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USB ベースの仮想メディア

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USB ベースの仮想メディア
ブレードサーバ管理
仮想化
Dell PowerEdge 1855 ブレードサーバで使用する
USB ベースの仮想メディア
DellTM PowerEdgeTM 1855 ブレードサーバの仮想メディア機能は、クライアントに接続
されたデバイスをターゲットホストに提供するとき、USB テクノロジを使用する。この機能を
使いこなすには、オペレーティングシステムや BIOS が、仮想メディア環境のデバイス(フロ
ッピディスク、USB フラッシュメモリ・キー、CD/DVD メディアなど)をどのように認識し、通
信するのか知っておくことをお勧めする。そこで本稿では、その仕組みを解説したい。
文=JAKE DINER、SANJEEV SINGH
関連分野:
システム特性
クラスタリング
Dell PowerEdge
サーバ
ハイパフォーマンス
コンピューティング
(HPC)
IBRIXファイルシステム
Linux
並列システム
パフォーマンス
全カテゴリ:
www.dell.com/powersolutions。
Dell PowerEdge 1855ブレードサーバは、Avocent® Digital
Access KVM(キーボード、ビデオ、マウス)モジュールを通して
仮想メディア機能をサポートする。このモジュールは、仮想メディ
アへのアクセスにUSBテクノロジを利用している。USBは本来、
オペレーティングシステムやアーキテクチャの違いを問わず、複数
のUSBデバイスが接続できるように考案されたテクノロジだ。しか
し、USBデバイスの扱い方はOSによって異なるため、特定の
OSではカスタム構成が必要になってくる。本稿では、デル・ブレ
ードサーバ環境で仮想メディアをご活用いただくため、クライアン
トとターゲット・システムの仕組みを解説していきたい。
管理者の方は、まず、DRAC/MC(Dell Remote Access
Controller/ Modular Chassis)管理モジュールや、Avocent
Digital Access KVMファームウェアを更新してほしい。次に、
JavaコントロールパネルからJavaの一時ファイルを、また、Web
ブラウザからインターネット一時ファイルを削除する必要がある。
これで、互換性の問題が避けられるのだ。
現在は、サポート対象のWebブラウザを使うことで、仮想メデ
ィアをDRAC/MC Webページから起動できるようになった1。
®
Linux オペレーティングシステムの場合は、仮想メディア・アプリ
ケーションを起動する前に、書き込み可能なストレージ・デバイ
ス(フロッピドライブや書き込み可能なCD/DVDドライブなど)を
クライアント・システムの要件と動作
無効にする必要がある。無効にしておかないと、仮想メディア・
Avocent Digital Access KVMの仮想メディア機能は、クライ
アント・システムのストレージ・メディア・デバイスと、ターゲット・プラ アプリケーションが、これらのデバイスに対し排他的な書き込みア
クセス権を確保することができないのだ。
ットフォーム間の接続を取り持つ。このとき、クライアント・システ
®
ムは「管理システム」、ターゲット・プラットフォーム(Dell
Microsoft Internet Explorer(IE)のバージョンによっては、
PowerEdge 1855)は「管理対象システム」と呼ばれる。この
セキュリティ強化機能がJavaアプリケーションの実行を禁止する
接続プロセスには、Java Runtime Environment(JRE)バー 場合がある。この競合を解決するには、Microsoft Windows
ジョン1.4.2以降が必要だ。これをクライアント・システムにインス ServerTM 2003 Internet ExplorerのEnhanced Security
トールしておかないと、仮想メディア・アプリケーションを実行する Configuration(「セキュリティ強化の構成」)コンポーネントを無
ことができない。
効にしてほしい。
1 DRAC/MC がサポートする Web ブラウザの詳細は、
support.dell.com/support/edocs/software/smdrac3/dracmc/1.1
/en/UG/dracugc1.htm#wp34352 に掲載されている『Dell Remote
Access Controller/Modular Chassis User’ Guide』を参照のこと
www.dell.com/powersolutions
『Dell Power Solutions 2006 年 2 月号』より抜粋 © 2006 デル株式会社 All rights reserved.
2006 年 2 月
DELL POWER SOLUTIONS
1
クラスタ特集号: ハイパフォーマンス・コンピューティング
ターゲット・システムの要件と動作
Avocent Digital Access KVMモジュールは、M-Systems
Dell USBメモリキー・ブートユーティリティ2 を使ってフォーマット
したDell USBメディアなら、いずれもサポートする。このユーテ
ィリティを使えば、MS-DOSからブート可能なDell USBメモリ
キーを作成することができるのだ(図1)。
この種の初期化は、ハードドライブ・フォーマット、または、ハ
ードディスク・フォーマットとも呼ばれる。その理由は、BIOSから
見ると、メモリキーもハードドライブの一種となるからだ(図2)。
アプリケーションによっては、ドライブA:\ のフロッピディスクにしか
アクセスできないものがあり、この場合、仮想フロッピディスクは
認識されないのでご注意いただきたい。このフォーマット形式は、
®
Microsoft Windows プラットフォームでもLinuxプラットフォー
ムでも同等に利用できる。
図2. Dell Digital KVMビューア・アプリケーション画面:
ドライブ順のオプションボックス
Dell USB メモリキーを使ったシステムのブート
Dell USBメモリキーのフォーマットが済んだら、次は、BIOS設
定値を変更する番だ。これが終了すれば、Avocent Digital
Access KVMモジュールから利用できるようになる。ここで、Dell
PowerEdge 1855ターゲットシステムのBIOSバージョンは、
A04以上が必要なのでご注意いただきたい。まず、[HardDisk Drive Sequence](ハードドライブの順番)を変更し、仮
想メディアを一番上に移動してほしい(図2)。Dell USBメモリキ
ーのドライブ優先順位を一番上に変更したら、これに合わせて
[Boot Sequence](ブート順)も変更する必要がある。
OS から仮想メディアへのアクセス
ターゲットOSは、仮想メディア・デバイスをUSB複合(コンポジッ
ト)デバイスとして検出する。Avocent Digital Access KVMモ
ジュールは、CDドライブと、フロッピドライブまたはUSBキーを両
方同時にサポートすることができる。USBデバイスの処理法は、
オペレーティングシステムによってまちまちだ。たとえば、Windows
2000とWindows Server 2003の場合、ユーザの介入がなくて
も、仮想メディア・デバイスを自動検出し列挙することができる。
しかしLinuxでは一
般に、CDドライブか
ハードディスクドライ
ブとして仮想メディ
ア・デバイスをマウン
トする必要があるの
だ。
ドライブをマウント
する前に、まず、管
理対象ステーション
でメディアへの接続
を確立しなければ
ならない。Linux
OSは、仮想フロッ
ピドライブや仮想
CDドライブ用にマウ
ントポイントを自動
図1. M-Systems Dell USBメモリキー
のブート・ユーティリティ画面
2 Dell USB メモリキーをブート可能にする詳細な手順は、
support.dell.com/support/edocs/storage/p72969/en/usage.ht
m#Bootability を参照のこと
2 www.dell.com/powersolutions
作成する(これらのマウントポイントは、/etc/fstab ファイルにリス
トアップされる)。たとえば、OSによって/media/cdrom というマウ
ントポイントが事前に作成されている場合、
mount /media/cdrom というコマンドを実行すれば、仮想
メディアがマウントされアクセスできるようになる。マウントポイント
がまだ作成されていない場合は、ドライブのマウントにデバイス名
が必要だ。たとえば、OSが /dev/scd0 デバイスを作成し、ハー
ドドライブに /mnt1 ディレクトリが表示される場合、システム管
理者は、次のコマンドを実行することで仮想メディアがマウントさ
れる。
mount /dev/scd0 /media/cdrom
仮想メディアをサポートするための OS 要件
仮想メディア正しく導入し、適切に稼動させるために最小限必
要なOSは、次のとおりだ: Service Pack 4(SP4)を適用した
Microsoft Windows 2000 Server、SP1以降を適用した
Microsoft Windows Server 2003、または、アップデート4以
上を適用したRed Hat® Enterprise Linux 3(Red Hat
Enterprise Linux 4の場合はアップデート不要)
仮想メディア・アクセスのメリット
システム管理者は、仮想メディア・アクセスを利用することで、
Dell PowerEdge 1855ブレードサーバのOSもBIOSもリモート
から制御できるようになり、非常に便利だ。仮想メディアの仕組
みを理解しておけば、データセンタのリソースを有効活用し、ブレ
ードサーバ環境のパワーと管理能力を最大限に引き出すことが
できる。
Jake Dinerは、デル・エンタープライズ・システム管理ソフトウェ
ア組織に所属するソフトウェア・エンジニア。ミシガン州立大学で
コンピュータ科学の学士号を取得。
Sanjeev Singhは、デルのシニア・ソフトウェア・エンジニア。在
インド・インドールのShri Govindram Seksaria理工大学で電
気工学の学士号を、また、米国ノースカロライナ州立大学でコ
ンピュータ工学の修士号を取得。
『Dell Power Solutions 2006 年 2 月号』より抜粋 © 2006 デル株式会社 All rights reserved.
2006 年 2 月
DELL POWER SOLUTIONS
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