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駆動系トルク配分コントロール解析
Adams 適用事例 駆動系トルク配分コントロール解析 車体設計と制御系設計のように異なるエンジニアリング領域では、異 なるシミュレーションツールが必要ですが、それらをばらばらにシミュ レーションしていたのでは結局車輌として実試験をせねばならず、車 輌全体の開発の効率化は進みません。また、実試験の中には、季節 や天候に左右されたり、また試験自体に危険を伴うものがあります。 米国Visteon社では、Adamsの車輌モデルとMATLABの制御モデルと をAdams/Controlsで組み合わせて、駆動系の電子制御トルク配分デ バイスの設計・検証を実施しています。 本事例では、圧雪路や氷結路においてフィールド試験とコリレーション を取った車輌モデルを用いて、制御システムとのCo-Simulation (共 同解析)を実施し、電子制御トルク配分デバイスの有用性を検証しま した。 1.モデリングと解析の流れ 2.解析結果 ① Adamsの車輌モデルに対して、フィールド試験の結果との コリレーションをとります 青:フィールド試験 緑:Adams解析 定常円旋回とレーンチェンジ、ともに圧雪路よりも氷結路で、フル タイム4WDやFWDに比べて電子制御トルク配分デバイス(トルク制 御4WD)が有用なことが検証されました ◆定常円旋回ヨーレート結果(13.5MPH,ステア角60deg) FWD FWD トルク制御4WD トルク制御4WD 目標挙動 目標挙動 Adamsモデル コリレーション結果 (圧雪路でのヨーレート) ② 車輌モデルに電子制御トルク配分デバイスを組みこみます 駆動力 フルタイム4WD フルタイム4WD 圧雪路 氷結路 目標挙動に対して FWDは微かにアンダーステア フルタイム4WDは微かにオーバーステア FWDが大アンダーステア フルタイム4WDは大オーバーステア トルク制御4WDはほぼ目標通り ◆レーンチェンジヨーレート結果(13.5MPH,ステア角80deg) カプラフルタイム4WD 目標挙動 後輪へ の配分 トルク Adams/Controls Adams MATLAB 制御入力 Controller FWD コントローラのロジック (MATLABモデル) ③ Adams/Controlsによってコントローラと車輌モデルとの入出 力を仲介させます 観測出力 Driveline Vehicle Model Model 目標挙動 フルタイム4WD トルク制御4WD トルク制御4WD FWD 氷結路 圧雪路 目標挙動に対して どれも位相差はあるがほぼ目標通り FWDは値が小さく、不安定 フルタイム4WDはタイムラグが大 3.まとめ Adamsと制御系モデルを用いて、駆動系のトルク配分コント ロール性能が検証されました 季節や天候によらず、試験中の事故のリスクもかけずに、 車輌性能をテストすることができました 制御入力: トルク配分 観測出力: ホィール速度 ステア角 ヨーレート 加速度 スロットル位置 AdamsはMSC.Software, Inc.の米国における登録商標です。 Copyright MSC.Software, Inc. 2006 Copyright ISI-Dentsu, Ltd. 2006 お問い合わせ先 製造システム事業部 CAE技術部 中村 TEL 03-6713-8035 mail [email protected]