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Title 第16回慶應義塾大学形成外科同門会学術集会 Author Publisher

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Title 第16回慶應義塾大学形成外科同門会学術集会 Author Publisher
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第16回慶應義塾大学形成外科同門会学術集会
慶應医学会
慶應医学 (Journal of the Keio Medical Society). Vol.85, No.1 (2008. 4) ,p.64- 71
Journal Article
http://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/detail.php?koara_id=AN00069296-20080400
-0064
学会 展 望
第16回慶應
義塾大学形成外科同門会学術集会
日
時
場
所
義 塾大 学
主
催
義 塾 大学 医学部 形 成外 科学 教室 同窓 会
事務局
平 成20年2月2日(土)午
別館
後2時00分
3階
第 二 会 議 室(内
慶應線62157)
義塾 大学 医学部 形 成外 科学 教室 内
〒160-8582
∼5時30分
東 京 都 新 宿 区 信 濃 町35番
慶應
慶應
地
14:00-14:30
症例報告
座長
田中一郎
14:30∼15:10
眼瞼
座長
金子
15:10∼15:20
休憩
15:20∼16:20
特別講演 「眼瞼 ・義眼床の形成外科上
16:20∼16:50
口唇
座長
三鍋俊春
16:50∼17:20
体幹 その他
座長
永竿智久
一64一
剛
第16回 慶應義塾 大学形成外科同門会学術集会学会記録
14
00∼14:30
者 によ り治 療が 行 われ る必要 が あ る.
症例報告
座長:東 京 歯科 大 学市 川総 合病 院
皮膚 科 ・形成 外 科 田 中 一 郎 先 生
1.小 児 の肘 部 に生 じた仮 性動 脈瘤 の一 例
A:内
川:頻 回 の採 血 を行 えば発 生 しうる と思 う.小 児 に お
いて は体動 の関 係か ら何 回 も採血 す る場合 が多 く,普 通 の採
国立 成育 医療 セ ンター形成 外科
内川 裕美 子,大 原 博敏
Q:田 中一 郎:通 常 の注 射針 はか な り細 い と思 うのだ が,そ
う した針 を使用 して も動 脈瘤 は発 生 す るのか?
血 を行 って も動 脈瘤 が発 生す る可 能性 は否 定 で きない と考 え
金子
剛
る、
慶磨 義塾 大学 形成 外科
松 田就人,小 山太 郎
2.firiple
Extramarnrnary
Paget's
Diseaseの
治療 経験
【目的 】 今 回我 々 は,静 脈採 血手 技 によ って生 じた と考 え
られ る肘 部の仮 性 動脈 瘤 の一例 を経 験 した たあ若 干 の考察 を
東京 歯科 大学 市川 総 合病 院皮 膚科形 成外 科
加 え,報 告 す る.
伊東 祥雄,川 島 淳子
埼玉 社会 保 険病院 形成 外科
酒井 成貴,田 中一 郎,高 橋愼一,
【症 例 】 症例 は2ヶ 月 女児.心 筋 炎 の入 院加 療 中 に,右 肘
部 の腫瘤 に気 づか れ た.エ コー検 査 で は,肘 部 に18×30×
21cm大
渡辺 美佳
の 血 流 を有 す る腫瘤 性 病 変 を 認 め,上 腕 動 脈 よ り
生 じた仮性 動脈 瘤 が疑 われ た ため当科 に紹 介 とな った.患 児
triple extramammary
Paget's diseaseは
の母 が肘部 の腫 瘤 に気 づ いた2日 前 に,肘 静脈 よ り採血 が行
窩 に 生 じ たPaget's
われ てお り,静 脈採 血手 技 に伴 う動脈 損傷 が 原因 と考 え られ
報 告 例 は42例
た.心 筋炎 によ る心 機能 低下,ス テロ イ ド使用 中 とい う患児
再 建 治 療 を 行 な っ た1例
の状況 を考應 し,ま ず圧 迫 に よ る保存 的加 療 を試 みた が,動
脈 瘤 は改善 せず,む
症 例 は80歳
しろ圧迫 部位 の漬 瘍化 を認 め たた め切 除
diseaseで
と比 較 的 稀 な 疾 患 で あ る.本
側腋
症 に対 して 切 除,
を経 験 し た の で報 告 す る。
男 性 で,2年
前 に陰部 に紅斑 が 出現 しス テ ロ
イ ド剤 に て 治 療 した が,皮
疹 拡 大 し当 科 を 受 診 した 。 両 腋 窩
術 を施行 す るこ と した.術 中所見 で は上腕 動脈 か ら血流 を受
及 び 陰 部 に び ら ん を 伴 う 紅 斑 を 認 め,皮
け る動 脈瘤 を認 め た.瘤 を頸部 にて切 断 し,上 腕動 脈壁 を縫
mammary
合 閉鎖 した.現 在3年 が経 過 してい るが術 後 の経 過 に問 題 は
外 陰 部,両
あ り,渉 猟 した 限 りで は 本 邦
Paget's diseaseと
術 前,外
膚 生 検 に てextra-
診 断 さ れ た.
陰 部 と両 腋 窩 のrnapping生
検 施 行 した 後,切 除 ・
な く,エ コー検 査で は上 腕動 脈 の形 状 と,内 部 の血 流 は正常
再 建 術 を 施 行 し た.高 齢 で 手 術 時 間 の 制 限 も あ っ た 為,手
化 して い る.
は1週
【考 察】 近 年,観 血 的動 脈圧 モニ ターや血 管 造影 検 査 時 の
カテ ーテル挿 入 に伴 う医原 性仮 性動 脈瘤 の報 告 は増加 して い
を 施 行 し,周 囲3cmのmarginを
る.今 回 我 々が経 験 した症 例 で は,静 脈 採血 手技 に伴 う動 脈
建 に は広 背 筋 前 縁 部 に約10×14cmの
損傷 が その原 因 と して考 え られ,渉 猟 した 限 りで は同様 の報
胸 背 動 静 脈 前 枝 と周 囲 筋 体 を 茎 と して皮 弁 を 移 行 した.外
告 は なか った。 四肢末 梢 の動脈 瘤 の初発 症状 と して は局所 の
部 で は 周 囲3cmのmarginを
拍動 性腫 瘤 と して 自覚 され る ことが多 く,動 脈瘤 によ る周 囲
膜 上 で,陰
神経 圧迫 症状 や血 栓 に よる動脈 閉塞 の可 能性 もあ る.診 断 と
して は超 音波 検 査,CT,
MRAな
どが用 い られ,治 療 法 に
Dartos筋
つ いて は圧迫 に よ る保 存的 治療,血 行 再 建術,ト ロ ンビ ンや
側 の 精 巣 ・精 索 は 大 腿 部 皮 下 に,捻
コイル によ る塞栓 術 な どが報 告 されて い る.今 後,仮 性動 脈
定 後 埋 入 した.陰
瘤 に関 して形成 外科 に 灘 ンサ ルhさ れ る機 会 も増 え る と考 え
皮 膚 欠 損 に は 網 状 の 分 層 植 皮 術 を 施 行 した.両
られ るため,今 回 その発 生機 序 や治療 法 に関 して考 察 した.
共 に 切 除 標 本 で もPaget
また,小 児 の静脈 採血 手技 の合 併症 と して仮 性動 脈瘤 の発
間 の 間 隔 を 置 き2回
した が,腋
に 分 け て 施 行 し た.始
術
め に両 腋 窩
と り筋 膜 上 で 腫 瘍 を 切 除
窩 の 全 有 毛 部 よ り も広 範 な 皮 膚 欠 損 を 生 じた.再
広 背 筋 皮 弁 を 作 成 し,
と り,下
陰
腹部 と大腿 部 で は筋
茎皮 膚 は基 部 と冠状 溝 間 の約半 分長 まで を
膜 下 で,陰
切 除 した.高
嚢 皮 膚 は 肉 様 膜 下 で 全 切 除 し,腫 瘍 を
齢 者 で 授 精 機 能 を 考應 す る必 要 は な い た め,両
転 を 防 ぐ た め に底 部 に 固
茎皮 膚欠 損 に は シ・
ー ト状,そ
の他 の外陰 部
腋 窩,外
陰部
cellは 表 皮 内 に 限 局 し て お り,1ル
ンバ 節 郭 清 は 施 行 しな か っ た.術 後 合 併 症 は 無 く,術 後4ヶ
生 も念 頭 に置 き,採 血後 は局 所 の観察 を行 い,疑 わ しい所見
月 で 腫 瘍 再 発,肩
を認 めた場 合 に は早 期 の対応 を行 う ことが必要 で あ る と思 わ
腋 窩 の 腫 瘍 切 除 後 欠 損 に 対 して は植 皮 術 に よ る被 覆 の 報 告 が
れた.
多 い が,切
関 節 可 動 域 制 限 等 も な く経 過 良 好 で あ る 。
除 後 欠 損 が 広 範 な 場 合 に は分 層 植 皮 術 で は 術 後 拘
縮 に よ り上 肢 挙 上 制 限 を き た す 惧 れ が あ り,胸 背 動 静 脈 前 枝
【質 疑 応 答 】
を 茎 と した 広 背 筋 皮 弁 に よ る再 建 は有 用 と思 わ れ た.
Q:佐
久 間:そ
け い 部 よ り の 発 生 率 は?
A:内
川:血
管 造 影 時 に 発 生 した と す る報 告 は存 在 して い る.
コメ ン ト:中 島:Paget病
Q:中
島:治
療 に お い て トロ ン ビ ン を 使 用 す る と延 べ た が,
の も あ る の で,切
トロ ン ビ ンの 使 用 は 危 険 で は な い の か.
Al内
川:確
か に リス ク は高 い と 思 わ れ る の で,熟
は化 学 療 法 の適 応 によ り消 失 す る も
除 範 囲 の適 応 に っ い て は 慎 重 に な る必 要 が
あ る.自 験 例 に お い て は 肺 が ん を 合 併 して お り,そ れ に 対 し
練 した 術
一65-一
て 化 学 療 法 を 行 っ た と こ ろPaget病
が 消 失 し た こ と が あ る,
慶懸医学
85巻1号(平
成2◎年4月)
Q:今
西:穿
通 枝 皮 弁 を 作 成 す る こ と は考 え な か った の か.
A:坂
A:田
中:手
術 室 を使 用 で き る,時 間 的 な要 因 よ り不 可 能 で
あ らか じめ 作 成 して お い た.
本:同
感 で あ る.ゆ
え に, 術前 に石 膏 モ デルを用 いて
あ っ た.
Q:玉
田:外
陰 部 の 手 術 よ り,腋 窩 の 手 術 を 先 に 行 っ た理 由
は な に か?
A:田中一
4.超 音 波 断層 検査 補助 下 の頬骨 骨折 整復 の経 験
郎:外
Q:大
西:陰
A:田
中 一 郎:陰
陰 部 マ ッ ピ ン グ の 結 果 を 待 っ て い た た め.
嚢 部 で は,肉
横 浜市 立市 民病 院形 成外 科
佐 久 間恒,金 子 章子
様 膜 下 で の 切 除 が 一 般 的 な の か?
嚢 部 で は 腫 瘍 細 胞 が 深 く浸 潤 して い る可 能
性 が 高 い た め に,筋 膜 レベ ル で の 切 除 が 望 ま しい と考 え て い
る,Scarpa
こ れ ま で 頬 骨 骨 折 のclosed
fasciaが 肉 様 膜 に 連 続 して い る.
しえ た か ど う か は,術
reductionで
は,適
切 に挙 上
者 の 感 覚 に 依 存 す る ほ か,術
中X線
透 視 や 術 後 の ポ ー タ ブ ル レ ン トゲ ンで 確 認 す る しか な か っ た。
今 回 我 々 は 頬 骨 骨 折2例
3.人 工 骨 を用 いて再 建 した頬 骨血 管腫 の一 例
closed
に 対 し,超 音 波 断 層 検 査 を 併 用 し
施 行 した の で,若
干 の文 献 的 考察 を交
え 報 告 す る.
帝 京 大学 ちば総合 医療 セ ンター皮膚 科 ・形成 外科
坂本好 昭
症 例1:31歳
慶應義 塾 大学 形成外 科
緒方 寿夫,彦 坂
reductionを
男 性 。 殴 打 に よ り 左 頬 骨 弓 骨 折 を受 傷 し た.
受 傷 翌 日,Gillies's
temporal
approachよ
し,超 音 波 断 層 検 査(LOGIQe)補
信,笠 井 昭吾,
玉 田一敬,中 島龍 夫
りU字
鉤 を挿 入
助 下 で 整 復 した.(手
術
時 間18分)
症 例2:33歳
【目的】 頬骨 血管 腫 の一例 を経 験 し,腫 瘍切 除後 骨欠 損 を,
男 性.バ
イ ク運 転 中 に 乗 用 車 に 衝 突 し,左
頬 骨 体 部 と頬 骨 弓 に骨 折 を 認 め た 。 受 傷9日
術前作 成 した人工骨 と 自己硬 化 型人工 骨 を用 い て再建 したの
目 に,症 例1と
同 様 に整 復 術 を施 行 し た.
で症例 報 告す る.
い ず れ に お い て も,U字
鉤 の先 端 位 置 の確 認 と骨折 部 位
【症例 】 症 例 は47歳 女性.打 撲 後2年 ほ ど経 過 して同 部
の隆起 変 形 を認 め た ため当 院受 診.CT検
査 にて右 頬部 に2
で の 整 復 位 の 確 認 に有 用 で あ っ た.欠 点 と して は,骨 折 部 位
cm大
字 鉤 で 整 復 し よ う とす る と,U字
にlinearタ
の骨 破壊 ・棘 状骨 増 生 を伴 う隆起性 腫 瘤 を認 め,画 像
診 断 にて頬 骨血 管腫 が 示唆 され た.隆 起 の改善 およ び組織 診
イ プ の プロー ブ を あ て,断
接 触 す るた め,操
層 画 像 を み な が らU
鉤 の 反 対 側 が プロー ブ に
作 に 工 夫 を要 す る こ とが 挙 げ られ る.し か
断 を目的 と して隆起 部切 除 に よ る生検 を行 い,血 管腫 の診 断
し,簡 便 か っ 低 侵 襲 で あ り,確 実 な 整 復 を行 う こ と が で き る
お よび一部 に異 型性 が示 唆 され た ため,全 切 除 を予定 した.
の で 有 用 と考 え られ た.
骨 実体 モデルを作成 し,腫 瘍 切除 および骨欠損部 の シ ミュ レー
ショ ンを施 行 した.手 術 に先 立 ち骨欠 損部 に相 応 した人工骨
【質 疑 応 答 】
(セ ラタイ ト)を 術 前 作成 し,腫 瘍 切 除手 術 に臨 ん だ,腫 瘍
Q:大
西:眼
は周辺 正常 骨 を含 めて全 切除 し,骨 欠 損部 は術 前作 成 の人工
A:佐
久 間:困
骨 お よ び自 己硬 化型 人工 骨(セ ラペー ス ト)で 頬骨 形 態 を再
Q:田
中:頬
建 した.
A:佐
久 間:同
【結 果 】術 後 半年 の臨 床所 見 お よ び骨CTに お い て,腫 瘍
の再発 は見 られず,頬 骨 形態 の良 好 な再建 が確 認 され た。
コ メ ント:中
窩 下 孔 に お け る神 経 の 所 見 は確 認 で き る の か?
難 で あ っ た.
骨 弓 骨 折 に 関 して は よ り有 用 で は な の か.
感 で あ る.
島:Gillisの
方 法 は 側 頭 部 に傷 をつ け る の で,
整 容 的 観 点 か ら な る べ くさ け るべ き で あ る.
【考 察 】 骨 腫瘍 に 占 め る血 管腫 の割 合 は0.7%,頭
蓋 顔面
に限 定す る と0.2%と 報 告 され て お り,頬 骨血 管 腫 の報 告 は
本 邦 で は3例 が渉猟 され るのみ で比較 的稀 な疾 患 と考 え られ
14
た.治 療 は周辺 健常 骨 を含 めた全 切除 で あ るが,顔 面 で は切
30∼15:10
眼瞼
座 長1国 立 成 育 医 療 セ ンタ ー
除 後 の顔貌 変形 が問 題 とな る.顔 面骨 腫瘍 切除 後 の再建 には
術 前作 成 によ る人工 骨 と自己硬化 型人 工骨 を用 いた再建 が有
5.種
用 と考 え られ た ので報告 す る.
の治療 経験
金子
々 の組 織形 成 不 全 を 合併 した眼 瞼Coloboma
2症 例
慶應 義塾 大学 形成外 科
松 田就 人,中 島龍 夫,今 野 恵理,
【質 疑 応 答 】
Q:金
山崎
子:血 管 腫 を 置 き換 え た 人 工 骨 と 上 顎 洞 との 関 連 性 は,
ど う な っ て い る の か?
A:坂
本:入 工 骨 は上 顎 洞 内 に直 接 露 出 し た形 に な って い る.
Q:谷
野:人
俊
清瀬 小児病 院 形成 外科
玉 田一 敬
独 立行 政 法人 国立病 院機 構東 京 医療 セ ンター
工 骨 を 加 工 す る段 階 で 血 液 が 混 入 す る と,造 形
が や り に く い と思 うが い か が で あ ろ うか?
形 成 外科
..
剛
第16回 慶應義塾 大学 形成外科 同門会学術集会学会記録
彦坂 信
【目 的 】 眼 瞼 下 垂 症 患 者 で は,後
国立成育医療セ ンター形成外科
内川裕美子
す る た め項 部 痛 ・肩 こ り を 誘 発 す る こ と が,松
告 さ れ て い る 。 しか し,肩
の 点 に 着 目 し,眼 瞼 形 成 術 の 前 後 で,質
き検 討 を 行 った.
【方 法 】 当 院 で2006年4月
々 の 組 織 形 成 不 全 を 合 併 した
児.非,典 型 的 ト リー チ ャ ー コ リ ン ズ
典 型 的 ゴ ルツ 症 候 群,羊
れ た.生 後4ヶ
膜索 破断 症候群 の診断 さ
月 時 に 左 下 眼 瞼coloboma,左
頬 部 皮 膚 陥 凹,
左 巨 口 症 に対 しそ れ ぞ れ の 形 成 術 を 施 行 した.ま
内 腫 瘍 に対 し,切 除 術 を 施 行 し た.生 後9ヶ
術 を 受 け た 患 者16名
scale(VAS)に
2症 例 の 治 療 経 験 を得 た の で 報 告 す る.
症 候 群,非
たち は こ
問紙 法 を用 いて 自覚
症 状 の 変 化 を 把 握 し,筋 硬 度 計 の 客 観 的 評 価 と の 関 連 性 に っ
小崎健次郎
【症 例 】 症 例1は,女
尾 ら に よ り報
こ りや 緊 張 型 頭 痛 な ど の 自 覚 症 状
の 表 現 は難 し く,客 観 的 に 評 価 した 報 告 は な い.私
慶應義塾大学眼科
出田真二
同 小児科
coloboma
介 して 眼 瞼 を 挙 上 す
る た め 緊 張 型 頭 痛 を 誘 発 した り,僧 帽 筋 を 利 用 して 噸 を 挙 上
清瀬小児病院小児外科
笠井昭吾
【目 的 】 今 回 我 々 は,種
頭 前 頭 筋 に よ る代 償 で,
頭 皮 ・前 額 皮 膚 ・orbicularis fasciaを
た,右
眼窩
月時 には右 巨 ロ
た,そ
∼2007年2月
に 対 して,手
に眼 瞼挙 筋短 縮
術 前 後 にvisual
analog
よ る 自 覚 症 状 の 変 化 の 程 度 を 調 査 し た.ま
の う ち の3名
2名 に対 して,後
筋 硬 度 計(ト
及 び, 2008年1月
ま で に手 術 施 行 した
頸 筋 群 ・僧 帽 筋 の 各 左 右2箇
ラ イ オ ー ル社 製)で
所 を3回
ずっ
測 定 し,手 術 前 後 で 比 較 検
討 を 行 っ た.
【結 果 】 術 前 に 肩 こ りを 認 め た 患 者 は16名
で,そ
れ ら10名
修 正 術 も施 行 した,
差 を も って 術 後 の 自覚 症 状 の 改 善 を 認 め た。 筋 硬 度 につ い て
症 例2も,女
児.症
左 角 膜 デ ル モ イ ド,右 外 眼 角 血 管 腫 を 認 め た.3ヶ
月時 に左
角 膜 デ ル モ イ ドの 切 除 術 と同 時 に下 眼 瞼 円蓋 形 成 術,左
瞼colobomaに
は,閉
候 群 は な く,左 上 下 眼 瞼co1oboma,
対 して は,眼
下眼
輪筋 付 き皮 下 茎 皮弁 に よ る形
亀検 定 でP;0.0104(<0.05)の
瞼 ・普 通 開 瞼 時 に お い て,術
有意
後 に 減 弱 す る傾 向 を 認 め
た.
【考 察 】 今 回 の 結 果 で は,肩
こりな どの 自覚 症状 と筋硬 度
計 の 客 観 的 評 価 と の 間 に相 関 性 が 示 唆 され た た め,今
後 も症
例 を 増 や し解 析 を 進 め た い と 考 え て い る。
成 術 を 施 行 し た.
【考 察 】Colobomaは,眼
分 で 癒 合 不 全,形
のVASは
中10名
症 に 対 し,形 成 術 を 施 行 し,初 回 時 に手 術 を した 左 下 眼 瞼 の
瞼 だ け で は な く顔 面 の 様 々 な 部
成 不 全 と して お こ り,他 の 先 天 奇 形 の 合 併
【質 疑 応 答 】
も 多 い 。 今 回 我 々 が 経 験 し た2症 例 も,様 々 な 先 天 奇 形 の 合
Q:金
子:一
併 が あ っ た.下
天
A:彦
坂:確
認 は して い な い が 存 在 す る可 能 性 が あ る?
科領域の
Q:田
中:評
価 さ れ て い る の は静 的 な 硬 度 か,筋
眼 瞼 のGo1oBomaに
性 の 下 眼 瞼 欠 損 と の 差 異 は な い が,多
疾 患 も合 併 して い た る た め,手
対 す る 術 式 こ そ,後
く の場 合,眼
術 は眼 科 医 と合 同 で 行 うな ど
の配應 を す る必 要 が あ る と思 わ れ た.
人 の 患 者 に お い て日 内 変 動 は 存 在 しな い の か?
肉 の収縮 に
よ るパ ル ス 的 な 硬 度 か.
A:彦
坂:本
機 器 は 運 動 器 具 の 有 用 性 を 定 量 す る上 で,工
業
的 目的 に お い て 使 用 さ れ て い る.測 定 して い る対 象 に関 して
は 今 後 確 認 した い。
【質 疑 応 答 】
Ql金
子:2症
例 の組 織 欠 損 量 は 比 較 した の か 。 ま た,腱
毛
は どの 程 度 存 在 じた の か 。
A:松
田:比
較 は 行 っ て い な い。 外 側 に一 部 存 在 し た.
Q:佐
藤:瞼
板 の 状 態 は ど うな って い た の か?
7.ミ
トコ ン ドリア脳筋 症 に よ る眼 瞼下垂 に対 す る治療 経験
埼 玉社 会保 険病 院形 成外 科
欠 損が あ れ
渡 辺美 佳
ば 再 建 す る 必 要 性 が あ る の で は?
A:松
田:colobomaの
で,瞼
板 同 志 を 縫 合 して 再 建 す る こ とが で き た.欠
東 京歯 科大 学市 川総 合病 院皮 膚科 ・形 成外 科
両 側 に正 常 な 組 織 が 残 存 して い た の
損 が存在
田中一 郎,伊 東 祥雄,川 島淳 子,
高 橋愼 一一
す る場 合 に は,再 建 す る必 要 が あ る と思 う。
目的:ミ
6.眼
瞼下 垂手 術前 後 の筋硬 度 の変化 に関す る検討
筋,中
枢 神 経 系 な ど に 障 害 が 生 じ多 彩 な 病 態
を 呈 す る進 行 性 の 疾 患 で あ り,骨 格 筋 内 に 異 常 形 態 を示 す ミ
独 立行 政法 人 国立病 院機 構東 京 医療 セ ンター
トコ ン ド 董
ルア を 多 数 認 め る の が 特 徴 で あ る.今 回 我 々 は 眼 瞼
形 成外 科
彦坂
同
トコ ン ドi)ア 脳 筋 症 は ミ トコ ン ド リア の 機 能 不 全 に
よ り骨 格 筋,心
信f佐 藤 博子,服 部典 子
下 垂 を 主 症 状 と した ミ トコ ン ド 琴ア 脳 筋 症2例
を経 験 し た の
で 報 告 す る.
眼科
福井正 樹
症 例1:82歳
れ た.強
一67一
男 性.56歳
時 ミ ト灘 ン ド リ ア脳 筋 症 と診 断 さ
度 の両 側 眼 瞼 下 垂 に対 して 大 腿 筋 膜 移 植 に よ る眼 瞼
慶應 医 学
85巻1号(平
成2◎年4月)
挙上 術 を施 行 したが,両 眼視 によ る複 視 の顕在 化 を危惧 し,
わ と り,老 人 性 下 垂 が そ の対 象 と な り ま す.こ
片 側 眼 のみ に施 行 した.術 後1年4ヶ
技 を 症 例 と と も に提 示 し ま す.
月 の経過 観察 で,眼 裂
幅 は8mmで
視野 狭窄 は改 善 し,閉 眼 障 害 も認 めて い な い.
症 例2:42歳
女 性,32歳
時 ミ トコ ン ド,」
ア脳筋 症 と診 断 さ
れ らの 手 術 手
【質 疑 応 答 】
れ た.他 院 に て大腿 筋膜 移植 に よ る眼 瞼挙 上術 を施 行 され眼
Q:金
裂 幅 は保 たれ てい たが,両 側 兎眼 に よ る角 膜障 害,眼 乾 燥感
の訴 えが あ り,両 側下 眼 瞼挙上 術 を施行 した.術 後9ヶ 月 の
挙 筋 か を 判 断 す る の は難 しい と思 う が,ど
経 過観 察で 角膜 障害 は改 善 して い る.
A:酒
考 察 お よび結 論:ミ
注 意 して い る.
子:Herringの
法 則 が 作 用 して い る の は 前 頭 筋 か 眼 瞼
の よ うに対処 す る
と よ い の か.
トコ ン ドリア脳 筋症 の治療 はCoQ10の
井:症
例 ご と に判 断 して い る が,挙
大量 投与 の有効 性が報 告 され て いるが,絶 対 的 な治療 法 は な
Q:緒
く,主 に対症 療 法が 中心 で あ る.本 疾患 によ る眼 瞼下 垂 で は
② 眼 窩 形 成 で,脂
方:①
げす ぎない よ うに
埋 没 法 の 術 後 に下 垂 し た経 験 は?
肪 移 植 と皮 膚 移 植 は 同 時 に 行 え る の か?
上 眼瞼挙 筋 障害 は早期 よ り認 め るが,前 頭筋 機能 は比 較 的後
A:酒
期 まで温 存 され る ため,眼 瞼 吊 り上 げ術 が有 効 であ る。 しか
し外眼 筋 障害 よ る複視 やBell現 象 の欠 落 が あ り,両 側 施 行
起 こ っ て い る に 見 え るの で は な い か?
井:①
自 験 例 で は あ ま り な い.浮
腫 が 原 因 で,下
垂が
② 両 者 が 位 置 的 に 重 複 しな け れ ば 可 能 で あ る と思 う.
の適 否 や瞼裂 幅 の調 整 な ど症例 に応 じた対応 が必 要 と考 え ら
れ る.
1620∼16:50
【質 疑 応 答 】
Q:清
水:下
A:渡
座長
眼 瞼 の み の 再 建 で 兎 眼 は 改 善 す るの か?
辺:整
容 的 要 素 を考慮
して上 眼 瞼 に は操 作 を加 え な
8.Vermilion
あ る が,ベ
分 も ミ トコ ン ド リア脳 筋 症 の 治 療 経 験 が
Border
Thin
Flap(仮
矢 野 志 津 枝,三
塩 川 一 郎,樋
Q:金
子:前
頭 筋 の 機 能 は温 存 さ れ て い た の か?
三 枝紀 子
A:渡
辺:比
較 的 保 存 さ れ て い た.
【目 的 】 赤 唇vermilionは
口 腔 前 庭 側 のmoist
10∼15
20
vermilion
休憩
20∼16:20
来 はdryな
座 長:慶應 義 塾 大 学 形 成 外 科
生 し た 黛光 角 化 症 の 治 療 に,上
中 島龍 夫
明,
玲,
mucosaと
者 の境 界 線 は
ど と表 現 さ れ る.口
唇
唇部 を 口腔粘 膜 で再建
外 側 部 分 が 「ぬ ら ぬ ら」 し たmoist
な状 態 で 遷 延 し,違 和 感 が あ っ た.今
特別講演
回 我 々 は,下
口唇 に発
口唇 か ら採 取 す る新 し い赤 唇
皮 弁 を 考 案 し,適 応 し た.良 好 な結 果 が 得 られ た た め 術 式 の
眼瞼 ・義 眼床 の形 成外 科
詳 細 を 報 告 す る。
国際 医療 福祉 大学 三 田病 院形 成 外科教 授
【症 例 と方 法 】 患 者 は59歳
酒井 成身
す び ら ん ・皮 膚 潰 瘍.皮
れ,前
眼 瞼 部 の 形 成 外 科 で は1)先
天 異 常:眼
垂,2)眼
瞼 部 疲 痕 形 成 術,3)腫
建,4)眼
瞼 の 美 容 外 科,な
裂 狭 小 症,眼
瘍 切 除 と再 建,義
眼床 再
術 時,病
変 は赤 唇 内 に留 ま って い た が,赤
を 中 心 に35×10mmの
ど が よ く取 り扱 わ れ ま す 。 下 垂
縁 ま で65×13mmの
び らん を 生 じ, white
範 囲 を 切 除 した.深
及 び 両 側 口 角 は 温 存 で き た,こ
い よ うで す.筋
milion
膜 移 植 に よ る 修 正 で は 筋 膜 を 人 文 字 形 に して
痕 修 正 で は 出 来 る だ け 瞼 裂 と11行
moist両
訴 は 下 赤 唇 の 繰 り返
癌 状 態 病 変 の 切 除 な ら び に再 建 手 衛 目 的 に 当 科 に紹 介
され た.手
瞼下
男 性.主
膚 科 で の 生 検 で 日光 角 化 症 と診 断 さ
症 で は先 天 的 な もの の 他 に コ ン タ ク ト レ ン ズ に よ る も の が 多
移 植 す る と効 果 的 で す.綴
ら な り,両
borderな
澤
辺
外 側 の 乾 燥 したdry
mucosaか
borderやfree
鍋 俊 春,百
野 忠 司,渡
の再 建 法 に は 様 々 の 術 式 が あ るが,赤
す る と,本
15
よ る下 口 唇 日
埼 玉 医 科 大 学 総 合 医 療 セ ン タ ー形 成 外 科 ・美 容 外 科
トコ ン ド リア脳 筋 症 の ケ ー ス に お い て は,
多 少 矯 正 が 甘 い ほ うが よ い の で は な い か.
15
称)に
三鍋俊春
光 角化 症 の治療
ル現 象 が 存 在 しな い の で 過 度 の 矯 正 は絶 対 に 避 け
る べ き と考 え る.ミ
埼 玉 医 科 大 学 総 合 医 療 セ ンタ ー
形 成 外 科 ・美 容 外 科
か っ た.
コ メ ン ト:中 島:自
口唇
borderに
唇正 中
skin roll辺
さは 口輪筋 浅層 に
れ に 対 し て,上
口 唇 のver-
左 口 角 を 茎 と す る55×8mmのdryと
方 の 粘 膜 ・粘 膜 下 組 織 ・口 輪 筋 浅 層 ま で 含 む 薄 い皮
ま た は 斜 め の縫 合 線 に な る よ う に しま す.植
皮 が必 要 な場合
弁 を 挙 上 し た.皮 弁 基 部 は 口 輪 筋 を 厚 く付 着 し ロ唇 動 脈 の 分
の 採 皮 部 は ま ず 健 側 の 同 部 分,耳
部,鎖
枝 を 含 め る よ う に し た.薄
に 選 択 しま す.義
の 底 上 げ(脂 肪,真
植)を
介 後 部,前
骨部 の順
眼 床 の 再 建 で は 結 膜 嚢 の 拡 大 植 皮,義
皮 脂 肪,肋
骨,腸
骨,複
そ の 程 度 に 合 わ せ て 行 い ま す.美
眼床
い 皮 弁 の た め容 易 に 延 伸 し下口 唇
の 欠 損 部 を 十 分 に被 覆 で き た.皮
合 組織 な どの移
弁 採 取 部 は一 次 縫 縮 し た.
しか し,皮 弁 挙 上 直 後 よ り皮 弁 色 は蒼 白 で,翌
容 外 科 で は 重 瞼,し
血 を 呈 し た.皮
.:
日は高度 な うっ
弁 色 は 徐 々 に改 善 し,術 後10日
目に は皮弁
第16回 慶應義塾大学形成外科同門会学術集会学会記録
10.ロ 辱 口蓋裂 児 に小児 歯科 医 と して何が で き るか?
∼今 ま での仕事 と これか らの展 望∼
最 先 端 部 を 残 し皮 弁 は生 着 し た.病 理 組 織 標 本 上 で は病 変 は
完 全 切 除 さ れ て い た.術
く,上
後1年
を 経 過 して,病
下 口 唇 と も に 極 あ て 安 定 し,赤
変 の再 発 はな
唇 のdry面
とm0ist
慶應義 塾 大学形 成 外科
面 が 良 好 に 再 現 さ れ て い る.
久保 田一見,中
れ た.
中野 洋子
同
矯 正歯 科
坂 本 輝夫
【質 疑 応 答 】
Q:中
島龍 夫
東京歯 科 大学 口腔 外科
【結 論 】 本 法 は赤 唇 再 建 の 新 た な 一 法 と して 有 用 と考 え ら
島:同
様 な 経 験 が あ る が,正
を 示 した.舌
中 を超 え た 部 分 が う っ血
弁 や 上 ロ唇 反 転 皮 弁 な ど,他
の 方 法 を 考應 した
慶應
塾 大 学 で は,以
前 よ り,口
唇 裂,口
方 が よ い の で は?
療 が 行 わ れ て お り,多
A:三
科 に小 児 歯 科 医 が 加 わ る こ と に よ り,そ
鍋:解
剖 学 的 研 究 に よ り遊 離 縁 の 血 行 は 比 較 的 良 好 で
あ る こ とが 示 さ れ た の で,当
Q:永
竿:両
該 皮 弁 は 安 全 だ と考 え た,
生 か し,さ
側 を 茎 とす る と 血 行 の 点 で 心 配 が す く な い の で
今 回,私
は?
A:矢
後 検 討 した い.
回形 成外
れぞ れの専 門分 野 を
らに 充 実 した チ ー ム医 療 の 実 現 が 期 待 さ れ て い る.
が,い
ままで行 って きた小児 歯科 にお ける診療 活動
を 紹 介 す る と と も に,今
野:今
蓋裂 の チー ム医
くの 患 者 が 来 院 して い る.今
後 の形成 外科 にお ける小児 歯科 医 と
して の 活 動 の 方 向 性 を 検 討 した い 。
小 児歯 科 医療
1.鯖
9。 唇 裂手術 にお け る白唇部 切開 線 につ いて の検討
全 身 麻 酔 下 歯 科 治 療 を 含 め て,そ
名古 屋 形成クリニック
上
慶應 義塾 大学
蝕 や 歯 周 疾 患 の 治 療 ・予 防
の個人 に適 した方法 で歯
科 治 療 を 提 供 す る.
2.Medically
敏明
形成外 科
compromised
childrenへ
の歯科 的対 応
小 児 期 の 各 種 疾 患 に対 す る 包 括 医 療 の 一 端 を 担 う.
木 ;一 平,清 水雄 介
3.口
腔機 能 の推進
哺 乳 ・離 乳 指 導 か ら摂 食 ・嚥 下 リハ ど リテ ー ショ ン の 推 進
ミラ ー ド法 の 唇 裂 手 術 に お い て,oblique
問 題 の 一つ で あ る.radical
blique
scarは
rotationを
scarは
行 な う に あ た り,
で き る も の と考 え られ て い る.ミ
そ の こ と は 認 識 して お り,著
4.口
大 きな
ラ ー oド も
書 で あ るcleft daftに
は療 痕
慶應 義 塾 大 学 形 成 外 科 に お け る小 児 歯 科 診 療 の 現 状 と
の 目 立つ 症 例 も掲 載 して い る.
近 年,中
今後 の展望
島 は 鼻 腔 底 に お い てrotati0nを
直 線 状 切 開 と して 健 側philtrum
作 っ て い る.こ
columnと
行 い,白
唇部 は
現 在 の 主 な 業 務 は,口 唇口 蓋 裂 児 の歯 科 相 談 と して,初
対称 的 な癩痕 を
れ は 従 来 の ミラ ー ド法 のoblique
消 す る 意 味 で は 画 期 的 な 方 法 と 言 え る.oblique
ら な い 潮 流 は 続 き,ミ
て い る.一
scarを
解
う ま で の 小 児 に対 し,今 後 の 一 連 の 歯 科 治 療 の 流 れ の 説 明,
scarを
作
鶴 蝕 を は じ め と す る口 腔 内 疾 患 の 予 防,お
ラ ー ド法 に お い てcolumella基
部 よ
分 なrotationを
10月67名,11月51名,12月50名
と な っ て い る.今
小 児 歯 科 診 療 の 原 点 と も言 え る,早
線状 切開 を基 本 と し
防,お
行 な え る よ う配慮 した 手 術 を
Goslon
経 た 状 態,従
Yardstickを
用 い た 咬 合 評 価,口
用 い た 摂 食 機 能 発 達 の 評 価,小
来 の 方 法 と比 較 した 我 々 の 方 法 の 利 点 等 に っ き述 べ る こ と と
後,
期 か ら の口 腔 内 疾 患 の 予
よ び 正 常 な 機 能 発 達 を 促 が す た め の,哺
を 中 心 に 診 療 活 動 を 行 く所 存 で あ る.臨
行 な って い る.
本 報 告 で は手 術 法 の 詳 細 と と も に,術 後3年
義 塾大学
形 成 外 科 外 来 に お け る 該 当 小 児 歯 科 患 者 数 は,9月48名,
度 に 多 く の 患 者 を 手 術 す る機 会 を 得 て い る.
な が ら も,十
よ び哺乳 ・
離乳指
導 を は じ め とす る 食 事 指 導 を 行 う こ と で あ る.慶應
よ り ア フ リカ に お い て 唇 裂 手 術 を 行 な っ
4年 前 よ り我 々 は 上 口 唇 に お い て,直
診
で 来 院 し た0歳 児 か ら頭 蓋 顎 顔 面 外 来 に お い て 矯 正 診 断 を 行
り の 切 開 に 限 定 す る変 法 も考 察 さ れ て い る.
演 者 ら は2000年
腔 の成育 に対 す る早期 介入
口 腔 に 関 す る 諸 問 題 に 対 す る療 育 支 援
乳 ・離 乳 指 導
床 を ベ ー ス に,
唇 閉鎖 力 測定 器 を
児歯 科医 介入 前後 の鶴 蝕罹患
率 の 比 較 等 の 研 究 も行 い た い と 考 え て い る.
す る.
【質 疑 応 答 】
【質 疑 応 答 】
Q:金
コ メ ン ト:中 島:自
分 は 高 木 法 ・ トンプ ソ ン法 と概 念 を 共 有
子:裂
型 ・部 位 に よ って う歯 の 多 さ な ど は変 化 す る の
か?
す る直 線 法 で 口 唇 裂 手 術 に お い て 良 好 な 結 果 を 出 す こ とが で
A:久
き る よ う に な った.ミ
質 形 成 不 全 が 原 因 と思 わ れ る.
で は あ る が,そ
ラ ー ド法 は も っ と も普 及 して い る方 法
ろ そ ろ見 直 す 必 要 が あ る 時 期 に 来 て い る よ う
に 思 う.
.・
保 田:前
歯 部 に 多 い こ と が 報 告 さ れ て い る.ヱ
ナ メル
慶應医 学
85巻1号(平
成20年4月)
12.脂 肪 注 入 によ る豊胸 術後 に腫 瘤形 成 を きた した一例
16
50∼17:20
体 幹 そ の他
座 長:慶應 義 塾 大 学 形 成 外 科
埼玉 社会 保 険病院 形成 外科
永竿智久
渡辺 美佳,高 野淳 治
11.皮 膚悪 性腫瘍 に対す る超 音波 診断 の有 用性
東京 歯科 大学 市 川総 合病 院皮膚 科 ・形 成外科
酒 井成 貴
帝京 大学 ちば総合 医療 セ ンター皮膚 科 ・形成 外科
坂本 好 昭,福 積
同
聡
植 田晃史,中 捨 克輝,諏 訪 部 寿子,
症 例 は45歳 女 性.約13年
前 に美 容外 科 にて脂 肪 注 入 に
よ る腹 部 の吸 引 脂 肪 注 入 に よ る豊 胸術 を施 行 され た.平 成
五 味博子,川 久保 洋
19年3月
皮膚 科
頃 よ り両側 乳 房 の硬 結 と左 乳 房 の疹 痛 を 自覚 し,
5月 に は左 側乳 房 に発赤 が 出現 した.7月
に他 院 外科 を受診
し,マ ンモ グ ラフ ィにて右乳 房 に石灰 化 を伴 う楕 円形 の腫瘤
当 院 形 成 外 科 の 特 徴 の一 っ と して 皮 膚 悪 性 腫 瘍 の 切 除 ・再
建 が 多 い こ とが あ げ ら れ る.皮 膚 科 外 来 に 併 設 して 当 科 外 来
を認 め た.MRIで
が あ る こ と も そ の 要 因 と な って い る.
は右 乳 腺 と大胸 筋 の間 に6Cln×6cm×
皮 膚 悪 性 腫 瘍 の 診 断 は 病 理 学 的 に行 わ れ る.診
断 確 定 は切
3.5cm大 の境 界 明 瞭 な 嚢胞 状 の腫 瘤 を認 め,嚢 胞 内 は ほぼ
一 様 の信号 を示 す物 質 で充 満 して いた.画 像 所見 上悪性 疾 患
除 範 囲 を 決 定 す る に あ た り非 常 に 重 要 で あ り,時
と して 生 検
は否定 的 で あ り,脂 肪 注入 によ る腫 瘤形 成 を考 え両側 の腫 瘤
術 を施 行 す る が,侵
摘 出を勧 め たが,本 人 が片 側 のみ の摘 出を希 望 した ため,左
襲 的 で あ る と共 に 腫 瘍 形 態 に よ つ て は 禁
忌 と な り う る こ と も あ る.そ
側腫 瘤 のみ全 身麻 酔下 で摘 出術 を施 行 した.腫 瘤 は大 胸筋 と
こ で 非 侵 襲 的 補 助 診 断 と して 皮
膚科 で は ダーモ ス コー
一プ を 用 い て い る.さ
らに 切 除 レベ ル を
皮下 脂肪 の間 に存 在 し,乳 腺 も一塊 とな って お り,腫 瘤 の被
瘍 の大 きさが比 較 的
膜 を含 め切 除 した.腫 瘤被 膜 内 は黄 色泥 状 の内容 物 で充満 し
小 さい場 合 や表在性 の場合 には腫瘍 の深 達度 の評 価 は困難 で
て お り,明 らか な感染 徴 候 は認 めなか った.病 理 組 織学 的 に
あ る.
は嚢 胞壁 お よ び内容物 の一部 に脂 肪組織 を認 め,一 部 で石灰
決 定 す る に 際,CT・MRIを
最 近,当
科では
行 うが,腫
・
7⑭(GE
い う超 音
沈着 を伴 って いた.以 上 よ り腫瘤 は注 入 され た脂肪 の変性 壊
ロ ーベ お よ び リニ ア
死 に よ る もの と考 え られた。 自家 脂肪 注入 によ る豊 胸術 の主
Healthcare)と
波 を 導 入 し た.12MHzの3D/4
Dプ
プ ロ ー べ を 用 い て 腫 瘍 形 状 だ け で な く,パ
B-flowを
用 い て 血 流 シ グ ナ ル の 測 定 を 行 っ て い る.特
D/4Dプ
ロ ー ベ で は 病 変 の 広 が り は 深 部 方 向 だ け で な く,
腫 形成,石 灰化 が あ げ られ る.こ れ らの合 併症 に関 して文献
に3
的 考察 を加 え,そ の対処 法 を述 べ る。
水 平 方 向 の 広 が り も同 時 に 観 察 さ れ 非 常 に 有 用 で あ る.ま
た
SonarAid◎(Geistlich
在
Pharma)を
な合併症 と して注入 された脂 肪 の感染,吸 収,脂 肪 壊死,嚢
ワ ー ド ップ ラ ー や
併 用 す る こ と で,表
【質 疑 応 答 】
Q:佐
性 病 変 の 詳 細 な情 報 も得 る こ とが で き る.
皮 膚 悪 性 腫 瘍 につ い て の 超 音 波 像 に 関 す る報 告 は 散 見 す る
の み で あ る.今
回 症 例 数 の 増 加 に 伴 い,腫
内 部 構 造 や 血 行 動 態 は異 な って お り,そ
的 な所 見 が 明 らか と な って き た.そ
支 障 が 生 じ る 可 能 性 もあ る の で,嚢
瘍 径 ・深 達 度
の 決 定 だ け で な く術 前 補 助 診 断 も利 用 す る こ とが で き,切
範 囲 の 決 定 に 非 常 に 有 用 で あ る こ と が 分 か った.そ
プ セル内 の内容 物 を吸 引す るのみで は いけ ない
A二 渡 辺 二そ の よ う な報 告 も あ るが,将
瘍組 織 ごとで その
れぞ れ にお いて特徴
の 結 果,腫
藤:カ
の か?
除
来的 に乳癌 の診断 に
胞 ご と切 除 す る の が 良 い
と考 え る.
コ メ ン ト:酒 井 成 身 先 生:脂
肪 注 入 に よ り乳 房 内 に び ま ん 性
の 嚢 腫 が 形 成 さ れ る と,治 療 に は大 変 に 難 渋 す る.ご
こで,今
回 我 々 は い くつ か 自験 例 を 提 示 し,文 献 的 考 察 を 加 え て 報 告
ずつ 脂 肪 注 入 を行 う こ とが,失
く微 量
敗 を避 け るコツ で あ る と 思 う.
す る.
13,広 範 囲刺青 レー ザ-治 療 の長期 フ ォロー ア ップ
【質 疑 応 答 】
Q:永
竿:穿
通 枝 の 同 定 目 的 に,発
表 で 報 告 した 超 音 波 検 査
慶 光会 大城 ク リニ ック
佐 々木 克 己,大 城貴 史,藤 井 俊史
機 器 は使 用 で き る の か?
A:坂
本:解
像 度 は0.25mmで
可 能 で あ る が,機
あ る の で,理
論 的 に は使 用
日本医 用 レーザ ー研 究所
大 城俊 夫,谷口 由紀
器 の操 作 に習熟 を要 す る。
Q:緒
方:三 次 元 画 像 構 築 用 の ソ フト に は 何 を使 用 す るの か?
A:坂
本:超
音 波 診 断 機 器 に デ フ ォ ル ト と して 内 臓 さ れ て い
近 年 レー ザ ー・
治 療 が,刺
我 々 は 第49回
る ソ フ トを 使 用 して い る.
及 び50回
青 治 療 の第 一 選 択 と な って い る.
日 本 形 成 外 科 学 会 学 術 集 会 に て,
複 合 レ ー ザ ー 治 療 の 刺 青 へ の 応 用 を 報 告 した.
こ れ ま で に 当 院 を 受 診 した 患 者 で 刺 青 お よ び 外 傷 性 刺 青
を 主 訴 と す る もの は892名
に上 る.そ
以 上 経 過 観 察 で き た 広 範 囲 刺 青 は53症
_.70_...
の う ち 治 療 後6ヶ
月
例 で あ る.内 訳 は,
第16回 慶應義塾大学形成外科同門会学術集会学会記録
男 性32名
女 性21名
3.66回,平
で 平 均 年 齢 は25.3才,平
均 治 療 期 間 は25.4ヶ
刺 青 除 去 は複 数 の レー ザ-を
均治療回数
月 で あ った.
組 み 合 わ せ て 使 用 した.刺
青
の 色 素 が 黒 単 色 の 場 合 と多 色 彫 りの 場 合 で も治 療 期 間 や 治 療
効 果,副
は,肥
作 用 に 関 して 違 い は認め られ な か った.主
厚 性瘢痕,色
青 の 治 療 は,就 職
素 沈 着,色
な副作 用
素 脱 、皮 膚 紅 斑 で あ っ た.刺
結 婚 な ど 除 去 す る理 由 に よ り様 々 な治 療
方 法 を 組 み 合 わ せ で き る 限 り副 作 用 を 減 少 させ て い る.
今 回4年
以 上 長 期 経 過 観 察 を 行 っ た 広 範 囲 刺 青 症 例 につ い
て,詳 細 な 治 療 経 過 を 検 討 し た の で 若 千 の 知 見 を 交 え 報 告 し,
更 に2007年9月
よ り開 設 さ れ た刺 青 外 来 につ い て 紹 介 す る.
【質 疑 応 答 】
Q:玉
田:フ
ラ ク セ ル に も色 素 排 出 効 果 は 存 在 す る で あ ろ う
か?
A:佐
々木:存
在 す る と思 う.
一71一
Fly UP