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平成25年度 第3回教育リスク部研修会報告

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平成25年度 第3回教育リスク部研修会報告
平成25年度 第3回教育リスク部研修会報告
教育リスク部部長
千葉妙子
日時
平成 26年 2 月 15 日(土)
場所
北浦和 カルタスホール
テーマ 事例検討 脊髄損傷患者の排泄コントロールについて
関越訪問看護ステーション たんぽぽ
1.グループワーク
*
「脊損の患者の適切な排泄コントロールとは?」
高圧浣腸の指示は誰が出したのか、誰が希望したのか。
13年間もその指示のまま週3回はリスクが高い。
高圧浣腸は今は病院でもやっていない。
出血もしているので危険である事を、主治医を通して説明し下剤や浣腸の
方法を提案する。
浣腸の量も多く疲労感強く、主治医と相談の上説得し別の方法を考える。
二人で訪問したり、文書で同意書を得たりして、看護師の身も守る。
一度入院して良い方法を見つける事を提案し、しきり直しをする。
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食事の内容、運動や離床時間を確認し、浣腸以外の働きかけも考えてみる。
父親が高齢の為、今後の生活を考え社会へ気持ちが向く働きかけをする。
(パソコンの興味を広げ、社会資源活用、共通の趣味の話題であるサッカーの
話しが出来る様な訪問リハ等、他職種を巻き込む)
行政が窓口となり、いろいろなサービスに関わってもらう。
将来をどの様に考えているかを聞き、高齢の父親の為にもディサービスや
ショートスティ利用を勧める。
*
*
2.
林 先生からの講評・まとめ
全体像の把握
運動、食事量、食事内容、ケアマネージャーの有無、ディサービスの
利用状況の確認。行政に関わってもらう。
[ 頚損の排泄ケアの工夫 ]
(1)
食事内容の確認― 下剤に替わる食品を探す。
○ 渋みのあるお茶― タンニンは利尿作用があり、腸に水分がいかなくなり、
便が固くなる傾向がある。
○ 食物繊維― 煮物や野菜たっぷりの味噌汁。
○ 冷たい水や牛乳― 腸管に刺激を与える。
○ ヨーグルト― 腸内環境を整える。
○ オリゴ糖― ビフィズス菌を増やす。
× 腸を刺激するもの
・脂肪は十分に消化されないと、下痢になる事がある。
・いも、バナナ、かぼちゃ、ごぼうは発酵しガスを発生する。
(2) 腹部マッサージをていねいに時間をかけて行なう。
腹臥位― 運動や腹式呼吸が自主的にできない人は、腹臥位により腸が圧迫
さ
れ出やすくなる報告あり。
(3) 下剤を一度リセットしてみる様伝え、主治医と相談し1回量を減らして、回数を増
やす等の工夫。
(4)
時機を狙った排泄支援
代償便意(腹満感や発汗、鳥肌)出現時。
(5) 座位保持
1日3回食事時2時間ほど座位保持を実施。
腹圧、怒責時の上昇に効果的との報告あり。
まとめ
# 最終的には本人とよく話し合い、本人の努力も必要。
# 社会的交流を目指し外に出られる様な支援を、PTやOT、ボランティア等の
介入も視野に入れる。
# 今が考え時で出来る事、出来ない事を明確にして、家族とも相談しリセット
し直して食事と内服のコントロールをする。
# QOLを考え衣食住以上の物は人によって違うので、サービスは何でも使える訳で
はなく、1人の看護師を長時間負担させる事は社会的損失である。
第3者の介入でベターな選択をしてほしい。
感想
何年に1度という大雪の悪天候の中、予定の半分の参加ではありましたが、
3グループに分かれて活発なグループワークができました。
同じ様なケースを抱えているステーションも多く見られ、本人の言うままの
やり方で、何年も排泄ケアを行なってきたという声が聞かれました。
林先生のお話しにもあった様に「召使い」の様な関係性ではなく、看護師
として主治医と一緒に相談し、理論的な方法で説明、説得し新たな安全な
排泄ケアの方法を探すべきだという事がわかりました。
今後の展開に生かしたいと思いました。
平成25年度第3回教育・リスク部研修会アンケート
申し込み53名
1.
出席19名 回収17名
事例検討会の内容は参考になりましたか?
イ.はい 17名
ロ.いいえ
ハ.どちらでもない
2.どんな点が参考になりましたか?
・ 具体的な看護技術が参考になった。
・ 具体的同じ悩みや問題点を共有でき、他の意見を得られた。10名
・ 脊髄損傷の方の排泄介助には色々ある。
・ 同様の症例を訪問しており興味深かった。
・ 林先生の対処のポイントを聞くことができた。2名
・ 他のSTのアセスメントや援助方法を聴き参考になった。
・ 他のSTの現状を知ることができた。
・ ケアや処置に追われる訪問を行ってきたが本人・家族の気持ちの確認する
必要がある。
・ 今現在同じ様に続けている処置についての問題点を知る事ができた。
3. 今回の事例研修についてのご意見・ご感想をお聞かせください。
・事例の排泄ケアについて驚きました。
・利用者様中心となる在宅での看護ですが、相手の思いを全て通すと、
リスクが利用者様・看護師両者にかかわるので自分自身を守る
ということも大切であると改めて思いました。
・私共STでも脊髄損傷の利用者がおり、10年以上かかわっています。
改めて見直しの機会にもなり参考にしたいと思っております。
ありがとうございました。
・発表者の方が来られず残念でした。3名
グループワークで他STの方と交流でき良かったです。
・他の ST の事例など知ることができ、対応など知ることが出来よかった。
・事例検討が面白かった。たぶん利用者に言われるがままずっと処置を行って
いるSTはあると思う、いい刺激となりました。
・チームとしてのかかわり方の大切さがわかりました。
・よい資料ありがとうございました。
・足元の悪い中、出席の皆さんが熱心で、会も少数ながら盛り上がって良かった
です。
4. 教育・リスク部へのご要望がありましたらお聞かせください。
・認知症の利用者の困難事例を検討したい。
・独居の方の困難事例を検討したい。
・マッサージについての勉強会があるといい。
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