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資料2 地域福祉計画の基本理念と政策体系について (ファイル名

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資料2 地域福祉計画の基本理念と政策体系について (ファイル名
資料2
地域福祉計画の基本理念と政策体系について
第3回地域福祉計画策定委員会
香芝市地域福祉計画における課題の抽出
香芝市の地域福祉を取り巻く現況
香芝市地域福祉計画における課題
【人口の動向】
○ 全国的な傾向とは一線を画し、人口増加が続いており、その中でも年少人口の増加という特徴があるが、
少子高齢化も着実に進展している。つまり、高齢者人口、年少人口ともに増加を続けている。ただし、
地域別では、高齢化がかなり進展している地域、年少人口比率が際だって高い地域というように、大き
な差異がある。
○ 今後においても、かつてのような急激な増加ではないが、人口増加は続くことが予測されている。その
中で、増加を続けるのは、高齢者人口である。
○ 昼夜間人口が低く、市内で働いている人よりも市外で働いている人が多い。
【福祉サービス】
○ 今後のさらなる高齢化、保育ニーズの増加等をはじめ、増大する福祉ニーズに対して、必要な福祉施
設や福祉事業所が整っている必要があり、同時に日常生活を支援するための在宅福祉サービスの整備
も求められるものの、市の財政上の問題もあり、これとの整合性をとった新たな福祉政策の展開が求
められている。
○ 市民の複雑多様化するニーズに対して、総合福祉センターにおける福祉機能のさらなる強化に努め、
様々な福祉課題に対する、総合的・専門的な相談機能が必要である。また、潜在的ニーズを発見して
いくための仕組みが必要である。
○ 市民が複雑な福祉制度の内容を十分把握したうえで、必要なサービスを自ら選択していくための仕組
みが必要である。また、判断能力が十分でない人に対しては、その権利を擁護する体制の構築が重要
である。
【福祉サービス利用者の動向】
○ 要介護認定者数や第1号被保険者数が増加傾向にあり、特に後期高齢者の増加が顕著である。
○ 障害者(手帳所持者等)の増加と障害の重度化や重複といった重篤化の傾向がみられる。年齢層別では、
身体障害者→高齢化、療育手帳→20 歳以下人口、精神保健福祉→生産年齢人口に多いという特徴がある。
○ 生活保護受給者は、経済不況の影響を受けて、全国的な傾向と比較すると、少数に留まるものの、増加
を続けている。
○ 年少人口の増加とともに、保育ニーズ・学童保育へのニーズは、高まりつつある。
○ 国全体で、社会保障費のあり方が課題となっているが、本市においても、民生費・扶助費の増加が目立
つ。
【市民協働参画、コミュニティづくり】
○ 香芝市は、転入者が多く、また、多くの人が市外で通勤・通学をしているという状況があり、今後の
政策展開の中で、これらの人たちが地域生活に興味を持ち、地域住民をはじめ、サービス事業者、ボ
ランティアや民間団体などの多様な活動団体との連携を強化し、地域ぐるみによる福祉活動を展開し
ていくことが求められている。
○ 市民意識調査の中では、地域福祉の推進のため、活動意欲を持つ人も多く、団塊の世代の退職は、こ
の傾向を加速させることも考えられる。これを契機として、地域福祉に関する人材育成に努めるとと
もに、様々な福祉活動を実施している個人・集団との連携が求められる。
【福祉政策全般について】
○ 介護サービスが市民生活に浸透しつつあり、特に、在宅介護に力点を置いた考えが多数を占めている。
○ 福祉サービスを受けた人で不満を持つ人は、サービス内容そのものよりも、それに至るまでの手続きに
対する方が多い。
○ 福祉政策で重点的に取り組んでいくべき課題は、
「福祉施設」
「保健医療サービス」
「相談窓口」「バリア
フリー化」
「子育てサービス」であるが、これらについては、年齢・家族構成によって、差が表れる。
○ 今以上の福祉サービスを望む声が多く、そのためには、負担増容認派も一定の割合(約 20%)を占める。
○ 市民意識調査の回答傾向からの分析によると、「福祉環境の充実に向けた地域コミュニティ」 「高齢者、障害者の福
祉環境づくり(福祉サービスと福祉のまちづくり)」「市民生活を支える福祉環境」「広い意味での市民生活の安全・
【暮らしの場としての都市環境】
○ 香芝市は、大阪都市圏との交通利便性に恵まれているという評価はある一方で、市内での移動を考え
てみたときには、高齢者や障害者にとっての都市環境、道路や公共施設等に対するバリアフリーへの
要望、また公共バスへ利用の利便性の向上を望む声も多く、これらに対応して安心して外出できる環
境づくりが望まれる。
○ 「災害対策」「防犯対策」「交通安全対策」など、市民生活における安全安心へのニーズについて高いもの
がある。特に、災害時における高齢者や障害者の支援を適切かつ円滑に実施することが求められる。
安心」に分野分けをすることが可能である。
○ 小学校区別で見てみると、高齢者の多い地区、年少人口の多い地区などの差があり、福祉課題について
も、多種多様となるが、中学校区別で分類すると、市全体の課題とほぼ同様の傾向を見ることができる。
【地域コミュニティ・住民参加】
○ 多数の意見が、地域の福祉課題に対して、住民相互の自主的な支え合い、助け合いの必要性を肯定する
など、近隣関係の重要性については、多くの市民が理解をしており、近所で助け合う体制なども構築さ
れている。その近隣関係については、年齢別では、高齢層、職業別では自営業者が、若年層、会社員・
公務員等と比較すると、より濃密な関係となっている。
○ 行政との関係において、地域住民は単に受益者のみにとどまらず、住民自身の取り組みも地域の福祉課
題にとっては重要であるとの意識が高まっている傾向が見える。
【健康と生きがい】
○ まずは、日常生活において、健康で生きがいを持って暮らすための環境が必要であり、そのためには、
「予防」という観点を考えてみる必要がある。
○ すべての市民が、地域社会の中で、孤立することなく、つながりを持ち日常生活や社会生活において
様々なことに主体的に取り組むことにより、生きがいを持ち、充実した生活を送ることができる地域
社会を実現していくことが、地域福祉実現のための重要な要素のひとつである。
○ 高齢化の進展とともに、健康で過ごすということに対する市民の関心も高い。市民の健康づくりの観
点からも、福祉との連携が大きな課題ともなっており、その基盤づくりを市としても整えておく必要
がある。
○ 年少人口が多く、子育て環境に対する評価も高いものがある一方で、個別課題には、ニーズも高く、
まちづくり全般として、子育て支援に取り組んでいく必要がある。
【市民生活】
○ 市全体としての住み良さについては、高い評価となっており、地域への愛着も高いものがある。ただし、
それぞれの分野への評価では、子どもがいきいきと育つための環境、良好な近隣関係で肯定的評価を得
る一方で、高齢者福祉サービス、障害福祉サービス、高齢者や障害者にとって暮らしやすい都市環境、
福祉施設や福祉事業所、市民の福祉活動、救急医療体制、防災・防犯体制では否定的評価に留まった。
○ 市民の日常生活の悩みとしては、
「健康」
「老後・高齢化」
「子どもの教育」
「収入など経済的なこと」を
挙げる人が多い。これについても、年齢・家族形態で差が現れる。
○ 市内から市外への鉄道網・道路網は整備されているが、道路のバリアフリー化・市内を循環する公共交
通網については、ニーズも高く、改善の余地がある。
○ 防災防犯は、地域での安全安心な生活を保障していくうえにおいても重要な課題。また、子どもの安全
面への関心の高まりが窺える。
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計画の基本理念と政策体系
1.香芝市がめざす 2015 年の地域福祉像
(1)香芝市における地域福祉計画策定の必要性
地域福祉計画は、平成12年の社会福祉法の改正で創設された制度であり、同法は平成15年より
施行されており、一定程度の年数が経過している中で、本市では、今回が初めての地域福祉計画の策
定となります。
その背景としては、本市においては、従来の成長拡大型を前提として都市化政策から、少子高齢化
を踏まえた都市としての人口減少を視野に入れた成熟型社会への転換をめざした政策が必要となっ
ていることが挙げられます。
また、「香芝市基本構想」では、まちの将来像を「笑顔と元気!! 住むなら かしば」として、みん
なが笑顔で、人もまちも元気であることにより、これからも「住み続けたい」「住んでみたい」と思える
まちとなることをめざしています。
このような、まちの将来像は、地域福祉計画における基本的理念と合致するものであり、本計画に
おいては、これを受けた形で市民生活の福祉向上のための、さらなら政策展開を網羅していくもので
す。
このような点を踏まえて、本市における「地域福祉計画」策定の必要性については、次の3点が挙げ
られます。
① 人口動向により多様化する福祉ニーズ
本市は、全国でも有数の人口増加を続けているまちです。特に、近年は、わが国全体の傾向と
は異なり、年少人口の増加が続いているという際だった特長があります。ただし、一方において、
人口の高齢化も着実に進んでいるという状況もあります。このように、本市では、年少人口と高
齢者人口の増加という状況にあり、市民の福祉ニーズも多種多様化しており、これに対応した総
合的な福祉政策の構築が必要となっています。
②厳しい財政状況も踏まえた新たなまちづくり政策の必要性
本市でも、非常に厳しい財政状況が続いています。福祉の各分野でも、それぞれの対象者が増
加しており、福祉にかかる経費も、年々、増加傾向にあります。また、本市の場合、人口増加に
対応して、各種の政策展開も必要であり、今後、これらのバランスをとった形で、市民の視点に
立って、新たなまちづくり政策の方向性を構築していくことが必要となっています。
③地方分権の進展と市民協働意識の高まり
これからのまちづくりには、行政だけが主導するのではなく、「市民参画」 「市民協働」が強く
求められることとなっています。今後、地方分権の歩みが一層、進捗することが予測され、その
中では、各地方自治体が自己決定・自己責任による自律した行財政運営が必要となってきます。
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特に、市民の生活の舞台である基礎自治体である市町村の役割は、一層、重要になってきます。
本市は、大阪都市圏のベッドタウンという性格が色濃くあったわけですが、いわゆる団塊の世代
の大量退職により、地域を中心とする生活に転換していく人も増えていくことが予測されます。し
たがって、今後、まちの総合的な活力を生み出していくためには、市内で多くの市民が様々な形で
活動していくことが必要であり、「地域福祉」の考え方は、その基本となるものです。
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(2)香芝市における地域福祉計画策定の意義と課題
香芝市が、地域福祉計画の策定によって、まちづくりや市民生活において、どのような意義がある
のか、解決するべき政策課題をどのように設定するのか、次の3つの観点を取り上げることとしまし
た。
① まちづくりの観点から見た地域福祉計画
∼福祉の視点を重視した新たなまちづくり、活性化と発展の方向性へ∼
香芝市は、大阪都市圏の近郊住宅都市として、人口増加を背景に、成長発展を続けてきましたが、
人口減少時代の本格化を考えたときに、この傾向は、今後、徐々に終息に向かっていくものである
との予測をしておかなければなりません。また、人口減少時代の到来とともに、人口の都心回帰現
象も起こりつつあると言われており、本市発展の「人口増加」という要素は、今後、不透明になりつ
つあります。
現在までの香芝市の人口増加は、「交通利便性」と「緑豊かな自然」という要素に支えられてきたと
いう面が強いわけですが、今後は、
「真の住み良さ」「日常生活の快適性」
「豊かさ」が求められ、
それによって、さらに、人を引きつけることのできる魅力あるまちへとなるのではないかと考えら
れます。
地域福祉計画に基づく取り組みを推進していくことによって、市民生活の質の向上を図り、人々
がいきいきと暮らし、それぞれの個性にあった能力を最大限に生かすことのできる環境づくりが、
都市の活性化につながっていくものであると考えられます。
現在の香芝市の特長として、子育て世代が多く集い、その政策への関心が高いという傾向がある
一方で、誰もが経験することになる老後に向けての不安を抱えている人も多くいます。人口増加と
いう際だった特長を持つ香芝市において、今後、この香芝の地を住む場所として選ばれた多くの市
民に対して、地域で安心して暮らす環境を提供することをめざす地域福祉政策の推進が極めて重要
となっています。
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② 地方自治を担う人づくりとしての地域福祉計画
∼市民協働・市民参画によるローカルガバナンスの実現∼
地方分権時代における地方自治体の政策推進のあり方としては、行政だけでなく、地域住民、企
業、NPOやボランティア団体、大学などの高等教育機関が様々な形で連携協働していくことが必
要です。
市民は公共サービスを受けるだけの役割からサービスの担い手の役割、行政はサービスを直接実
施するだけではなく、多様な主体の連携をとって進めていく役割が求められているのです。
このような変化を「ガバメント(政府)からガバナンス(協治)へ」と言われています。
地域福祉計画は、地域住民の参加が前提であり、まさに、このような変化は、地域福祉の理念と
一致するところです。
地域福祉計画の策定また計画の推進を通して、市民協働参画による福祉のまちづくりを実践して
いくことが、香芝市のローカルガバナンスを確立していくことにつながっていきます。
また、近隣関係の希薄化が言われている中、地域福祉という共通理念を実現することをめざすた
めの体制づくりが、新たな地域コミュニティの形成に結びついていくことになります。
香芝市の場合は、転入者が多く、また、大阪都市圏への通勤通学者が人口の多くを占めるという
性格を持っているわけですが、団塊の世代の大量退職により、市民の生活スタイルも変化を見せつ
つあります。地域福祉という理念を実現していくことによって、これらの世代が、香芝市のまちづ
くり活動に参加をしていくことが可能となってきます。
市民意識調査においても、住んでいる地域への愛着、住み良さという点では、高い評価となって
います。
これらの市民の力を今後、様々な形で、まちづくりに生かしていくことが、香芝市全体としての
新たなまちの活性化につなげていくものであると考えられます。その際のキーワードとなるのが、
「地域福祉」です。
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③ 市民ひとり一人の生活を重視した地域福祉計画
∼ノーマライゼーション、ソーシャルインクルージョンの考え方を踏まえた市民の元気づくり∼
地域福祉の推進には、様々な側面がありますが、その取り組みの結果として、市民誰もが、地域
社会の中で、元気にいきいきと暮らすことのできる環境が整っていかなければなりません。そのた
めには、市民の日常生活における様々な福祉課題が解決されていく必要があります。
福祉の対象としては、経済的には、必ずしも困窮していなくても、日々の暮らしの中で、様々な
課題を抱えている人が多くおられます。地域福祉において、求められる要素のひとつとして、これ
らの人たちを早期に発見し、課題として取り上げ、解決につなげていく仕組みづくりが挙げられま
す。
つまり、要援護状態にある人々を主たる対象とする具体的な福祉サービスとは異なり、要援護状
態ではない市民を対象に各種活動を行うことによって、問題発生の予防と生活の向上を図っていく
ということです。特に、今後のさらなる高齢化の進展という状況を考えたときに、介護予防の観点
も重視していかなければなりません。
地域社会の中での人々の暮らしに焦点をあてた時、その基本理念となる考え方として、「ノーマ
ライゼーション」と「ソーシャルインクルージョン」が挙げられます。「ノーマライゼーション」は、
障害のある人が、障害のない人と同じように、普通の生活をすることができるような社会をつくろ
うという考え方のことで、わが国では、地域福祉の思想や在宅福祉の考え方などとも関連して、生
活に課題を抱える多くの人を対象として、社会福祉の基本理念となっています。また「ソーシャル
インクルージョン」は、すべての人を包みこむ社会、すべての人々を孤独や孤立、排除や摩擦から
援護し、健康で文化的な生活の実現につなげるよう、社会の構成員として包み支え合う」という理
念です。
このような基本理念を踏まえて、地域社会という生活の場における市民の暮らしの質を高め、市
民が元気であり続けることのできるまちを「地域福祉計画」において、実現していくことをめざして
いきます。
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(3)香芝市地域福祉計画における政策目標
地域福祉計画における意義と課題を踏まえて、3 点の政策課題と5つの政策目標を設定します。
① 政策課題
◎ 「福祉環境」の整った、すべての市民にとっての住みよさ・暮らしやすさの実現
◎ 市民参画・協働が進み、真の市民自治・住民自治の実現
◎ 誰もが地域社会の一員として尊重され、いきいきと暮らす社会の実現
② 政策目標
◎ 日常生活において、市民の持つ様々な福祉ニーズや生活課題に対して、地域住民の支え合
い・助け合いの中で、これらを見つけ出し、総合的・専門的・一元的に支援・援助するこ
とのできる態勢をめざします。
◎ 多くの市民が、様々な形で、ボランティア活動・市民活動・地域活動に参加し、市民が様々
な形でまちづくりに関与している状態をめざします。
◎ すべての市民が、家に閉じこもることがないように、外出しやすい環境の整備、外出する
ことの障害が除去されることをめざします。
◎ 市民が、病気や介護状態になることを予防し、元気でいきいきと暮らすことのできる環境
づくりにより、健康寿命の延伸をめざします。
◎ 子育てのしやすいまち、子どもたちが心身ともに健やかに育つ環境づくりをめざします。
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2.香芝市地域福祉計画の基本理念
市民の誰もが住み慣れた地域で安心して、生涯を元気でいきいきと暮らし続けていくことを望んで
います。すべての市民が安心して充実した生活を送り、健康でいきいきと暮らすことができる地域社
会をつくっていくことが、地域福祉の基本的な目標です。
地域福祉計画の対象は、特定の市民ではなく、すべての市民です。誰もが、地域住民の支え合いと
助け合いにより、地域社会の中で、孤立することのない社会が理想です。そして、市民ひとりひとり
の人権が尊重され、自己の意思に基づき、住み慣れた家庭と地域で生きがいを実感でき、地域に誇り
と愛着をもって、住みたい、住み続けたいと心から思える福祉の先進都市を、地域福祉計画の中でめ
ざします。
地域福祉が目標とする福祉社会の実現は、人権尊重とソーシャルインクルージョンの理念に基づき、
ひとりひとりの生涯にわたる生活を総合的に支える仕組みを、住民の主体的な参加を基盤として、地
域において、公私協働の実践を通じて創っていくところにあります。
そして、そのためには、多くの市民が地域福祉実現のために、何らかの形で関わっていくことが極
めて重要になってきます。
このような、地域福祉に関する基本的な目標の実現を先に見た香芝市の政策課題・政策目標を達成
するため、香芝市地域福祉計画では、基本理念を次のとおりとします。
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3.香芝市地域福祉計画の基本目標
「香芝市地域福祉計画」では、基本理念「
」を実現するため、次の4つの基本目標を定めました。
この4つの基本目標別に、具体的な施策を位置づけ、地域福祉実現のために様々な取り組みを進めて
いきます。
地域福祉実現のための4つの基本目標
1.市民に質の高い福祉サービスの提供
2.市民参画・協働による福祉コミュニティづくり
3.快適で安心して暮らすことのできる都市環境の形成
4.市民の健康と生きがいづくりの推進
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(1)市民に質の高い福祉サービスの提供
(現状と課題)
本市では、人口増加が進む一方で、高齢化も着実に進展しています。さらには、年少人口も増加
しており、市民意識調査の結果からも、市民の福祉ニーズは多種多様となっていると言うことがで
きます。これらの福祉サービスを必要とする人のニーズを確実に把握し、利用者主体の方針で、個々
人の状況・対応に応じた形で、福祉サービスを提供していくことが求められています。
(基本方針)
福祉サービスを必要とする人が、安心して福祉サービスを選択できるよう、情報提供や相談・権
利擁護事業の充実など、利用者本位のサービスの実現に向けた仕組みづくりに取り組み、市民ひと
りひとりの暮らしにあった質の高い福祉サービスを総合的に提供していくことをめざしていきま
す。
また、市民のさまざまな福祉課題を把握していく中で、ひとつひとつの課題への対応はもとより、
課題を集約・分析する中で、課題を普遍化し、新たなサービスにつなげる仕組みについての構築を
めざしていきます。
(基本方針に基づく達成目標)
市民の日常生活の中から、福祉課題・福祉ニーズを発見し、これに対して総合的・専門的に対
応することのできる態勢を構築していくことをめざします。
(主な取り組みの柱)
◇ 安心して、福祉サービスが利用できる仕組みづくり
◇ 福祉ニーズへの総合的・専門的な対応とケアマネジメントの仕組みづくり
◇ あらゆる虐待の防止と権利擁護の推進
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(2)市民参画・協働による福祉コミュニティづくり
(現状と課題)
本市では、人口増加が続き、急激な都市化の進展という状況もあり、それに加えて、核家族化、少
子高齢化などにより、住民同士の交流や助け合いが少なくなり、子育て、福祉、介護、健康、安全な
ど、これまで住民同士が助け合って解決してきた問題が、今では地域の中で解決できなくなっている
ような状況もあります。核家族化・単身化へと家族の構成が変化する中で、これまで家族が担ってき
た子育てや介護などの機能を、もはや家族だけでは、担うことができなくなってきています。一方、
地域コミュニティの希薄化により、住民の連帯感や自治意識が低下しているといった状況も見られま
す。地域福祉の必要性の背景には、社会的孤立の問題があります。このため、従来から地域を担って
いる自治会などに加え、近年増えているボランティアや NPO 活動など 、地域の課題を地域で解決で
きる新しいコミュニティを構築していくことが必要となっています。
(基本方針)
市民の協働と参画を促進し、地域福祉の担い手を育成していくことが、福祉問題の解決の主体者と
しての住民意識の向上、近隣関係の回復などの社会的孤立や孤独の防止、住民相互の連帯意識の強化
につながります。多くの市民の地域活動への参加を促し、地域での新たな関係づくりや多様な福祉ニ
ーズに対応できる人材の確保・育成に取り組み、みんなでつくる支えあいのまちづくりによる地域ケ
アシステムづくりをめざします。
(基本方針に基づく達成目標)
地域福祉推進のための人材の育成と地域福祉活動を行う人への支援により、多くの人が地域福活動
に参加していく福祉コミュニティの形成をめざしていきます。
(主な取り組みの柱)
◇ 地域福祉活動団体との連携
◇ 地域福祉を担う人材の育成と活用
◇ 市民の福祉と人権意識の高揚
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(3)快適で安心して暮らすことのできる都市環境の形成
(現状と課題)
今後、本市においても、益々、高齢化が進展することが予測されていますが、それとともに、年
少人口も多く、子ども連れの保護者なども含めて、市民誰もが、市内での快適で安心な生活環境を
構築していくために、様々な面でバリアを意識することのないまちづくり、つまり、安心して外出
できる環境づくりが必要です。
市民意識調査の結果では、全体としての住み良さでは、肯定的評価が高いものの、個別の課題で
は、多くの不満も見られます。例えば、「既成市街地での道路整備」「道路のバリアフリー」「市内で
の公共交通網の整備」等については、重点的に取り組んでいくべき項目となっていますし、「防災」
「防犯」などの安全面にも、市民の関心の高さが伺われる結果となっています。
地域社会において、安全で快適な生活環境が形成されていることが、地域福祉実現のためにも極
めて重要な要素です。
(基本方針)
多くの人が利用する建築物、道路、公園等の公共施設が、すべての市民が利用しやすいものとな
るよう、バリアフリー化・ユニバーサル・デザインの考え方に立って整備を進めるとともに、公共
交通網の充実等により、市民が外出しやすい環境を整えます。また、災害時の不安の解消、防犯対
策など、市民の誰もが、安心していきいきと暮らすことのできる環境づくり、福祉の観点を取り入
れたまちづくりに取り組みます。
(基本方針に基づく達成目標)
すべての市民が安全で安心して暮らすことのできる「福祉のまちづくり」をめざします。
(主な取り組みの柱)
◇ すべての市民が安心して外出できる環境づくり
◇ 市民生活の安全安心の向上
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(4)市民の健康と生きがいづくりの推進
(現状と課題)
市民が、心身ともに充実して、いきいきと暮らすためには、様々な生きがいや目標などを持つこと
が非常に大切であり、いわゆる要援護者とならないための予防的福祉の考え方が極めて重要です。
市民ひとりひとりが、身体と心の健康を保ち続けることが、地域福祉を支える基盤となります。
地域住民個々の自己実現のために、「生きがい」活動の支援が重要課題となってきます。高齢期の「生
きがい」活動は、自己実現だけでなく、「介護予防」からも重要な意味を持つことになりますし、障害
を持つ人にとっても、地域において孤立することなく、様々な社会参加の機会が得られるなど、生き
がい活動が果たす意義は大きいものがあります。
また、近年、食生活の変化や運動不足などを背景として、悪性新生物や脳血管疾患、心疾患、糖尿
病などの生活習慣病が増加し、市民の健康を脅かしています。さらには、我が国全体で自殺者の増加
が社会問題となるなど、「心の健康」についての対応も重要な課題です。
(基本方針)
市民が生涯を元気でいきいきと、そして、より自分らしく過ごしていくために、「生涯学習」「保健」
「健康づくり」「医療」などとの連携の基、幅広い分野における政策を展開していきます。
市民誰もが、地域でいきいきと暮らし続けていくために、地域社会と関わりを持ち続けることによ
り、市民の健康保持と生きがいづくりを推進していきます。
健康づくり、保健サービスの拠点となる保健センターの建設促進を図るとともに、市民が積極的に
自ら健康保持に取り組むことのできる環境づくりに取り組みます。
(基本方針に基づく達成目標)
「予防的福祉サービス」の観点に立って、市民が健康でいきいきと暮らすことのできる社会づくりを
めざします。
(主な取り組みの柱)
◇ 市民の生きがいづくりの推進
◇ 市民の健康づくりの推進
◇ 安心して子育て・子育ちのできるまち
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地域福祉計画体系図(施策と地域福祉活動)
基本理念
基本目標
施策
具体的取り組み
市内での安定的な福祉サービスの提供
安心して福祉サービスが利用できる
仕組みづくり
地域密着型サービスの展開
市民にわかりやすい福祉情報の提供
市民へ質の高い福祉サービスの提供
福祉ニーズへの総合的・専門的な対
応とケアマネジメントの仕組みづくり
福祉ニーズに対する総合相談体制の構築
地域の福祉課題を発見する仕組みづくり
あらゆる虐待の防止と権利擁護の推
進
あらゆる虐待の防止
権利擁護の推進
地域福祉推進委員会による地域の福祉活動
地域福祉活動団体との連携
民生児童委員の活動支援
福祉当事者団体への支援
市民協働参画による福祉コミュニティ
の形成
市民活動団体・ボランティアの育成・養成
地域福祉を担う人材の育成と活用
協働事業の推進
地域住民の交流の促進
市民の福祉と人権意識の高揚
基
本
理
念
学校教育の場での福祉教育の推進
市民への福祉に関する意識啓発
すべての市民が安心して外出できる
環境づくり
バリアフリー・ユニバーサルデザインのまちづく
り
交通弱者に配慮した市内交通体系の確立
快適で安心して暮らすことのできる都
市環境の形成
災害時要援護者対策の推進
市民生活の安全安心の向上
地域ぐるみの防犯活動・交通安全対策の推進
市民が憩い集う場の確保
市民の生きがいづくりの推進
市民の就労支援
介護予防事業の推進
生涯にわたる健康づくりサービスの展開
市民の健康と生きがいづくりの推進
市民の健康づくりの推進
地域医療との連携
障害の早期発見、早期療養
保育サービスの充実
安心して子育て・子育ちのできるまち
地域ぐるみの子育て支援の充実
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