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Page 1 Page 2 Page 3 Page 4 [定量] 試料液3 pL をLC/MS に注入し
岩 手 県環境保健研 究 セ ン ター
ピペ ラジン
(別 名
Piperazine
エ
ジ チ レンジ ア ミン 、 ヘ キサ ヒ ドロ ピ ラ ジ ン
:
Hexahydropyrazine)
Diehylenedialnine、
対象物質の構造】
【
CAS番号 : ■0-85‐ 0
分 子 式 :C4H10N2
物理化学的性状】
【
分子 量
86.14
点
融′
弓Ⅲ
`q【
106
沸点
水溶解 度
log Pow
K、 エ
タノールに
刻
易溶
-1.50
(℃ )
146
(出 典
監学物質 の初期 リス ク評価書)
イ
毒性及び用途】
【
毒性 (LD50):ラ ッ ト経 口 2830 mg/kg、 ウサギ経皮 1590 mg/kg
用途 :医 薬中間体合成原料、駆虫薬 の合成原料、エ ポキシ樹脂硬化剤、 アン
チモ ン・ ビスマス 。金 の検出試薬、ウレタ ン合成触媒
(出 典 化学物質 の初期 リス ク評価書)
法規制】
【
化学物質審査規制法第二種監視化学物質 (通 し番号 :438)
化学物質排出把握管理促進法第一種指定化学物質 (政 令番号 :258)
【
製造 。輸入量 】
2001年 の国内使用量は 1000tで ある (出 典 化学物質 の初期 リスク評価書)
【目標検出下限】
10 ng/L
888
§1分 析 法
(1)分 析 法 の概 要
水質試料 100 mLを 精製水で希釈して 500 mLと し、固相抽出カートリッジに通し
て、分析対象物質 を 5%ア ンモニア水/メ タノール溶液 で溶出し、溶 出液を
LC/MS‐ SIM法 にて定量する。
,
(2)試 薬 ・ 器 具
試薬】
【
ピペ ラジン :和 光純薬 工業株 式会社 (Lot No.KLM4102)
アセ トニ トリル :高 速液体 ク ロマ トグラフ (LC/MS)用
固相抽 出カー トリッジ :Oasis MCX Plusカ ー トリッジ (225 mg)Waters社 製
ア ンモニア水 :精 密分析用 (25%)
酢酸 ア ンモニ ウム及 びギ酸 :試 薬特級
精製水 :El 純水製造装置 (ミ リポア社製)で 製造 した逆浸透水 を出口に ED
ポ リッシャー (ミ リポア社製活性庚カー トリッジ)を つ けた Milli― Q超 純水装
置 (ミ リポア社製)で 処理 したもの。
試薬 の安定性・ 毒性】
【
ピペ ラジン水溶液は強塩基性 であるため取 り扱 いに注意す る。
器具】 (注 1)
【
メスシ リンダー、メスフラス コ、シ リンジ、ビーカー 、KD目 盛付受器 (10 mL)
コンセン トレー ター (ウ ォー ターズ社 Concentrator Plus)
(3)分 析 法
試料 の採取及び保存】
【
環境省「化学物質環境調査における試料採取 にあた つての留意事項」に従 う。
試料 の前処理及 び試料液 の調製】
【
精製水 を加 えて 500 mL
水質試料は 100 mLを メスシ リンダーで正確 に秤 取 り、
す る。5%ア ンモニア水/メ タノール溶液 (注 2)20 mL
とし、ギ酸 l mLを 添力日
と精製水 10 mLで コンデ ィシ ョニ ング (注 3)し た固相抽出カー トリッジを コン
セン トレー ター にセ ッ トし、
水質試料 を流速 10 mL/minで 通水 し抽出す る(注 4)。
抽 出後 の回相抽出カー トリッジを 0。 2%ギ 酸水溶液 10 mL、 メタノール 2 mL
で洗浄 した後 (注 5)、 5%ア ンモニア水/メ タノール溶液 4 mLで 溶出す る。溶
出後、窒素ガス を穏や かに吹き付けて 0.3 mLま で濃縮 し (注 6)、 メタノールで
l mLに 定容 し試料液 とす る。
空試験液 の調製 】
【
試料 の前処理及び試料液 の調製】の項 に従 っ
試料 と同 じ量 の精製水 を用 い、【
て操作 し、得 られた試料液 を空試験液 とす る。
889
【
標準液 の調製】
〔
標準原液〕
ピペ ラジン 10 mgを 正確 に秤取 り、メタノール に溶解 し正確 に 100 mLと する。
〔
分解性 ス クリーニング用標準液〕│
標準原液 をメタノールで 100倍 に希釈 して、l μg/mLと する。
〔
検量線用標準液〕
標準原液 を 70%メ タノール で適宜希釈 して、0,2∼ 10 ng/mLと す る。
測定】
【
LC/MS条 件〕 (注 7)
〔
LC/MS機 種名 :Agllent MSD SL
(LC)(注
LC機 種
8)
:Agilent■ 00
カ ラ ム :TOSOH TSKgel Vmpak… 25(2.O mln× 150 Hlm× 7μ m)
移 動 本日 :A:10mM
CH3COONH4/H20 BICH3CN
A B=20 80
2 H n
A B=20 80∼ A:B=35:65(linear gradient)
4 4 n
15 min A B=35 65
B=35 65∼ A:B〓 95:5(linear gradient)
15‐ 18min A
B=95 5
18‐ 22min A
B=95 5∼ AIB=20:80(linear gradient)
22‐ 25 min A
25-35min A B=20 80
0‐
2‐
4‐
流 量 :0.2 mL/min
カ ラ ム 温 度 :40℃
注 入 量 :3正 (注 9)
(MS)
機 種 :Agilent MSD SL
ドリフ ト(フ ラ グ メ ン ター )電 圧 ■ OV
キ ャ ピ ラ リー 電圧 (Vcap):3500V
ネ ブ ライザ ー :N2(50 psi)
、
:N2(10・
OL/
ングガス
ドライ
流量及 び温 度
nラ
340℃ )
:ESI(十 )一 SIM
モニ ターイオ ン :定量用 87,1、 確認用 88.1(注
イ オ ン化 法
10)
〔
検 量線〕
Lを LC/MSに 注入 し、標準物質 のピー ク面積 を用 いて検量線 を作
標準溶液 3 μ
成す る。
890
定量〕
〔
Lを LC/MSに 注入 し、 ピー ク面積 より試料液中濃度 を測定する。
試料液 3 μ
〔
濃 度 の 算 出〕
最終液 量 (L)
水 質試 料 中 の濃度 (ng/L)=試 料液 中濃 度 (ng/L)
水質試 料 量 (L)
〔
装置検 出下限 (DL)〕
本分析 に用 い た LC/MS(Agilent l100 MSD SL)
物質
IDL
注入 量
(LLL)
°
`
ヒヘ ラシ ン
67
最終液 量
0。
)
0.67
1
〔
測定方法 の検出下限 (MDL)、 定量下限 (MQL)〕
本測定方法における検出下限及び定量下限を次 に示す (注
物質
°° ゛
ヒへ ラシ ン
試 料量
(L)
0。 1
最 終液 量
(L)
12)。
注入 量
検 出下 限値
(μ L)
(ng/L)
o.001
3
11)。
DL試 料換算値
試料量
(L)
(L)
0.001
3
の IDLを 次 に示す (注
定 量 下 限値
(ng/L)
4
(4)注 釈
(注
1)
器 具 は 、 メ タ ノール で洗 浄 して用 い る。 コ ンセ ン トレー ター は、 メ タ ノー ル
と精 製 水 で洗 浄 し、精製 水 また は 0.2%ギ 酸水溶液 に置換 してお く。
・
(注
2)
ンモ ニア水/メ タノール溶液 とは、25%ア ンモニア水 5 mllこ メタノール
を加 えて 100 mlに したもの をい う。 なお、 この溶液 は用事調製 とす る。
50/0ア
(注 3)
Oasis MCX Plusカ ー トリッジ由来 のブ ランク値 が検出 されることがある。従
って 、 ロ ッ ト毎 に空試験を行 い分析 に支障がないことを確認す る必要 がある。
ブランク値 が検出 され るロ ッ トは、カー トリッジにメタノール 2 mLを 通液 して
5%ア ンモニア水/メ タノール溶液 20 mLと 精製水 10 mL
1時 間 ほ どおいてか ら、
で コンデ ィシ ヨニ ングす ることで、ブランク値 を低減 できる。 また、抽出操作
中1こ 5%ア ンモ ニア水 /メ タノール溶液等 を通液 して長時間放置す るとブ ラン
ク値 が増加す ることがあるので、できるだけ速や かに処理を行 う。
(注 4)
塩類濃度 が高い海水な どは、固相抽 出カー トリッジを
891
2段 に連結 して抽出を
行 う (図 1)。 この とき、カー トリッジの コンディシ ョニ ングは個別 に行 う。連
0,2%ギ 酸水溶液 20 mL、 メタノール 5mLで 洗浄 し、
結 したまま溶 出す る場合は、
5%ア ンモニア水/メ タノール溶液 8 mLで 溶出す る。
0
0
0
8
■MCX 2段 目
0
6
0
4
︵
じ幹事 回
口MCX l段 目
0
2
0
E ooO PゝE 00劇 氏 瞳︻
一
,
E ooo rゝE oo 塁L娯
一
!
EOoP さEΞ ※使
,
E Ooいヽ E oo V農摂
一
てOΞ ゝEΞ く 娯
図
1海 水 の添力日回収実験結果
(注 5)
溶 出前 の O.2%ギ 酸水溶 液及 び メタ ノー ル に よる 固相抽 出カ ー トリッジの 洗浄
操作 で は 、 それ ぞれ の溶 液 で洗 浄 を行 つ た 後 に、 シ リンジで 空気 を通 し間隙水
を除去す る。
(注 6)
40℃ で行 う。回収 率 が 著 し く低 下す るの で 乾 固 しない よ うに注意す る。ま た、
濃縮後 の溶液 が 、0.3 mLよ り少 な くな つ た 場合 には、精 製 水 を用 いて 0.3 mLに
調 整 してか ら、 メ タ ノール で 定容 す る。
(注 7)
LC/MS条 件 は、本測定 に使用 した機種 (Agilent MSD SL)特 有 の ものである。
(注 8)
0∼ 15 minは 分析用 メンッ ド、15∼ 35 minは カラム コンデ ィシ ョニ ングメゾッ
ドである。装置 か らのブランク値 が検出 され る場合には機種に応 じたキャ リー
オーバー低減 メノン ドを組み込む必要がある。高濃度 の試料を注入 した場合等、
キャ リー オーバ ー が解消で きない場合には、 カラム コンデ ィシ ョニ ングメノッ
ドで 70%メ タノール水溶液 を 10∼ 20に 注入するとよい。
(注 9)
ピー ク形状は、注入量 が 2∼ 10 μLの 範囲で良好 である。本分析法 では、 ガー
ドカラムを使用 していないため、注入量を少なくした。
(注 10)
モニ ターイオ ン 88.1は 、感度 が低いため低濃度 では検出できない。
892
(と
と11)
装置検出下限 (IDL)は 、「化学物質環境実態調査実施 の手引き」(平 成 17年
月)に 従 つて、表 1の とお り算出 した。
表
1装 置 検 出 下 限 (IDL)の 算 出
(Agilent l100LC/MSD SL)
最 終液 量 (L)
注入液 濃度 (ng/mL)
結果
結果
結果
結果
結果
2(ng/mL)
3(ng/mL)
4(ng/mL)
5(ng/mL)
6(ng/mL)
0.001
0.4
0。 41
0.39
0.42
0.40
0。
39
0.0172
67
標 準偏 差
IDL(ng/L)
IDL試 料濃 度換算 (ng/L)
S/N
CV(%)
0,67
11
4.4
IDL=t(n‐ 1,0.05)× σ n■ ×2
893
3
測 定方 法 の検 出下限 (MDL)及 び 定量 下 限 (MQL)イ ま、海 水 (大 船渡湾 )
使用 し、「化 学物質環境 実態調査 実施 の手 引 き」 (平 成 17年 3月 )に 従 つて 、
2の とお り算 出 した。
表
2測 定方法 の検 出下 限 (MDL)及 び定量下限 (MQL)
標 準添力日量 (ng)
試料換算濃度 (ng/L)
最終液 量 (L)
結果
結果
結果
結果
結果
2
20
0,001
2(ng/L)
3(ng/L)
4(ng/L)
5(ng/L)
6(ng/L)
18.9
18.6
20,8
20.5
20。 6
0.875
標 準偏差
MDL(ng/L)
MQL(ng/L)
3,4
8.8
S/N
29,4
CV(%)
4.4
MDL=t(n‐ 1,0.05)×
MQL=σ
σ n_1× 2
1× 10
れ‐
操 作 グランク平均 :試 料 と同量 の精製水を用 い 、同様 の操作 を行 つた値 の平均値 (F5)
無添力日
平均 :MDL算 出用試料 に標準 を添加しないで 、同様 の操作を行 つた値 の平均値
(n=5)
894
を 表
(注 12)
§2
解 説
分析法】
【
フローチャー ト〕
〔
分析 のフローチャー トを図 2に 示す。
水質試料
100 mL
デ
MCX Plusカ ート
リ
ッ
ンモニア水
司レ
ノ
/メ タ
溶液
ESI(+)
N2が ス
50/0ア
→ 0.3 mL
図 2分 析 のフロー チャー ト
〔
検量線及びマススペ ク トル〕
検量線例を図 3に 、マススペ ク トル及 びク ロマ トグラムを図 4に 示す。
o
5
AmountIPPb】
図 3検 量線 (0,2∼ 10 ng/mL)
895
←-87.1
│
←-88。 1
°° ゛
←ヒ
へ ラン ン
図 4 マススペ ク トル (上 段)と IDL算 出時 クロマ トグラム [0,4 ng/mL](下 段)
添加回収実験結果〕
【
精製水、河川水 (北 上川)、 海水
を表 3に 示す。
表
3
(大 船渡湾)へ の標準物質添加回収実験結果
添加 回収 実験結果
試
定
回
料
名帝 玲 測
数食
地
虎
F民努
〒脇
5
く4
5
<4
5
0
5
3.6
6
. 9
0
87
く4
96
4.4
′
[ 府 ′′
︵︶^V
5
76
﹁ 6
7
5
0
海水
0。
0
河川 水
100
0,100
0.100
0,100
0.100
0。 100
0
精製水
0
4:号
3.4
*:検 出濃度 とは水試 料 中濃度 を示す
896
〔
分解性 ス クリーニ ング試 験結果〕
分解性 スクリーニ ング試験結果を表 4に 示す。
表 4分 解性 ス ク リーニ ング試験結果
pH
(%)
5日 後
暗所
(%)
明所
(%)
(%)
〔
環境試 料分析例〕
岩 手県 内 の環境試 料分析 例 を図 5及 び 6に 示す 。
図 5 河 )│1水 (北 上川 、南大橋 )ク ロマ トグラ ム例
図 6 海水
(大 船渡湾)ク
897
ロマ トグラム例
8
9
8
9
0
9
9
89
100
9
8
0
9
101
°°
ヒへ ラデン (無 添力日
)
暗所
6
9
(%)
0
0
︲
7
100
100
100
明所
後
1
9
伍g/mL)
1日
8
9
4
_
初期濃度 1時 間後
その他】
【
ピペ ラジンは重水素ラベル体
(ピ ペ ラジン転 0)が 市販されてい る。
評価】
【
本法により、水質試料中のピペ ラジンが 4 ng/Lレ ベルで検出が可能である。
担当者氏名・ 連絡先】
【
担当 岩手県環境保健研究センター
住所 〒020-0852 盛 岡市頷 岡新 田 Ⅲ36‐ 1
TEL i 019‐ 656‐ 566と FAX:019‐ 656‐ 5667
担当者 人重樫呑 佐々木和明
E‐
mail:ka哩 墾
898
Piperazine
This rnethod provides procedure for the deteHnination ofpiperazine in、
vater sample by
liquid chromatography mass spectrometry(LC/MS),A dilutcd solution is made from
100 ■1l of the sample, 400 ■1l of the purined water and l ■1l of folnlic acid. The
prepared solution is passed through one or two prcconditioned solid Phase extraction
cartridges(OasiS MCX plus)at he aOw rate of10 mL/min.Piperazine is elutcd wi血 4
mi of50/O ammonia solution in rnethanol.The elution is concentrated under nitrogcn gas
aow t。 l ml.The analytes are detellllincd by LC/MS― SIM(ESI)。 Piperazinc is detected
as the llydrogcn adduct(i.e.[M+1]+)in pOSitive ion mode and quantiied by comparing
wih auhentic standard.Thc instrulnental detection hmit(IDL)is 67 ng/L.The mehod
dctection hmit(MDL)and mehOd qualltiication lmit(MQL)in surface water from sea
are 4 and 9 ng/L,respect ely.Thc average of recoveriesと om 10 ng pipcrazine added
surface water froni river is 870/0,and he relative standard deviation is 3.60/0.Using ttlis
mettod,he concentrations of piperazine in surface water samples collected in I、 vate
prefecture were detel皿 lined.It was detectcd from 4 points among 13 suⅣ eyed points,
and the FnaXilnuni concentration was 138 ng/L.
Sohd phase
Dilution
‐>500 mL
cxttaction
FoAllliC acid l
Volume
→ l mL
50/OaHlmonia solution
in mehanol
N2gaS
ESI (+)
→ 0.3 mL
899
分析 フ ロー チ ャ ー ト
物質名
ピペ ラ ジ ン
備考
LC/MS‐ SIM
ESI(+)
゛
MCX PIusカ ートナ
ッシ
カラム
TSKgel
Vmpak-25
長 さ 150 mm
内径
2.Omm
粒 径 7 μm
ンモヴ 水
ール溶液
ノ
/メ タ
50/0ア
OasisiヽICX Plus
ヾ
゛
コンテ ィショ
ニンク
ール 2mL
・ メタメ
ESI(+)
(1時 間放 置 )
・ 5%ア ンモニア水/メ タノ
ール溶 液 20 mL
・ 精製 水 1014L
洗浄
ヾ
・ 0.2%キ 酸 水 溶
液 10 mL
・ メタノール 2 mL
溶出
・ 5%ア ンモニア水 /メ タノ
ール溶 液
検 出下限
(水 質 )
4 ng/L
900
4mL
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