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麦チェン・ツーリズムのパンフレット
秋畑に耕運機が走ります。「秋まき小麦」の種まき 周りの山々が紅葉につつまれ始まる9月中旬、 の準備です。みずみずしい土の色が周りの景色のな かで、際立ちます。数週間後、 やわらかな緑色の芽が 顔を覗かせます。 「冬を乗り越えて、元気に育っていく ぞ」 という、命の輝きにあふれています。 冬「初冬まき」が行われています。雪が積もる直 北海道でも雪が多く土が凍らない地域では、 前に種をまき、雪がとけると同時に生育を再び始めま す。雪の下は意外と温かく地度はプラス0. 5℃程度。 2ヶ月程かけてゆっくり芽を出します。雪の布団の中 で、 じっと春を待つのです。 春種をまいた成長期の小麦はぐんぐん伸びます。 「春まき小麦」の種まきの季節です。秋や冬に 根をしっかり張って、葉を増やしていきます。天に向 かって伸び風にそよぐ姿は、 力強さとともに優雅さも感 じさせてくれます。 夏る5ミリぐらいの「葯(やく)」が見えると小麦の開 7月上旬、小麦にも花が咲きます。穂から出てい 花期です。小さくて目立たないけれど一生懸命咲いて います。穂は緑色から小金色に少しずつ変わっていき ます。7月下旬から8月上旬は、 いよいよ収穫。刈り取 りの時期がやってきます。大型コンバインが夜を徹し て畑を走り回る姿は、北海道ならではの迫力ある風景 です。 刈り取った跡の畑には、整然とロールが並びます。 穂以外の茎を丸めて、牛の寝ワラにするのです。 この 景観も北海道の夏の風物詩になっています。 小麦畑は四季を通して、 いつも変化がある美しい 特別な場所なのです。 北海道農政部食の安全推進局食品政策課委託 ■発行■ 一般社団法人 シーニックバイウェイ支援センター 〒060-0051 札幌市中央区南1条東2丁目 電話/011-204-7107 ホームページ http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ns/nsk/mamemugi/mugi_change_top.htm 北海道の小麦は、 地域のお宝です。 日本の小麦生産の6割を占める北海道の小麦。 「ハルユタカ」 「春よ恋」 「ホクシン」…と多彩な品種が登場し、 パンや麺類に使われるようになりました。 食 地産地消へのこだわりは、幸せの食文化 もっと北海道産小麦を使ってもらおうと、 でも、小麦にはもっとたくさんの魅力があります。 いま 「麦チェン事業」 が始まっています。 小麦畑の美しい景観や農家のこだわり、 これらもすべて北海道の小麦が紡ぎ出す地域の貴重な宝。 この宝と宝をつなぐのが「麦チェン・ツーリズム」 です。 パン屋さんやお菓子屋さん、 レストラン、麺専門店など 道産小麦を使用、販売する95店(平成23年2月8日現在)が、 「麦チェンサポーター店」 に名乗りを上げ、 道内各地で地産地消へのこだわりの輪を広げているのです。 下川産小麦「ハルユタカ」で作られた酢 「小麦ビネガー」(財団法人ふるさと開発 振興公社/下川町)も登場。 道産小麦で味わう イタリアンも格別です ふっくらと焼き上がった 道産小麦で作られるパンの数々。 原料の主流は「ハルユタカ」。このほか 強力粉の「春よ恋」や最近登場した超 強力粉の「ゆめちから」なども全国的 に注目を集めています。 小麦の種類もいろいろ。 「ホクシン」 「きたほなみ」は、 う どんなどの麺類に適した中力粉。年々品種改良が進ん で、 こしのあるうどんが誕生しています。道産小麦を製 粉する工場や製麺工場も道内各地にあります。 「麦チェンサポーター店」 にこのプレートが。 旅に人気のものづくり体験 景 四季折々の表情がある小麦畑 手打ちうどん体験などは麦チェン・ツーリズムの 大切な要素となります。 観 体 道産小麦を使ったパン作り教室やピザ生地作り、 身近な施設を活用して、達人を講師に迎えることで 広大な北海道の畑の景色は、農業の営みが創り出すもの。 体験メニューが作れます。 小麦畑もこの景色の大切な主役です。 秋まき、春まきの小麦があることも、他の作物とは違うところ。 験 秋の播種風景も、雪原と化した小麦畑も、風に緑の穂を揺らす光景も、 そして黄金色に実った穂を一気に刈り取る姿も、小麦畑ならではの風景です。 交 自分で作ったピザ生地を 食べられるのが人気の秘訣 流 生産者と消費者をつなぐ学びの場にも 農家の人の話を聞いたり、 地域の人とふれあうことも 麦チェン・ツーリズムで忘れてはならないメニューです。 特に、 ツーリズムの目的は消費者と生産者をつなぐことですから、 小麦畑で生産者から学ぶことは重要なポイントとなります。 輪作体型が確立している北海道の畑作農業。毎年同じ場所 で同じ景色が見られないのが、畑作景観の特徴です。 商工会、観光協会などの地元団体、 生産者の協力はツーリズム成功の鍵です。 来て・見て・食べて、 学びの 「麦チェン・ツーリズム」 「麦チェン・ツーリズム」 とは、 消費者と 小麦生産者を 「ツーリズム」 でつなぐことです。 農業景観・地元の人との交流・食・体験・学びなどを含めた 「農村の暮らし=ライフスタイル」 を、 その土地を訪れる消費者に おすそ分けすることなのです。 地域資源をつなぎ合わせ、 旅のメニューづくりを始めましょう。 麦チェン・ツーリズムは、産業ツーリズム、 グリー ンライフ・ツーリズムのひとつの形です。生産現場 である小麦畑や関連の加工産業製品等を観光 資源として捉え、 それらを学び、体験することでモノ 作りの心に触れることができます。 さらに現地を訪 れる消費者と生産者、製造業者、食関連事業者 との人的交流も生まれます。 マーケットとしては、修学旅行をはじめとした教育 旅行、食に関わる栄養士、調理師、 パン職人等に 向けての研修旅行、道内で開催される学会等に 参加した国内外のビジネス客が想定されます。 地域における新たなビジネスの創出も期待さ れ、地域資源を活用し、麦チェン・ツーリズムは交 流人口を増加させるという点からも、地域活性化 の一手法として注目されるでしょう。