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データに潜む価値を明らかに してより良い洞察と判断を導く
データに潜む価値を明らかに してより良い洞察と判断を導く デルの事業部門とIT部門が協力して取り組むことで、 ビジネス・インテリジェンス・データの 活用性や予測能力を向上 お客様プロファイル 会社名 業種 所在国 従業員数 Webサイト デル テクノロジー 米国 110,000人 www.dell.com ビジネスニーズ デルは、増え続ける多種多様で大量な自 社のデータに潜む価値を明らかにするこ とで、 より的確な判断、生産性の向上、お よび経費の削減に役立てたいと考えてい ました。 ソリューション IT部門と各事業部門の幹部が協力し、 複雑に入り組んだデータを段階的に変 革しました。その際には、 テクノロジーソ リューションよりもデータセットの標準 化、 ガバナンス、および企業文化の変革を 重視しています。 メリット • • • • • • 分析機能を20 %以上強化 複数のデータソースに広がる数十億 件のレコードで99 %を上回るデータ 同期率を達成 非標準のKPIや評価基準を50 %削減 標準的な販売レポートおよびダッシュ ボードの自動化率を40 %向上 予測分析や規範分析のレポート作成 のセルフサービス化 ビジネスインテリジェンスの経費がほ ぼ半減 ソリューションの概要 「この取り組みの成功にはデルの事業部門とIT部 門の幹部の協力が必要不可欠でした。かつては、 各事業部門とIT部門それぞれが経費と時間のか かるサイクルに耐えるしかありませんでしたが、 今では協力して業務を行っています。」 デル、Vice President of Performance Analytics、Doug Hillary • • アプリケーションサービス ビッグデータ データソースは、 トランザクション、 オペレーション、Eメール、 ソー シャルメディア、 イメージ、 ビデオなど多種を極め、各ソースから のデータも急激に増加しています。そのため、 データ管理は多く の企業にとって大きな悩みの種となってきました。 しかし、 さらに 大きな課題は、 データソースを知るだけではなく、企業に蓄積さ れたデータすべてを活用して事業発展のための指針や推進力と して役立つような貴重な洞察を引き出すことです。 「ガバナンスの一元 化はITロードマップ の簡素化、通知、およ び推進にも役立って います。これは大変 重要です。これがな ければ、 デルの各部 門がそれぞれ独自の データ分析やレポー ト作成を行っていた 時代に逆戻りしかね ません。」 デル、Information Capital and Data Science、Executive Director、Tony Pladies デルも例外ではなく、 このようなビッグデー タの課題を痛感していました。2013年から数 年をかけて非常に複雑に入り組んだデータ の合理化に取り組む前は、2012年度に全世界 での収益が620億ドルであったにもかかわら ず、自社の販売業績を完全には把握していな かったのです。 Pladiesは、 データが多様性を極めていたた めにIT部門に重い負担をかけ、IT部門はデー タ管理に多くの時間を割かなくてはならず付 加価値のある分析を行う余裕がなかったと指 摘します。 「当時のデータ管理とレポート作成 のモデルはIT部門への負荷が大きく、事業部 門とのバランスを取る必要がありました」 と Pladiesは振り返ります。同時に、 デルには130 億件を超えるレコードが蓄積されている点も 指摘します。 「事業部門にはセルフサービス 機能がほとんど与えられていませんでした。 多くの場合、業務時間の80 %はデータの移 動と操作に費やされており、実際の予測分析 までは手が回りませんでした。いくつものIT サイクルと膨大なデータウェアハウスの処理 能力を単なるデータの抽出だけに浪費して いたのです」。 その理由は何でしょうか?デルのVice President of Performance Analyticsである Doug Hillaryによると、当時デルではKPI(重 要業績評価指標) や業績評価基準が標準化 されておらず、経営陣、営業幹部、および現場 の営業担当者が一貫した視点から正確に業 績を評価および管理できなかったと言います。 「データは流れ込んでくるものの、そこから 意味を見出すような分析はあまり実行できて いませんでした。データが異なる場所に分散 シャドーITインフラストラクチャ して格納されていたからです。そこで、 デルで Pladiesは、 デルの様々な事業部門がそれぞれ 行っていたビジネスインテリジェンス (BI) に 独自の手法を採用したために、BIの取り組み ついての取り組みを強化する必要がありまし た。その際、必要な改善を進めるために、多く の事業部門とBI幹部から協力を取り付けまし 製品とサービス た」 とHillaryは言います。 サービス いくつもの異なる「真実」 「BIとレポート作成はプロジェクト単位で実施 されていました。一貫したビジネスルールや 世界共通の標準がなかったため、 レポートに はその国や地域特有のデータしか反映され ていませんでした。このため、異なるバージョ ンの「真実」が生じ、経営幹部が情報を整理す る必要がありました。その結果、 データの正 当性を守ることに時間をとられ、そこから重 要な洞察を収集できずにいました」 とHillary は付け加えます。 Dell SAP HANA®サービス ハードウェア Dell Storage SC8000 コントローラ Dell Networking S4820T スイッチ Dell Networking S60スイッチ Dell PowerEdge R920ラック サーバー Dell SAP HANAソリューション デルのInformation Capital and Data ScienceのExecutive DirectorであるTony ソフトウェア Dell Statistica 2 が断片化され、非効率だったと付け加えま す。 「事態をさらに複雑にしたのがシャドーIT インフラストラクチャの出現でした。各事業 部門が、拡張性がなくIT標準を遵守してい ない、効果の少ないシステムを独自に立ち 上げ始めたのです。 しかも採用率も低く、 こ れらの投資の多くは還元されていませんで した」 とPladiesは言います。 Hillaryが見た通り、 デルの営業部門は独自 のデータ分析を最適化していたかもしれ ませんが、 デルという会社全体で見たデー タの状況は最適化されていませんでした。 「BIの断片化は非効率で経費がかかるだ けではなく、わかりにくく相互に関連性もあ りません。ベストプラクティスを全世界で活 用および共有することがあまりできず、結 果的に敷居が高くなってしまうという困難 な状況でした」 とHillaryは言います。 社内慣習として深く根付いていたデルの データ管理、 レポート作成、および分析手法 を改善する必要がありました。デルに必要 なのは包括的なビジネス変革であると確信 したHillaryは、その経緯を次のように説明 しています。 「デルの課題を適切に評価し たところ、変革には約3年かかることがわか りました。データウェアハウスにデータを集 約するだけではなく、標準を制定してガバ ナンスを構築し、新しい考え方や業務の遂 行方法へと全従業員を移行させる必要があ りました。また、 レポート作成は最終目標で はありません。重要なのは、そのデータやレ ポートの内容をどう活用するかです。最終 的に、 より適切に素早く、前もって判断でき るように、 データの分析や洞察の提供をよ り効果的に行う必要がありました」。 ビジネス変革の取り組みへの着手 2013年は、 この取り組みに着手するには絶 好のタイミングでした。デルは、240億ドル をかけて自社株買いを行っており、 また、 デ ルのソリューションやサービスの幅を広げ るために企業の戦略的買収を行っている最 中でもありました。 「株式の非公開化は、BI 変革を加速するよい機会となりました」。 変革に着手すべく、 デルの経営陣と営業 幹部は部門間の調整役にHillaryを任命し ました。そして、Hillaryは2014年初めに Performance Analyticsグループを立ち上 げました。この業績分析グループは、 デルの 3 営業機能全体におけるレポート作成、分析、お よびデータ管理を統括します。さらにガバナ ンスに対応します。 Hillaryは、最優先事項の1つとして、 ビジネス インテリジェンス委員会の編成を掲げました。 この委員会は、IT部門を中心にデル全体の事 業部門や職務の幹部で構成され、 この取り組 みの進行をサポートします。この種のビジネ ス変革を成し遂げるには徹底して取り組む必 要があると考えたHillaryは、 デルの副会長に エグゼクティブスポンサーとなってもらいま した。 「デルの事業部門とIT部門の幹部が協力体 制を組むことが、 この取り組みの成功には必 要不可欠でした。かつては事業部門とIT部門 が、要件の収集、調整、および展開という経費 や時間のかかるサイクルをいくつも忍耐強く 経る必要がありましたが、今では協力して業 務を行っています」 とHillaryは言います。 一連の共通したKPIの必要性 2013年の終わりには、別の抜本的な取り組み も始まり、最終的に完了まで9ヶ月を要しまし た。これは、 デルが営業活動を行う際の、一連 の共通した重要業績評価指標(KPI) を定める ものです。指標の例としては、売り上げの予 測、パイプラインの見通し、および見積書の 発行数などがあります。 共通のKPIはデルのビジネス改革には必要不 可欠でした。データ構造を大幅に簡素化で き、新しい分析機能をより早く構築できるよ うになるからです。同じBIのデータセットや手 法が使えるように、上流のビジネスプロセス も標準化されました。これにより、 デルのデー タ管理やBI分析における全体的な効率がさら に向上し、 さらなる経費削減にもつながりまし た。 「共通のKPIを定める際には、販売管理を世界 規模で行う際に必要となる最も重要なKPIを 決めるため、世界中の様々な事業部門や地域 から80人以上の営業幹部による同意を取り 付けました。これは簡単なことではなく、時間 もかかりましたが、今ではシンプルで標準化 された評価基準があります。また、 ガバナンス 「企業の変革に 『最適』な時などあ りません。デルの場 合は、現状維持がも はや不可能だった のです。」 デル、Vice President of Performance Analytics、Doug Hillary プロセスも実行中で、事業部門間の足並みを 揃え、適切な人材に責任を課すことができる ようになっています」 とHillaryは言います。 次のステップ: ビジネス管理システムの 設計と展開 2014年4月までには、DellのSAP HANA® サービスのチームは、 リファレンスアーキテ クチャを青写真として、BIのレポート作成と 経費を合理化するために標準の仮想化ビジ ネス管理システム (BMS) を設計しました。設 計が完了したことで、BMSをビッグ・データ・ プラットフォーム上で開発および実装し、標 準化されたKPIに照らして販売業績を管理す る際に利用する全社で唯一のソースとする ために必要な資金を調達できました。 テクノロジーソリューションよりも 事業部門間の協調 技術についての議論は、KPIやガバナンスの 問題を解決できるまで意図的に後回しにされ ました。KPIや管理の問題解決といった重要な 手順を踏んだ後、BI委員会はレポート作成の ほとんどを事業部門に任せることに同意しま した。 「事業部門は、職務に生かせるレポート の作成や維持において柔軟性が必要です。一 デルのSAP HANAソリュー 方でIT部門は、 データの使用、共有、およびコ このBMSには、 ンプライアンスにおいて革新や最適化を図る ションが組み込まれています。これは、 ことで情報の戦略的価値を高める必要があり Dell PowerEdge R920サーバー2台に基 づいたハードウェアアプライアンスで、 ます」 とPladiesは言います。 Dell Storage SC8000コントローラとDell Networking S4820TおよびS60のスイッチ 次に、IT部門は事業部門との共同開発プロ を備えています。 ジェクトに着手しました。 「デルの事業部門 には技術に詳しい人材がいるに違いないと 思いました。そこで、 このような人材をITプ より成熟した予測分析モデルへ ロジェクトに活用しようと考えたのです」 と 元々このデータ・モデリング・ツールはSAP Pladiesは振り返ります。 「また、エンタープラ HANA Studio、および分析ツールはSASのも イズ・データ・ウェアハウスのデータセンター のですが、 デルは、 より強力で使いやすい分 を開放し、事業部門がITが管理するエコシス 析ソフトウェアスイートであるDell Statistica テムを利用して革新を起こせるようにしまし プラットフォームにこれらを移行しました。 た。事業部門ではデータを抽出しなくても済 移行によって、モデル管理、 リアルタイムの むようになりました。従業員には自分のデー スコアリング、およびビジネスルールなどの タの読み込み、新しい分析を調査し、営業活 分析ライフサイクル全体を完全にサポート 動の指揮をとる場が解放されています」。 できるようになりました。また、 データマイニ 次にIT部門は事業部門と協力し、 デル・リファ レンス・アーキテクチャを開発して全社を対 象としたデータ管理についての3ヶ年戦略を 策定しました。この戦略では、 デル全体に適 用されるデータ標準(一連の共通した用語、 優先度、属性、および値)、およびツールやイ ンフラストラクチャを対象としています。 ング、予測分析、および構造データや非構造 データの分析がシンプルになりました。 Hillaryは、Dell Statisticaへの移行には6ヶ月 しかかからず非常にスムーズで迅速だった と言います。これは、IT部門と事業部門との 協力体制やBI委員会の調整の賜物です。移 行前に何ヶ月も協力して業務を行っていた ため、移行プロセスを比較的スムーズに行 えたのです。IT部門とデルのソフトウェアグ 「ガバナンスの一元化は、ITロードマップの簡 素化、通知、および推進にも役立っています。 ループの力強いサポートのもと、事業部門 の幹部が移行を推進しました。 これは大変重要です。これがなければ、 デル の各部門がそれぞれ独自のデータ分析やレ 「標準化されたKPI、BMSによるデータソー スの一元化、分析と決定科学の組み合わ ポート作成を行っていた時代に逆戻りしかね せ、および適切なツールやプロセスと合わ ません」」 とPladiesは言います。 4 せて、Statisticaはデルが成熟した予測分析モ デルへと前進するのをサポートしてきました。 データを収集してレポート作成を行うことに変 わりはありませんが、今では分析により多くの 時間を割いて意思決定に生かし、その意思決 定に基づいて行動しています」 とHillaryは言い ます。 求められた抜本的な企業文化の変革 デルのビジネス変革には、抜本的な企業文化の 変革も必要であったとHillaryは言います。 「企 業文化の変革は常に困難なものです。事業部 門とIT部門が連帯するこの種の協力体制では、 トップダウンの変革とボトムアップの変革が求 められます」。 トップダウンで行った取り組みの1つに、 デルの 重役や経営幹部から、新しい手法の構築や必要 に応じたガバナンスの実施をサポートできるよ うな変革推進者を何人か特定するというもの がありました。IT部門が事業部門に開発者を派 遣し、ユーザーが自分でレポートを作成できる ようにスキルアップをサポートしたり、BMSロー ドマップにない項目であっても、ニーズや課題 があればどんなものでも積極的に支援したりし ました。 「データをユーザーに届けるというこれ までの文化を打破しました。セルフサービス 化を行うことで、ユーザーがデータにたどり着 けるようにしたのです」 とHillaryは言います。 加えて、 デルは最近「Decision Sciences Academy(決定科学アカデミー)」を設立しまし た。Hillaryの説明によると、 このアカデミーで は、実証された分析手法とStatisticaのようなデ ルのツールやプロセスを使って一貫した標準化 トレーニングモデルを提供するということです。 「このDecision Sciences(決定科学)認定を権 威のあるものにするために、 カリキュラムを厳し く設定する必要がありました。こうすることで、 認定を受けたことを誇りに思い、ちょっとした自 慢の種にさえなります」 とHillaryは言います。 デルのビジネス全体に波及する大きな成果 これまでのところ、 この取り組みはデルのビジ ネス全体で非常に大きな成果を上げています。 非標準のKPIや評価基準は半減しました。デー タは、そのソースにかかわらず、 レコードの99 %以上で同期されています。ユーザーは今で はITに連絡しなくても、自分でレポートにアク セスできます。これらすべての要因が、 デルの IT部門と事業部門における生産性の劇的な向 上に貢献しています。一方で、BIにかかる経費 はほぼ半減しました。 りもしました。全部門が、関連するKPIの定義に同 じビッグデータのアーキテクチャおよびプラット フォームを利用することになります。コンプライ アンス、アクセス制御、および経費の適切性を監 視するガバナンスは引き続き重要です」 とHillary は言います。 Hillaryは、BI変革の取り組みによる成果を好意的 に受け止めていますが、 これに満足しているわけ 経費削減や生産性の向上によって、分析機能 ではありません。今後は、 デルがデータの質を向 にさらに投資できるようになり、分析機能は 上させ、BMSを1つのパッケージとして統合して事 20 %以上拡張されました。 「自社の業績デー 業を提供できるようになることを目指します。ま タの履歴を見るだけではなく、かつてはできな た、 デルの分析機能を強化しようと、現在BMSや かった洞察の取得も行っています。現在は、規 データウェアハウスに格納されているデータから 範分析と予測分析を提供できるように迅速に 価値を見出せるような分析の使用を促進する専 進めているところです。また、今ではすべてが 門チームを最近編成しました。これにより、 セルフサービス化されているため、事業の担 パターン、傾向、異常値などの情報をチームが検 当者が格段に早くレポートを取得できます」 と 知しやすくなり、意思決定が大幅に向上します。ま Hillaryは言います。 た、モバイルでのレポート作成も視野に入れてお り、中間管理職や現場の営業担当者が分析を利 実際、 デルのBMSにおける販売レポートおよび 用できるようにしたいと考えています。 ダッシュボードの自動化の割合は2015年まで に40 %向上しました。ユーザーが規範分析や Hillaryは、法人のお客様が同様の取り組みで同じ 予測分析を行う時の応答時間も60 %短縮さ 成功体験を得られるように精力的に活動していま れました。 す。デルが抱えていた課題に直面されている法 人のお客様へのアドバイスは、以下の2点です。 「道のりは長いので辛抱強く取り組む必要があり 継続する取り組み ます。重役に協力を依頼し、IT部門との連携のも 「ビッグデータについての取り組みでの進展 と事業部門が適度な関心と責任感を持つように によって、BI委員会の憲章がデル全体に浸透 し、マーケティング、人事、総務、財務などの分 します。こうすることで、取り組みが成果を上げ 野にセンター・オブ・エクセレンスが設置された るのです」。 デルのすべての導入事例をご覧になる場合は、Dell.com/CustomerStories にアクセスしてください。 5 Dell、 デル、 デルのロゴ、PowerEdge、およびStatisticaはDell Inc.の商標です。本書では、他社の商標や会社名が、その商標や会社名を使用する 権利を有する団体またはその製品を示す目的で使用される場合があります。他社の商標や会社名は、一切デルに帰属するものではありません。 デルのソフトウェア、 ソリューション、サービスの利用状況および条件は地域によって異なります。本事例は情報提供のみを目的としています。 デルは本事例に関して、明示または黙示を問わず、いかなる保証も行いません。参照番号: 10022393 © 2015年5月Dell Inc. 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