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「姿勢作り」について
「姿勢作り」について 高松養護学校 肢体不自由教育スタートアップ講座 香川県立 高松養護学校 自立活動室 高松養護学校 肢体不自由教育スタートアップ講座 姿勢作りとは ①姿勢を整えて いくこと ②取ることのできる 姿勢を増やしていく こと 高松養護学校 肢体不自由教育スタートアップ講座 ①姿勢を整える • どこに着目するか? • どこから、どう整えていくか? 高松養護学校 肢体不自由教育スタートアップ講座 姿勢を読み解くキーワード 1.肩と腰のライン 2.接触支持面と有効支持面 3.関節可動域の中間 高松養護学校 肢体不自由教育スタートアップ講座 KW1 肩と腰のライン (a) ・両肩を結んだライン(a)と、 左右の腰骨を結んだライン(b) が平行になっているか ・側わんがある場合でも、 できるだけこのラインを平行 に近づける努力を (b) ・無理に引き延ばすと、逆に 縮める力が生じるので、徐々 に。 高松養護学校 肢体不自由教育スタートアップ講座 KW2 接触支持面と有効支持面 接触支持面 ・・・体と床などが接して いる面 有効支持面 ・・・接触支持面を結んだ 範囲 高松養護学校 肢体不自由教育スタートアップ講座 KW3 関節可動域の中間 最大伸展 (中間) 最大屈曲 ・子どもたちの多くは、関節可動域自体が狭くなっている ・基本は、その子どもの、「最大伸展」と「最大屈曲」の 中間地点 高松養護学校 肢体不自由教育スタートアップ講座 BEFORE & AFTER • 肩と腰の位置関係の修正、有効支持面の 確保、関節の中間位の配慮を組み合わせて 高松養護学校 肢体不自由教育スタートアップ講座 車いすでの姿勢の整え方 体に合わせて作っている はずなのに、何だかしっ くりこない・・・? 順に見ていきましょう 高松養護学校 肢体不自由教育スタートアップ講座 車いすでの姿勢のくずれ シーティング研究所HPより引用 http://seating.jp/?page_id=121 高松養護学校 肢体不自由教育スタートアップ講座 車いすでの姿勢の整え方 ①お尻を、車いすの奥まで入れる 重力 服のまくれ上がり もチェック! 座位保持いすなら、チルティング させた方が良い位置になりやすい。 ・自分でできる子どもには、自分で修正させる。 ・両方一度に動かせない場合は、左右に体重移動しながら、 片方ずつ奥に移動させる方法を。 高松養護学校 肢体不自由教育スタートアップ講座 車いすでの姿勢の整え方 ②骨盤の位置を整える ・骨盤の上端(腸骨稜)を目印にする。 ・左右の前後・高さに違いがなくなるよう に整える。 ・左右のひざの位置がそろっているか、 いないかも目安になる。 お尻が左右に偏る と上体も傾く 高松養護学校 肢体不自由教育スタートアップ講座 車いすでの姿勢の整え方 ③上体を一度伸ばす ・体幹を伸ばす。 ・両肩を結ぶラインの平行を整える。 ④付いている全てのベルトを締める ・両肩を結ぶラインの平行を整える。 ⑤テーブルもきちんと使う ・腕で背中の筋力不足を補う。 ・腕の重さを解消する。 肩ベルトは、前から後ろ に向かって締めていく 高松養護学校 肢体不自由教育スタートアップ講座 あれ?車いす、小さくなったかな フットレストに足をのせたら、 ひざが上がったり、座面から 太ももがはみ出す。 フットレストから足が頻繁に 落ちる。 肩が、背もたれの上端 より上にくる。 ヘッドレストが肩に当 たっている 胸ベルトが、お腹の方 に来ている ・自立活動室まで、お声かけ下さい。 高松養護学校 肢体不自由教育スタートアップ講座 ②取ることのできる姿勢を作る 高松養護学校 肢体不自由教育スタートアップ講座 夜中、1時間の間にこんなにも動いている・・・ 高松養護学校 肢体不自由教育スタートアップ講座 常に姿勢を変えているからこそ、 じっと座り続けられる 高松養護学校 肢体不自由教育スタートアップ講座 「良い姿勢」≠「良肢位での固定」 姿勢が固定されることによる 健康や快適さへのリスク ・唾液や痰の貯留 ・頸部、胸郭の変形 ・筋力の低下、首の座らなさ、体幹の変形 ・脊柱の不活性 ・痛み、血行不良、肌荒れ ・心理機能の不活性 高松養護学校 肢体不自由教育スタートアップ講座 姿勢作り、ケアの要点は 取れる姿勢を増やすこと、 今の姿勢を減らさないこと 高松養護学校 肢体不自由教育スタートアップ講座 あおむけ(仰臥位) •支持面が広く安定 •車いす座位と並び、もっとも 長い時間過ごしている姿勢 •頭がどちらかに倒れることに よって非対称姿勢、変形 •筋力がつかない、首も座らな い 高松養護学校 肢体不自由教育スタートアップ講座 あおむけ(仰臥位) •浅い呼吸 •首を反らして見る •胸郭の扁平化 •手の発達に不利 •舌根沈下・下顎の後退 •唾液や痰の貯留 高松養護学校 肢体不自由教育スタートアップ講座 うつぶせ(腹臥位) •あおむけの不利を解決できる 姿勢 •うまく設定できれば、筋緊張 が和らぎ、リラックスできる •背中の筋緊張が緩み、胸郭が 動き出す •唾液の貯留が起こらない •舌根沈下や、下顎後退の予防 •首の動き、手の動きを促せる 高松養護学校 肢体不自由教育スタートアップ講座 うつぶせ(腹臥位) •胸への体重のかかり具合 や、肩や股関節に窮屈さ がないか •フラットなうつぶせは、 取りにくい子供が多い •窒息や息苦しさに注意 高松養護学校 肢体不自由教育スタートアップ講座 側臥位 •舌根沈下、下顎後退の予防 •唾液や痰の排出がしやすい •胸郭の扁平化を防ぐ •前後バランスが不安定 •頭の高さを枕で調整する •腕の重みで胸の動きを妨げな いように •下半身をまげて、お腹周りに ゆとりを 高松養護学校 肢体不自由教育スタートアップ講座 座位 •精神活動の活性が高まる •見たり、聞いたり、味わった りがしやすい •体幹で支えられるようになる と、手が使えるようになる •重力を受けて胸郭が下がり、 呼吸がしやすくなる •いす座位、あぐら、横座り、 またがり座りなど、バリエー ションをつけやすい 高松養護学校 肢体不自由教育スタートアップ講座 座位 •唾液や痰の貯留、誤嚥のリスク •体重増加による変形の助長 •リクライニングしている場合は、 あおむけと同じリスクを想定 •もたれるなら前傾座位を 高松養護学校 肢体不自由教育スタートアップ講座 その他 •上肢、下肢で支える姿勢。 •バランスをとることで深層筋群と、体性感覚系 のトレーニングに。 •体幹の支持力をつけることによる発達の促進 高松養護学校 肢体不自由教育スタートアップ講座 座位保持に座りっぱなしになっている 生徒にも姿勢のバリエーションを ずっと座ってる とお尻や腰が痛 いわぁ ふぅ、倒して もらうだけでも 休めるかも チルティングで圧の分散 高松養護学校 肢体不自由教育スタートアップ講座 残念ながら・・・ 「いつの間にか」とれる姿勢は減るのが現実 高松養護学校 肢体不自由教育スタートアップ講座 「いろんな」は本当に「いろんな」です 学校時代にどれだけ、姿勢のバリエーション を広げ、確保できるかが、将来の子どもたち の生活や健康に関わってきます。