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特集 特集 Close Up の 現 場 か ら 脳内血腫除去術を行います(年間約30件施 片側顔面けいれんや三叉神経痛に対して 行)。脳動脈瘤の破裂を防ぐには開頭手術 は、微小血管減圧術を年間30∼50例施行し 脳神経外科 部長 による動脈瘤クリッピング術(年間約30∼ ています。特に三叉神経痛の治療は、ペイン 川合 謙介 50例施行:図1)や血管内動脈瘤塞栓術(年 クリニック科との密接な連携のもとで行われ 間数例施行)を行います。 ています。 図1 脳動脈瘤(脳底動脈瘤)の開頭クリッピング術:術前後の3D-CTA画像 また2014年4月から開設したてんかんセ 3大疾病 脳神経外科の紹介 脳神経外科の紹介 療 機能的脳神経疾患 ンターでは、てんかん診療の基本とも言える 長時間ビデオ脳波記録や難治性てんかんに対 当院の脳神経外科は、脳卒中センター、てん から難治性てんかんの手術治療も開始しまし た。高度の手術技量と最先端の手術支援機器 海馬切除術(図3)、大脳半球離断術)、緩 や神経内科と密接に連携して、幅広い脳神経疾 (術中MRI、各種脳神経機能術中モニタリン 和的手術(脳梁離断術、海馬多切術、軟膜下 患にきめ細かに対応しているのが特長です。詳 グなど)により、安全性の高い手術を提供で 皮質多切術)、迷走神経刺激療法(図4)を する根治的手術(焦点切除術、選択的扁桃体 細はインターネットのホームページ きるよう心がけています。 気になるメディカル (http://www.ntt-east.co.jp/kmc/guide/ また、さまざまな脳神経疾患の急性期治療 neurosurgery/index.html)をご覧ください。 や外科治療のみならず、脳卒中やてんかんの 代表的な脳腫瘍は、神経膠腫(グリオー り、特に迷走神経刺激療法では日本への導入 慢性期外来フォローアップ、リハビリテーショ マ)、悪性神経膠芽腫、髄膜腫、聴神経腫瘍 に中心的役割を果たしてきました。 ン、生活指導(予防や自動車運転指導など) (前庭神経鞘腫)などです。脊髄腫瘍は、神 棟では7人の常勤脳神経外科医と2人の常勤 経膠腫、上衣腫、髄膜腫、神経鞘腫などで す。脳や脊髄の腫瘍が見つかったら基本的に 脳卒中 腫瘍摘出術が必要です。深部の腫瘍摘出術 は、熟練した脳神経外科専門医が手術用顕微 受け入れており、そのほとんどが急性期の 鏡を用いて行います(年間40∼80例:図 門医、1人がてんかん専門医の資格を有して 脳卒中です。脳梗塞は脳を栄養する動脈が 2)。周囲の正常な脳脊髄へのダメージを最 います。また、ガンマナイフセンターに所属 突然詰まるために起こる病気ですが、数時 小限に抑え、腫瘍を最大限に摘出するため する2人の脳神経外科専門医や神経内科医 間のうちに脳血流を再開できれば、脳の損 に、当院では術中MRIやさまざまな脳神経機 師、リハビリテーション科と合同で、毎朝入 傷を最小限に抑えられる可能性がありま 能モニタリングといった最先端の手術支援シ 院患者さんの治療方針を検討し、患者さん1 す。脳動脈に詰まった血栓を溶かすrt-PA静 ステムを駆使しています。下垂体腺腫に対し 人1人に最適の治療を提供できるよう心がけ 注療法を年間 20∼30件行っています。ま ては経鼻的内視鏡手術を行っています(年間 ています。 た、詰まりかけた血管を早期に発見して、 10例)。 脳神経外科の手術件数は年間300∼350件 薬や手術で脳梗塞を予防することができま です。脳血管障害(クモ膜下出血、脳出血、 す。頚動脈内膜剥離術や頭蓋内外動脈バイ 脳梗塞、脳動脈瘤、脳動静脈奇形など)、脳 パス術と呼ばれるこのような手術を年間約 腫瘍(聴神経腫瘍、髄膜腫、頭蓋底腫瘍、神 30件行っています。脳内出血やくも膜下出 経膠腫、転移性脳腫瘍など)、微小血管減圧 血は、高血圧や脳動脈瘤の破裂によって起 術(三叉神経痛、顔面痙攣)の他、2014年 こります。大きな脳内出血は生命の危機や 図4 てんかんに対する迷走神経刺激療法 図2 脳腫瘍(頭蓋咽頭腫)の開頭摘出術:術前後のMRI画像 もしもしフォーラム もしもしフォーラム 脳卒中センターでは年間約400件の入院を ち4人が脳神経外科専門医、3人が脳卒中専 医療の﹁レンケイ﹂ NEW FACE 紹介 医療の﹁レンケイ﹂ NEW FACE 紹介 神経内科医が診療を担当しています。そのう 2014.Jul./Aug. 図3 側頭葉てんかんに対する選択的海馬扁桃体切除術 検査まるわかり 検査まるわかり 4 すべての手術手技に豊富な経験を有してお ハロー!健康 まで幅広いレベルの診療を提供しています。 休日も脳神経外科の当直医が対応します。病 行います。担当するてんかん専門医はこれら 脳腫瘍、脊髄腫瘍 気になるメディカル ハロー!健康 24時間の救急体制を敷いており、夜間や 耳より情報 耳より情報 かんセンターを併設し、ガンマナイフセンター 診療体制 クローズアップ 脳神経外科の紹介 3大疾病 クローズアップ 医 重篤な後遺症をもたらしますので、緊急で 電気刺激装置を体内に埋込み、迷走神経を常時電気刺激して 大脳を安定化させる 2014.Jul./Aug. 5