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Title 幸福感に対する社会生態学的アプローチ (特集 幸福感と 文化
Title Author(s) Citation Issue Date 幸福感に対する社会生態学的アプローチ (特集 幸福感と 文化) 竹村, 幸祐; 佐藤, 剛介 心理学評論 (2012), 55(1): 47-63 2012-06 URL http://hdl.handle.net/2433/174429 Right © 心理学評論刊行会 Type Departmental Bulletin Paper Textversion publisher Kyoto University JaþtD略~p勾lCIIoIDgiall R~";'III s .No .1 .4rの 2 0 12 . Vol 幸福感に対する社会生態学的アプローチ 竹村幸祐・佐藤剛介 北海道大学 京都大学 Soci ひe c o l o g i c a lapproachtohappiness KosukeTAKEMURA釦 dKosukeSA TO めl o t oU n i v e r s i t y H o k k a i d oU n i v e r s i t y Asr e v i e w e di no t h e ra r t i c l e si n出i ss p e c i a li s s u e .m皿 ycro 騎・c 叫 回 目1 s t u d i e sh a v er e v e a l e d t so fh a p p i n 臨 ( e .g . .p r e d i c 旬四o f h a p p i n 邸 s ) . Al 由o ugh曲 目e c u l t u r a lv a r i a t i o ni n関 V町a1縮問c ∞ ,e弱 白 o s t u d i ,鶴 h a v ec o n 町i b u t e dg r e a t l y旬 r e v e a l i n ghowp r fh a p p i n e s sd i f f e ra c r 慣 S5 侃 i e t i e . s why出eyd i f f e rr e m a i n sap u z z l e . Thec u r r 飢 t p a p 町 i sa i m e da ti n 位。d u c i n g釦 e m e r g i n g 日 c o l o g i c a la p p r o a c h .w h i c he m p h a s i z 田 e n v i r o n m e n t a l( p h y s i c a la n d p e r s p e c t i v ec a l l e dt h es o c i 陸 mp 凶 t oi d e n t i f yu n d e r l y i n g mechanisms o f 0凶 e r v e dc u l 加r a l s o c i e t a l )f a c t o r s .a n da t d i f f e r ,回c e s .I np r e v i o u ss t u d i 回 加 盟d o nt h e釦d ω c o l o g i l 回 1a p p r o a c h . 由. ee f f e c t so f e n v i r o n m e n t a lf a c 加rs.i n c l u d i n gp a t h o g e np r e v a l e n c e .r e l a t i o n a 1mob 出町.町b a n i t y .釦 dc l i m a t e . W町 ee x a m i n dt h r o u g h碍 河 川 m e t h o d o l o g i 錨 s u c ha sc r o s s r e g i o n a lc o m p a r i 回 n swi 出回 a t i 1 e v e l釦 a l y s i . sWereviewevidence血a tt h es o c i o e c o l o g i c a le n v i r o n m e n t c o u n t r ya n dmul s y c h o l o 副c a la n db ぬa v i o r a lt e n d e n c i 笛 凶u 回 c eh a p p i n e 田. Wed i s c u s show a f f e c t show回 mep t h es o c l 伺 c o l o g i c a la p p r o a c hh e l p st oe x が制 v a r i o u sc u l t u r a ld i f f e r e n c e s .and出回dze出e 回 nh a p p i n 田 S釦 dc 叫国児. r e l a t i o n s h i pbetw Keywords:h a p p i n e s s .c叫t 町 e . s 民 i o ・ e c o l o g i c a la p p r o a c h .r e l a t i o n a lmob 副t y .a d a p t a t i o n キーワード:幸福感.文化,社会生態学的アプローチ.関係流動性.適応 人間の心理プロセス・行動傾向に対する文化的 影響についての研究は. MarkusandK i tayama ( 19 9 1 ) の論考をひとつの契機として飛躍的に発 の社会生態学的アプローチの研究を概観し.展望 を論じる。 社会生態学的アプローチ 展し.多くの知見が蓄積されてきた(レピューと e .2 0 0 8: H e n r i c h .H e i n e .& Nor 目lZa y a n . して.Hein 2 0 1 0 :北山. 1 9 9 8 :Nisbet. t2 1 3 )。近年では.脳 科学の手法を用いた比較文化研究も進められつつ ∞ 基本的視座 社会生態学的アプローチとは何か。それは.自 あり(レビューとして路tayama&印刷1.2 0 1 1 ) . 然環境や社会環境がどのように人間の心理プロ 実証研究に不可欠な「手法の多様性Jの点でも厚 みを増してきている。こうした中.幸福感につ セス・行動傾向に影響するか,また.そうして影 響を受けた心理・行動がどのように環境に対し いても多くの研究が行われてきた。幸福感につ てフィードパックを与えるか.その相互構成メ いての比較文化研究の最新の動向に関しては. 本特集号の他の論文が優れたレピューを提供し ている。本稿では.こうした比較文化研究の発 カニズムに注目する研究方略である ( O i s h i& Graham.2 0 1 0 )。通常. 生態学」的アプローチ 展を受けつつ. しかし多くの比較文化研究とは異 然環境要因 ( e . g . .食料資源の分布状況)と生物 なる視点で文化差を見るアプローチとして.社 会生態学的アプローチを紹介したい。以下.社会 生態学的アプローチについてその特徴を説明し. の行動傾向を含む形質の関係を分析することを示 唆する。しかしここでは 自然環境だけでなく社 研究例を紹介する。その上で.幸福感について r とした場合には.生物にとって適応対象である自 会環境も重要な適応対象であること ( D u n b a r . 1 9 9 8 ) に注目し.社会生態学的アプローチとの呼 - 47- 心理学野鎗. V o L5 5 . No .1 称を用いている 1)。 従来の比較文化研究の多くは.異なる文化的背 e . ι 日本 v s .アメリカ)や民 景を持つ国の比較 ( 境要因に注目し.環境と心理・行動傾向の相互構 成メカニズムの解明を目指している。 また.社会生態学的アプローチのもうひとつの 族問比較 ( e . ι アジア系アメリカ人 v s .ヨーロッ パ系アメリカ人)に依拠してきた。こうした通常 の比較文化研究との対比で強調されるべき社会生 態学的アブローチの特徴として.次の点が挙げら れる。このアプローチでは.社会によって心理プ 特徴に.心理・行動傾向が個人にもたらす帰結を 考える際に.その個人を取り巻く環境の特徴を踏 まえて分析することが挙げられる。これは.行動 やその背後にある心理過程を環境に対する適応 ロセス・行動傾向に違いが見られた時,その心 理・行動傾向とは独立に測定可能な環境要因に注 目し.その環境要因の影響を実証的に検討しよう としている。比較文化研究において.文化差の原 因についての仮説が提出きれでも.その仮説が直 接的に検討されることは決して多くはない。例え 2 0 1 ω と共通の分析的視点である。心理・行動傾 ば.自己評価の高さに北米と東アジアで差が見ら ( s eH s e r v i n ga t t r i b u t i o n a lb i a s ) に注目した。成 . .H e i n e .Taka t a .& Lehma n .2 0 0 0 ) . れた時(e.g その文化差の原因が「自己の望ましい在り方j に ついて文化的に共有された観念に求められること 功体験を自己の内的属性に帰属し.失敗体験は状 況要因に帰属する自己奉仕的帰属バイアスは.そ の帰結のひとつとして肯定的な自己概念の獲得・ 維持をもたらすとされる。この場合は.いわば個 人内で完結しうるプロセスが想定されており.自 己奉仕的帰属バイアスを持つことに対する環境か らのフィードパックは必ずしも視野に含まれてい ∞ がある ( e .g . .H e i n e .2 5 )。しかし比較文化研究 の難しさのひとつは.こうした文化的に共有され た観念の直接的測定が時に困難であることである ( K i 旬yam . a2 0 0 2 )。そのため.原点に立ち帰って 「文化差の原因 Jと目されるもの(例えば, 自己 の望ましい在り方Jについての観念)が本当に文 化聞で異なるかどうかを論じる段になると.元々 はその説明対象であったはずの心理傾向の文化差 r ( e .g..自己評価の文化差)をもってその根拠とせ ざるを得ない.という事態になる。もちろん.そ うした限界を抱えつつも多様な手法を用いること で仮説の蓋然性を全体的に高めてきたこれまでの 比較文化研究の意義は明らかに大きい。また.共 有された観念や信念が果たす役割は軽視されるべ 1;N i s b e t t&Co h 田. きではない(e.ιAoki.勾0 1 9 9 6 )。しかし同時に.測定可能な環境要因に注 目して実証的検討を進めることは,文化差を説明 する上での重要な知見の蓄積に貢献する。こうし た立場から.社会生態学的アプローチでは.説明 対象たる心理・行動傾向とは独立に測定可能な環 ツールとみなして分析する適応論(亀田・村田. 向が個人にもたらす帰結には様々なものがあるが. その全てが個人を取り囲む環境の影響を視野に入・ れた上で論じられているわけではない。例えば H e i n e ロ ∞15) は.東アジアに比べて北米で広く 見られる心理傾向として自己奉仕的帰属バイアス ない。つまり.環境から切り雄して個人とその心 能な論理になって 理プロセスを記述することカ句T いる。これに対し.社会生態学的アプローチでは. 個人(そしてその個人の持つ心理プロセスや行動 傾向)を社会生態学的環境というコンテクストの 中に位置づけ.ある心理・行動傾向を持つことに 対する環境からのフィードパックを分析の視野に 入れる。後に紹介する様々な研究の知見に見られ るように.社会生態学的環境が異なることで,同 じ心理・行動傾向であっても異なる帰結をもたら すことがある。ある心理傾向は,ある環境では個 人に利益をもたらすが別の環境ではむしろ損失 をもたらすこともある。さらに.そうした環境か らのフィードパックにより 個人に利益をもたら す傾向は促進され.ある環境ではより顕著.より強固なものとなって人々に共有されることがある。 このように.環境からのフィー パックという側 r 面に注目することで.個人を環境から切り離すこ 1 ) ここでは.心理学における近年の用法(e.g . .0忌凶&. G r a h a m .2 0 1 0 ;Schu g .Y u l a .&M add 眠 却1 0 )に従い.社会生 懸学的アプローチという痴をよで述べた窓味で用いており.人 類学・鍵長顔学における社会生怨学(e.g .山鍾.広間)のこ とを意味するものではない. となく.むしろ環境に埋め込まれた存在として描 き出すことが可能となる(なお.自己奉仕的帰属 バイアスの文化差を社会生態学的アプローチから どのように解釈し得るかについては後述する)。 -4B- 竹村・ C UI: 1 事舗8に対する社会生!I学的アプローチ 社会生態学的アプローチが扱う環境要因は多岐 こともある。個人が日々の生活の中で培う幸福感 に渡る。社会生態学的環境とは.つまるところ. について分析する際に.その生活が根差す環境の 個体の心理・行動等の特性がその個体に対して 持つ制約・条件・特性を視野に入れ.その影響の もたらす帰結に影響する.個体にとって外在的な 要因 2)のことを指し.従って非常に多様な範囲の メカニズムを実証的に解明しようとする試みが. 幸福感に対する社会生態学的アプローチである。 ものがここに含まれる。自然環境の代表的な例を 換言すれば.この試みは,幸福感が形成される場 挙げるならば.気候 ( e .g . ,K a s h i m a&K a s h i m a . であるはずの「生活の現場Jの特性を射程に入れ 23 )や 病 原 体 の 蔓 延 度 ( e . g .,G 卸 酔S 也d , た理歯仮説の構築を目指すものである。 ∞ 近年.社会生態学的要因に注目した研究は広く Hぉ e l t o 瓜 &B 田 5 ,2 0 0 6 ),大陸の形状 ( D i a m o n d , 1 9 9 7 ) など.また.社会環境要因の例としては生 展開されつつあり.幸福感についての研究もまだ 数は多くはないもののいくつか報告されている。 業 ( e .g . .農耕.狩猟採集:Beπy,1 9 6 7 ,1 9 7 9 )や 以下では.まず社会生態学的アプローチに基づい 社会関係の流動性 ( Y u k ie ta l . .2 r l ),都市化度 た比較文化研究の代表的な例を紹介する。その上 ( e . ι F i s c h e r ,1 9 8 2 ) などが挙げられる。こうし ∞ た環境要因の下で.行為者の特性がどのように異 で,社会生態学的要因に注目して幸福感にアプ なった帰結をもたらすかに注目しそうした視点 ローチしたこれまでの研究を概観する。 からどのような条件下でどのような心理プロセス 社会生態学的7ブローチの研究例 や行動傾向が見られやすくなるのかを分析するの が社会生態学的アプローチである。 以上のように.社会生態学的アプローチでは. 既述のとおり.社会生態学的環境要因は多岐に 心理・行動傾向等が個人にもたらす帰結が環境に 渡り,気候などを含む自然環境だけでなく.人間 よって変動することに注目している。そして.こ 自身が集合的に作り出す社会環境も含まれる。こ うした環境からの影響に注目したアプローチは. れまでに実証的に扱われて・きた社会生態学的要因 幸福感研究にとっても重要な視点を提供する。ど とその研究例を表 1に示す。以下では,これまで のような要因や特性が人々の幸福感を高めるのに の研究で最も広範な環境要因を検討したものとし 寄与するかを解明することは幸福感研究の重要な e l f a n de t乱 てG 研究課題であるが.社会生態学的アプローチから それに続いて.社会環境要因の中でも現在最も注 は.そういった要因や特性のもたらす帰結を考え 目されている要因のひとつである「流動性」につ る際に周囲の環境の影響について考えることが求 いての研究例を紹介する。 められる。極端な例を挙げるならば, r 一日分の ( 2 0 1 1 )の研究を簡単に紹介する。 G e l f i 釦 d e ta l .( 2 0 1 1 ) は.社会によって日々の 水Jを持っていることの重要性.ひいてはその時 生活における規範の厳格さが異なることに注目し の幸福感に与える影響は.砂漠にいる時とコンビ た。規範の厳格な社会では,日常的に多くの制約 ニエンスストアが散在する日本の都市固にいる時 が存在し.個人はその制約の中で行動する。例え では.大きく異なると考えられる。個々の人聞の ば日本や韓国は比較的厳格な社会であるのに対し. 生活はその周囲の環境の様々な制約(例えば.水 ウクライナやエストニアは比較的寛容な社会であ の入手可能性)から切り離されたものではなく. るという。そうした社会聞の差を説明する要因と むしろ密接に関連している。ある環境で手に入り し て , やすいものも別の環境では手に入りにくいことが e .g .,病原体の 威を与える様々な自然環境要因 ( あるし.また別の環境ではあり余って価値がない 蔓延度や天災の発生頗度)に着目した。さらに. それら脅威となるような数々の環境要因が様々な G e l f 釦 de ta l .( 2 0 1 1 ) は.人間の生活に脅 社会制度(法制度や警察機構など)とも影響し合 2 ) ただし.個人にとって f 外在的jであることは. ~,・ずしも いながら.当該社会における一般的な規範の厳格 個人から膨容を受けないことを意味しない.むしろ.個人と環 さに影響し.さらに個々人の心理傾向にも影響す 境の相互膨響過程の解明は社会生怨学的アプローチにとって皿 要な研究腺砲である ( O i s h i&Gr 油 創 札 却1 0 ) 0この点に関し るとのモデルを提唱した。このモデルでは.さら ては.本織の末尾でも触れる. に.心理傾向が翻ってその社会における一般的な - 49- 心理学野鎗. V o Lお. No .1 表 l 代表的な社会生態学的要因とその研究例 社会生態学的要因 置3 容される心理・行動傾向等 病 原 体 重E 延皮 自己制御.セルフ・モニタリング 研究 Ge l f a n de ta I .( 2 0 1 1 ) 個人主義・集団主義的価値観 L( 28 ) F i n c h e re ta M u r r a y .T r u d e a u .&S c ha Il e r(却1 1 ) 岡鯛行動 S c h a l l e r & M u r r a y ( 笈 l O 8 ) 外向性.経験への開放性 配偶相手についての遭好 G a n g e s t a de ta 1 . 但 ∞6 ) Hamamura&P a r k( 2 0 1 0 ) 感染症に対する防衛的反応の強さ 当1 L e t e n d r e .F i n c h e r .& T 針士会内の武力紛争・内総の頻度 h o m h i l l( 2 0 1 0 ) l 1(2 8 ) F i n c h e r&Thomhi 当数社会内の宗教的多機性 種類の多さ B e r r y( 19 6 7 .1 9 7 9 ) 経済 農緋・狩.採集 問問行動 農緋・漁揚・牧畜 分析的・包括的也知 白s k u . lK i t a y a ma .&N i s b e t t( 2 0 佃) e . ι N i s b e t t&Coh 回(19 9 6 ) 農緋・牧畜 f f!辱に対する反応の激しさ(暴力性) H e r ぜi c he ta 1 .(aD5 .2 0 1 0 ) 市崎への依存度 資源分配・悔力行動 Ho 国 d e( 19 8 0 ): K a s h i m a& K a s h i m a(却1 3 ) . 個人主義・集団主義的価値観 経涜的隻かさ a ι 山岸(l 9 9 8 ) b :Y 山 i e t a I . ぼ 泊 7 ) 一般的信頼 淀動性関係波動性 Fa I ke ta 1 .(2009):Sat o .Y ukL& O i s h i ω 7 ) 自己野価・自尊心 Sch u ge ta L( 2 0 1 0 ) 友人への自己開示 友人間の鎖似性 Schu ge ta l.は籾) S z n y c e r .Takemur a .De It o n .e ta L( i np r e 鎚) 友人に対する恥の感じやすさ Adams( 2 叩5 ) C 友人関係についての理解 幸福感に対する外見的魅力の影響・ And e r s o n .Adams.&P l a u t( 28 ) C :P l a u. tAdam . s& A n d e r s o nω 9 ) < 竹村(却 1 0 ): T a l 叩 n u r a( 却1 1 ) 幸福lf8に対する撤自性欲求の影響・ 自己{概念における個人的属性の中心性・ i .L u n,&S h e r m a n( 27 a ) O国h 居住地の流動性 内集団協力・アイデンテイティ G u s t a f s o n(却凹):O i s h i .I s h i i .&Lun( 2 仰 ): O i s h ie t 乱 ( 2 0 0 7 b ) 幸福感・死亡率・ O i s h i&S c h i m m a c k( 2 0 1 0 ) 職場・職援の流動性 役割畑待に合致したパーソナリティ重視 C h e n .C h i u .&Chan( 29 ) 辺境における自発的入抱の歴史他者の行動の原因帰属 K i 也y a m a .I s h i i .e ta 1 .( 2 0 0 6 ) 飽知的不協和の生起プロセス K i t a y a ma .1 5 凶.e ta l .(却価):竹村・有本 ( 2 0 0 8 ) 幸福感に対する関与的・脱関与的感情の彫響・Kit a y a ma .I s h i i .e ta 1 '(筑間):K i t a y a m ae ta L( 2 0 0 9 ) 分析的・包指的隠知 Kit a y a m ae ta I .( 29 ) 自己慨念 K i t a y a m ae t札 ぼ 胸 } 個人主義・集団主義的行動 V回 d e l l o&C o h e n( 1 9 9 9 ) 相互独立的価値観 巴t a y a m ae ta l .( 2 0 1 0 ) ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ ∞ コミュニケーション・スタイル 周囲の他者の態度 幸福感に対する失業の影響・ 気候 幸福感に対する経済的.かさの影響・ 個人主義・集団主義的価値観 感情や日常経験・ 都市生活 自己効力感 自己概念 社会的ストレスへの敏感さ 個人目僚の追求 下位文化の多様性 環境の視覚的複雑さ 分折的・包括的包知 i 寅(筑間) S t a v r o v a .S c h l o 鈴e r .&F e t c h c n h a u e r( 2 0 1 0 ) F is c h e r& Vand eV l i e r t( 2 0 1 1 ) Ka s h i m a& K a s h i m a( 2 0 0 3 ) 28 ) D e n i s s e ne t乱 ( D e b i民-c釘1&H u g g i n s(2009) K a s h i m ae ta l . (笈胤):Wa 此 防 & 恥 即l i( 1 使1 6 ) L e d e r b o g e ne ta 1 .( 却1 1 ) Y a m a g i s h ie ta l .( 却1 2 ) 向s c h e r( 19 8 2 ) M i y a m o t o .N i s b 暗t . t& Masuda( 2 0 0 6 ) ∞ ・幸福感に対する影嘗を検肘した研究。 a社会の経済的豊かさ ( e .g . .GDP) の効果に!閉しては.多くの研究 ( e .g . .F i n c h e re ta l . .2 α) 8 ) が続開) 1 変数として f sいており.ここに格げたもの以外にも多数の研究が発袋されている。 bただし.山 l 争(1的8 ) 自身は関係流動性 という絡を周いてはおらず.既存の社会関係にコミットし続けることのコストの大きさをキー変数として鈴を展開してい Adamsとその共同研究者も関係流動性という阪を用いてはいない。しかし.彼らの倫考におけるキ一変数である「関係形成・ る 。 C f t念的に関係流動性と対応する。 維持における個 h 人の選択の自白度」は . -5 0ー sに対する社会生息学的アプローチ 竹村・佐趨:宰徳 ││却制・臨的蜘【遺融園)出会レベルのプロセス 生.学的 陶 . . I │ ~ .u 近織的f 同時代的プロセス ローカ}"'~ ~ 思守備鱒する I f心 事 幅 広 1 I 自己指僻 曲家事 目常的状況の 自己制御 . . 遺 毘観的It* セルフ・宅二タ alFf,メディア.紋宵. 書庫 涜 _ , 請書敏 リング 国 l 雌椿ー寛容文化のシステムモデル(Ge l f a n de tal~ 2 0 1 1 ) 規範の厳格さに影響し.その規範の厳格さがまた 環境要因や社会制度にもフィードパックして.全 体としてシステムを形成していると主張されてい る(図 1 )。ここで注目されている心理傾向には. 自己制御 ( B a u m e i s t e r&Hea 也e 目o n ,1 9 9 6 ) やセ ルフ・モニタリング ( S n y d e r ,1 9 7 4 ) などが含ま れる。こうした心理傾向は行為者自身の規範逸脱 行動を抑制するのに役立ち そのために社会規範 の厳格な環境で促進されたと考えることができる。 G e l f a n de ta l .( 2 0 1 1 )は , 3 3ヶ国において新たに 収集された聞査データと既存のアーカイプデータ を組み合わせ.上述のモデルを支持する結果を得 た。分析対象となった環境要因には.例えば.当 該環境で入手可能な食料資源.水資源.大気質, 領土を巡る争いの頻度,病原体の蔓延度,天災の 発生頻度.人口密度などがあり.こうした要因が 当該社会の規範の厳格さを高めている可能性を見 出した。そして.こうして形成された当該社会の 規範の厳格きが個人の自己制御やセルフ・モニタ リングなどの心理傾向を強める可能性も示した。 非常に広範なデータを収集して分析した G e l f a n d l .( 2 0 1 1 ) のこの研究は.自然環境の特徴. e ta 社会制度.日常的に経験される状況の特徴.そし て心理・行動傾向が全体として lつのシステムを 形成している可能性を示唆している。 次に,社会環境要因の影響を扱った研究の例と して.流動性についての研究を紹介する。流動性 は,現在最も注目を集める社会生態学的要因のひ とつではあるが.研究者によって異なるタイプの 流動性(例えば.居住地の変更など物理的移動に 関わる流動性や.所属集団・社会関係の選択や移 動に関する関係施動性など)に注目し,定義も異 なる。しかしながら.そうした一連の研究につな がる先駆的研究として 山岸の信頼についての研 究(山岸, 1 鈎8 :Y a m a g i s h i&Y a m a g i s h i ,1 9 9 4 ) を挙げることができる。 犯罪の多いアメリカ社会より.安全な日本社会 の方が他者に対する信頼感は高い。一般的にはこ れが常融だと思われる。しかしながら.山岸は. こうした常融に反して他者一般に対する信頼(一 般的信頼)が実は日本よりもアメリカで高いこと に注目し.この社会聞の差異を説明する仮説を提 唱した(山岸. 1 鈎8 :Y a m a g i s h i& Y a m a g i s 凶. 1 鈎4 )。山岸がその仮説で注目したのは.特定他 者との長期的関係に固執することのコスト(新た な関係形成に挑戦することで得られたはずの利 益)の大きさが.日米で異なる可能性である。日 本社会の特種として広く取り上げられるものに. 終身雇用制度や系列取引の例に見られるような長 期的で安定的な関係性がある。山岸は.日本ほど 固定的な関係性が広く見られないアメリカでは. こうした特定他者との長期的関係に固執すること のコスト(例えば,新たなビジネス・チャンスの 喪失)が大きくなっており.そのために既存の関 係の外にいる他者との新たな関係形成が促進され ている可能性を指摘した。そして.こうした環境 においては見知らぬ他者を忌避する心理傾向を持 つより.ひとまず信頼する傾向を持って関係形成 に積極的でいることが.長期的に適応的な方略と して促進されると論じている。この「ひとまず信 頼する」傾向がすなわち一般的信頼の高きで.こ うした心理特性を持つことがアメリカ社会では適 応的になるため.既存の関係に固執することが有 刺な日本社会に比べて 一般的信頼が高くなると -5 'ー 心理学野信. V ol5 5 . N o .1 される。 い社会においては.積極的な関係形成行動を促す ∞ 結城とその共同研究者 ( F a l ke ta l .2 9 :S a t o ポジテイプな自己概念を持つことが適応的になる e ta J .2 7: Schuge ta l . .2 9 :Schuge t乱 . 2 0 1 0 : Y叫c ie ta l .2 7 ) は.こうした山岸の理論的枠組 r e l a t i o n a lm o b i l i t y )と を引き継ぎ.関係流動性 ( 可能性を議論している。まず.低関係流動性社会 いう概念を用いた研究を展開している。関係流動 自分も他者も一般的に他の選択肢を多く持たず. 性とは.ある社会または社会状況における対人関 そのため.社会関係が自然と長期的に維持される ( Y叫c ie ta l . .2 7 ) と定 ことが多いと考えられる。しかし万一現在の関係 義され.新たな対人関係の形成.また.既存の関 から排斥されてしまった時には.既存の関係の外 係の維持・解消における自由度の高さを意味する に選択肢が存在しにくいため.孤立状態に陥って 社会生態学的要因(すなわち.個人の持つ属性で しまう危険性が高くなる。こうした環境において 9 8 ) はなく.環境サイドの要因)である。山岸(19 は,不用意に新たな社会関係の形成に投資するこ の論じたような.人々が一般的信頼を高く持って とで既存の関係から排斥されるリスクを高めるよ いる状態とは.この関係流動性の高い状態に合致 か既存の関係に固執することが長期的に適応的 Y u k ie ta , . l2 7 )。人々が一般的信頼を高 する ( く持っている環境では.既存の関係に固執してい になると考えられる。ゆえに積極的な関係形成行 動を促すポジテイプな自己概念を持つことはそれ る環境に比べて新たな社会関係を築く機会が多 ほど必要とされないか.あるいは不適応になる危 く.その分だけ個人は関係形成・維持に関する自 険が存在する。 ∞ ∞ ∞ 係に関する選択肢の多さ ∞ ∞ とポジテイプな自己概念の関係を考えてみる。社 会関係の選択肢が少ない低流動性社会においては. 由度を高く持つ。逆に,誰もが既存の関係に固執 一方で,社会関係の選択肢が多い高流動性社会 している環境では.仮に新たな関係形成を試みて では,新たな関係形成を求めた際にその試みがう も.自分が相手にとって「既存の関係の外Jにい まくいく可能性はおしなべて高い。しかし.多く るという理由だけで拒否されることになり.既存 の選択肢が存在するこうした環境は.決して人々 の関係に依存し続けるほか選択肢はない。これが. にとって自由な「ユートピア Jではなく,むしろ 関係流動性の低い状態である。関係流動性の影響 競争的な「自由市場」に似た状態になる。確かに. を検討した研究については, 選択肢がより多〈存在する高流動性社会では,そ r 幸福感と社会生態 学的環境」のセクションでも紹介するが.以下で うでない社会に比べ. より望ましい関係.より魅 いくつか例を紹介しておきたい。 力的な相手を求める行動が利益をもたらしやすい。 本稿の前半で述べたように.自己奉仕的帰属バ しかし重要な点は,より魅力的な他者を求める行 イアスには文化差があり.この自己奉仕的帰属バ 動を取るのはその個人だけではなく.同じ環境を イアスがもたらす帰結のひとつとしてポジテイ 共有する周囲の他者もやはり魅力的な他者との関 プな自己慨念の獲得・維持が挙げられている 係形成を求めて行動することである。その結果. ( H e i n e,2 5 )。しかし.この理論的枠組では. 魅力的な他者との関係形成をめぐる続争が起きや 自己奉仕的帰属バイアスのもたらす帰結(すなわ ち.ポジテイプな自己概念の維持・獲得)が環境 すくなる。そうした環境においては.周囲の他者 にとって十分な魅力・価値を持たない個人は既存 というコンテクストの中に位置づけられていな の関係を破棄されたり.関係形成を持ちかけても いことも既に指摘した。これに対して F a l ke ta l 拒絶されたりするリスクが存在することとなる。 ( 2 9 ) は.自己奉仕的帰属バイアスなどによっ て達成されるポジテイプな自己概念を持つことの 意義が.関係流動性の高い社会と低い社会で異な ることを主張した。 関係流動性の高い社会においては新たな関係形 成を積極的に試みることが個人に利益をもたら 9 9 8 :Y u k ie ta l . .2 0 0 7 )。 すと考えられる(山岸, 1 F a l ke ta l .( 2 9 ) は.そうした関係流動性の高 F a l ke ta . l( 2 g ) は.高流動性社会と低流動 性社会についての以上の仮説に基づき.高流動性 社会では自己評価を高く維持することがより適応 的になると主張した。関係流動性が高く競争的な 社会環境においては, リスクを乗り越えて積極的 な関係形成行動を促す心理的プースターが必要と なる。自己の魅力・価値を高く評価する心理傾向 は.そうした心理的ブースターとして積極的な関 ∞ ∞ ∞ - 52 - ∞ 竹村・位鹿:$飽感に対する社会生!!I学的アプローチ ∞ 係形成行動を促進し.関係流動性の高い社会ほど Adams( 25 ) は.社会関係は個人の選択の問 個人に利益をもたらしやすい心理傾向になると 題だと考える傾向がアメリカにおいてガーナでよ F a l ke tal.は論じている(競争が存在する時に. りも強〈見られることをインタビューで確認した 過度に商い自己評価がむしろ適応的になり得る 上で, o h n s o na n dF o w l e r .2 0 1 1も参 ことに関しては. ] 0%以上の回答者がポジテイプな評価を カでは 7 照)。事実.この仮説と整合して.柳樺・西村・浦 下すのに対し.ガーナでは半分弱の回答者がネガ ( 2 0 1O)は.自尊心の高い個人ほどそれまで親し テイプな評価を下すことなどを見出した。こうし くなかった他者との関係形成に積極的であること た社会差の背景には.友人関係における選択の自 を見出している。 由度が小さいガーナでは.友人の中にも自分に r 多くの友人を持つこと Jについてアメリ F a l ke ta l .( 2 0 ω ) は,日本とカナダで実験を とって敵対的態度を持つ者が存在し.多くの友人 行い,それまでの先行研究と一貫してヨーロッパ を持つことはそうした複雑な友人関係の適切なマ 系カナダ人がアジア系カナダ人および日本人より ネージメントをより困難にするという信念が存在 も自己評価が高い(具体的には.社会的に望まし すると解釈されている。 い特性ほど自分によく当てはまると回答する傾向 また ∞ C h e ne ta l .( 29 ) は.職場ならびに職業 が強い)ことを確寵した。さらに.身近な社会関 o bm o b i l i t y ) に注目し.この社 の変更可能性(j 係の中にある選択肢の多さについて問う関係流動 会生態学的変教が低い環境(職場や職業の変更が y 此i e t乱. 2 0 0 7 ) の得点、が.上述の文化 性尺度 ( 差を部分的に説明することを見出しているお。 困難な環境)ほど.役割期待に合致したパーソナ リティを持つことが重視されるという仮説を提唱 関係流動性についてはこの他に.友人への自 した。 ∞ C h e ne t乱 ( 29 ) は.職場や職業の変更 h u ge t乱.2 0 1 0 ) . 友人聞の類似 己開示傾向(Sc 可能性に関する信念の測定.あるいは実験操作を 性の高さ(Sc h u ge t札 2 9 ) . 恥の感じやすさ 行い.仮説を支持する知見を得た。さらに,関係 ( S z n y c e r , Takem 町 a .D e l t o n .e ta l "泊 p r e 弱)にお r e s i 流動性と類似の概念である居住地の流動性 ( ける社会聞の差異に関する研究が既に報告されて d e n t i a lm o b i l i t y ) に関しでも.大石とその共同研 いる。また,幸福感に対する独自性欲求の効果が 究者によって多くの研究が行われている。居住地 関係流動性によって干渉されることを示した研究 流動性は主に引越し回数で測定され.例えば.居 住地流動性が高いと自己概念における個人的属性 ∞ もあり(竹村, 2 0 1 0 :Takemura ,2 0 1 1 ) . これに ついては後に詳述する。 r の中心性が高まること ( O i s l 廿e t乱 ,2 0 0 7 a ) .ま また. 流動性Jという語こそ用いていないも た,所属コミュニテイに対する貢献行動が居住地 のの, A dams( 25 ) は,社会関係の形成に関 する自由度が高いアメリカ社会(高流動性社会) O i s h i 流動性の上昇にともなって低下すること ( ∞ l . .2 0 0 9 :O i s h ie ta l . .2 0 0 7b)などが既に明ら e ta i s h i .2 0 1 0 : かにされている(レピューとして, O i s l i n ι 2 0 0 9 )。 O i s h i&K と.社会関係における個人の選択の自由度が低 いガーナ社会(低流動性社会)を比較し.友人関 係についての理解が異なることを見出した。 幸福感と社会生態学的環境 3 ) Y u k ie t乱 ( 2 0 0 7 )の関係流動性尺度は.周囲の環境の 上で紹介した G e l ! : 釦de t乱 ( 2 0 1 1 ) も山岸 「近似値Jとして.その環境に対する知覚を測定している.知 ∞ ( l9 9 8 )もF a l ke t乱 ( 29 ) も.ある心理・行 覚を測定しているために.環境だけを純粋に反映するものだと 断曾することができない点は注意を要する.しかし.個人の行 動等に環績が影響する際に.その環境を個人が知覚することで 膨留が発生すると想定される級合は決して少なくない(例えば. 水資源が環境内で不足していると知覚することで水を求める行 動特性が個人にどのような帰結をもたらすかがそ の周囲の社会生態学的環境によって左右されるこ とに注目している。同じ心理特性(例えば.自己 0 こうした尺度は大量のデータの効率 動が促進される.など) 的収集を可能にするといった長所も持ち.仮鋭ならびに代讐仮 鋭との関係の中でその妥当性・宥用性がs!Il価される必要がある。 をポジテイプに評価する傾向)も.環境(例えば. 関係流動性の高さ)が異なれば.異なった婦結を 個人にもたらすのである。このことは,近年精力 また一般的に.いずれの制度も固有の限界を持ち.複数の測度 による慎重な検Eが求められることは飴を待たない. 的に研究されている幸福感や日々の生活満足感に 一 J ヲ ‘3 心思学時総, Vo l . お . No .1 閲しでも重要なインプリケーションを持っており, た4 )。この結呆に対し, F i s c h e r&Vand eV l i e r t どういった心理・行動特性やその他の要因が幸福 ( 2 0 1 1 ) は,経済的に豊かな国の場合.厳しい自 感や生活満足感を高めやすいのかが社会生態学的 然環境が刺激となってさらなる成長・発展を促し. 環境に依存している可能性を示唆している。以下, その結果として心身の不幸な状態が軽減されてい 幸福!惑に影響する要因が社会生態学的環境によっ ると解釈している。これに対し.経済的余裕のな てどのように変化するかについて.これまでに報 い国では厳しい気候に対抗することができず.そ 告されてきたいくつかの研究例を概観する。 のことが不幸な状態を高めているとされる。 以上のように.人間の日々の生活ひいては感情 気候と幸福感 経験に影響するものとして,天候・気候などの自 まず.自然環境要因が人々の感情経験に与える 然環境要因の影響が検討されている。次に.自然 影響を検討した研究を紹介する。環境要因である 環境要因と社会環境要因の影響が混在していると 天候が気分に与える影響を最も包括的に検討した 考えられる「辺境」という生活環境の持つ効果に 研究のひとつとして D e n i s s e ne ta l .( 2 8 ) が挙 ついて検討した研究を紹介する。 ∞ げられる。 D e n i s s e ne ta . l( 2 0 0 8 ) は.気温・風 力・日照.時間・降雨量・気圧・光周期といった多 辺境における自発的入植の歴史と幸福感の規定因 岐に渡る天候関連要因と肯定的・否定的気分なら 日々の生活の中で経験されるポジテイプ感情に びに疲労との関連について.日記法で収集した は様々なタイプのものがある。Kit ayama , M a r k u s . データをマルチレベル分析によって検討している。 &Kurokawa( 2 0 ) は.こうした様々なポジテイ その結果.肯定的気分に対する天候の影響は見ら プ感情を.自己が他者から独立した存在であるこ れなかったが.気温・風力・日照時聞が否定的気 とを確認できた時に感じる「脱関与的ポジテイプ 分に影響していることが示された。気温の高さは 感情J( d i s e n g a g e dp o s i t i v ee m o t i o n ;e .g .,優越 否定的気分を高め.一方で風力の強きや日照時間 感)と.自己が他者と良好な関係を持っているこ の長さは否定的気分を低めることが確認された。 とを確認できた時などに感じる「関与的ポジティ また降雨量と気圧の低きが寂労を高める効果は. プ感情 J( e n g a g e dp o s i t i v ee m o t i o n: e .g .,親しみ) 実際には日照時間の短さにその原因があることも に分類し.そのいずれが全体的なポジテイプ感情 明らかにされた。日照時間の影響については.日 ( e .g . ,幸せ)とより強く結びついているかを日米 照時間の減少に伴い.日光にあたることによって で検討した。その結呆.アメリカでは脱関与的ポ 皮膚で生成されるビタミン D 3の 量 が 減 少 し そ ジテイプ感情が全体的ポジティプ感情とより強い のため脳内のセロトニンが減少することで否定的 相聞を持つが.日本では関与的ポジテイプ感情が 気分や疲労が高まった ( L a n s d o w n e&P r o v o s . t より強い相関を持つことが見出された。この知見 1 9 9 8 ) と解釈されている。 また, F i s c h e r& Vand eV l i e r t( 2 0 1 1 ) は.気 は.自己と他者の関係についての基本的認識(文 化的自己観.北山. 1 9 9 8 :Markus& Kitayama 候(特に気温)の及ぼす影響が.その国の経済的 1 9 9 1 ) が文化問で異なり.北米では個人を周囲の 豊かさによって異なることを見出した。ここで 他者から切り離された存在として認識する自己観 従属変数とされているものはパーンアウトや不 (相互独立的自己観)が優勢であるのに対し.日 安.うつ傾向などを合成した「不幸な状態 ( i l l - 本を含む東アジアでは個人はその周囲の他者と密 b e i n g )Jの総合得点で.様々な先行研究やアーカ 接に結びついた存在として毘撤されやすい(相互 イプデータを元に作成した 5 8ヶ国を含むデー 協調的自己観)とする仮説と一貫している。 ∞ タベースで分析が行われた。その結果,気温と GDP) の聞に交互作用があり. 経済的些かさ ( 経済的に豊かな固においては.雌しい気候の 国(夏に暑い国.あるいは.冬に寒い国)ほど実 は不幸得点、が低く.経済的に貧しい固では厳し い気候の国ほど不幸得点が高いことを見出し 4 ) F i s c h e r&VandeV l i e r t( 2 0 1 1 )l i,不幸(iII. b e i n g )だけで なく主観的幸稲感 ( s u b j e c t i v ew e l l . b e i n g ) に対する効操も検 討されており.問機の交互作用(気温 XGDP) が確惚されて いる。しかし.その後の単純スロープの検討などの鮮細な分併 は行われておらず.より降細な分析結果の報告されていた不幸 ( i U. b e i n g ) についての結果を本欄本文では紹介することとした。 - 54 - sに対する主士会生B学的アプローチ 竹村・佳麗:命佃 それでは,こうした自己観の文化差は何を起源 l s h i i , e t乱 ( 2 0 0 6 ) は.北米と閉じく大規模な自発 e t乱(盟問)と同じく.脱関与的および関与的な ポジテイプ感情が全体的ポジテイプ感情(幸福 感)に与える影響について分析した結果.北海道 在住者は.本州(京都およびその周辺)の在住者 に比べて,アメリカ(ミシガン州)在住者の示し た相互独立的心理傾向(関与的ポジテイプ感情よ りも脱関与的ポジティプ感情が全体的ポジテイプ 感情を強〈規定する傾向)に近い傾向を示したの である。 また.同様の理論的枠組に基づいて, Ki tayama ∞9 ) は.西ヨーロッパ(イギリス・ド e ta l .( 2 イツ)・アメリカ・日本の比較を行っている。そ れまでアメリカとヨーロッパの比較に焦点が当て られることはあまりなかったが.自発的入植が相 互独立的文化のー因であるとする立場からは.ア メリカにおいて西ヨーロッパよりも強い相互独立 的傾向が見られると期待される。アメリカは多く の文化的背景を西ヨーロッパ(特にイギリス)と 共有しているものの.イギリスやドイツと違って 比較的近い過去に大規模な自発的入植を経験して いる。調査の結果, K J 回 yamae t札 ( 2 0 ω ) は.全 体的な幸福感に対する脱関与的感情 ( v s .関与的 感情)の相対的な効呆は.アメリカ(ミシガン) で最も強<.日本(京都・東京)で最も弱く見ら れ,イギリス(エセックス)・ドイツ(ハンプル ク)ではその中間に位置する効呆の強きが確毘さ れた。もちろん.アメリカと西ヨーロッパ(イギ リス・ドイツ)は.多くの要素を共有しつつも異 なる部分も多<,ここで確認された文化差の原 因が「自発的入植の歴史Jであると断言するこ とは不可能である。しかしながら.北海道と本 的入植の歴史を持つ北海道に注目した。もし「自 州の比較(Kitay~ I s h u,e ta l .,2 ∞6の他にも. 発的入植が相互独立的文化の一因」という仮説が 0 ∞;竹村・有本, 2 ∞8 ) や.アメリカ圏内 潰 , 2 正しければ,言語や法制度など様々な要因を日本 の地域間比較の知見 ( V a n d e l l o&Coh e n .1抑止 の他の地域と共有する北海道においても.相対的 Ki tayamae ta l . , 2 0 1 0 ) などとともに総合的に に強い相互独立的心理・行動傾向が確認されると 判断すると過去における大規模な自発的入植 予測される。以上の識論に基づいて実施された が現代の相互独立的文化の一因であると考える ことの全体的な蓋然性は高まる。ただし.相互 とするのか。 KJtay~Ishü, et 乱(初06) は. r 自 発的入植の歴史Jが相互独立的文化の起源のひと つであると主張した。 Kitayam , a1 ぬU, e ta l .( 2 ∞6 ) の仮説は次のように要約される。まず, 1 ) 法制 度などを含む様々なインフラストラクチャの十分 に整備されていない未聞の辺境地帯に自発的に入 植した人々は.そうした辺境地帯に入植すること を選ばなかった人々に比べて,そもそも自立的・ 独立的な心理傾向を強〈持っていた ( T 山 田r , 1 9 2 0 )。さらに, 2 ) 人口密度が低<,社会機構や 諸々のインフラストラクチャの未整備な辺境での 生活は.そこに住む入植者にとって自立的・独立 的であることを促し.そうした心的傾向を強化し 3 )そうした心的傾向を持つ個人がそ の後の社会構築などを通して相 E作用することで. た。そして, 人間とは基本的に相互に独立した存在であるとの 信念(相互独立的自己観)が集合的に形成され. その信念がその後も人々の相互作用を介して維持 , aI s h i i .e ta l( 2 ∞6 )は.以 されてきた針。 KJtayam 上のプロセスで辺境・開拓地への大規模な自発的 入植を契機に相互独立的文化が形成されて現代ま で受け継がれてきたと主張し.脱関与的ポジテイ プ感情の影響の強さなどもそうした相互独立的文 化の表れのひとつだと解釈している。 このように, Kiuy 副n , aI s h i i,e ta l .( 2 0 0 6 )の 仮説は.過去の大規模な自発的入植が現在の相互 独立的文化の起甑のひとつであると主張している。 問題は.こうした歴史的起源についての仮説をい かに検証するかである。これに対し.阻tayam , a K i tayam , aI s 凶 ,e ta l( 却0 6 )の調査結果は.上の 予測を支持するものであった。例えば.阿国yam a . 独立的傾向における北海道在住者と日本の他地 域在住者の差を否定する結果も報告されており ( e .g . ,Y amagishie ta l . , 2 0 1 2 :他 に も S z n y c e r , 5 ) 過去の環境の中で形成された信念が.社会的相互作用の中 Takemur , a Delton, e ta l .i np r e s sは恥の感じやす きに関して近畿と北海道で差が見られないことを 報告している),今後の更なる検証が求められる。 1 ) ' 唆化した後も受け継がれ続けるプ で集合的に維持され.環境. ロセスについては, t f l S b e t t& C油 田 ( 1 弱6 ) の駿鎗も参照さ れたい. , 膏 , , 匂a 心理学野積. V o l .5 5 . N o .1 流動性と幸福感の規定因 満足感の関係が関係流動性の高い社会と低い社 心理プロセス・行動傾向に影響する社会生態学 会で異なることを示した研究が竹村 ( 2 0 1 0: 的要因のひとつとして流動性に注目が集まりつつ あることは既に述べたとおりである。幸福感の規 定因についても同棟で E 流動性が異なることで. 個人の幸福感を規定する要因が異なることを示す 知見が蓄積されつつある。例えば. Adamsとそ の共同研究者 ( A n d e r s o ne ta l . .2 0 0 8: P l a u te ta l . . ∞ ndersone t 方に応じて異なることを見出した。 A a l .( 2 ∞ 8 ) は.関係形成・維持における個々人の 29 ) は.外見的魅力の重要性が社会関係の在り 選択の自由度の高いアメリカと.個人の選択の自 ∞ 由度の低いガーナ (Adams.2 5 ) を比較し.ア メリカで外見的魅力がより強い効果を持つことを 見出した。関係形成・維持が個人の選択に基づき やすいアメリカのような環境では.個人の選好が 関係形成・維持に影響しやすく,逆に個人の選択 の自由度が低い環境では.個人の選好は関係形 成・維持に影響しにくい。そのため.外見的魅力 のように.選択の基準になるものの重要性がアメ リカとガーナで異なり 外見的魅力がポジテイプ な帰結をもたらす程度がガーナよりもアメリカで より強く見られたと解釈されている。 もちろん.アメリカとガーナの聞にはあまりに ∞ 8 ) も多様な差異が存在し. A ndersone ta l .( 2 の結果だけでは外見的魅力の重要性の差異を関係 流動性の差異に帰属させることはできない。しか ∞ しながら. P l a u te ta . l( 2 9 ) によってこの欠点 ∞ を補う知見が提出されている。 P l a u te ta l .( 2 9 ) は.アメリカ国内での大規模な社会調査 M i d l i f e Developmenti nt h eU n i t e dS t a t e s (MIDUS) の データを分析し.アメリカ圏内の都市と地方の比 較を行った。その結果.女性における外見的魅力 (ここでは.ウエスト・ヒップ比)と幸福感の関 係が.地方よりも都市でより強〈見られることを 示している。アメリカとガーナ ( Andersone ta l . . ∞ 2 8 ).そしてアメリカ圏内の都市と地方 ( P l a u t .2009) という異なる比較を通じて一貫した e tal 知見が得られたことから.両比較に共通する「関 係形成・維持が個人の選択に基づく程度Jが外見 的魅力の重要性を規定する要因であるという仮説 を支持する強い証拠となっている。 同棟に,国間比較と囲内の地域間比較を行い. 独自性欲求 ( S n y d e r& F r o m k i n .1 9 8 0 ) と人生 Takemura.2 0 1 1 ) によって報告されている。竹 村の仮説は次のように要約される。まず高流動性 社会 ( e .g .,北米)においては.人々は新たな関 係形成により積極的で 常により良い関係を求め ている。しかしながら そうした社会でも.希望 した関係形成が常に成功する保証はない。人気の ある人物との関係形成には多くの「競合他者」が 存在し.競争が生まれる。同時に.過熱した競争 はその参加者に大きなコストを強いる。そこで. 他者とは異なるユニークな特叡を持つことで.競 合他者とは異なる独自のニッチを形成する(=ユ ニークなセールスポイントを持つ)ことが有利な 戦略になり得ると考えられる。一方.関係流動性 の低い固定的な社会 ( e .g .,日本)においては. 独自性を求めることはむしろ不適応になる恐れが ある。関係が固定的な社会では.現在の関係から 排斥されることは「行き場を失う」ことにつなが り.致命的な問題になる。こうした環境では.独 白性を求めて「目立つ」リスクを冒すよりも.む しろ無難に多数派に同鯛することで排斥の可能性 を低めることが.適応的になると考えられる。 以上の仮説を検証するべく.竹村 ( 2 0 1 0 ) は. Y叫c ie ta l .( 2 0 0 7 ) の尺度を用いてカリフォルニ ア・北海道・近畿における関係流動性を測定する とともに.独自性欲求と人生満足感の関係の強さ を検討した。結果,関係流動性はカリフォルニ ア・北海道・近畿の順で高いことが確認された。 そしてこれに対応して カリフォルニアでは近 畿でよりもポジテイブな効果を独自性欲求が人 生満足感に対して持っており.北海道では両地 域の中間に位置する効果が確認された。さらに. Takem町 a ( 2 0 1 1 ) は.日本国内の社会調査(情 報化社会に関する全国調査;直井, 2 4 ) のデー タの 2次分析を行い.竹村 ( 2 0 1 0 ) の結果を補強 する知見を得た。ここでは.各個人が「人とのつ きあいや人間関係を幅広くすること」を重視する 程度の地域平均が各地域の関係流動性の指標とし て用いられた(住人が平均的に人間関係を幅広く することを重視している地域では.そうでない地 域に比べて.新しく関係形成する機会が多く存在 すると考えられる)。その結果.日本国内で関係 流動性の高い地域ほど.人生満足感に対して独自 -, 6- ∞ 竹村・佳麗:$稲盛ζ l対する社会生怨学的アブローチ 性欲求がよりポジテイプな効果を持っていたの である。An d e r s o ne t乱(却ω) と P l a u te ta l . ( 2 9 ) の場合と同じく.ここでも.国間比較と 圏内比較を組み合わせることで.社会生態学的環 ∞ 境(ここでは関係流動性)の効果についてのより 強い証拠が得られている。 周囲の他者の態度と幸福感の規定因 最後に, 周囲の他者の態度jが失業と人生満 r 足感の関係に干渉することを示した S t a v r o v ae t a l .( 2 0 1 0 ) の研究を紹介したい。職を失うことが 収入等の経済的側面に影響を及ぼすことは論を待 また.社会関係そのものに関する流動性とは異 たない。 S t a v r o v ae ta l .( 2 0 1 0 ) は.これに加え て.社会的立場の喪失や他者からの否定的な評価 なるが, 0凶lIe t乱(却0 7 a ) は.居住地に関す る流動性が幸福感の規定因に影響することを見出 (ひいては.社会関係からの排斥)にも影響する として.これを検証するべく.ヨーロッパ価値観 i s h ie t乱 ( 27 a ) は.人々の居住地流 した。 O 動性に応じて何が自己概念の中心的要素になるか 調査ならびに世界価値観閑査のデータを分析して ∞ が異なり.過去に多くの引越しを経験して環境の e . g . , 変化を多く経験した場合には個人的属性 ( パーソナリテイや能力)が自己概念の中心になる のに対し.流動性が低い場合(環境の変化を多く 経験していない場合)には社会的属性 ( e . g . , 集 団所属性)が自己概念の中心になるとの仮説を提 i s h ie t乱 出した。この仮説を検証するべく, O ( 2 ω 7 a ) はアメリカで実験を行い.参加者の引越 2 8ヶ国の比較を行った。ここで特に注目されてい るのは.働くことに対して周囲の他者が持つ態度 の効果で.分析の結果.失業状態に対して否定的 な態度が強く見られる固ほど失業は人生満足感に 対してネガテイプな効果を持っていた。重要な点 は.失業状態に対する回答者本人の態度を統制し てなお上の効果が見られたことで.失業者本人が 失業に対してどのような態度を持っているかに関 わらず.周囲の他者の態度が重要な規定因となっ e ., . g ていたのである。この結果は.ある要因 ( し経験回数(居住地流動性)を測定するとともに. 相互作用相手から個人的属性/社会的属性を正し く推測されることで幸福感が高まる程度を測定し 失業)と幸福感の関係にとって, 周囲の他者J という社会生態学的環境要因が重要な干渉変数に た。自己確証動機についての仮説 ( e .g .,Chen , なっていることを示すものである。 ∞ r Che n .&Shaw,2 4 ) より.自己にとって中心的 な要素を他者から正しく推測される(自己概念が 確証される)ほどポジテイプな感情を経験するこ 社会生態学的アプローチのまとめ 以上のように.幸福感の規定因についても.社 i s h ie ta l .( 2 7 a ) の実験結 とが予測される。 O 果は仮説を支持し.相互作用相手から自分の個人 的属性を正しく推測された時.引越し経験の多い 会生態学的環境の影響が検討され.様々な知見が 菩積されつつある。既に述べたとおり.社会生態 学的アプローチの特徴のひとつは.人間の心理・ 参加者ほど幸福感を感じやすかった。一方.相互 作用相手から社会的属性を正しく推測されること 行動に影響する環境要因を可能な限り具体的に特 で幸福感が上昇する効果は.引越し経験が少ない ほど強く見られた。この結果は.居住地流動性の そして.これまで見てきたとおり.そうした実証 的検討のためのメソッドも既に様々に考案されて 高きが.何が自己概念の中心的要素となるかを規 いる。例えば.圏内地域間比較 定し.ひいては自己概念のどの側面が幸福感と関 連しやすいかにも影響することを示している(居 I s h i i .e t乱 , Z腕.),国・地域単位での分析 ( e .g . ,H o f s t e d e , 1 9 8 0: G a n g e s t a de ta l .,2 0 侃:F i n c h e re t乱 ,2 8 ) などがある。また, S t a v r o v ae ta l .( 2 0 1 0 ) はマ ∞ 住地の流動性が幸福感に及ぽす影響については. O i s h i&Sぬimmac k .2010も参照向。 定し.実証的に検証することを目指す点にある。 ( e .g . ,K i tayam a . 2 0 0 6 ;Takemur a .2011:Uskule ta L ∞ 6 )偽 b ie ta l(却7 a )では.引越しに伴って個人が経験し 、なっており.来歴の修恩が注目されている.ただし.注意を要 1 . 引.しに伴う環境変化の彫容は.引飽しを多〈する てきた居住地の変化が事舗感の鍵定困に膨容するとの仮脱が館 する点 1 個人の内的属性{パーソナリティなど)の影響と混交している 歯されている.ここでは,Dlt動性に関する他の股治とは異なり. 個人がその時点で住んでいる環境の特性が注目されているので 可能性が存在し.円 i 趨し回数Jという変散の彫智を純粋に来 はなく.個人がそれまでに経験した環境の変化が貌簡の対象とノ 歴だけに帰属しきることができないことである. - 57- 心理学野首. V o l 笛. NO.l J レチレベル分析を用い.回答者本人の態度の効果 影響について論じてきた。ここで重要な「但し書 を統制しつつ周囲の他者の態度の効果を検討して きJをする必要がある。本稿の冒頭で.社会生態 いるが.個人にとって外在的存在である環境の効 学的環境のことを「個体にとって外在的な要因」 果を取り出す上で有効な手法であると考えられる と述べた。しかし.ここでの「外在的」は.必ず (同様の手法を用いた研究として G h e o r g h i u . しも個体から影響を受けないことを意味しない V i g n o l e s .&Smi 出. 2 0 0 9 )。また.実験参加者の直 面している状況・環境(あるいはそれに対する認 知)を操作する実験的検討も試みられている ( e . 9 9 8の非二元論についての考察を参照)。 (北山. 1 ∞ ∞ g . .Chene ta l . .2 α沼;Miyamotoe ta l .2 6 :O i s h i e ta l .2 7 b ;高橋・山岸・橋本. 2 9 )。こうし た多様な手法を組み合わせて用いることで.直接 的には検討が圏離な社会生態学的要因の効果も検 討が可能となる。 社会生態学的アプローチのもうひとつの重要な ∞ 本稿でいう社会生態学的要因は.個人にとって完 e .g .,大陸の 全に外在的で影響を受けないもの ( 形)のみならず.人聞が自ら作り出している社会 e . g . .関係流動性)をも包含する。自然環 環境 ( 境も完全に個人から自由ではなく,温暖化現象な どにその倒を見ることができる。また,開拓・農 耕は.非常に明確に植物資源の分布を変えてきた。 しかし.社会環境は.つまるところ個人の活動の 特徴は.環境要因を具体的に特定した上で.その 集積に他ならず,明らかに個人からのフィード 環境の中で問題の心理プロセス・行動傾向がどの パックを受けている。例えば.関係流動性を例に ような振る舞いを見せるか.すなわち.個人にど して考えてみる。関係流動性,あるいは.新しい のような帰結をもたらすかを重視して分析する点 関係の作りやすさとは.何によって規定されてい にあった。この視座が,環境の特性を考慮に入れ るのか。他者との空間的距離など.ごく物理的な た上で.その環境の中での心理プロセス・行動 要因はもちろん重要である。例えば.自分以外に 傾向の適応価を分析する適応論(亀田・村田. 誰も住んでいない無人島に流れ着いた時.その個 2 0 1 0;山岸. 1 9 9 8 ) に共通することは既に述べた。 人の環境における関係流動性は明らかに「ゼロ」 重要な点は.生物学・人類学・生態学・経済学・ である。しかしこうした物理的要因に加えて重要 社会学などとの「共通言語」になり得る適応論に なのは.新規関係形成に対する個々人の積極性と 基づいた理論仮説の構築を進めることで.こうし いう.いわば個人的特性である。一般的信頼に関 た他分野との対話が可能となることである。多様 する山岸(19 9 8 ) の議論を思い返してもらいたい。 な文化の生活様式等に関する膨大な知見を蓄積し ている人類学との連携の重要性は論を待たない。 9 8 ) によれば 山岸(19 本社会では一般的信頼が相対的に低く.人々は既 さらに.近年では,文化の成立に不可欠な社会的 存の関係に固執しているという。重要なのは.多 学習や模倣の持つ重要性 ( e .g . .Bowles& G i n t i s . くの人々が既存の社会関係の範囲に固執しその 2 0 1 1; T o m a s e l l o .1 9 9 9 ) やその適応価に関する理 論的研究 ( e .g . ,R e n d e l le ta l . .2 0 1 0 )な と 文 化 範囲内での資源交換に終止している時には.自ら に関する棟々な研究が従来の学問分野の枠を超え (すなわち.長期的関係の維持に固執する)こと て展開されている。こうした諸分野との交流を可 が適応的となる点である ( Y a m a g i s h i .] i n .& 能にする「共通言語」を持つことで.人間の極め K i y o n a r i .1 9 9 9 ;Y釘 n a g i s h i .1 i n .& Mil l e r .1 9 9 8 )。 て重要な特性のひとつである文化的多梯性に関す つまり.ある個人が既存の関係に固執する傾向を る心理学の様々な発見が他分野の知見・理論から 持つことで.その周囲の他者にとっては同じく既 断絶することを防ぎ.より広い射程を持つ理論の 発展に貢献することが可能となる。 存の関係に固執することの有利きが高まり.結果. アメリカ社会に比べて日 も同様に集団内の他者に優先的に資源を提供する 一般的信頼が低くて既存関係に固執し合う状態が 集合的に維持されるメカニズムが発生している。 結 語 : 集合的産物としての文化・社会 このように,個々人の心理・行動特性の帰結を決 定する社会環境とはすなわち周囲の他者の心理と それに導かれる行動であり.そうした他者もまた 本稿では.幸福感に対する社会生態学的環境の その周囲の影響を受ける社会的な個人なのである - 58 ー sに対する社会主級学的アブローチ 竹村・位鴎:穆縮 ( Y a m a g i s , i h2 0 1 1 )。 の行動を観察することによってである。では .B 文化心理学・比較文化心理学においても.近年. 氏の行動は何に規定されているかというと B氏 こうした視点に立って「周囲の他者Jに注目した の持つ「他者の持つ素朴理論についての信念」で 研究が増えつつあり,社会生態学的アブローチに あるが.この信念は A氏を含む B氏にとっての とっても非常に重要な示唆を投げ掛けている。こ 他者の行動に影響されている。すなわち . A氏 れらの研究では.文化特定的心理・行動特性が. 行為者本人の態度・価値観だけでなく(あるいは や B氏といった個々人の行動や信念は個人単位 それ以上に).周囲の他者の持つ態度・価値観.あ るいは.それについての行為者の認知・信念に影 の行動や信念は.他者との相互作用の中で形成・ 維持されており.その相互作用の存在を抜きに全 響されることに注目している(e.ι F i s c h e re t乱. 体を理解することができない。つまり.社会・文 2 0 0 9 ;橋本.初日;H a s h i m o t o .L~ & Y a m a g i s , i h 2 0 1 1;村上・石黒. 2 0 0 5 ;N i s b e t t&C o h e n .1 9 9 6 : 7 :V a n d e l l o . Co h e n .& O h b u c h i& S a i ω . 却0 R油 田 瓜 2 8 ;Y a m a g i s h i .Hぉ凶m o t o .& S ch u g . 2 ( ) ( 渇沼o ue ta l .2 9 :レビューとして C h i ue t札 2 0 1 0 )。こうした研究は.いずれも明確に「他者J 化といったものを個々人に属する要素(行動.信 の効果に注目している点にその特徴がある。 照)。こうした相互作用の重要性.すなわち .A ∞ ∞ しかし.それでは.社会環境あるいは文化とは. 全て「個人Jに還元できるのであろうか。上の議 誼に基づけ 1 : .個人の行動に影響するのはつまる で測定されるが.そもそもそうした A 氏や B氏 念)に分解することは可能ではあっても.そうし て分解された要素から元の状態(社会・文化)を 描き車すためには.個人と個人の聞に展開される 相互作用を分析の温上に載せることカCf'可欠なの 9 9 8の進化ゲーム論的分析も参 である(山岸. 1 氏の属性でも B氏の属性でもなく.その両者の 相互作用が生み出すものに注目するアプローチこ ところ他の個人であり.直接的にはその「他の個 そ.文化・社会の「集合性j を的確に捉えるアプ ローチであると考えられる 7)。幸福感をはじめと 人」の態度・価値観についての信念である。例え する心理プロセスや行動傾向に対する文化的影響 o u e t乱 ( 2 9 ) は.原因帰属の仕方(内的 ば . 'Z 帰属・外的帰属)が.行為者本人の持つ素朴理論 を考える際に. 文化」という巨大な概念をその d i s p o s i t i o n i s m ) とは別に, (ここでは傾性主義 I した要因に注目することを志向する社会生態学的 他者の持つ素朴理論についての行為者の信念に影 響されるとし.各回答者(行為者)の「他者の持 アプローチは.こうした意味での文化の「集合 性」を描き出す上で有効なアプローチだと考えら つ素朴理酋についての信念Jを測定してその効果 れる。 ∞ r まま分析の担上に乗せるのではなく.より具体化 を個人単位の分析によって示した。また.マルチ レベル分析を用いた S t a v r o v ae t乱 ( 2 0 1 0 ) の示 謝辞 した社会環境の効果も つまるところ個人レベル 虫駆備中の原稿に貴重なコメントをお寄せくださった で測定されており.国単位でそれを集約した値 B朗 J a m i nY .C h e u n g ,荻原祐二.内田由紀子.結城雅 (平均)の効果であった。こうした事実は. 集合 樹の各氏.ならびに本稿の審査に際して非常に建設的 的産物」であることが強調されている文化 ( e .g . . なコメントをお寄せいただいた二人の審査者に御礼を K i t a y a m a& U s k u l .2 0 1 1 ) も.実のところ個人に 申し上げます。本稿で紹介した筆者ら自身の研究は京 還元されるべきだと示唆しているようにも取れる。 都大学こころの未来研究センターならびに北海道大学 r これに対し,本稿では「否」と答える。重要な 社会科学実験研究センターの支援を受けて実施されま 点は.個人に影響を与える他者という個人もまた. その周囲の他者の影響を受けており.相互依存関 した。その支援は.実験番加者プールの利用から日々 o ue t乱(初0 9 ) 係にあることである。例えば. Z o ue t 念Jはどのように維持されるか。それは Z 7 ) 相互作用の果たす役割の置要性は,集聞意思決定の研究 {亀田, 1 卸7 ) をはじめ多〈の社会心理学研究によって明暗に 示されてきた。例えば.集団関関係が個人間関係よりも敵対的 になりやすいことを示したー避の研究は個人に還元できない相 i l d s c h u t 互作用の効果を示す好例である{レピューとして. W 乱 ( 29 ) の主張によれば.他者 ( B氏と呼ぶ) e t止制)3) 0 の例でいえば.個人 (A氏と呼ぶ)の行動や判 断に影響する「他者の持つ素朴理論についての信 ∞ ' 9- ,心理学野鎗. V o l5 5 . N o .1 の議論の中での助言にいたるまで多岐に渡ります。こ こに記して感甜を表します。また両センターの実験害 加者プールの作成に際しまして.各大学の多くの先生 方にご協力いただきましたことに感謝いたします。ま た筆者らの一部の研究は.科学技術融合振興財団.北 海道大学クラーク記念財団.北海道大学グローパル COEr 心の社会性に関する教育研究拠点 Jの援助を受 けて実施されました。ここに感謝の意を去します。 文 献 A d a m s .G .( 2 航路). T hec u 加r a lg r o u n d i n go fp e r s o n a l r i c a na n d r e l a t i o n s h i p :E n e m y s h i pi nN o r t hAme i c a nw o r l d s .J o u r n a l0 1P e r s 0 1 1 a l i t y W e s t e r nAfr 7 ldS o c i a lP s y c h o l o g y ,8 8 .9 4 8 9 6 8 . a An d e r s o n ,S .L . .Adams ,G . .& P l a u tV .C .( 2 0 0 8 ) . The ・ c u l t u r a lg r o u n d i n go fp e r s o n a lr e l a t i o n s h i p: Theim p o r t 印 c eo fa t t r a c t i v e n e s si ne v e r y d a yl i f e .J o u r n a l 0 1P e r s o n a l i t ya 7 ZdS o c i a lP s y c h o l o g y .9 5 .お2 ーお8 . 2 1 ) .T owardacom 仰r a t i v eI 1 l s t i t u t i 0 1 l a l A o k i .肌 ( 7 la l y s i s .C a m b r i d g e :MITP r e s s . 滝沢弘和・谷口 a ∞ 和弘(訳)似沿1) 比 較 制 度 分 析 に 向 け て NTT 出版. B a u m e i s t e r .R .F . .&H e a t h e r t o n .T .F .( 19 9 6 ) . Se l f . r e ・ g u l a t i o nf a i l u r e: Ano v e r v i e w .P s y c h o l o g i c a l l n q u i . η "7 . 1 1 5 . B e π y .] .W. ( 1 9 6 7 ) .I n d e p e n d e n c ea n dc o n f o r m i t yi n o u r n a l0 1P e r s o n a l i t y s u b s i s t e n c e . l e v e ls o c i e t i e s .J 1 ldS o c i a lP s y c h o l o g y .7 .4 1 5 4 1 8 . a ・ B e π y .] .W. ( 1 9 7 9 ) .Ac u l t u r a le c o l o g yo fs o c i a lb e h a v i o r .I nL .B e r k o v i t z( E d . ),A d v a n c e si 1 le x t e r i . m e n t a ls o c i a /t s y c h o l o g y( V o l . 1 2 .p p . 1 7 7 2 0 6 ) . S a nD i e g o,CA: A c a d e m i cP r e s s . i n t i s,H .( 2 0 1 1 ) . Ac o o p e r a t i v es t e c i e s : ・ B o w l e s .S .,& G H u m a l ls o c i a l i t y Q71 di t se v o / u t i 01l. P r i n c e t o n: P r i n c e t o nUn i v e r s i t yP r e s s . n .S . .C h e n .孔 Y . .&S h a w .L .( 24 ) .5 e l f v e r i f i c a Che n . t i o nm o t i v e sa tt h ec o l l e c t i v el e v e lo fs e l f . d e f i n i t i o J o u m a l0 1P e r s o l l a l i t ya 1 1 dS o c i a lP s y c h o l o g y ,8 6 . 7 7 9 4 . . .C h i u .C・y . .&C h a n .S .F .( 29 ) . Thec u l t u r a l C h e n,J e f f e c t so fj o bm o b i l i t ya n d .t h eb e l i e fi naf i x e d t .J o u r w o r l d: E v i d e n c ef r o mp e r f o r m a n c ef o r e c a s かa n dS o c i a lP s y c h o l o g y .97 .お 1 l l a l0 1P e r s o l l a l i 8 日. C h i u .C . y . .G e l f a n d .M .J . .Y a m a g i s h i .T . .S h t e y n b e r g .G . . &W a n .C .( 2 0 1 0 ) .I n t e r s u b j e c t i v ec u l t u r e :The s cu l t u r a l r o l eo fi n t e r s u b j e c t i v ep e r c e p t i o n si nc r o s e r s t e c t i v e s0 1 1P s y c J lOl o g i c a lS c i e l l c e .五 r e s e a r c h .P 4 8 2 4 9 3 . ・ C a r l .. 1S . .& H u g g i n . sC .M. ( 2 0 0 9 ) . “C i t ya i r D e b i e s ∞ ∞ m a k e sf r e e ":Am u l t i l e v e . lc r o s s . n a t i o n a la n a l y s i s o c 必1P . 砂c h o l o g yQ u a r t e r l y .7 2 . o fs e l f . e f f i c a c y .S 3 4 3 3 臼. D鉱 山 日n .] .] .A . .B u t a l i d .L . .P e n k e .L . .&v a nAke n .M. A .G .( 2 ω 8 ) . The e f f e c t so fw e a t h e ro nd a i l y m o o d :Am u l t i l e v e la p p r o a c h .E m o t i o l l ,8 . 6 6 2 6 6 7 . D i a m o n d .J .( 9 9 7 ) .G u n s .g e n n s .a n ds t e e l . .T h e f a t e s む. NewY o r k :W.W.No目o n& 0 1h u m a l ls o c i e t i C o m p a n y . 倉骨彰(訳) ( 2 0 ∞) 銃・病原菌・鉄: 1万 3 0 ∞年にわたる人額史の誕草思社. Dunb む. R .. 1M. ( 19 9 8 ) . Thes o c i a lb r a i nh y p o t h e s i s . E v o [ u t i 0 1 1 a ηA n t h r o t o l o g y .広 1 7 8 1叩. F a l kC .F . .H e i n e .S .J . .Yuk . iM . .&TakemuraK .( 2 0 ω ). a s t Whyd oW e s t e r n e r ss e l ι e n h a n c emore白 血 E u r o t e a l lJoumal0 1P e r s o l l a l i , ' か2 3 . 1 8 3 A s i a n s ?E 2 0 3 . F i n c h e r .C .L . .& T h o r n h i l l .R .( 28 ) .A s s o r t a t i v e釦・ c i a l i t y,l i m i t e dd i s p e r s a l .i n f e c t i o u sd i s e a s ea n dt h e r no fr e l i g i o nd i v e r s i t y . g e n e s i so ft h eg l o b a lp aはe P r o c e e d i l l g so ft h eR o y a lS o c i e t yB. .B i o l o g i c a lS 泌 e n c e 丸 , 2 i 5 .お8 7 ・2 5 9 4 . . .M u r r a y .D . .& Sc h a l l e r .肌 F i n c h e r .C .L . .T h o r n h i l lR ( 28 ).P a t h o g e np r e v a l e n c e p r e d i c t s human c u l t u r a lv a r i a b i l i t yi ni n d i v i d u a i L s m / c o l l e c t i . c r o s s r o c e e d i l l g s0 1t h eR o y a lS o c i e かB . .B i o . v i s m .P c i e 1 z c e s ,275 ,1 2 7 9 1 2 8 5 . l o g i c a lS .S .( 19 8 2 ) . Todωe l lamong舟 i e7 t d s . 'P e r F i s c h e r,C t w o r k s; 1 11 0 ωna l l dc i 勿. C h i c a g o :U n i v e r . s o n a JIle s i t yo fC h i c a g oP r e s s . 松本康・前田尚子(訳) ∞ ∞ ( 2 ∞2 ) 友人のあいだで暮らす:北カリフォルニ アのパーソナ J レ・ネットワーク 未来社. F i s c h e r .孔 &Vand eV l i e r t .E .( 2 0 1 1 ) .D o e sc l i m a t e u n d e r m i n es u b j e c t i v ew e l l . b e i n g ? A5 8 n a t i o n e r s o l l a l i か , a l l dS o c i a lP s y c h o l o g yBul / e t i 九 s t u d y .P 37 .1 0 3 1 1 0 41 . F i s c h e r .R . .F e r r e i r a .M.C . .A s s m a r .E . .R e d f o r d .P . .H a r b . 但 e r .5 . .C h e n g .B .5 . .J i a n g .D .Y . .W o n g .C .C . . C . .G l o f e r .] . .& A c h o u i .M. K u m a r .N . .K a r t n e r .J~ H 町ゆ). I nd i v i d u a l i s m c o l l e c t i v i s ma sd e s c r i p t i v e ( 2 n o r m s :D e v e l o p m e n to fa s u b j e c t i v e norm a p . t .J o u r n a l0 1C r o s s . p r o a c ht oc u l t u r emeasuremen ,4 0 .1 8 7 2 1 3 . C u l t u r a lP s y c h o l o g y G a n g e s t a d,S .W . .H a s e l t o n .M .G . .&Bu 田. D . M .( 26 ) . E v o l u t i o n a r yf o u n d a t i o n so fc u l t u r a lv a r i a t i o n : s y c h o l o g i E v o k e dc u l t u r ea n dm a t ep r e f e r e n c e s .P c a l1 1 Iq u i r y ,1 7 .7 5 9 5 . 印d.: M .1 .R a v e r .J .L . .N i s h u .L . .L e s l i e .L .M . .Lu n .J . . G e l i ; L i m .B .C . .D u a n .L . .A l m a l i a c h .A . .A n g . S~ A r n a d o t t i r .] . . Ay c a n .Z守Boe h n k e .K . .B o s k i .P . . . .Chan,D . .C h h o k a r .J .D ' A m a t o .A . . C a b e c i n h a s .R .Fischer.R . .F u l o p .M F e r r e r .M . .F i s c h l m a y r .1c G e o r g a s .J . .K a s h i m a .E .S . .K a s h i m a .Y . .K i m .K -60ー ∞ 句 噌 竹村・ ( & ; 1 1 :事福島に対する社会生9学的アプローチ L e m p e r e u r .A . .M a r q u e z .P . .Othma n .R.Overlaet 田 a g i o 旬p o 叫o u .P . .P e l 也e r .K.P e r e z F l o r i z n o . B . . P . .P o n o m a r 回 k o . L . . R 回 1 0 .A . .S c h e i .V . .Schmi 仇 L .R M . .S m i t h ,P .B . .S o o m r o .N . .S z a b o .E . .T a v e e s i n .N. . Toyam a . M . .V釦 deV l i e r tE . .Voh r a .礼 WardC . .& Y創 na 思l C h i .S .( 却1 1 ).D i f f e r e n c 国 加t w e 叩 凶g h t ec 叫t u r 田:A 3 3 n a t i o ns t u d y .S c i e n c e . a n d1 0 α; 3 3 2 . 1 1 ( ) ( ト1 1 0 4 . 倒 的r g b i u .M.A V i g n o l e s .V .L . .&Smit h ,P .B .(割問). B e y o n dt h eU n i t e dS t a t e sa n dJ a p a n : T白 血g 昭i s h i ' se m a n c i p a t i o n血e o r yo f町 田t低 r ( 出 3 1 Yam natio出• S o c i a lP s y c h o l o g yQ胤 r l e r l y ,7 2 .おか沼3 . G u s t a ゐ0 九 P .( 2 0 0 9 ) . Mob 出t ya n dt e 町i t o r i a lb e l o n g 泊g .E n v i r o n m e n tandB e h a v i o r ,4 1 .4 9 0 5 叩. 司 溜保久(盟問) サーピスの地域性と消費行動竹村 和久{酒) 消費行動の社会心理学:消費する人聞 のこころと行動 ( p p . 1 2 9 -1 4 1 ) 北大路書房. Hamam u r a .T句&Park .] .H .( 2 0 1 0 ) .R e g i o n a ld i f f 町田・ C白 h 岡山o g e np r e v a l e n c ea n dd e f e n s i v e目 a c t i o 郎 防t h e. s w i n ef l u .o u t b r e a kamongE笛 t A s i 組 S組 d e r s .E v o l u t i o n a r yP s y c h o l o / D , 8 .日 ) 6 ・5 1 5 : W白 tem 揖本博文 ( 2 0 1 1 ) 相互協間性の自己維持メカニズム 実験社会心理学研究.50.182 ・1 9 3 . i .Y . .& Y a m a g i s h i .T .( 加1 1 ) . Be l i e f s H a s h i m o t o .孔 L a n dp r e f e r e n c e s凪 c 凶回目1a g e n t s血 dc u l t u r a l e r s .A s i a nJ o u r n a l0 1S町i a lP s y c h o l o / D , gamep l a y 1 4 .1 4 0 ・ 1 4 7 . . ] .( 25 ) .C o n s t r u c 也1 9g o o ds e l v e s凪 ] a p . 釦 H e i n e .5 a n d N o r t hAm町i c a .I nRM S o r r l 回出l o ,D.C 油田. J .悦 0 1 田 n . 祖d悦 P .Z a n n a( E d s よC u l t u r ea n d s o c i a lb e Juw i o r :T h et e n t hα a t a r i oS y m t o s i u m ( p p .1 l 5 ・1 4 3 ) . H副詞a l e .NJ:LawrenceErlbawn . ] .( 2 庇)8). C u l t u T D lt . り' c h o l o / D . NewY o r k . H e i n e .5 NY:No 氏。a He 凶e .5 . J . .Taka 姐 .T 司&L e hman ,D .R ぼ)()()).Be : y o n ds e l f p r e s e n 回t i o n: E v i d e n c ef o r] a p a n e s e関路 町i t i c i s m .P e r s o n a l i t ya n dS o c i a lP s y c h o l o g yB u l l e t i n , 26 , 7 1 1 8 . H e n r i c h .J . .Boy ,也氏 B o w l 儲.S . .G i n t i s .H . .F e h r .E . . 町町.C . .McE l r e a t h . 孔 G u r v e n . 札 H出.に Cam B a r r .A E n s m i n g e r .J . .T r a c e r .D . .M a r l o w .F . . n .J . .Alv a r d札 G i l Wl雌.F . .& H e n r i c h .N . P a t t o 倒防).官∞,n o m i cm組・ h 官 邸 日 叫 凶r a lp e 問 問c 却 e r i m 阻 t sf r o m1 5s m a l l t i v e: E t h n o g r a p h ya n de e h a v i o r a la n dB r a i "S c i e n c e s ,2 8 . s c a l es侃ieti白• B 河5 ; 筋. H e n r i c h .J . .E n s r 国崎町. J . . McE l r e a t h .R .B a r r .A . . Baπe 民 C . .B o l y 釦 a 匂. A . .C a r d e n a s .1 .C . .G u r v e n . M .,G w a k o .E H目 官i c h .N . .L e 回r o g o ,l C .M a r l o w e . F . .T r a c e r .D . .& Z i k e r .J .( 2 0 1 0 ) . Marke , s t r e l i . n .communitys i z e . 血d出. ee v o l u t i o no ff a i r n e s s g i o 組 d pu 血 hm 回 tS c i e n c e ,32 7 .1 4 8 0 ・1 姐4 . ∞ 司 句 o r e n z a y 飢A. ( 2 0 1 0 ) . The H e n r i c h .J . .H e i n e .S .] . .& N e h a v i o r a la n d w e i r d e s tp e o p l ei nt h ew o r l d ?B BT t J i nS c i e n c e s , 33 ,6 1・回. H o f s t e d e .G .( 1 9 8 0 ) .C u l t u r e ' sc o n s e q u e n c e s :I n t e r n a . ・ t i o n a ld i f l e r e n c e s; nw o r k . r e l a u dv a l u e s .B e v e r l y H副s .CA:S ag e . 回 n .D .D .P . .&F o w l e r .JH .( 却1 1 ).Thee v o l u t i o n 1 0 h n ∞nfidence .N a t u r e ,47 7 .3 1 7 : 認O . o fo v e r . 亀田達也(l抑1 ) 合臨の知を求めて:グループの意思 決定共立出版株式会社. 亀田違也・村田光ニ ( 2 0 1 0 ) 複雑さに挑む社会心理 学:適応エージェントとしての人間改町版有 斐閣. K担 h i m a .Y . .& K値 h i m a .E .S _( 2 0 0 3 ) .I n d i v i d u a 1 i s m . G N P .c l i m a t e .a n dp r o n o u nd r o p :I si n d i v i d u a l i s m 関 sl a n d e t e r m i n e db ya f f l u e n c ea n dc l i m a t e .o rd g u a g e田 ep l a yar o l e ?J o u r n a l0 1Cross.Cultural P s y c h o l o g y .3 4 .1 お ・1 3 4 . K笛 凶ma .Y Kokubo.T . . K笛 him a .E.5.Box a 且D . . h i .5 . .&Macra e .K ( 24 ) . Cu 1 t u r ea n d Yamaguc s e l f :Aret h e r ew i t h i n c u l t u r ed i f f e r e n c 田 i n鈍 l f 凹i l 回 na r e 笛 組dr e g i o n a lc i t i e s ? b e t w e e nm e t r o P e r s o n a l i t ya n dS o c i a lP s y c h o l o g yB u l l e t i n ,3 0 . 8 1 6 8 . j 沼 . ∞ 司 北山忍 ( 1 9 9 8 ) 自己と感情:文化心理学による聞い かけ共立出版. K i t a y a m a .5 .( 2 0 0 2 ) . C叫卸r e釦 db a s i cP5y c h o l o g i c a l 弱e sToward a s y s 除m v i e wo fc u l t u r e : p r o c e Co mm 朗 t on0拘 erm 姐 e t札 ( 2 0 0 2 ) .P s y c h o l o g i . c a lB u l k t i n ,128 , 8 9 9 6 . K i t a y a m a .5 . .C o n w a y .L .G P i e t r o m o n a c o .P .孔 P a r k .H . .&P l a u tV .C .( 却1 0 ) . E出 回 o fi n d e p e n d . 舗 r e g i o n si n印 刷t e dSta~缶: The e n c ea c r p r o d u c t i o n a d o p t i o nm o d e lo fc u l t u r a lc h a n g e . A m e r i c a nP s y c h o l o g i s t .65 ,5 5 9 5 1 4 . K i t a y a m a , S . .I s h i LK . .Imad a .T . . Takem u r a .I t .& R組 閣s w a m y .J .( 26 ) .V o l u n t a r ys e t t l e m e n ta n d t h es p i r i to fi n d e p e n d e n c e :E v i d e n c ef r o mJ a p a n ' s . N o 此hem企o n t i e r " .J o u r n a l0 1Personalityand S o c i a lP s y c h o l o g y ,9 1 . 3 6 9 ・犯4 . K i t a y a m a ,S . .Markus ,H .R .& Kurokawa .M. (広間). C叫t u r e .e m o t i o n .andwell-be泊g:G∞d~健lings i n e d5回出s. Co g n i t i o nandEmG ト J a p a na n dt h eU凶t 巾n ,1 4 . 9 3 ・1 2 4 . K i 也. y a m a .S . .P a r k .H . .Sev i n 低 r .A T . .K a r a s a w a .M . .& s k u l .A .K .( 29 ) .A c 叫回目l也 s k却 剖 拘i so f Co m p a r i n gNo 氏hAm 町i 回. i m p l i c i ti n d e p e n d e n c e: WestemE u r o p e .a n dE a s tA s i a .J o u r n a l0 / P e r s o n . か ,a n dS o c i a lP s y c h o l o g y ,97 .236-お5 . a l i K i t a y a m a , 5 . , &us k u 1 .A.K ( 2 0 1 1 ) . G叫 凶r e .mind釦 d t h eb r a i n :C u r r e n te v i d e n c ea n df u t u r ec l i r e c t i o n s . A n n u a lR e v i e w0 /P s y c h o l o g y ,6 2 .4 19 4 4 9 . -6 1- 司 m . ∞ 。 ∞ o l5 5 . N o .1 -心理学僻鎗. V Lan 吋o wne,A .T .G . .&P r o v o s . tS .C .( 19 9 8 ) .V i t a m I n e 0 3 enh叩 c e s m∞d i nh e a l t h ys u b j e c t sd 町 i n g w i n t e r . Psychopharmacology,1 3 5 . 3 1 9 3 2 3 . L e d e r b o g e n .F . .K ir 民h .P . .H a d d a d .L . .S t r e i , tF . .Tos . tH. . S c h u c h .P . .Wus . tS .,P r u e s s n e r .J .C .,R i e t s c h e . lM . . . . & MeyerL i n d e n b e r g,A .( 2 0 1 1 ) . O e u s c h l e,M C i t yl i v i n ga n du r b a nu p b r i n g i n ga f f e c tn e u r a 1s o c i a l s t r e s sp r o c e s s i n gi nh u m a n s .Nature ,474, 4 9 8 5 01 . L e t e n d r e .K . .F i n c h e r .C .L . .& T h o r r 由 i l 1 .R ( 2 0 L O ) . O o e si n f e c t i o u sd i s e a s ec a u s eg l o b a 1v a r i a t i o ni nt h e f r e q u e n c yo fi n t r a s t a t e armed c o n f l i c t and c i v i l war? B i o l o g i c a lR e v i e w s .85 ,6 6 9 6 邸 . M a r k u s .H .R & K itayamaS .( 1 9 9 1 ) .C u l t u r ea n dt h e s e l f :1 m p l i c a t i o n sf o r∞g n i t i o n .e m o t i o n .andm o t i v a t i o n .PsychologicalReview.98 ,2 2 4 2 5 3 . M i y a m o t o .Y . .N i s b e t t .R .E . . & Masuda ,T .( 26 ) . C u l t u r ea n dt h ep h y s i c a le n v i r o n m e n t: H o l i s t i cv e r s u sa n a l y t i cp e r c e p t u a la f f o r d a n c e .P s y c h o l o g i c a l Scimce,1 7 .1 1 3 1 1 9 . ∞ 村上史朗・石黒格倒J( 5 ) 誌遜の生起に対するコ ミュニケーション・ターゲットの効果社会心理 1 . 1 l1 . 学研究. 2 M u r r a y .D .R .Trudeau.R . .& S c h a l l e r .M. ( 2 0 1 1 ) . On 出 eo r i g i n so fc u l t u r a ld i f f e r e n c e si nc o n f o r m i t y : F o u rt e s t so ft h ep a t h o g e np r e v a l e n c eh y p o t h e s i s . , P e r s o n a l i り m7d S o c i a lP s y c h o l o g y Bu/ l e t i 7 l , 3 7 . 3 1 8 3 2 9 . 直井恒 ( 24 ) 情 報 化 社 会 に 関 す る 全 国 岡 査 り1 5 2 4 ) SROQ事務局(緬) rSRDQ:質問紙法にも とづく社会問査データベース J ( h t t p : / / s r d q . h us . o s 出a u . a c . j p ) . tRE .( 2 3 ) . Theg e o g r a p h y01t h o u g h t" .How N i s b e t er e l l t l y .. .a l l d A s i a t l s and W e s t e r n e r st h i n k d切' w h y . NewY or k .NY: F r e eP r e s s . 村本由紀子(訳) ∞ ∞ ∞ ∞ ( 2 4 ) 木を見る西洋人・森を見る東洋人:思考 の遭いはどこから生まれるか ダイヤモンド社. &Cohen,D. (1996). Culture01hOJzor" . Thep s y c h o l o g y01v i o l eJlc ej nt h eS o u t l l .B o u l d e r . N i s b e t t .R E~ CO:WestviewP r e s s . 石井敬子・結械雅樹(緬訳) ( 2 α冶) 名誉と暴力:アメリカ南部の文化と心理 北大路書房. ∞ O h b u c h i,K . .&S a i t o .T .( 2 7 ) .C o g n i t i v ec a u s e so i c o n f l i c ta v o i d a n c eamong] a p a n e s e :Ana p p r o a c h IA s ; a l lS o c ; a / f r o mp l u r a l i s t i ci g n o r a n c e .Progress;7 ,広 8 3 9 7 . P s y c h o l o g y O i s h i .S .( 2 0 1 0 ) . Thep s y c h o l o g yo fr e s i d e n t i a lm o b i l i t y :1 m p l i c a t i o n sf o rt h es e l f .s o c i a lr e l a t i o n s h i p s . 出 dw e l l . b e i n g .P e r s t e c t i v e s01 lP s y c h o l o g i c a lS c i . ,5 .5 2l . e l l c e O i s h i .S~ & Grah 創立]. ( 2 0 1 0 ) .S o c i a le c o l o g y: L os ta n d f o u n di np s y c h o l o g i c a ls c i e n c e .P e r s p e c t i v e s071Psy ・ c h o l o g i c a lScimce ,5 .3 5 6 3 7 7 . ∞ O i s h i .S . .I s h i LK . .&L u n . ] .( 29 ) .R e s i d e n t i a lm o b i l i t y a n dc o n d i t i o n a l i t yo fg r o u pi d e n t i f i c a t i o n .]ounza/ol E r p e n ' m e l l t a lS o c i a lP s y c h o l o g y ,4丘 9 1 3・9 1 9 . O i s h i .S . .& K i s l i n g . ] .( 2 αゅ).Them u t u a lc o n s t i t u t i o n i 1 it yandi n d i v i d u a l i s m .I nR 5 . o fr e s i d e n t i a lmob W y e r .C . y .C h i u,& Y y . Hong ( E d s . ) . Ul Id e r . S t Oll d i l l gc u l t u r e" .Theory ,r e s e a r c h,a t l da p p l i c a t i o l l ( p p .2 2 3 2 3 8 ) . NewY o r k .NY:P s y c h o l o g yP r e s s . O i s h i,S . .L u n .J . .& Sherm 飢 G . D .( 2 7 a ) .R e s i d e n t i a l m o b i l i t y .s e l f c o n c e p , ta ndp o s i t i v ea f f e c ti ns o c i a l i n t e r a c t i o n s . ]ounlal 01P e r s o l l a l i t ya l l dS o c i a l Pり c h o l o g y .9 3 .1 3 1 1 41 . O i s h LS . .Ro 出m a n .A .J . .Snyder ,M .,Su,] . .Z ehm.K . . H e r t e . lA.W.,Gonzales,M H . . & Sherman G .D . ( 2 0 0 7 b ) . The s ∞ioecological model of procom. m山由ya c t i o n: Theb e n e f i t so fr e s i d e n t i a ls t a b 1 i i t y . ∞ ] o u n l a l0 1P e r s o l l a l i t ya l l dS o c i a /P s y c h o l o g y ,93 , 8 3 1 8 4 4 . O i s h i .S~ & Schimmac k .U .( 2 0 1 0 ) .R e s i d e n t i a lm o b i l i t y .w e l l . b e i n g .andm o r t a l i t y . ]ounlal01Pers07l' a l i か , a l l dS o c i a lP s y c h o l o g y ,9 8 .9 : 剖ー卸4 . . tV .C . .Adams.G . .& An d e r s o n .S .L .( 29 , ) O oes P l a u a t t r a c t i v e n e s s buy h a p p i n e s s ? I td e p e n d s on where y o u ' r ef r o m . .P e r s o 7 1 a lR e l a t i o n s hゆs ,1 丘 6 1 9・6 3 0 . R e n d e l l,L . .B o y d .R .Cownden.D . .E n q u i s. tM.,E r i k s s o n . K . .F e l d m a n . M.W . .F o g a r t y .L . .G h i r 1a n d a .5 . . L i l l i c r a p .T . .& L a l a n d .K .N .( 2 0 l 0 ) . Whyc o p y o t h e r s ?I n s i g h t sfromt h es o c i a l l e a r n i n gs t r a t e 面白 t o u r 羽a ment S c i e1 lc e ,3 2 8 .2 0 8 2 1 3 . S a t o .K . .Yuki,M . .& O i s h LS .( 2 0 0 7 .J u l y ) . Thei 1 l j 1 u . e l l c e01r e / a t i O J l a lm o b i l i t y071 s e がesteem. Paper p r e s e n t e da t出 e7出 C o n f e r e n c eo fA s i a nA s s o c i a . t i o no fS o c i a lP s y c h o l o g y,K o t aK i n a b a l u,M a l a y s i a . S c h a l l e r ,M .,& M u r r a y .D .( 2 8 ).P a t h o g e n s ,p e r s o n a 1 i t ya n dc u l t u r e :O i s e a s ep r e v a l e n c ep r e d i c t s w o r l d w i d ev a r i a b i l i t yi n回 c i o s e x u a l i t y .e x t r a v e r . s i o n .a n do p e n n e s st oe x p e r i e n c c . ]ounlal01P e r . ,9 5 .2 1 2 2 21 . s O l l a l i t ya l l dS o c i a lP s y c h o l o g y S c h u g .J . . Yuki,M . . Horikaw , aH . . & Takemur a .K . ( 2 0 ω ) .S i m i l a r i t ya t t r a c t i o nanda c t u a l l ys e l e c t i n g s i m i l a ro t h e r s :Howc r o s s . s o c i e t a ld i百' e r e n c e si n r e l a t i o n a lm o b i l i t ya f f e c ti n t e r p e r s o n a ls i m i l a r i t yi n J a p a na n dt h eU n i t e dS t a t e s .A s i a l l] o l m l a l 01 ,1 2 .9 5 1 0 3 . S o c i a lP s y c h o l o g y S c h u g .J . .Y u k i,M.,& Maddu x .W.W. ( 2 0 1 0 ) .R e l a t i o n a lmob i 1 it ye x p l a i n sb e t w e e n .a n dw i t h i n . c u l . 凶r ed i f f e r e n c e si ns e l f d is c l o s u r et o w a r dc J o s e f r i e n d s .P s y c h o l o g i c a lS c i e l l c e,2 1 .1 4 7ト 1 4 7 8 . S n y d e r .M. ( 1 9 7 4 ) . Se l f . m o n i t o r i n go fe x p r e s s i v eb e . h a v i o r .]ounlal01Pers01lfll i t ya1 f dS o c i a /P s y c h o l . ,5 2 6 5 3 7 . o g y .30 -6 2ー ∞ ∞ 竹村・佐鴎:自信相暗に対する社会生i!I学的アプローチ Snyd 釘. C .R .& Fromkin .H .L .( 1 弼0 ).U n i q r a n e s s~・ T h ehumanρ U1 ' S u i t0 1d i f f e r e n c e . NewYork .NY: Plenwn S t a v r o v , a 0司 S c h l o 鵠e r .T句&F e t c h e 曲a u e r .D .( 却1 0 ) . n e m p l o y e de q u a l l yunhappya l la r o u n dt h e Are曲eu w o r l d ? Ther o l eo ft h es o c i a lnormst oworka n d w e l f a r es t a t ep r o v i s i o ni n2 8 OECD ∞u n t r i e s . J o u r n a l0 1E c o n o m i cP s y c h o l o g y ,3 2 .1 5 9 1 7 1 . 目 r . D~ Takem 町 ' a , K . .D e l 旬札A.W~ S a t o .K . . S z n y R o b e r 国'0.T.. O:渇mid民 L~&T∞by.]. ( i np r e s s ). Cr 崎 日 叫 凶r a 1d i f f e r 凹 C 白 血ds i m i l a r i t i e si np r o n E ト n田 st oshame: Ana d a p t a t i o 凶5 tande c o l o g i c a la~ト p r o a c h .E v o l u t i o n a r yP s y c h o l o g y . 高構知里・山岸俊男・橋本博文(却0 9 ) 集団からの排 2 5 . 除と相互協調的自己呈示社会心理学研究. 1 1 3 -l 2 0 . 竹村幸祐 ( 2 0 1 0 ) 社会構造に依存する掛自性欲求の適 応価:比較文化データによる検証日本社会心理学 会第 5 1田発表論文集. 4 6 4 1 . Takem u r a .K .( 2 0 1 1, J a n u a r y ) .B e i n gd i J . 抱月n tl e a d sω b e J ・' n gc o n n e c t e d: ・伽 t h ea d a t t i v ef u n c t i o l l0 1 u n i q u e n e s s i n“ ' o p e n "s o c i e t i e s . P回 t e r s 弱s i o np r e s e n t e da t 血e1 2 也 担n u a lmee 曲1 8o f出 eS o c i e t yo fP e r 回naIi旬血dSc犯鼠1P s y c h o l o g y .SimAn t o 凶o .TX . r 竹村幸祐・有本格英(却0 8 ) 北の大地Jにおける相 互独立的自己:北海道での認知的不協和実験実験 8 .4 0 4 9 . 社会心理学研究. 4 Tom 舗 e l 1 o ,M. ( 1 鈎9 ).T h ec u l t u r a lo r i g i n s0 1human t y c o g n i t i o n . Cambridge.MA:HarvardU瓜ve回 i p r 白& T u r n e r .F .J( 1 9 2 0 ) .T h eF r o n t i e ri nA m e r i c a nH i s k .NY:HenryHolt 松本政治・嶋 t o r y . NewYor 忠正{訳) ( 19 7 3 ) アメリカ史における辺境(フロ ンティア) 光明社. U北叫.A.K..阻t a y a m a , S~ & N i s b e t t .RE . 位∞1 8 ) . E c 民u l t u r a lb a s i so f , ∞gnition:Farmersandfisher・ mena r emoreh o l i s t i c出 血 h町 d官官;. P r o c e e d i n g 冨0 1 t h eN a t i o n a lAcademy0 1S c i e n c e s0 1t h eUlIi t e d e s0 1A m e r i c a ,1 0 5 .田5 2 田町. S飽 t V a n d e l l o .] .A . .& C o h e n .D .( 1 田9 ) .P a t t e r n so fi n d i v i d 回 l i s ma n dc o U e c t i v i s ma 町 田s theU 凶t e dS t a t e s . J o u r n a l0 1P e r s o n a l i t ya n dS o c 必/P s y c h o l o g y ,7 7 . 2 1 9 ・ 2 9 2 . V担 保U o .] .A . .Co h e n .D~ & Ran釦m.S . (盟朋). U . S . s o u t h e r na n dn o r t h e r nd i f f e r e n c e s泊 p e r c e p t i o n so f norms a b o u ta g g r e s 5 i o n : Mechanisms f o rt h e o u r n a l0 1C r o s s ・ p e r p e t u a t i o no fac u l t u r eo fh o n o r .J C u l t u r a lP s y c h o l o g y ,39 ,1 位ー 1 7 7 . Wa 出国.D~ & R e g r 叫.M .( 1 鈎6 ) . Wi 白血宅叫加r e釦 d g町 1 d e r d i f f 釘' e n c ,舗泊 s e l f c o n目 p t :Ani n v 鎚t i g a t i o n w i 出 r u r a 1and urban Nepa 1 e s es c h , ∞1children . J o u r n a l0 1C r o s s ・ C u l t u r a lP . 砂c h o l o g y ,27 .6926 9 9 . W i l d s c h u . tT . .P i n t 町.B . .Veve a .] .L~ I n s k o .C .A . .& 紬 o p l e r .J .(捌3 ) .B e yondt h eg r o u pm i n d :A a 1 i n t e r q u a n t i t a t i v er e v i e wo ft h ei n t e r i n d i v i d u g r o u pd i s c o n t i n u i t ye f f e c tP s y c h o l o g i c a lB u l l e t i , l 7 1 2 9 . 6 伺ー7 2 2 . 山障俊男 ( 1 伺8 ) 信頼の構造:こころと社会の進化 ゲーム 東京大学出版会. Y a m a g i s h i .T .( 却1 1 ) .M i c r o macrod y n a m i c so ft h e c 叫t u r a lc o n s t r u c t i o no !r e a l i t y:A n i c h ec o n s 町u c t i o na p p r o a c ht oc 山 町. eInM.] .G e l f 釦d.C・ y . C h i u &y . y .Hong ( E d s . ) .A d r x m c e s加 C u l t u r ea n dP s y c h o l o g y(Voll.p p .2 5 1 3 関). NewYor k .NY:Ox四i t yPr 白s . f o r dU n i v e Yam 唱i 曲iT~H踊himo旬. L~ Y~ &S c h u g . ] .( 2 0 1 2 ) . S t a d t l u f t machtf r e i( C i t ya i rb r i n g sf r e e d o m ) . J o u r n a l0 1C r o s s . C u l t u r a lP . 砂c h o l o g y ,4 3 .羽・4 5 . Y a m a g i s h i .T . .H錨 h i m o t o .H . .&S c h u g .].倒) ( ) 8 ) .P r e f e r e n c e sv s .s t r a t e g i 国踊 e x p l a n a t i o n sf o rc u 1 t u r e s p e c i f i cbehar i o r .P s y c h o l o g i c a lS c i e n c e ,19 ,5 1 9 日4 . Y a m a g i s h iT~ J 凪N . .& K i y o 阻止 T .( 1 鈎9 ) .B o u n d e d n g r o u pb o a s t i n ga n di n g e n e r a l i z e dr e c i p r o c i t y :I t i s m .A d v a n c e si nG r o . u ρP r o c e s s e s , 1 6 . g r o u pf a v o r i 1 6 1 1 9 7 . 昭i s 弘T . .J i n .N.司&M i l l e r .A.S .( 1 叩8 ) .I n g r o u p Yam s m .A s i a nJ o u r n a l0 1 b i a sa n dc u l t u r eo fc o U e c t i v i S o c i a lP s y c h o l o g y ,1 .3 1 5 3 2 8 . Yam 昭i s h i .T~ & Yamagish i .M ( 1 鈎4 ) . Trustand commitmenti nt h eU n i t e dS t a t 目 印dJ a p a n .M o h ' ,1 8 . 1 2 9 ・1 6 6 . v a t i o na n dE m o t i o n 山極寿一 ( 2 α泡) 人類進化胎:霊長類学からの展開 a 、 裳肇房. 柳部邦昭・西村太志・浦光博(却1 0 ) 低自噂心者は 身近な人しか選べないのか:他者選択に特性自聴 心及び相互作用の質が及ぼす影響実験社会心理学 研究.5 0 .8 9 -1 0 2 . Y叫d .M.S c h u g .J . .Horikaw , aH . .Takemur , aK . .S a t o .K . , t a .K . .&Kamay , aK .( 2 0 0 7 ) .D e v e l o p m e n to f Yoko a 1 etome 担 u r ep e r c e p t i o n so fr e l a t i o n a lmob 出t y asc h田 c i e t y . CERSSW o r k i n gP a t e rS e r i e s肋 . 7 5 . Z o u .X~ Tam.K pM o r r i . sM W噌Lee .S .l .L a u .Ym . ,& u .C・y .( 2 0 0 9 ) .C u l t u r e踊 commons e n s e: P e r . C h i s 創lS USv e r s u sp e r s o n a lb e l i e f s鵠 m民 h a c e i v e d∞n n i s m so fc u l t u r a li n s u e n c e .J o u r n a l0 1P e r s o n a l i t y .579 5 9 7 . a n dS o c i a lP s y c h o l o g y ,97 -6 )ー 句 -2 0 1 1 .1 0 .1 8 受稿. 2 0 1 2 .2 .2 受理一