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社会心理学
2016 年度 後期 2 単位 社会心理学 対象学科・学年: 心理福祉学科 2 年 時 間: 金曜日 Ⅰ時限(9:00~10:30) 教 室: 1号館 123 室 教 科 書: 『社会心理学概説』(潮村公弘・福島治著、北大路書房) 1.担当教員 (1) 名前: 大渕 憲一(おおぶち けんいち) (2) 研究室: 非常勤講師室 (3) 主な研究・教育業績 1977 年東北大学大学院文学研究科博士課程中退、1996 年学位取得(博士(文学)、東北大学)。 大阪教育大学助教授、東北大学大学院文学研究科教授を経て、現在は放送大学宮城学習セン ター所長。主要著書は『紛争と葛藤の心理学』(サイエンス社, 2015)、『新版 人を傷つける心』 (サイエンス社, 2011)、『人間科学研究法ハンドブック 第 2 版』(ナカニシヤ出版、2011)、 『Inequality, discrimination and conflict in Japan』(Trans Pacific Press、2011)など。2015 年度の主 な担当科目は、『社会心理学概論』『社会心理学各論』『社会心理学演習』(以上、東北大学文学 部)、『犯罪心理学』(ノースアジア大学法学部)、『社会心理学概論』(宮城学院女子大学学芸学 部)、『紛争と葛藤の心理学』(放送大学宮城学習センター)など。 2.授業の目的 (1) 授業の目的 人間関係に関する社会心理学的理論と研究について学ぶ。 (2) 到達目標 ① 対人関係と集団関係における心理と行動の特徴を理解する。これを通して、偏見、差別など 社会病理を生み出す社会心理プロセスを理解し、解決策について自ら考察することを目指す。 ②心理福祉学科のディプロマポリシーのうち、主に「態度・倫理」について「広く社会に貢献するた めの科学的な人間理解の態度を備え、そのための心理学的な知識と方法を身につけている」こと の達成を目指す。 ③「知識・理解」については、「よりよい人間生活をめざし、医療・福祉・教育などの多分野に渡り、 人間理解と実践行動が取れる」ことの達成を目指す。 3.授業の概要 社会心理学には、個々人よりも集合的現象に焦点を当て、広告と流行などの社会的現象、あるい はリーダーシップと組織など集団の諸側面を分析するマクロな社会心理学と、対人場面における 個人の心理(認知、感情、動機付けなど)と行動(偏見と差別、攻撃と援助、対人コミュニケーショ ンなど)に焦点を当てるミクロな社会心理学がある。この講義では、両者について代表的な理論と 研究例を紹介する。 4.授業の受け方・勉強の仕方 (1) 予習の仕方 1 事前にテキストの該当個所を読んでおき、疑問点を明確にして授業に臨む。 (2) 授業の受け方 パワーポイント教材も使用するが、基本的には、要点を板書しながら授業を進める。また、DVD の 視聴覚教材を数回用いる。受講生はノートを取りながら授業内容の理解に努めてほしい。また、 毎回、授業の最後 10 分間を質問に充てるので、疑問があればその際に聞いてほしい。 (3) 復習の仕方 話題に応じて、テキスト以外の参考図書を紹介するので、復習および問題を掘り下るために読ん でほしい。 5.受講にあたってのルール (1) 私語、内職、居眠り等は厳禁。私語によって授業が妨害されるような場合には、退席を求める。 (2) 毎回出席を取り、成績評価の資料とする。遅刻や早退は、出席の 2 分の 1 の扱いとする。 (3) レポート提出では提出期限を守り、盗作・剽窃は厳禁。 (4) 試験時の不正行為(カンニング等)は教務課に報告し、大学のルールに従って厳正に対処す る。 6.授業計画 回 テーマ・内容 備考 1 社会心理学の対象と方法…社会心理学と名何か、講義の概要、授業の進め方、 テキストの紹介、成績評価等の説明 2 自己意識の原因と効果…対人場面における典型的心理として自意識を取り上 げ、そのメカニズムと行動への影響を説明。 3 自己の様々な機能…自己概念、自意識、自己呈示などの心理と対人状況でのは たらきを説明。 4 社会的認知のはたらき…社会的認知の中で最も重要な原因帰属を取り上げ、そ の意味、心理過程、行動への影響を説明。 5 社会的認知と対人関係…人の心をどう推測するか、対人帰属の心理的仕組みと の特徴を説明。 6 社会的現実とは何か…社会的認知みを通して、人々の間で社会的現実が構築さ れる仕組みを論じ、その表れとして偏見と差別を取り上げる。 7 集団間認知…偏見と差別を生み出す集団間認知に関して代表的理論と研究例 を挙げて説明。 8 説得と態度変化…人の行動を変えるために行われる説得的コミュニケーショ ンの原理と技法について説明。 9 社会的状況の力…個人を取り巻く環境や状況がどのようにその行動を支配し 制御するか、事例を挙げて説明。 10 同調と服従…社会的状況の力の典型的現象として同調と服従を取り上げ、代表 的研究例を挙げて説明。 11 衝動的攻撃性…行為者自身がコントロールできない衝動的攻撃に焦点を当て、 それが外的刺激によって無意識に駆動される心理過程を説明。 12 援助の社会的抑制…状況は非道徳的行為を誘起するだけでなく、望ましい行動 を抑制することもある。研究例を示しながら援助の社会的抑制を説明。 13 人間関係の仕組み…人はなぜ人付き合いを求め、これを維持しようとするの か。人間関係の本質について社会的報酬理論に基づいて説明。 14 親密関係の心理…恋人、夫婦、親友など親密関係の特徴である愛着(アタッチ メント)に注目し、それが果たす社会適応機能を論じる。 15 社会的排斥の影響…孤立は個人の健康と社会適応に有害な影響をもたらす。研 究例を示しながら、排斥の影響について論じる。 定期試験 2 DVD 教材『自己』使用 DVD 教材『社会的現実の構 築』使用 DVD 教材『社会的状況の力』 使用 ※ 授業の展開によっては、変更の可能性があります。変更の場合には随時お知らせします。 7.評価方法 (1) 試験(60%)…学期末に筆記試験を実施。資料持ち込みなしで行う。 (2) 受講態度(30%)…出席点をもとに評価する。 (3) 課題レポート(10%)…調査への参加などをこれに代えることがある。 8.参考図書・文献 サイエンス社が刊行する『セレクション社会心理学シリーズ』にはこの授業の各テーマに関連する 巻が数多く含まれている。授業の都度、紹介するので、復習に活用してほしい。 9.履修上の注意 (1) 認定心理士資格取得のための選択科目である。 (3) 受講に際して特別な配慮が必要な場合には、早めに申し出てください。 3