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Title 子宮頸部腫瘍におけるP16INK4a蛋白質過剰発現の解析 Author
Title Author Publisher Jtitle Abstract Genre URL Powered by TCPDF (www.tcpdf.org) 子宮頸部腫瘍におけるP16INK4a蛋白質過剰発現の解析 石川, 光也 慶應医学会 慶應医学 (Journal of the Keio Medical Society). Vol.82, No.1 (2005. 3) ,p.21Journal Article http://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/detail.php?koara_id=AN00069296-20050302 -0021 子 宮 頸 部 腫 瘍 に お け るP161NK4a蛋 白 質 過 剰 発 現 の 解 析 石 川 光 也 内容の要旨 as文 審 査 の 要 旨 ハ イ リス ク型 ヒ トパ ピ ロー マ ウイ ル ス 似 下HR・HPVと 宮 頬 郎 扁 平 上皮 癒の 発 癌 因 子 と され て い る。HR・HPVの 略 す)は 子 ウ イ ル ス遺 伝 子 産 物 で あ るE7蛋 白質 は 宿 主 細 胞 の 痛 抑 制遺 伝 子 魔 物Bb蛋 白質 の 機 能 を 抑 制 して 宿 主の 細 胞 周 期 を 綴 乱 して い る が 、この 時 同時 に細 胞 周 期 醐 節 蛋 白質 で あ るpl6脚賄 遍 白質 の過 剰 発 現 を導 い て い る。 こ の た めp16鳳 鞠蛋 臼質 の 過 剰 発現 はHR。HPVのE7盃 白 質 に よ るR6蛋 白 質 不 活 化 の 指標 と して解 析 す る こ とが 可 能 で あ る。 とこ ろ でHR・HPV感 染 ヒ トパ ビ ロー マ ウイ ル ス(HPV)は 子 と され て い る が 、HPVに ま た 頸 部腺 癌 とHPVの 関連 も明 らか に され て い な い。 そ こ で 本 研 究 で は 、 ハ イ リス ク 型HPVに p16甲馳 蟹 白 質(Pl`置 子宮頸 部扁 平上皮癌 の発 癌因 よ る発 癒 機 構 に は ま だ 不 明 の 点 が 多 い。 よ るRb蛋 自 質 の 不 活 化 か ら誘 導 され る 臼 質)過 剰 発 現 を 指 標 と して 頚 部 扁 平 上 皮 系 溺 変 お よ び 頸 部 腺 癌 の 発 癌 機 構 に お け るHPVの 関 与 を解 析 した。 扁 平 上 皮 系 病 変 にお い てp巳6螢 白 質 は 病 変 に眼 局 して 過 剰 発 現 し、 過 剰 発 現 の 頻度 は 軽 度 異 形 成 か ら中 等 度 異 形 成 に 進 行 す る際 に 有 意 に 上 者 が 発 癌 に 至 る か否 か を決 め る因 子 は わ か うて お らず 、HR・Hrv感 染 昇 し て お り、HPVに に よる 子宮 頸 部扁 平 上皮 鹿 の 発 癌 機 構 に は ま だ 不明 の 点 が 多 い。ま た る 際 に 生 じ る こ とが 判 明 した。 頸 部 腺 癌 の61%の 子 宮 頸 癌 の 一 組 織 型 で あ る顕 部 腺 癌 の発 癌 機 槽 にHR。HPV[Zi染 が 関 型HPVとplbi6白 与 して い る の か 否か は 不明 であ る。そ こで 本 研 究 では 子 宮 頸 部 扁 平 上 可 能 性 が強 く示 唆 され た。 ま た 頸 部 擦 過 細 胞 を 用 い て免 疫 細 胞 化 学 皮 系 病 変 お よび 顕 部 腺 癌 に つ い てHR・HPV感 染 色 を行 っ た と ころ 、 組 織 検 体 と同 様 に 腫 瘍 細 胞 でp16蛋 白 質 過 剰 発 染 とp且6困馳 舐 白質 過 剰 発 現 の 相 関 を検 討 す る こ とに よ り、 子 宮 頸 部 発 癌 機 構 に お け るHR・ よ るRb蛋 自 質 の 不活 化 は 中 等 度 異形 成 に 進 行す 症 例 で ハ イ リス ク 質過 剰 発 現 が 検 出 され 、発 癌 にHPVが 関 与 して い た 現 が 検 出 され た。 以 上 か ら 、pl6顕 白質 過 剰 発 現 を 解 析 す る こ とは 子 宮 頭 部 発 癌 機 構 の 解 明 や 診 断 ツ ー ル に利 用 可 能 で あ る こ とが 明 らか HPVの 関 与 を 分 子生 物 学 的 に解 析 した 。 PCR法 お よ びDir㏄I sequencing法 でHR。Hpv感 染 が 検 出 され た子 宮 とな っ た。 瓢 部扁 平 上 皮 系病 変 患 者 を対 激 と して、免疫 組 織 化 学 染 色 に て 審 査 では 、p16蛋 白質 の 過 剰 発現 は 何 を意 味 す るの か とい う質 問 が な され た。 これ に 対 して 、p163$自 質 過 剰 発現 が もた らす 効 果 は 解 明 pl6鳳"蛋 され て いな い が 、p16蛍 白 質 の 発 現 とRh蛋 白質 の 機 能 に は 逆 相 関 が 成 自質 過 剰 発 現 の 検 出 を 行 った と こ ろ、 ρ16鳳舶蛋 白 質 は 病 変 に 限 局 して高 率 に 過剰 発 現 して い た 。 さ らにp16脳 馳 蛋 白 質 過剰 発 現 り立 っ こ とか らp16蛋 白質 過 剰 発 現 はHPVに の 頻 度 は 病 変 の 進 行 と共 に 増加 し、特 に軽 度 異 形 成 か ら 中 等 度 異 形 成 られ る と回 答 され た 。HPV E7蛋 白質 は 免 疫 染 色 で 検 出 可能 か とい う に 進 行 す る際 に 有 意 に 上 昇 してい た。 この 結 果 、HR-HPVpFLR!に よる 質 問 が な され た。 これ に対 して 、E7蛋 白質 に は 有 効 な抗 体 が な く免 発 趨 機 構 にお い てRbili臼 質 の 不 活 化 は 中 等 度 異形 成 に 進 行 す る際 に 疫 染 色 で の 検 出 は 不 可 能 で あ る と回 答 され た。 ハ イ リス ク型 と ロー リス ク 型 のE7fli白 質 に 分 子 生 物 学 的 な 差 異 は あ るの か とい う質 問 が 生 じて い る こ とが 判 明 した。 子 宮 頭 部線 癌 症 例 を 対 象 と してpl6眺"盃 びnested PCR}$に よ るHPV16型 郎 腺 癌 の65%の 症 例 でHlt-HPVが p16鰍"螢 白 質過 剰 発 現 の 検 出 お よ 、 且8型感 染の 検 出 を行 っ た と こ ろ、 頸 検 出 され そ の 内 の94%の 白質 過 剰 発 現 を示 した.頸 部 腺 癌 の61%を 症 例 で は、発 癌 にH降HPV感 起 因 して い る もの と考 え 症例は な され た。 こ れ に対 して 、E7蛋 白 質 と殴b駈白 質 の 結 合 親 和 性 に 差 が 認 め られ 、 そ の 違 い はE7蛋 白 質 の ア ミ ノ酸 配 列 に 起 因 して い る と回 答 され た.p16盃 白 質 が 過 剰 発 現 を して い る症 例 が 将 来 商度 の 病 変 に 進 行 して い くの か と い う 質 問 が な され た。 こ れ に 対 して 、 本 研 究 で 占め る これ らの は 軽 度 異 形 成 症 例 の 追 跡 囮 査 を 行 っ た が 症 例 が 少 な く観 察 期 聞 が 充 染 が 関 与 してい た 可 能性 が 強 く示 唆 され 分 で な い た め 、 未 だ 結 臨 は 得 られ て い な い と 回 答 され た。 頸 部 牒 癌 た。 とHPVの さ ら に 子宮 頸 部擦 過 細 胞 浮 遊 液 を 用 い てp16旧嘱4・ 騒 白質 免 疫 細 胞 化 が な され た。 こ れ に 対 して 、 頸 部 線 癌 で のHPV検 学 染 色 を行 っ た と ころ 、組 織 検体 と同 様 に正 常 細 胞 と腫 密 細 胞 が 容 易 り差 が あ7HPVが に 艦 別 す る こ とが で き た。 ず 、 ま た検 出 さ れ たHPVは18型 本 研 究 で は.pl6購 仙 蛋 白質 過剰 発現 とHR-HPV感 染 を 指 標 と して 子 宮 顕 癌 の 分 子 生 物学 的 解 析 を試 み た。そ の 結 果 、扁 平 上 皮 系 病 変 に お い て はHR。HPV感 染 に よ り引 き起 こ され る宿 主 の 変 化 と 病 変の 進 行 との 関 連 を解 析 す る こ とが で き 、頸 部 腺 癌 に お い て もHR・HPV感 染 と 関 連 に つ い て これ ま で 分 か っ て い る 事 項 は 何 か とい う質 問 型 に絞 ってHPV感 幽頻度 は 報告 によ 発 癌 に 関 与 して い る か 否 か は 明 ら か に され て お ら と16型 が 多 い た め 本 研 究 で は この2 染 を検 出 しpl6販 白質 過 剰 発 現 との 閲連 を解 析 し た と回 答 され た。 以 上 の よ うに 、 本 研 究 で は な お 検 討 す べ き 躁 題 を 残 して い る も の の 、子 宮頚 部 扁 平 上 皮 系 病 変 の 巡 行 と頸 部 腺 癌 に お け るHPVの 関与 を 分 子 生 物 学 的 に 解 析 し た点 お よび 細 胞 診 へ の 臨 床 応 用 の 可 能 性 を 発 癌 を結 び つ け る こ とが で き た。ま た細 胞 診 検 体 を 用 い た 臨 床応 用 の 示 した 点で 緬 値 あ る研 究 で あ る と評 価 され た。 可能 性 も示 唆 され た。以 上 か ら、pi6礁"蛋 白質 の 過 剰 発 現 を解 析 す る 瞼 文 審査 担 当 者 主 査 産 婦 人 科 学 吉ffi 泰 典 こ とは 、子 宮 頭 癌 に お け る発 癌機 構 の 解 明や 診 断 ツ ー ル に 利 用 可 能 で 先端 医 科 学 河 上 裕 病 理 学 坂 元 亨宇 あ る こ とが 明 らか とな っ た。 病理 学 岡田 保典 学 力 確認 担 当 者=北 齢 政 樹 、河 上 裕 審査 委 員 長=河 上 裕 研 究 指 導 者:野 澤 志 朗(産 婦 人 科 学) 試 問 日=平 成1?俸1月18日 一21一