラ イ キ ﹂ (爵 。超 諺
こ の 一七 九 九 年 の ス ト ラ イ キ は 、 使 用 者 の賃 金 の切 下 げ に 反 対 す る ス ト ラ イ キ で あ った 。 こ の ス ト ラ イ キ は 、 つぎ
ら 十 週 間 も 続 いた 。
(33 )
維 持 し て き た 。 ま た 、 こ の連 合 組 合 は 、 一七 九 九 年 に ア メ リ カ で は じ め て の組 織 的 な ス ト ラ イ キ を 行 い 、 そ れ は 九 か
名 の も と に 再 組 織 し た 。 こ の 連 合 組 合 は 、 少 な く と も 、 一八 〇 六 年 の 共 謀 罪 (08 畳 § 団)の 裁 判 当 時 ま で そ の存 続 を
組 合 を ﹁フ ィ ラ デ ル フ ィ ア 靴 職 人 連 合 組 合 ﹂ (け
冨 潮 山§ 誘 § ξ
二
こ の よ う な情 勢 の な か で、 一七 九 二年 、 フ ィ ラデ ル フ ィ ア の靴 工が ア メ リ カ最 初 の継 続 的 な 労 働 組 合 を 結 成 し た 。
せ て、 新 た に 労 働 組 合 と し て 再 建 さ せ た り し た 。
(31 )
さ ら に 、 フ ィ ラデ ル フ ィ ア の印 刷 工 な ど の労 働 者 た ち は 、 こ の立 法 に 対 す る応 酬 と し て 、 そ の相 互 扶 助 団 体 を 解 散 さ
転 換 を 阻 止 し よ う と し た 。 ま た 、 彼 ら の慈 善 団 体 を賃 金 決 定 のた め に 用 い る こと を 禁 止 す る立 法 な ど も 制 定 さ れ た 。
同 じ に賃 上 げ や 労 働 時 間 の短 縮 の活 動 を す る こ と を 目 的 と し た 。 これ に 対 し て、 使 用 者 た ち は、 彼 ら の労 働 組 合 への
ち は 自 分 た ち の相 互 扶 助 団 体 を 労 働 組 合 に 改 組 す る よ う に な った 。 こ れ ら の労 働 組 合 は、 病 気 中 の仲 間 を援 助 す る と
一七 九 〇 年 代 に な る と 、 地 方 的 に存 在 し て いた 一時 的 な 団 体 に 対 す る反 省 な ど か ら 、 い く つか の都 市 の熟 練 職 人 た
たn30
も つと も こ の組 合 は 、 一年 以 内 し か存 続 し な く 、 そ の名 も 残 す こ と は な か つ麓
56
ア メ リカ初 期 労働 組 合 の結 成 と政 策
つに 、 スト ラ イ キ の 一 つの戦 術 と し て ピ ケ ッテ ィ ング が 行 わ れ た こ と であ る。 す な わ ち 、 靴 職 人 連 合 組 合 は 、 親 方 の
(3
4)
靴 店 を 監 視 (℃凶
。ぎ け
)す る た め に 、 メ ン バ ー の 一人 を 配 置 し た 。 最 後 に 、 こ の ス ト ラ イ キ は 、 九 か ら 十 週 と い う 当 時 と
し て は 比 較 的 長 期 に 行 わ れ た こと で あ る。
(35 )
こ の スト ラ イ キ は 、 約 十 週 間 の戦 い の後 に敗 北 し た 。 し か し 、 靴 職 人連 合 組 合 は 、 十 二年 の存 続 期 間 中 お お く の成
響 を与 え て いる。
(36 )
ま ず 、 一七 九 四 年 に ニ ュー ヨ ー ク の 印 刷 工 に よ っ て 、 ﹁ニ ュー ヨ ー ク 印 刷 工 組 合 ﹂ (2。≦ 照。蒔
(38 )
8
な ど も 組 合 を 結 成 し た 。 こ れ ら の 三 つ の組 合 は 、 当 時 の新 聞 に よ
ω露 ℃≦ユσ
q窪 ω)、 ま た 一入 〇 六 年 に は 、 ニ ュ ー ヨ ー ク 市 の ﹁家 大 工 ﹂
﹁船 大 工 ニ ュ ー
書
尺。時 ↓遷 。αq田 嘗 帥
。巴 ω。。一
葺 ) が 設 立 さ れ 、 こ れ は 一八 一入 年 ま で 活 動 的 な
﹁洋 服 工 ﹂ (け
冨 6巴 一
。邑
}o≒ 濤 図8曾
が つ く ら れ 、 こ の 組 合 は 一入 三 七 年 ま で 存 続 し た 。 続 い て 、 一八 〇 三 年 に
・ そ の他 ニ ュー ヨτ ク で結 成 さ れ た 組 合 と し て、 一七 九 六 年 に 蒙 具 職 工組 合 L (
夢・匂
ー
や
三 、 以 上 、 初 期 労 働 組 合 の結 成 に つ い て み て き た が 、 こ こ で 全 般 的 に そ の 性 格 に つ い て 要 約 し て み た い 。
工 な ど も 組 合 を 結 成 し た 。 し か し 、 こ れら の組 合 に つい て の記 録 は、 ほ と ん ど 残 さ れ て いな い。
(39 )
そ の 他 、 一入 〇 二 年 に ボ ス ト ン の 印 刷 工 、 一八 〇 九 年 に ピ ッ ツ バ ー グ の 靴 工 、 一入 一〇 年 に ニ ュー オ リ ンズ の 印 刷
り 少 な く も 一八 一九 年 ま で 活 動 し た と 考 え ら れ て い る 。
(昏 。 国 。自 ① 09弓 ①暑 ①邑
ヨ ー ク 組 合 ﹂ (筈 ① Z 。≦ k 。蒔 ω。9①¢ 亀
0鋤げ冒 g 弩 山 O冨 胃 ζ 葵 ①邑
組 合 と し て存 続 髭
と 、 ﹁ニ ュー ヨ ー ク 印 刷 工 組 合 ﹂ (昏① z窪
リ ン 印 刷 工 組 合 ﹂ (チ① 津 碧 謀 昌 円毛 。σq3 筈 一
。巴 壽 8 § ま 5) に よ っ て 継 承 さ れ た 。 そ し て や が て 一八 〇 九 年 に な る
。一
。蔓 ) が 結 成 さ れ た 。 こ の組 合 の 存 続 は、 二 年 六 ケ 月 だ け で あ った 。 そ の 後 、 こ の 組 織 は 、 一七 九 九 年 に ﹁フ ラ ン ク
↓巻 。σq目鋤℃臣 。⇔一 ω。,
二 、 一七 九 四 年 の フ ィ ラ デ ル フ ィ ァ 靴 職 人 連 合 組 合 の 結 成 お よ び そ の ス ト ラ イ キ は 、 そ の後 の職 人 組 合 の 結 成 に 影
功 の足 跡 を 残 し た 。
57
第
熟 羅
α・蕗 .・
白g
﹁熟 練 工 ﹂ (。・
斥三 巴 目 ①9 碧 一
8) と い わ れ る
魏 ご ﹂れ は ・ す で述 べ て き た よ う に・ 初 期 労 働 組 A。の前
﹁手 職 人 ﹂ (ゲ餌口餌一
〇﹃
9h
曾
Qo
bρ①昌)あ る い は
に よ って結 成 さ れ た こと 鼠
一に 、 初 期 労 働 組 合 は 、 ま っ た く
人L (
ω
琴
兆 的 段 階 と も い う べ き 一時 的 団 体 の 結 成 が 、 こ れ ら 熟 練 職 人 に よ っ て 行 わ れ た こ と の 当 然 の帰 結 で あ る 。 そ れ で は 、
何 故 に 熟 練 職 人 の み が 、 労 働 組 合 の 結 成 に 走 った の か 。 こ れ に つ い て は 、 さ ま ざ ま な 理 由 づ け が な さ れ よ う 。 し か
し 、 そ の な か で も 、 つぎ の 三 点 は そ の 主 要 な 理 由 で あ る 。 一 つ は 、 彼 ら の ﹁職 人 ﹂ と し て の 立 場 で あ る 。 当 時 、 一 つ
の 仕 事 の な か で 、 徒 弟 と な り 、 や が て 職 人 に な って い く こ と は 比 較 的 容 易 で あ った 。 し か し 、 そ う は い って も 、 い や
し く も 職 人 に な る た め に は 、 そ れ な り の 長 い時 日 と き び し い 技 術 的 修 練 が 必 要 で あ った 。 彼 ら は 、 こ の よ う な 経 過 を
経 て 一人 前 の 職 人 に 成 長 し て き た 。 し た が っ て 、 彼 ら は そ れ だ け の 職 人 と し て の 誇 り を も っ て い た 。 こ の こ と は 、 彼
ら を 他 の仕 事 に 転 向 さ せ る こと を 、 ほ と ん ど 不 可 能 に さ せ て いた 。 だ か ら こ そ、 彼 ら は自 分 の選 ん だ仕 事 のな か で、
生 き る 道 を 見 出 し て い か ざ る を え な か った の で あ る 。 つぎ に 、職 人 が 親 方 へ の道 を 閉 さ れ た こ と も 大 き な 理 由 で あ る 。
商 業 資 本 家 の き び し い搾 取 行 為 は 、 親 方 を し て 労 働 者 への 搾 取 的 労 働 強 化 を な さ し め た 。 小 さ な 親 方 の 店 の な か で 、
(
ω暴 = 暴 ω
§ ) への夢
こ の よ う な 労 働 環 境 が 生 じ て き た と き 、 そ れ ま で の 家 族 的 協 調 関 係 は 崩 壊 し 、 親 方 への 道 は 固 く 閉 ざ さ れ 、 自 立 への
道 の みが 残 さ れ る こと に な る 。 職 人 は 、 こ の よ う な 状 況 の変 化 に 反 発 を 感 じ な が ら も 、 小 親 方
を 捨 て さ る こ と が で き な か った 。 一七 九 一年 、 フ ィ ラ デ ル フ ィ ア の大 工 が 組 合 を つく り 、 ス ト ラ イ キ を 行 った の も 、
(41 )
金 で働 く こ と に な つ
(
嬉 ・ そ の た め・ 職 人 た ち は ・ 職 人 と し て の墓
と に な った 。 彼 ら が 、 自 ら 親 方 と 離 反 し 、 対 抗 し て い く の は も は や 時 間 の 問 題 で あ った 。
職 人 は これ ら の徒 弟 と 同 養
に 強 い不 満 を も つこ
て これ ら の徒 ・弟 に 仕 事 の 一部 を 教 え る よ う 強 いら れ た 。 そ れ に よ り 、徒 弟 は よ り 専 門 的 な 労 働 者 に 成 長 し た 。や が て 、
に 、 よ り お お く の利 益 を あげ る た め に ﹁
徒 弟 ﹂ と いう 名 で お お く の不 熟 練 労 働 者 を 雇 った 。 職 人 た ち は 、 親 方 に よ っ
究 局 的 に は こ の夢 が あ った か ら であ る。 三 番 目 は 、 賃 金 への不 満 で あ った 。 親 方 は 、 商 業 資 本 家 のき び し い進 出 の前
58
ア メ リカ初 期 労働 組 合 の結 成 と政 策
59
第 二 に 、 熟 練 職 人 に よ って 結 成 さ れ た 初 期 労 働 組 合 は 、 か な ら ず しも は っき り と し た 階 級 的 な 立 場 を と って いな か
った こ と で あ る。 す な わ ち 、 初 期 労 働 組 合 の目 的 は 、 賃 上 げ や 労 働 時 間 の短 縮 そ の他 労 働 条 件 の改 善 が 主 要 な も の で
あ った け れ ど も 、 そ れ に か ぎ る も の で は な か った 。 当 時 の労 働 組 合 は、 そ のよ う な 目 的 と 同 じ に 、 従 来 の相 互 扶 助 的
な も の、 つま り 病 気 や 事 故 の際 に仲 間 同 志 で助 け 合 う こ と も 重 要 な 目的 と な って いた 。 さ ら に、 初 期 の 労 働 組 合 に
は 、 組 合 員 で あ る熟 練 職 人 が そ の後 親 方 に な った も のも あ り、 こ のよ う な 場 合 でも そ の親 方 は組 合 員 の 一人 と し て 止
ま って いた 。
第 三 に 、 初 期 労 働 組 合 は 、 そ の ほ と ん ど が 地 方 的 な 存 在 で あ り 、 か つ組 合 員 の数 も き わ め て少 数 で あ っ た 。 これ
は 、 当 時 の産 業 そ のも のが 、 地 方 的 個 々的 に 分 散 し て い た こ と に よ る も の で あ る。
第 四 に 、 初 期 労 働 組 合 の ほ と ん ど は 、 短 期 的 で、 そ ん な に 長 く は 存 続 し な か った 。 スト ラ イ キ も 、 そ の ほ と ん ど が
(43 )
失 敗 し た 。 し ば し ば スト ラ イ キ の敗 北 は 。 労 働 組 合 の終 り を 意 味 し た 。 時 々、 スト ラ イ キが 勝 利 し た と き に は 労 働 組
合 も 解 散 し た 。 な ぜ な ら 、 労 働 組 合 の組 合 員 は 、 そ の勝 利 に よ り 労 働 組 合 の目 的 を 達 成 し た と 考 え た か ら であ る。
し か し、 こ の よ う な 初 期 労 働 組 合 に あ って 二 つ の職 業 、 す な わ ち 靴 工 と 印 刷 工 だ け は 、 継 続 的 、 持 続 的 な 労 働 組 合
(44 )
活 動 を 展 開 し た 。 一八 一〇 年 頃 、 靴 工 お よ び 印 刷 工 の継 続 的 な組 合 は 、 フ ィ ラデ ル フ ィ ア、 ニ ュー ヨ ー ク、 ボ ルチ モ
ア 、 ピ ッ ツ バ ー グ 、 ボ ス ト ン 、 ワ シ ン ト ン、 そ し て ニ ュー オ リ ンズ に み ら れ た 。
第 五 に 、 初 期 労 働 組 合 は 、 組 合 相 互 の 連 帯 意 識 や 協 調 が な か った 。 一七 九 九 年 の フ ィ ラ デ ル フ ィ ア の靴 工 の ス ト ラ
イ キ で は 、 同 情 ス ト が 行 わ れ た が 、 こ の よ う な こ と は ご く ま れ で あ った 。 初 期 労 働 組 合 の ほ と ん ど は 、 根 本 的 に 地 方
に お け ほ 単 一企 業 内 で の 小 グ ル ー プ と し て 活 動 し た 。 他 の 都 市 の 労 働 組 合 と 組 織 的 に 結 合 す る と か 、 同 じ 地 方 内 に あ
っ て も 、 そ こ の 労 働 組 合 と 結 び つ く こ と も し な か った 。
五 、 初 期 労 働 組 合 の政 策
一、 ア メ リ カ の初 期 労 働 組 合 は、 組 合 内 部 や 使 用 者 に 対 し て、 いか な る政 策 を た て、 実 行 し て き た か。 し か し 、 初
期 労 働 組 合 を め ぐ って 、 こ のよ う な 事 柄 を 理 解 す る こと は容 易 で な い。 な ぜ な ら 、 初 期 労 働 組 合 は 、 そ の存 続 が あ ま
り に も 短 期 的 で、 ま た そ の組 合 活 動 の ほ と ん ど が 敗 北 し て き た の で、 組 合 の記 録 や 行 動 に つ い て残 す こ と が な か った
(45 )
から であ る。
し か し 、 幸 いに も 印 刷 工 や 靴 工 組 合 の記 録 が 保 存 さ れ てき た の で 、 そ れ ら を 通 し て初 期 労 働 組 合 の政 策 を 知 る こと
(46 )
が で き る。
以 下 、 初 期 労 働 組 合 の内 部 的 な 政 策 と 使 用 者 に 対 す る政 策 の 二 つの側 か ら 考 察 し て み る。
二 、 初 期 労 働 組 合 の内 部 的 な 政 策 に つ い て は そ の規 約 あ る いは 慣 行 と し て 、 組 合 加 入 か ら 除 名 に 至 る ま で の組 合 員
の行 動 規 律 に つ い て確 立 し て い る 。
ま ず 労 働 組 合 の加 入 に つ い て は 、 通 常 労 働 者 は つぎ の こ と を 誓 約 さ せ ら れ た 。 す な わ ち 組 合 のき め た 賃 金 額 を 支 持
す る こ と 、 組 合 の行 動 に つ い て秘 密 を 保 持 す る こ と 、 組 合 員 が 他 の い か な る 人 よ り も 優 先 し て 雇 用 に つく こ と を 支 持
つぎ に 、 組 合 員 は 、 組 合 の会 合 で礼 儀 正 し く 、 か つ秩 序 あ る ふ る ま い を す る こ と が 要 求 さ れ た 。 議 長 が 静 粛 を 命 じ
と に よ って 、 ま た 正 式 な 組 合 員 と し て 認 め ら れ た 。
(47 )
席 が 許 さ れ て い た 。 そ し て、 そ の労 働 者 が 帰 って か ら、 他 の町 に いた こと を 証 明 す れ ば 、 一ケ 月 の組 合 費 を 支 払 う こ
た 、 そ の会 合 に つ い て 、 労 働 者 が 仕 事 を 求 め て他 の都 市 に 旅 行 す る こと が あ る の で、 そ の揚 合 に は 通 常 三 ケ 月 間 の欠
一ケ 月 当 り の組 合 費 は 六 か ら 十 セ ント で あ った 。 組 合 加 入 者 は 、毎 月 の組 合 の会 合 に 出 席 す る こ とが 要 求 さ れ た 。 ま
す る こと 。 ま た 、 組 合 加 入 に あ た って 入 会 費 を 支 払 う こ と。 こ の入 会 費 は 、 一般 に 四 〇 か ら 五 〇 セ ント で 、 加 入 後 の
60
合 の福
た の ち 、 沈 黙 し な い 人 に は 、 罰 金 が 課 せ ら れ 、 そ れ は 通 常 約 六 セ ン ト で あ った 。 こ の よ う な 罰 金 は 、 理 由 な く 組 合 の
会 合 に 欠 席 し た 場 A・に も 課 せ ら れ た . ニ ュー ヨ ー ク の靴 工 組 A・の規 約 は、 こ の会 .の欠 席 に つ い て 、 ﹁
労瑠
祉 を 増 進 す る た め に 、 会 合 に 出 席 し 、 組 合 幹 部 と 協 力 す る こ と は組 合 員 個 人 の義 務 で あ る﹂ と 規 定 し て い る 。
組 合 員 の除 名 に つ い て は、 つぎ の よ う な 場 合 に 、 審 査 の後 に 行 わ れ た 。 た び か さ な る 酒 酔 い、 粗 悪 な 行 為 、 会 合 中
(
σq門
①曾 )" の労 働 者 は 、 専 門 化 し て い った 。 ま も な く 、 熟 練 職 人 は 、 徒 弟 と同 じ賃 金 で働 か さ れ る よ
か く て 、 熟 練 職 人 は 、 初 期 労 働 組 合 に お い てな も よ り も自 己 防 衛 のた め に 、 そ の賃 金 と 技 能 を確 保 す る こ と を 使 用
分 な 資 格 を 有 す る労 働 者 の賃 金 を 引 き 下 げ る効 果 を も つ こと に な る 。
﹂ と。
(51 )
逃 亡 徒 弟 、 中 途 半 ば な 職 人 が あ り 余 って い る こ と﹂ は ﹁
仕 事 が 半 人 ま え し か で き な い大 人 ﹂ が い る の と 同 じ く 、 ﹁十
す る よ う に な った 。 そ の た め 、 ニ ュー ヨー ク印 刷 工 組 合 は 、 一八 〇 九年 に つぎ のよ う な 不 満 を 述 べ て い る 。 ﹁
未習者、
こ の よ う な お お く の未 熟 練 労 働 者 の出 現 は 熟 練 職 人 の賃 金 を 切 り 下 げ 、 仕 事 を 危 く し 、 そ の地 位 を 不安 定 な も のに
労 働 者 が よ り はや く安 く出 現 し てき た。
(50 )
う に な った 。 親 方 は 、 質 よ り量 や 価 格 に よ り お お く の関 心 を 示 し、 そ の結 果 、 お お く のは や く 訓 練 さ れ た 、 専 門 的 な
れ ら の "青 二才
の徒 弟 を 使 用 し は じ め た 。 熟 練 職 人 は 、 親 方 か ら これ ら の徒 弟 に 仕 事 の 一部 を 教 え る よ う 強 いら れ た 。 そ の結 果 、 こ
商 業 資 本 主 義 が 進 出 し て く る に つれ て 、 親 方 職 人 は商 業 資 本 家 に そ そ の か さ れ て、 徒 弟 制 度 のも と で次 第 に お お く
を 結 成 し た こ と の最 初 か ら の動 機 で あ った 。
第 一に 、 使 用 者 に 対 し て、 熟 練 職 入 た ち の賃 金 と技 能 を 保 持 す る こと で あ った 。 こ の こ と は、 熟 練 職 人 が 労 働 組 合
三 、 初 期 労 働 組 合 の使 用 者 に 対 す る 政 策 に つい て は 、 当 時 の状 況 を 反 映 し て多 様 的 で あ る。
ど の罪 悪 的 な 行 為 が あ った と 認 め ら れ た 揚 合 であ る。
(49 )
仲 間 で あ る組 合 員 への悪 態 、 度 々仕 事 を さぼ って、 使 用 者 に金 銭 上 の損 失 を か け 、 ま た家 族 に 損 害 を か け る こ と、 な
アメリカ初期労働組合の結成 と政策
61
者 に 対 す る第 一の政 策 と し て掲 げ た 。
の印 刷 工 は 、 一週 六 ド ル の最 低 墓
を案
し て、 アメ リ カに 諄
る最 初 の ス 上 ブイ キ を 行 な って勝 利 を 獲 得 し
な お 、 熟 練 職 人 は 、 賃 金 の確 保 と と も に 、 ﹁最 低 賃 金 の確 立 ﹂ も 重 要 な 政 策 と し て いた 。 一七 入 六 年 に フ ィ ラ デ ル
フ訪
て い る。
四 、 第 二 に労 働 時 問 の短 縮 も 、 初 期 労 働 組 合 の主 要 な 政 策 で あ った 。 当 時 の労 働 時 間 は相 当 長 く 一七 入 六 年 に ニ ュ
ー ヨ ー ク の熟 練 靴 工 が ﹁自 分 は朝 五時 か ら夜 十 ご時 ま で あ る い は 一晩 中 働 い た ﹂ と いう 証 言 も 臥網 。
一般 に 、 一七 入 ○ 年 代 後 半 の こ ろ ま で は、 と く に 労 働 時 間 に つ い て のと り き め は な か った 。 一般 に は、 ﹁目 昇 か ら
か ら + 二時 間 ぐ ら い働 いた . 当 時 、 賃 金 は 日額 で支 払 わ れ た の で 、 親 方 は で き るだ け 同 じ賃 金 で労 罐
日 没 ま で﹂ と いう 伝 統 的 な 慣 習 に し た が って いた 。 そ の揚 合 で も 、 日 の長 い夏 や 春 に は 十 四 か ら 十 六 時 間 に 、 逆 に 日
の短 い久、
醗
間 を 延長 した 。
商 業 資 本 主 義 が 進 出 し て か ら は 、 親 方 は労 働 時 間 を よ り 延 長 し な け れ ば な ら な か った 。 な ぜ な ら 、 商 業 資 本 家 の搾
にな る と、 フ ィ一
フデ ル フ ィ ア の杢
馨
は 、 ア メ リ カ で は じ め て +時 間 労 働 制 のた め の スト ラ イ キ を 行
取 的 圧 力 下 で、 親 方 自 身 が 賃 労 働 者 化 し 、 彼 の利 益 の源 泉 を 、 ひ と え に 労 働 者 の低 賃 金 化 と労 働 時 間 の 延 長 に 求 め ざ
九 葦
る を え な く な った か ら で あ る 。
嘉
な った 。 こ の 十 時 間 運 動 は、 失 敗 し た け れ ど も 、 や が て 一八 三 五 年 に は ピ ー ク の年 を 、 ボ スト ン、 ボ ル チ モ ア、 フ ィ
ラ デ ル フ ィ ア等 に 拡 大 し て い った 。
いず れ に せ よ 、 労 働 時 間 の短 縮 要 求 そ のも の は 、 現 代 社 会 に 至 って も 労 働 組 合 のも つと も 重 要 な 政 策 と さ れ て い る
のであ る。
五 、 第 三 の初 期 労 働 組 合 の政 策 と し て 、 労 働 組 合 か ら の親 方 ・使 用 者 の排 除 が あ げ ら れ る。 初 期 の労 働 組 合 に は 、 親
62
方 も 労 働 組 合 員 と し て加 入 し て い た 。 当 時 、 親 方 を 労 働 組 合 の メ ンバ ー と し て加 入 を 許 し て い た 理 由 は 、 二 つ あ っ
(oすのω 8 コヨ三 冒σq)〃 が し は し ば み ら れ た
た 。 一 つ は 、 熟 練 職 人 は 、 店 で 一緒 に 働 い て い る 親 方 は 生 産 階 級 の 一員 で あ っ て 、 資 本 家 や 銀 行 家 の よ う に 搾 取 階 級
で は な い と 考 え て い た か ら で あ る 。 他 は 、 い く つ か の組 合 で は 、 "階 級 転 換
ま れ で あ った . ま た 、 そ のさ つな 鍔
組貧
に つ いて の規 定
か ら で あ る 。 た と え ば 、 印 刷 工 組 合 で は 職 入 が 親 方 に な った 場 合 で も 労 働 組 合 に 止 ま って い る こ と が で き た 。 こ れ に
対 し て 、 長 靴 工 や 靴 工 組 合 で は、 こ の よ ・
つな階 級 転 警
も 設 け て い な か った 。 こ の こ と は 、 靴 工 組 合 を よ り 戦 闘 的 な も のに し た 一つ の理 由 で も あ った 。
し か し・ ニ ュー ヨ ー ク 印 刷 工 組 合 で は、 一八 〇 九 年 の決 議 書 のな か で 、 ﹁
労 使 間 に は共 通 の利 害 が あ る ﹂ と 声 明 し
て いた ・ と ころ が そ れ か ら 八 年 後 の 一八 一七年 に な って、 あ る親 方 組 合 員 が 労 働 組 合 を破 壊 す る た め に 他 の使 用 者 と
共 謀 し て い る こ と が わ か った 。 そ こ で、 印 刷 工 組 合 は 、 親 方 組 合 を 排 除 し て 、 使 用 者 を 含 む と し て い る規 約 を 修 正 し
初 期 労 働 組 合 は 、 あ る意 味 に お い て 近 代 的 労 働 組 合 への移 行 段 階 で あ る 。 し か し こ の段 階 で は 、 階 級 的 区 分 が 明 確
年 に ・ ニ ュー ヨ ー ク 印 刷 組 合 は市 全 体 に 一様 に適 用 し う る賃 金 表 を つく る た め に 、 同 業 のす べ て の使 用 者 の委 員 と話
ま ず ・ 一七 九 九 年 に フ ィ ラデ ル フ ィ ア の靴 工組 合 は、 そ の使 用 者 と の間 に 労 働 協 約 を締 結 し た 。 続 い て、 一八 〇 九
六、 {
第 四 の初 期 労 働 組 合 の政 策 は、 賃 金 な ど に つ いて の労 働 協 約 の締 結 で あ った 。
し て の存 在 が 組 合 を 弱 体 化 さ せ る も の であ る と いう 考 え 方 が で て き た も のと いえ よ う 。
か った と い え よ う 。 し か し 、 や が て親 方 ・使 用 者 と し て の異 質 の立 場 が 明 ら か に さ れ る に し たが い、 彼 ら の組 合 員 と
係 者 で さ え あ った 。 こ の よ う な 当 時 の状 況 を 考 え る と 、 労 働 組 合 の な か に 親 方 組 合 員 が いる こ と に そ れ ほど 抵 抗 が な
いが 明 っき り し て いな か った 。 む し ろ 、 商 業 資 本 家 のき び し い資 本 攻 撃 のも と で、 両 者 は 生 産 者 と し て 共 通 の利 害 関
で は な か った 。 ま し て や 、 親 方 と 熟 練 職 人 と は 一つの店 のな か で 長 く 一緒 に 仕 事 を し てき た 関 係 上 、 お 互 の立 場 の違
禰
アメ リカ初 期労 働 組 合 の結 成 と政 策
63
し 合 う た め に 三 名 の委 員 を任 命 し た。 こ の話 し合 い は 何 回 か も た れ た 後 に 、 賃 金 表 に つ い て協 定 を 締 結 し た 。 ま た 、
組 A口は 、 使 用 者 が 労 働 協 約 に 従 って い る か を 確 認 す る た め に、 ﹁暴
萎
員 (
冨曇
σ・8量
マ
一八 一五 年 に は 、 ニ ュー ヨー ク の印 刷 工が 、 使 用 者 が 市 外 に 仕 事 を だ す のを 防 止 す る た め に 、 東 部 諸 都 市 に 一様 に
蕎
適 用 しう る賃 金表 を作 成 しよ う と したが ・成 功 しな か つ
(
姻・
ま た、 お お齢
§ω
)﹂ を 任 命 し た 。
初 期 労 働 組 合 が 、 当 時 す で に 画 一的 な 賃 金 表 を つく る た め に、 同 業 使 用 者 の代 表 委 員 と労 働 協 約 を 締 結 す る こ と を
●強
政 策 と し て掲 げ て いた こ と は注 目 に 値 す る。 ま た 、 協 約 の実 効 性 を 確 保 す る た め に 、 ﹁
見 張 りを委 員﹂ を設 け て い る
ことも 注 目 され る の であ る。
七 、 第 五 の初 期 労 働 組 合 の政 策 は 、 ク ロー ズ ト ・シ ョ ップ の締 結 で あ った 。
ク ロー ズ ト .シ ョ ップ に つい て の考 え は 、 労 働 協 約 の実 効 性 の確 保 と スト ラ イ キ 中 の労 働 組 合 の団 結 力 の維 持
化 と いう 観 点 か ら 労 働 組 合 の重 要 な 政 策 と し て と り あ げ ら れ てき た 。
初 期 労 働 組 合 の当 時 は 、 熟 練 職 人 た ち が いく ら 親 方 と 賃 金 に つ い て の労 働 協 約 を 締 結 し ても 、 親 方 は そ の協 約 を き
協黎
締 結 さ れ て か ら 一ケ も た た な い・
つち に 、 親 方 績
ム。員 の塞
を 新 し い労 働 者 の華
に ま で切
わ め て し ば し ば 破 棄 し た 。 す な わ ち 、 親 方 は しば し ば 、協 約 で き め た 賃 金 以 下 で 、 新 し い非 組 合 員 労 働 者 を 雇 った 。
ま た、 また 、
(
鷺
り し
。・巴 。。
﹃8 )と い う 言 葉 を 用 い た の は ・ ブ イ
り 下 げ た り し た 。 ま た 、 後 に 述 べ る よ う に 、 親 方 は し ば し ば 、 ス ト ラ イ キ 中 に 新 し い労 働 者 を 雇 っ て 働 か せ た
た 。 こ の こと は 、 労 働 者 の スト ラ イ キ の効 果 を き わ め て 弱 く し た 。
当 時 、 こ の よ う な 状 況 の な か で 、 は じ め て ﹁ク ロ ー ズ ト ・シ ョ ッ プ ﹂ (
§
ラ デ .ル フ ィ ア の 靴 i 組 A口で あ った 。 一七 九 四 年 、 彼 ら は ア メ リ カ で は じ め て 永 続 的 な 労 働 組 合 を つく った と き 、 組
合 政 策 と し て こ の ク ロー ズ ト .シ ョ ップ を と り あ げ て い る 。 こ の と き 彼 ら は 、 使 用 者 に 対 し て 、 自 分 た ち の店 に 組 合
64
アメリカ初期労働組合の結成 と政策
65
(61 )
員 以 外 の者 を 雇 わ な い こ と を 強 制 し て い る。
(62 )
そ の 後 、 ニ ュー ヨ ー ク や ピ ッ ツ バ ー グ の 靴 工 組 合 は 、 部 外 者 が 自 分 た ち の 町 に く る と 、 直 ち に 組 合 に 加 入 す る こ と
を 要 請 し た 。 ま た ニ ュー ヨ ー ク の靴 工 組 合 は、 労 働 組 合 に 加 入 し な い者 に対 し て 、 重 い罰 金 を 課 し た 。
初 期 労 働 組 合 は、 そ の組 合 員 に 対 し て ク ロー ズ ト ・シ ョプ を 比 較 的 き び し い統 制 に よ り遵 守 せ し め た 。 た と え ば 、
ニ ュー ヨ ー ク職 人 靴 工 組 合 は 、 一八 〇 五 年 に ク ロー ズ ト ・シ ョ ップ を 規 約 の 一部 に規 定 し 、 ﹁こ の組 合 の組 合 員 は 、
こ の組 合 に加 入 し て い な い職 人 や 徒 弟 を 雇 って い る 親 方 のも と で働 く べ き で は な い。﹂ ま た ﹁
組 合 員 は、組合 に 加 入
し て いな い者 と 一緒 に 働 く べ き で な い。 も し組 合 員 が 彼 ら と 一緒 に 働 いた 場 合 に は 、 そ の こ と を つぎ の会 合 ま で に 組
(63 )
合 長 に 報 告 し な か った 場 合 に は 一ド ル の罰 金 を 支 払 わ な く て は な ら な く 、 こ の規 定 に 何 回 も 違 反 す る と除 名 す る﹂ と
し て いた 。
(6
4)
﹁旅 行 ヵ ー ド (
津 碧 。一
一
冒 σq § 畠 )﹂ も 、 ク ロ ー ズ ト ・ シ ョ ッ を 強 制 す る 一 つ の 手 段 で あ った 。 こ の 制 度 は 、 と く に 印 刷
工 の 問 で き わ め て 効 果 的 で あ った 、 熟 練 職 人 は 、 労 働 組 合 か ら 組 合 員 で あ る こ と を 証 明 す る ﹁旅 行 ヵ ー ド ﹂ を も っ て
い な い と き は 、 他 の 地 域 で 就 職 す る機 会 が 与 え ら れ な か った 。
以 上 の よ う に 、 初 期 労 働 組 合 に あ っ て は 、 ク ロー ズ ト ・シ ョ ップ を 組 合 政 策 と し て 掲 げ て い た 。 こ れ に つ い て 、 一
般 的 に い え ば 、 靴 工 組 合 に お い て は 、 ク pー ズ ト ・シ ョ ッ プ に つ い て 積 極 的 な 態 度 を と り 、 使 凧 者 に 対 し て こ れ を 徹
底 的 に 要 求 し て い った 。 こ れ に 対 し て 、 靴 工 組 合 よ り 強 力 に 組 織 さ れ て い な か った 印 刷 工 組 合 に お い て は 、 ク ロー ズ
(65 )
ト ・ シ ョ ップ に つ い て は 慎 重 か つ辛 抱 強 く 使 用 者 に 要 求 し て い った 。 し か し 、 ク ロー ズ ト ・シ ョ ップ の実 施 を 使 用 者
に 押 し つけ る よ う な こ と は し な か った 。
入 、 最 後 に 、 ス キ ャ ップ (。。$ ぴ。。) ー ス ト 破 り ー の 防 止 も 、 初 期 労 働 組 合 の 重 要 な 政 策 で あ った 。
親 方 は 、 し ば し ば 労 働 者 の ス ト ラ イ キ に 対 抗 し て 、 ス キ ャ ップ を 雇 い 、 仕 事 を 続 け た 。 た と え ば 、 一八 〇 〇 年 に 、
66
ニ ュー ヨ ー ク の 船 員 労 働 者 が 賃 上 げ を め ぐ っ て ス ト ラ イ キ を 行 った さ い 、 使 用 者 は ス キ ヤ ップ を 雇 った 。 こ れ は 、 労
働 者 を ⋮激 怒 さ せ 、 流 血 さ わ ぎ ま で 発 展 し た 。
労 働 者 は 、 常 に ス キ ャ ップ に 対 し て 、 心 の底 か ら 憎 ん で い た 。 一八 〇 六 年 、 一人 の フ ィ ラ デ ル フ ィ ア の 靴 工 職 人
(66 )
が 、 法 庭 で ﹁ス キ ャ ップ は 、 し ら み の 隠 れ 場 だ ! ﹂ と 叫 ん だ 。 彼 は 、 こ れ に よ り 法 廷 侮 辱 罪 に 問 わ れ 、 五 ド ル の 罰 金
を と られ た 。
(67 )
ま た 、 フ ィ ラデ ル フ ィ ア のあ る製 造 業 者 は スキ ャ ップ の解 雇 を 一年 半 以 上 も 拒 否 し 続 け た が 、 つ いに 彼 は 他 の都 市
に 仕 事 を 移 す 破 目 に な った 。
労 働 組 合 も 、 ス キ ャ ップ に対 し て、 き び し く 非 難 し 、 重 い処 罰 を も って の ぞ ん だ 。 ス ト中 の組 合 員 の ス キ ャ ッ プ
は 、 も つと も 悪 い行 為 で あ る と し て即 刻 除 名 し た 。 ニ ュー ヨー ク の印 刷 組 合 は 、 組 合 の規 約 を 守 って き め ら れ た 賃 金
以 下 で 働 く こ と を 拒 否 し 、 そ のた め 使 用 者 か ら解 雇 さ れ た 労 働 者 の職 場 に 雇 わ れ た 組 合 員 に 対 し て 、 即 刻 除 名 し た ば
(68 )
か り で は な く 、 そ の氏 名 を 全 国 の 印 刷 組 合 に 報 告 し た 。 こ の ﹁ス キ ャ ッ プ ・リ ス ト ﹂ の交 換 は 、 他 の 都 市 の 地 方 組 合
(69 )
と 組 織 的 な 結 び つき が な か った 当 時 に お い て、 労 働 者 団 結 の出 現 の 一 つの徴 候 で あ った 。
以 上 、 ア メ リ カ の初 期 労 働 組 合 の政 策 を め ぐ って、 具 体 的 に考 察 し て き た 。 これ ら の政 策 に つ い て 、 一般 的 に いえ
る こ と は 、 当 時 の小 人 数 の組 合 員 に よ る地 方 的 組 合 と し て は 、 比 較 的 お お く の、 き め こま か な 政 策 を 実 施 し て き た感
が 強 い。 そ し て 、 これ ら の初 期 労 働 組 合 の政 策 を み る と、 後 の近代 的 労 働 組 合 に お け る政 策 の原 型 を 発 見 す る の で あ
る 。
おわりに
ア メ リ カ 初 期 労 働 組 合 に つ いて 理 解 す る た め に は 、 労 働 組 合 結 成 の歴 史 的 背 景 お よ び そ の政 策 を 知 る だ け で は十 分
アメ リカ初期労働組合の結成 と政策
67
で は な い。 本 稿 で は 、 そ れ だ け に 止 ま って いる の で あ る が 、 も と よ り これ で 満 足 し て いる も の で は な い。
ア メ リ ヵ初 期 労 働 組 合 の全 貌 を 知 る た め に は も う 一 つ重 要 な こ とが あ る。 そ れ は 、 こ の よ う な 初 期 労 働 組 合 に対 し
て 、 当 時 の資 本 側 、 つま り個 々 の使 用 者 や 独 立 後 の ア メ リ ヵ の国 家 が い か な る 態 度 を 示 し た か で あ る。
こ の う ち 、 個 々 の使 用 者 ・親 方 に つ いて は ご く 初 期 の こ ろ は 親 方 自 身 が 労 働 組 合 の組 合 員 で あ った り し て、 そ れ ほ
ど 階 級 分 化 が 明 確 で は な か った 。 し か し、 や が て 歴 史 の発 展 と と も に 労 働 運 動 も 展 開 し 、 労 働 組 合 も よ り強 力 に な る
に し た が って 、 使 用 者 た ち は次 第 に 労 働 組 合 を脅 威 の 目 で 眺 め る よ う に な った 。 そ し て 、 こ の脅 威 の目 は や が て使 用
者 の反 組 合 的 感 情 を 激 化 さ せ て い った 。 そ の結 果 、 使 用 者 は 、 労 働 者 に 対 し て個 別 的 に解 雇 、 ブ ラ ック リ スト 、 そ の
他 の不 利 益 取 扱 い等 の態 度 を 強 化 さ せ て い った 。 こ の こ と は 、 一般 に 初 期 段 階 に お け る使 用 者 の労 働 組 合 に 対 す る態
度 と し て知 ら れ て い る こ と で あ る 。
問 題 は 、 初 期 労 働 組 合 に 対 し て 、 独 立 後 の ア メ リ カ の国 家 が いか な る態 度 を と った か で あ る。 こ の こ と は、 初 期 労
働 組 合 の法 的 位 置 づ け を 知 る こ と で重 要 で あ り 、 同 時 に ア メ リ カ に お け る初 期 労 働 政 策 を 理 解 す る こと に も な る。
し か し 、 ア メ リ カ に お い て初 期 労 働 組 合 が 結 成 さ れ た 当 時 は 、 少 な く と も 、 労 働 組 合 に 関 し て は 無 法 地 帯 で あ っ
た 。 さ り と て、 初 期 労 働 組 合 に つ い て は、 個 々 の使 用 者 や 国 家 は静 観 を 装 い、 野 放 し に し て お いた わ け で は け っし て
な か った 。 す な わ ち 、 個 々 の使 用 者 は 、 個 別 的 な 反 組 合 的 行 動 か ら 、 や が て労 働 組 合 に対 す る 法 的 判 断 を 国 家 の手 に
委 ね る こ と と な った 。 こ こ で は じ め て 、 労 働 組 合 の問 題 が 司 法 の場 に 登 揚 し てく る こ と と な った 。 す な わ ち 、 ア メ リ
カ の裁 判 所 は 、 は じ め て 初 期 労 働 組 合 の法 的 地 位 を め ぐ って判 断 を 下 ざ る を え な く な った わ け であ る。
(一九 入 五 .七 .五 )
(℃巨 巴 色嘗 す 6。匡 ≦帥ぎ。H8 ω
。)に つ い て の 判 決 を ま た な け れ ば な ら な い 。 本 稿 で は 、 こ れ に
(70 )
そ こ で裁 判 所 が ア メ リ カ の初 期 労 働 組 合 に対 し て い か な る判 断 を 下 した の か。 これ に つい て は 、 一八 〇 六 年 の フ ィ
ラ デ ル フ ィ ア の靴 工 事 件
つ い て の考 察 ま で は し て い な い 。 い ず れ 、 他 日 の 研 究 に 委 ね る こ と に し た い 。
68
(9 )
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(6 )
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アメリカ初期労働組合の結成と政策
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