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2005 年、2006 年米国経済見通し

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2005 年、2006 年米国経済見通し
2005.5.24
2005 年 、 2006 年 米 国 経 済 見 通 し
~多くのリスクを抱えながらも安定成長持続~
第 一 生 命 保 険 相 互 会 社 (社 長 斎 藤 勝 利 )のシンクタンク、株 式 会 社 第 一 生 命 経 済 研 究 所 (社 長
石 嶺 幸 男 )では、標 記 のとおり「2005 年 、2006 年 米 国 経 済 見 通 し」と題 するレポートを取 りまとめました
ので、ご報 告 いたします。
米国国内総生産(GDP)成長率
2005 年 予 測
実質+3.5%
2006 年 予 測
実質+3.5%
【お問い合わせ先】
第一生命経済研究所 経済調査部
主 任 エコノミスト
桂畑 誠治
TEL 03-5221-5001
(詳 細 は次 頁 以 降 をご覧 下 さい)
<要旨>
● 米 国 の 実 質 G D P 成 長 率 は 05年 + 3.5% 、 06年 + 3.5% と 安 定 的 な 成 長 が 見 込 ま れ る 。 04年 の +
4.4% か ら は 鈍 化 す る も の の 、 企 業 の 効 率 化 が 進 ん で い る こ と か ら 予 測 期 間 を 通 じ て 潜 在 成 長 率
程度の成長が見込まれる。
● 米 国 経 済 は 2003年 4 ~ 6 月 期 以 降 2004年 10~ 12月 期 ま で 、 潜 在 成 長 率 ( 3 % 台 半 ば ) を 上 回 る
成 長 が 続 い た が 、2005年 1 ~ 3 月 期 以 降 は 、家 計 部 門 が 好 調 を 維 持 す る 一 方 で 、企 業 部 門 で や や
減 速 感 が 強 ま っ て い る 。た だ し 、年 後 半 に は 、海 外 需 要 の 持 ち 直 し に よ り 企 業 部 門 の 調 整 が 終 了
し 、設 備 ・ 在 庫 投 資 が 増 加 ペ ー ス を 速 め る と 予 想 さ れ る 。雇 用 ・ 所 得 の 拡 大 や 不 動 産 資 産 残 高 の
増 加 に よ る 資 産 効 果 に よ っ て 個 人 消 費 も 安 定 的 に 拡 大 す る た め 、潜 在 成 長 率 を 小 幅 上 回 る 成 長 が
見込まれる。
● 2006年 に つ い て も 、 個 人 消 費 、 住 宅 投 資 は エ ネ ル ギ ー 価 格 の 上 昇 に よ っ て 2005年 か ら は 減 速 す
る も の の 、雇 用・所 得 の 拡 大 持 続 や 資 産 効 果 、金 利 の 低 位 安 定 に よ っ て 小 幅 鈍 化 に と ど ま る と み
ら れ る 。ま た 、設 備 投 資 は 2006年 初 に 投 資 促 進 税 制 効 果 の 剥 落 に 伴 い 一 旦 増 加 ペ ー ス が 鈍 化 し よ
う が 、規 制 が 緩 和 さ れ た 通 信 業 で の 光 フ ァ イ バ ー 等 の 情 報 化 投 資 の 拡 大 、海 外 で の ハ イ テ ク 需 要
の 強 ま り に 伴 う 増 産 投 資 の 拡 大 を 背 景 に 底 堅 く 推 移 し よ う 。純 輸 出 は 、輸 入 の 高 い 伸 び が 続 く 一
方で輸出の増加も見込まれ、赤字の拡大は続くものの、マイナス寄与は縮小すると予想される。
● 潜在成長率程度の成長持続が予想されることから、FRBは既に現在のような緩和的な政策金
利 は 必 要 な い と 判 断 し て お り 、2005年 中 は 中 立 的 な 水 準( テ ー ラ ー ル ー ル に よ り 当 社 推 計 )に あ
わせる形で利上げを継続しよう。利上げのペースに関しては、インフレ加速懸念が乏しいもと、
エ ネ ル ギ ー 価 格 の 上 昇 が 景 気 に 与 え る 影 響 を 見 極 め な が ら 、F R B は「 慎 重 な ペ ー ス 」で の 利 上
げ を 継 続 す る と 予 想 さ れ る 。2005年 中 に F F レ ー ト 誘 導 目 標 は 、4.00% ま で 引 き 上 げ ら れ る 公 算
が 大 き い 。2006年 入 り 後 も 、潜 在 成 長 率 程 度 の ペ ー ス で 景 気 拡 大 が 続 く も と で 、余 剰 生 産 能 力 や
雇 用 の 余 剰 が 縮 小 を 続 け る と み ら れ 、景 気 の 過 熱 を 避 け る た め に F R B は F F レ ー ト を 段 階 的 に
引 き 上 げ 2006年 末 で 4.75% 程 度 に す る と 見 込 ま れ る 。
● 以 上 の よ う に 、 2005年 、 2006年 と 安 定 成 長 が 持 続 す る な か で 、 多 数 の リ ス ク も あ る 。 第 一 に 、
イ ン フ レ の 顕 在 化 に よ る 利 上 げ ペ ー ス 加 速 、さ ら に 行 き 過 ぎ た 利 上 げ で あ る 。過 去 金 融 政 策 は 必
ず と 言 っ て い い ほ ど ビ ハ イ ン ド ザ カ ー ブ に 陥 り 、過 度 の 引 き 締 め に よ っ て 、景 気 を 失 速 さ せ て い
る 。 特 に 、 今 回 グ リ ー ン ス パ ン F R B 議 長 の F R B 理 事 の 任 期 が 2006年 1 月 末 で 終 了 す る た め 、
引 き 締 め 過 程 で 後 任 の F R B 議 長 に 引 き 継 ぐ こ と に な る 。交 代 直 後 に 、後 任 の F R B 議 長 や F O
MC参加者が市場から信任を得ようとして過度の引き締めを行い景気を失速させるリスクがあ
る 。そ の 他 で は 、① 信 用 リ ス ク の 高 ま り や フ ァ ン ド の 運 用 不 振 に よ る 資 金 引 き 揚 げ に 伴 う 金 融 市
場 の 急 変 動 、② 住 宅 市 場 の 急 激 な 縮 小 、③ 原 油 価 格 の 急 騰 、④ 双 子 の 赤 字 拡 大 を 嫌 気 し た ド ル 暴
落 、⑤ 米 国 内 で の テ ロ 、⑥ 地 政 学 的 な リ ス ク の 高 ま り に よ る 金 融 市 場 の 低 迷 、な ど 景 気 を 減 速 や
失速させるリスクが多数ある。
1
1 .05年 、06年 と 原 油 高 、金 利 上 昇 が 続 く も の の 、雇 用・所 得 の 拡 大 に よ り + 3.5%
成長と堅調を維持する見込み
米国の実質GDP成長率
(%)
8
は 05 年 + 3.5 % 、 06 年 +
3.5 % と 安 定 的 な 成 長 が 見
(図表1)米国実質GDP成長率(前期比年率)
予測
6
込まれる(図表1、2)。
純輸出
4
04 年 の + 4.4 % か ら 鈍 化 す
在庫投資
政府支出
るものの、企業の効率化が
2
設備投資
進んでいることから予測期
住宅投資
0
間を通じて潜在成長率程度
の 成 長 が 見 込 ま れ る 。な お 、
個人消費
-2
実質GDP
ゲタを除いた年間の実質的
な成長率は、エネルギー価
-4
格の上昇・高止まりや政策
(出所)米商務省、予測は当社。
02
03
04
05
06
07
金利の引き上げによって、
2005年 + 2.1% 、 2006年 + 2.2% 成 長 に と ど ま ろ う 。
米 国 経 済 は 2003年 4 ~ 6 月 期 以 降 2004年 10~ 12月 期 ま で 、 潜 在 成 長 率 ( 3 % 台 半 ば ) を
上 回 る 成 長 が 続 い た が 、 2005年 1 ~ 3 月 期 以 降 は 、 家 計 部 門 が 好 調 を 維 持 す る 一 方 で 、 企
業部門でやや減速感が強まっている。ただし、年後半には、海外需要の持ち直しにより企
業部門の調整が終了し、設備・在庫投資が増加ペースを速めると予想される。雇用・所得
の拡大や不動産資産残高の増加による資産効果によって個人消費も安定的に拡大するため、
潜在成長率を小幅上回る成長が見込まれる。
2006年 に つ い て も 、 個 人 消 費 、 住 宅 投 資 は エ ネ ル ギ ー 価 格 の 上 昇 に よ っ て 2005年 か ら は
減速するものの、雇用・所得の拡大持続や資産効果、金利の低位安定によって小幅鈍化に
と ど ま る と み ら れ る 。 ま た 、 設 備 投 資 は 2006年 初 に 投 資 促 進 税 制 効 果 の 剥 落 に 伴 い 一 旦 増
加ペースが鈍化しようが、規制が緩和された通信業での光ファイバー等の情報化投資の拡
大、海外でのハイテク需要の強まりに伴う増産投資の拡大を背景に底堅く推移しよう。純
輸出は、輸入の高い伸びが続く一方で輸出の増加も見込まれ、赤字の拡大は続くものの、
マイナス寄与は縮小すると予想される。
(図表2)米国経済見通し(前年比、%)
(%)
名目GDP 実質GDP
暦年
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
個人消費 設備投資 住宅投資
6.0
5.9
3.2
3.5
4.9
6.6
6.1
5.9
4.4
3.7
0.8
1.9
3.0
4.4
3.5
3.5
内需
(5.5)
(4.5)
(1.0)
(2.6)
(3.5)
(5.1)
(4.4)
(4.0)
5.1
4.7
2.5
3.1
3.3
3.8
3.8
3.6
9.2
8.7
▲4.2
▲8.9
3.3
10.6
9.8
7.9
予測
(注)図中カッコ内は寄与度。
2
6.0
0.8
0.4
4.8
8.8
9.7
5.0
2.6
在庫
(▲0.0)
(▲0.1)
(▲0.9)
(0.4)
(▲0.1)
(0.4)
(0.2)
(▲0.0)
外需
(▲1.0)
(▲0.9)
(▲0.2)
(▲0.7)
(▲0.5)
(▲0.6)
(▲0.9)
(▲0.5)
政府支出
輸出
4.3
8.7
▲5.4
▲2.3
1.9
8.6
6.7
9.4
輸入
11.5
13.1
▲2.7
3.4
4.4
9.9
10.1
8.8
3.9
2.1
3.4
4.4
2.8
1.9
1.2
2.1
●雇用・所得の拡大持続
個 人 消 費 は 、今 後 大 型 の 減
(%)
税が予定されていないこと
2.5
か ら 、雇 用 の 動 向 次 第 と な る 。
2.0
そこで雇用を取り巻く環境
1.5
を み る と 、情 報 化 投 資 の 高 い
(図表3)雇用の寄与度分解(前期比)
実質GDP(-2)
労働生産性(-3)
予測
企業収益(-4)
非農業部門雇用者数
1.0
伸 び が 続 い た こ と で 、資 本 の
情報化比率が高まるなど生
0.5
産 性 が 向 上 、雇 用 を 抑 制 す る
0.0
要 因 と な ろ う 。し か し 、企 業
-0.5
収益は金利が比較的低水準
-1.0
を 保 つ 中 、需 要 が 底 堅 く 推 移
す る こ と か ら 、拡 大 傾 向 を 辿
る 可 能 性 が 高 い 。し た が っ て 、
-1.5
90
91
92
93
94
95
96
97
98
99
00
01
02
03
04
05
06
07
(出所)米商務省、米労働省データより当社推計。
潜在成長率程度の成長が続く中、期待成長率も現状程度が維持されるとみられ、雇用の拡
大傾向は続こう(図表3)。
ただし、在庫率の水準が大きく上昇し深刻な在庫調整に陥った局面では、雇用が減少す
る 可 能 性 が あ る 。 し か し 、 今 次 局 面 で は 、 在 庫 管 理 能 力 の 向 上 に よ っ て 在 庫 率 は 90年 代 前
半 の 約 1.5ヵ 月 か ら 足 下 で 1.31ヵ 月 程 度 と 過 去 最 低 水 準 に 低 下( 図 表 4 )、労 働 分 配 率 も 97
年7~9月期以来の低水準まで低下するなど、企業の効率化が進んでいる。このため、エ
ネ ル ギ ー 価 格 の 上 昇 等 に よ っ て 需 要 が 小 幅 鈍 化 し て も 、雇 用 削 減 に 繋 が る リ ス ク は 小 さ い 。
また、足下で消費者マインドが低下しているが、雇用の増加や景気の拡大期待の持続が
マ イ ン ド を 押 し 上 げ 、 ガ ソ リ ン 等 エ ネ ル ギ ー 価 格 が 前 期 比 で + 15% 程 度 の ペ ー ス で 高 騰 し
続けなければ消費者マインドが急激に悪化するリスクは乏しい。
今 後 の 個 人 消 費 は 、減 税 効 果 に よ
っ て 押 し 上 げ ら れ た 2004 年 前 半 の
ような高い伸びは予想し難いもの
の 、2004年 末 で 終 了 予 定 で あ っ た 家
計部門に対する減税の延長が決定
さ れ て い る こ と も あ り 、2005年 以 降
も年率+3%程度の伸びが予想さ
1.65
9.11同時多発テロ
1.55
イラク戦争
1.50
1.45
1.40
年 末 で 終 了 す る も の が あ る が 、減 税
1.35
の 恒 久 化 を 目 指 す ブ ッ シ ュ 政 権 、中
1.30
間選挙を控えた議会が再延長する
1.25
長の足かせにはならないであろう。
湾岸危機・戦争
1.60
れ る 。 延 長 さ れ た 減 税 も 一 部 2005
可 能 性 が 高 い こ と か ら 、2006年 の 成
(図表4)企業在庫率の推移
1.70
現在
81 82 83 84 8586 87 88 89 90 91 92 93 94 9596 97 98 99 00 01 02 03 04 05
(出所)米商務省
●設備投資は企業収益・マインドの改善を背景に好調に推移しよう
企 業 部 門 で は 、 2004年 末 を も っ て 減 価 償 却 率 を 引 き 下 げ た 影 響 か ら 、 2005年 初 の 設 備 投
資拡大ペースが鈍化している。しかし、①これまでの堅調な成長による期待成長率の高ま
3
り、②キャッシュフローの拡大、③信用スプレッドの縮小にみられるように資金調達コス
ト の 抑 制 、 ④ 2 万 5 千 ド ル か ら 10万 ド ル に 拡 大 さ れ た 中 小 企 業 の 設 備 投 資 償 却 枠 が 2005年
末で終了することに伴う駆け込みを背景に、年後半にかけて拡大ペースを速めると見込ま
れる。
2006年 も 減 税 効 果 の 剥 落 に よ っ て 年 初 に 拡 大 ペ ー ス 鈍 化 が 見 込 ま れ る も の の 、 企 業 業 績
の拡大、キャッシュフローの拡大等を背景に底堅い展開が見込まれる。具体的には、①構
築物投資ではオフィスビルの空室率の上昇ペースが鈍化(前年差でゼロ%付近まで低下)
しているため減少幅が縮小する、②企業収益の改善や更新需要を背景に情報化投資ではコ
ンピューター投資や光ファイバー投資が拡大する、さらに、③収益の改善や稼働率の上昇
により増産投資が拡大する、と見込まれる。
2 . 利 上 げ は 慎 重 な ペ ー ス で 2005年 中 に F F レ ー ト で 4 % 程 度 が 目 処
金 融 政 策 面 で は 、 過 去 11ヵ 月 ( 2004
年 6 月 か ら 2005年 5 月 ) の 間 に F R B
は 合 計 8 回 、2.0% ポ イ ン ト の 利 上 げ を
実施した。利上げによってFRBは景
(%) (図表5)生産者消費財物価コアと消費者物価商品コア
(前年同月比)
6
5
4
気の過熱を抑制し、また期待インフレ
3
が高まるのを防いできた。また、慎重
2
なペースでの利上げは国際金融市場が
1
0
大きく混乱するのを防いでいる。今後
-1
の金融政策に関しても、景気に加えイ
-2
ンフレの動向が大きく影響を与える。
-3
インフレに関しては、商品・原油価
商品コア
生産者物価コア
85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05
(出所)米労働省
格が足下で下落していることから、目
先川上段階でのインフレ圧力はピー
ク時から徐々に弱まっているとみら
れ る 。し か し 、世 界 的 な 景 気 拡 大 持 続
に伴う供給不足懸念を背景にエネル
ギ ー 価 格 の 高 止 ま り 、或 い は 上 昇 が 続
く 可 能 性 が 高 く 、商 品 価 格 も 高 止 ま り
し よ う 。こ の た め 、原 材 料 価 格 は 再 び
上昇に転じると見込まれる。しかし、
製 造 業 で は ① 数 量 効 果 、② 情 報 化 投 資
やリストラクチャリング等による生
産 性 の 向 上 、③ 利 益 率 の 改 善 、な ど に
よってコストの増加をある程度吸収
で き る と み ら れ る 。国 際 商 品 市 況 の 上
(%)(図表6)商品・サービス価格の推移(コア、前年比)
7
6
5
4
3
2
1
0
-1
-2
-3
消費者物価(コア)
商品(コア)
サービス(コア)
85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05
(出所)米労働省
昇 ペ ー ス も 、昨 年 に 比 べ れ ば 小 幅 な も
のにとどまると予想される。
4
価格を抑制する要因として競争の
(図表7)医療価格の推移(前年同月比)
(%)
10
激化も挙げられるが、今後も強まる
9
ことがあっても緩和する状況にはな
8
い。このため企業はコスト増加の影
7
響を軽減・吸収するために、効率化
6
の推進を続けざるを得ないことから、 5
4
雇用者数の増加ペースや賃金上昇が
3
抑制される。雇用の拡大ペースが抑
2
制されれば、消費者の低価格志向が
85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05
続くと見込まれ、小売段階での価格
(出所)米労働省
抑制圧力の強い状況が続こう。この
ような情勢に対応するために、小売業ではICタグの導入、経営・流通システムの再構築
など在庫・商品管理能力をより高め生産性の向上を進めるとみられ、価格転嫁率が低下し
て い る 98年 以 降 の 状 況 に 変 化 が 生 じ る 可 能 性 は 小 さ い ( 図 表 5 ) 。 今 後 も 川 上 ・ 川 中 で の
商品価格の上昇にもかかわらず消費者段階での価格転嫁は限られたものにとどまる公算が
大きい。
C P I コ ア は 、生 産 者 物 価 や 輸 入 物 価 の 影 響 を 受 け る 商 品 コ ア が 3 分 の 1 を 占 め る 一 方 、
サービスコアが3分の2を占めており全体に与える影響が大きい(図表6)。サービスコ
アでは、医療費、帰属家賃の影響が大きく、この項目がサービス価格の動向を決定してい
る。医療費は足下で上昇ペースが鈍化している(図表7)。この要因としては、昨年から
企業がグループを作り都市ごとに保険会社を1社だけ選んで大口契約を結ぶことで保険会
社に対する価格交渉力を強めていることが挙げられる。医療費負担が企業経営を圧迫する
ようになっているので、今後もこのような医療費負担を削減する動きが続くとみられる。
さらに、今年2月には企業の訴訟リスクを減らすため、集団代表訴訟制度が変更された。
訴 訟 案 件 が 複 数 の 州 に ま た が り 原 告 の 賠 償 請 求 額 が 500万 ド ル 以 上 の 訴 訟 は 連 邦 裁 判 所 に
しか提訴できなくなった。これまでは、州の裁判所の判決は原告の消費者側に偏り企業に
不 利 な も の が 多 か っ た た め 、企 業 の 保 険 料 、薬 品 価 格 等 の 上 昇 に つ な が っ て い た 。し か し 、
今後はこれまでよりは企業側に不利な判決が減少するとみられ、保険料や薬品価格の下落
に繋がる可能性が高く、医療費の
伸び抑制に貢献しよう。
また、サービスコアの2分の1
を占める帰属家賃は、賃貸料をも
とに算出されるため、賃貸料の価
格 動 向 の 影 響 を 受 け る( 図 表 8 )。
足下では住宅購入の増加によって
賃貸需要が低下、賃貸料の伸びは
鈍化している。今後も、雇用・所
得の増加、低金利、借入易さ等を
背景に、住宅購入の増加が続くと
(%)
7
6
5
4
3
2
1
0
-1
-2
-3
(図表8)住宅関連物価(前年同期比)
帰属家賃
住宅サービス関連
家賃
宿泊費
84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05
(出所)米労働省
予想され、賃貸料の高い伸びは見
込み難いことから、帰属家賃も急激に上昇する可能性は小さい。このため、サービスコア
5
は前年比+3%程度にとどまる公算が大きい。
以上のように、消費者段階での商品価格への転嫁は限られたものにとどまり、サービス
価格の上昇も現状程度の伸びにとどまるとみられることから、CPIコアは前年比で+
2%台前半での推移が予想される。
このよう中、潜在成長率程度の成長持続が予想されることから、FRBは既に現在のよ
う な 緩 和 的 な 政 策 金 利 は 必 要 な い と 判 断 し て お り 、 2005年 中 は 中 立 的 な 水 準 ( テ ー ラ ー ル
ールにより当社推計)にあわせる形で利上げを継続しよう(図表9)。利上げのペースに
関しては、インフレ加速懸念が乏しいもと、エネルギー価格の上昇が景気に与える影響を
見 極 め な が ら 、F R B は「 慎 重 な ペ
(%)
ー ス 」で の 利 上 げ を 継 続 す る と 予 想
9
さ れ る 。2005年 中 に F F レ ー ト 誘 導
8
目 標 は 、4.00% ま で 引 き 上 げ ら れ る
7
公算が大きい。
6
2006年 入 り 後 も 、潜 在 成 長 率 程 度 の
5
ペ ー ス で 景 気 拡 大 が 続 く も と で 、余
剰生産能力や雇用の余剰が縮小を
続 け る と み ら れ 、景 気 の 過 熱 を 避 け
るためにFRBはFFレートを段
階 的 に 引 き 上 げ 4.75 % 程 度 に す る
と見込まれる。
(図表9)テ-ラールールに基づくFFレート
テーラールールによる適正な金利水準
予測
4
3
2
実績と予測値
1
0
90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07
(出所)FRB。テーラールールによる算出値、予測値は当社。
3.景気の持続的な拡大が見込まれるなか多数のリスクが存在
以 上 の よ う に 、2005年 、2006年 と 安 定 成 長 が 持 続 す る な か で 、多 数 の リ ス ク も あ る 。第 一 に 、
イ ン フ レ の 顕 在 化 に よ る 利 上 げ ペ ー ス 加 速 、さ ら に 行 き 過 ぎ た 利 上 げ で あ る 。過 去 金 融 政 策 は
必 ず と 言 っ て い い ほ ど ビ ハ イ ン ド ザ カ ー ブ に 陥 り 、過 度 の 引 き 締 め に よ っ て 、景 気 を 失 速 さ せ
て い る 。特 に 、今 回 グ リ ー ン ス パ ン F R B 議 長 の F R B 理 事 の 任 期 が 2006年 1 月 末 で 終 了 す る
た め 、引 き 締 め 過 程 で 後 任 の F R B 議 長 に 引 き 継 ぐ こ と に な る 。交 代 直 後 に 、後 任 の F R B 議
長やFOMC参加者が市場から信任を得ようとして過度の引き締めを行い景気を失速させる
リ ス ク が あ る 。そ の 他 で は 、① 信 用 リ ス ク の 高 ま り や フ ァ ン ド の 運 用 不 振 に よ る 資 金 引 き 揚 げ
に 伴 う 金 融 市 場 の 急 変 動 、② 住 宅 市 場 の 急 激 な 縮 小 、③ 原 油 価 格 の 急 騰 、④ 双 子 の 赤 字 拡 大 を
嫌気したドル暴落、⑤米国内でのテロ、⑥地政学的なリスクの高まりによる金融市場の低迷、
など景気を減速や失速させるリスクが多数ある。
4.株式市場の軟調な展開も住宅価格の上昇で緩和
株 式 市 場 は 足 下 で 軟 調 な 展 開 と な っ て お り 、 2005年 は 原 油 高 や 金 利 上 昇 等 の 影 響 を 受 け
も み 合 う 展 開 が 予 想 さ れ る 。 2006年 に は 景 気 ・ 企 業 収 益 の 拡 大 ペ ー ス 再 加 速 を 背 景 に 株 価
も堅調が見込まれる。一方、家計の不動産関連資産残高は、住宅販売、住宅価格の影響を
受ける。当面は、モーゲージ金利が再び低下したことや、政策金利の引き上げ後も銀行が
貸出基準を引き締めていないため資金調達が容易な状況にあることから、住宅販売は過去
最 高 水 準 ま で 増 加 す る と み ら れ る 。 し か し 、 2006年 は 、 雇 用 ・ 所 得 環 境 の 改 善 や 住 宅 価 格
の上昇期待が強い一方、長期金利が上昇すると予想されることから、住宅投資、住宅価格
6
の伸び率は鈍化傾向を辿る可能性が高い。この結果、不動産関連資産残高の個人消費押上
げ効果も鈍化傾向を辿ろう。
今後、企業の信用不安から格下げが実施されファンドからの資金流出に伴う換金によっ
て株価が下落する場合には、同時に金利が低下する可能性が高いため、住宅市場を押し上
げ住宅価格の下支え要因となる。家計の株式関連資産残高と不動産関連資産残高の消費に
与 え る 影 響 を み る と 、 株 式 関 連 資 産 残 高 が 1 % 増 加 す る と 個 人 消 費 が + 0.03% 、 不 動 産 関
連 資 産 残 高 が 1 % 増 加 す る と 個 人 消 費 が + 0.07% 押 上 げ ら れ 、 不 動 産 関 連 資 産 残 高 の 影 響
のほうが大きいことから、株価下落の悪影響を相殺できよう。
他方、バブルとの指摘もある住宅市場が調整するリスクがある。仮に、金利が大幅に上
昇し、金融機関が貸出姿勢を厳格化して資金調達コストが上昇すれば、住宅需要が減退し
住宅価格が下落するリスクがある。また、ドル安ユーロ高に伴い欧州から米不動産に資金
が流入したため、金利の引き上げにつれてドル高が進めば不動産市場から資金が流出する
可能性もある。住宅価格に関しては、基本的に政策当局者は緩やかな調整を想定している
が、経験則から現実的には急激な調整が生じるリスクが高い。株価の変動より影響の大き
い住宅価格が下落すれば、個人消費は失速する可能性が高い。このため、FRBはITバ
ブル崩壊後よりも積極的な対応を行おう。同時に、長期金利は大幅に低下し、株価も持ち
直すとみられ需要が下支えられると予想される。とはいえ、住宅価格の下落によって家計
部門の低迷(緩やかな拡大)が長期化、再びデフレ懸念が強まるのは避けられない。
5.原油高の緩やかな上昇は景気過熱を抑制する要因に
原 油 価 格 ( W T I ) は 、 米 国 、 中 国 で の 強 い 需 要 に 加 え 、 B R I C sと い っ た エ ネ ル ギ
ー効率の悪い国の高成長による中長期的な需給の逼迫懸念から高止まりする可能性が高い。
また、中東ではパレスチナ、イラク、イラン情勢など不透明が残存、供給懸念も原油価格
の 高 止 ま り に 繋 が ろ う 。 今 回 の 見 通 し ( 2005年 4 ~ 6 月 期 か ら 2007年 1 ~ 3 月 期 ) で は 、
原 油 価 格 は 05年 平 均 で 1 バ レ ル = 約 53ド ル 、06年 平 均 で 1 バ レ ル = 55ド ル を 想 定 し て い る 。
た だ し 、 原 油 価 格 上 昇 の 05年 の 実 質 G D P 押 し 下 げ は ▲ 0.34% と 、 原 油 価 格 の 上 昇 だ け で
あ れ ば 景 気 押 し 下 げ 効 果 は 限 定 的 で あ る 。 イ ン フ レ 面 で は 、 05年 の C P I が + 0.42% 押 し
上げられるものの、企業の生産性向上や厳しい価格競争のもと、CPIコアへの波及は限
定的なものにとどまる公算が大きい。
6.負債残高が急増しているものの月々の支払負担はほとんど変わらず
負 債 残 高 の 可 処 分 所 得 に 対 す る 比 率 は 、 2004 年 10 ~ 12 月 期 に 115.5 % ま で 拡 大 し て い る
( 図 表 10) 。 た だ し 、 残 高 よ り も 毎 月 の 返 済 額 の 大 き さ が 個 人 消 費 に 影 響 を 与 え る 。 家 計
の 返 済 負 担 を 示 す 金 融 債 務 比 率 ( * ) は 、 負 債 残 高 が 急 増 し た 2000年 1 ~ 3 月 期 か ら 2004
年 10~ 12月 期 の 間 で も 、 17.66% か ら 18.32% へ の 小 幅 上 昇 に と ど ま っ て お り 、 個 人 消 費 が
抑制されるリスクは小さい(この背景には、住宅価格の上昇や金利の低下を背景に、モー
ゲージ・ローンのリファイナンスやホーム・エクイティ・ローンによって低コストの資金
を調達し、高い金利のローンを返済したことが挙げられる)。今後も、可処分所得の緩や
かな増加が予想されるもと、借入を増やす場合にも返済額を一定とした借入(リボ払い)
を増やすとみられ、金融債務負担の比率上昇は抑制されよう。
7
(%)
金 利 変 動 の 影 響 を み る と 、負
債は消費者ローンと住宅ロー
20
金融債務/可処分所得(右)
110
ン に 分 け ら れ 、可 処 分 所 得 に 対
(%)
(図表10)家計部門の負債・返済負担の推移
120
18
100
16
す る 比 率 で は 、消 費 者 信 用 残 高
90
14
が 2000 年 1 ~ 3 月 期 の 21.8 %
80
12
か ら 2004 年 10 ~ 12 月 期 の
70
10
24.2 % へ と 小 幅 上 昇 に と ど ま
60
8
6
50
った一方、住宅ローン残高は
負債残高/可処分所得(左)
40
2000 年 1 ~ 3 月 期 の 65.1 % か
4
2
30
ら 2004 年 10 ~ 12 月 期 の 84.9 %
60 62 64 66 68 70 72 74 76 78 80 82 84 86 88 90 92 94 96 98 00 02 04
(出所)FRB
へと急激に上昇した。しかし、
住 宅 ロ ー ン に 占 め る 固 定 金 利 の 割 合 が 約 75% と 高 い こ と や 、 変 動 金 利 で も 変 動 幅 に 上 限 が
設定されていること、住宅ローンのリファイナンスが行い易いことから、金利上昇の悪影
響を受け難くなっており、返済負担が急激に高まる可能性は小さい。
今後、金利上昇に伴い返済負担は増加するものの、雇用・所得環境の改善が見込まれる
ことや、住宅ローンの利子は所得控除されることから、個人消費が大きく抑制されるリス
クは小さいといえる。ただし、金融機関の貸し出し姿勢厳格化に加え、借入コストの上昇
を嫌気して新規の借入需要は抑制されるとみられ、個人消費の拡大ペースを抑制する要因
となろう。
(*)金融債務比率とは、住宅・消費者ローンの元利、自動車リース料金、借家賃貸料、持ち家に付随する保
険、財産税支払額を合計した額の可処分所得に対する比率のことである。
7.財政赤字は税収増ながら歳出抑制ができずに拡大する可能性
景気の拡大が見込まれる中、税収を中心とする歳入の増加が予想されるため、財政赤字
の 動 向 は ほ ぼ 歳 出 動 向 に か か っ て い る 。 2005会 計 年 度 の 財 政 赤 字 額 は 、 イ ラ ク ・ ア フ ガ ニ
ス タ ン で の 駐 留 経 費 と し て 2005年 5 月 に 約 820億 ド ル の 補 正 予 算 が 成 立 し た た め 、過 去 最 悪
を更新する可能性が高い。
2006年 会 計 年 度 の 予 算 教 書 は 、 国 防 重 視 の ブ ッ シ ュ 政 権 の 特 徴 を 前 面 に 出 し つ つ も 、 国
防・国 土 安 全 保 障 費 以 外 の 裁 量 的 支 出 を 0.7% 削 減 す る な ど 表 面 的 に は 緊 縮 的 に み え る 内 容
となっている。社会保障な
ど 除 い た 歳 出 全 体 の 伸 び は 、 (10億ドル)
2005 会 計 年 度 の 前 年 度 比 +
3.9% か ら 、2006会 計 年 度 は
(%)
(図表11)財政赤字と名目GDP比率の推移
300
予測
200
2
1年間累計(左)
100
3
1
財政赤字名目GDP比率(右)
同 + 2.1 % と 米 政 府 予 想 の
0
物価上昇率である前年比+
-100
-1
2.3 % を 下 回 っ て お り 実 質
-200
-2
-300
-3
0
マ イ ナ ス 予 算 と な っ て い る 。 -400
一方、対テロ戦争を継続す
-500
るなかで国防費は前年度比
-600
+ 4.8% 、国 土 安 全 保 障 費 が
同 + 7.0 % と な っ て い る 。
-4
-5
-6
81
83
85
87
89
91
(出所)米財務省、米商務省、予測は当社。
8
93
95
97
99
01
03
05
07
2006会 計 年 度 は 、 景 気 拡 大 に よ っ て 税 収 の 増 加 が 見 込 ま れ る も の の 、 駐 留 長 期 化 が 予 想 さ
れ て い る イ ラ ク ・ ア フ ガ ニ ス タ ン で の 駐 留 経 費 が 含 ま れ て い な い 。 ま た 、 2006年 秋 に 中 間
選挙が実施されるため、選挙を控えた議会が歳出削減を含んだ予算案の成立を拒む可能性
が 高 い 。 さ ら に 、 2006年 か ら 始 ま る メ デ ィ ケ ア 関 連 の 支 出 が 、 当 初 予 想 し て い た 年 間 400
億 ド ル か ら 年 間 700億 ド ル 程 度 に 増 加 す る 可 能 性 が 高 い 。こ れ ら の こ と を 勘 案 す る と 、2006
会 計 年 度 の 政 府 見 通 し で あ る 3,900億 ド ル の 赤 字 達 成 も 危 う い と 考 え ら れ る ( 図 表 11) 。
2007会 計 年 度 以 降 の 財 政 動 向 に 関 し て も 、 引 き 続 き イ ラ ク ・ ア フ ガ ニ ス タ ン の 情 勢 は 不
透明な状況が続く可能性がある。加えて、ブッシュ政権は大型減税の恒久化を目指してい
るが、この負担についても今回の予算教書の財政赤字見通しには含まれていないため、恒
久化が決定されるとさらに赤字が拡大することになる。恒久化が決まらない場合でも、期
限が到来する減税は景気に配慮して延長される可能性が高い。
8.国内需要の堅調を映じて経常赤字の拡大が続く公算
輸 出 は 2005 年 7 ~ 9 月 期 に
か け て 欧 州 、日 本 、ア ジ ア の 成
(%)
(図表12)国内需要と経常赤字の名目GDP比率
(%)
予測
6
108
4
106
海外景気の拡大ペース加速に
2
104
加 え 、こ れ ま で の ド ル 安 の 効 果
0
102
に よ り 堅 調 に 推 移 し よ う 。一 方 、 -2
国 内 需 要 は 2005、2006年 も 堅 調
100
長鈍化を背景に緩やかな拡大
に と ど ま る も の の 、今 秋 以 降 は 、
に推移すると予想されること
か ら 、価 格 要 因 よ り も 所 得 要 因
-6
の弾性値が高い輸入の高い伸
-8
び が 見 込 ま れ る 。こ の 結 果 、純
98
-4
経常赤字比率(左)
国内需要比率(右)
96
94
60 62 64 66 68 70 72 74 76 78 80 82 84 86 88 90 92 94 96 98 00 02 04 06
(出所)米商務省、予測は当社。
輸 出 は 2007 年 1 ~ 3 月 期 に か
け て 赤 字 拡 大 傾 向 が 続 く 公 算 が 大 き い 。 経 常 赤 字 は 2006年 に 8000億 ド ル ま で 拡 大 、 名 目 G
D P に 対 す る 比 率 も 6 % 台 前 半 で 高 止 ま り す る 公 算 が 大 き い ( 図 表 12) 。
以上のように、財政赤字は高水準で推移する可能性が高く、経常赤字は拡大傾向を辿る
可能性が高い。現在は、政府が財政赤字削減の姿勢を示したことやグリーンスパンFRB
議長が双子の赤字に対して楽観的な見通しを示したことでドルが買い戻されているが、再
びドル暴落リスクが強まる可能性は否定できない。
以上
9
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