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56 国外諸都市交流事業(PDF文書)
実施日 平成21年11月23日(祝・月) 事 業 56 国外諸都市交流事業 担当課:観光交流課 コーディネーター:上久保 仕分け人 山内(敬)、今村、森田、熊野、岡崎 内 容 ~質疑応答~ C:事業の自己評価のところで、海外へのプロモーションには行政関係者が多いとのことだ が、何割ぐらいが行政関係者か。 市:訪問団の数で言うと、約半分ぐらいは行政関係者になると思う。 C:かなり役所関係者が多いとのことだが、目的をみれば、基本的には奈良市民向けだと思 う。行政職員のためになっているのではないかと若干感じられる。これから、どうやっ て市民レベルでの交流を進めようと考えているか。 市:訪問団の方が、市役所に来たい、市長に訪問したいという方を対象に統計をとっている ので、どうしても行政関係者の多い数値になっている。民間レベルでの交流も、もちろ んしておられるが、市役所では把握できていないものも多くあると思う。課で把握して いる数字は、行政関係者が多くなっている。 C:実際、事業費の内訳をみていると、補助金や負担金がほとんどで、こういう事業をして いるという実態が見えてこない。文化交流などの事業をいろいろやっていると思うが、 そういう事業は、観光交流課の方でやっているのか。 市:昨年に関しては、キャンベラ市から姉妹都市締結15周年だったので、なら100年会 館大ホールにおいて3団体による吹奏楽団のコンサートを開催した。市民公募の海外へ の訪問団を派遣している。昨年は中国揚州市へ行った。今年度は、トレド、ベルサイユ への文化交流の旅として派遣を、また、奈良の夏に行っている「なら燈花会」を市民が、 西安市と揚州市で実施して交流を図った。 D:これは、観光交流課における国外諸都市との交流事業だが、市役所内部で、他に国際的 な交流をやっている部署はあるのか。 市:友好姉妹都市スポーツ交流経費として、文化・スポーツ振興課において、西安市、慶州 市と共に実施している事業がある。また以前、ALTをJETプログラムによらず実施 したことがあり、キャンベラ市、トレド市からの招致を教育委員会で実施した事業もあ る。たまたま、観光交流課で、国際交流も一緒にしているので、他の部署でも実施して いる。 D:先程説明のあった国際交流事業の約 3,400 万円の予算はあくまでも、観光交流課だけの ものか。他の部署で実施している交流事業を全部あわせると、いくらぐらいの予算にな るのか。スポーツ交流、ALTなど、国際交流事業として、奈良市と国外諸都市との交 流は、大人から子供まで対象に関わらず、総額いくらの予算を計上しているのか。 市:総枠を把握していないが、スポーツ交流経費は、約3千万円と聞いている。 D:観光交流課として所管している経費は 3,400 万円だが、本来は、事業仕分けは、他部署 とのオーバーラップ、重なりあっている部分は選択と集中を行い、限られたコストで最 1 大の効果を得るために実施しているので、今後は、事業シートの参考資料として、奈良 市全体の国際交流事業コストを掲載し、議論を行って欲しいと要望する。 E:韓国語通訳の配置について 235 万円の経費があるが、英語を喋る職員はおられると思う が、他の言語にはどう対応しているのか。 市:中国語や英語については職員が行っており、本当に困っているのは韓国語であったので、 韓国語の通訳を採用している。 E:日韓の親善協会などに、その都度、依頼する方法もあるが、嘱託でお願いしているのは、 件数が多いためだと思う。その数はどうなっているか。 市:韓国から来られた訪問団の数は、平成19年度11団、平成20年度6団、平成21年 度5団である。1つの団体が来るたびに、約1ヶ月前からスケジュールの調整等、電話 でのやりとりが必要である。また、韓国から修学旅行で奈良市に来られた際、市内の学 校を訪問することがある。その時に、この通訳が、事前の調整や当日の随行などをして いる。 E:この通訳の実働は、週どの程度か、その都度か。 市:週4日来てもらっている。 A:海外からの来訪者に対する記念品は、1回あたり、どの程度のものか。 市:年間約60団体の訪問があり、人数は、1団体2~3人から、1団体 100 人の場合もあ る。当然 100 人の場合は、もちろん単価の安いものをお渡ししている。 D:民間レベルでの国際交流については、補助金を交付している各団体の活動を中心にパワ ーアップを図っていきたいと考えておられると思う。それぞれ各協会の本部や事務局を かまえている場所は、どこにあるのか。 市:奈良市国際交流協会は、市職員が事務局を兼ねており、課長が事務局長である。奈良市 国際交流ボランティア協会は、市内井上町にあり、市の公の施設である「ならまち振興 館」内に、行政財産の目的外使用許可を受けて事務局を構えている。 D:どこの自治体でも姉妹都市交流をしているが、民への広がりが出てこない。そのために、 コンサートなどをするなど、様々な試みを実施している。本来の交流のあり方を考える と、海外から来られたが、それぞれの情報を相互に交換できる総合的な窓口案内として、 センターを構えていくことが、民の力を活用することに、また民の力を活用しやすくす ると思う。また環境を整えることが、市の役割として必要だと思う。市役所のなかに事 務局長がいるわけだが、できるだけ事務的な機能にとどめ、全て開放的にやるというこ とで検討されたい。奈良市の場合は、国際文化観光都市であると標榜しているので、ぜ ひその見本を示して欲しいと思う。 市:市には、民間団体やNPO団体が多くあり、有機的な連携を図っている。観光都市であ るので、いろんな言語に対応するために、その能力を持った方に観光案内所等に詰めて いただいている。また、大きなイベントを開催する際には、巻き込んでいる。特定の国 と友好提携されている団体、例えば、日中友好協会、日本インドネシア友好協会奈良、 日独協会等とは、日頃から密接な連携を図って、民間ボランティア活動を繰り返し、奈 良市のもてなしの心、相互理解の促進ということで取り組んでいる。 2 コ:国外諸都市交流事業は、観光交流課としては、どういうレベルを求めているものなのか。 市:奈良市には、 「奈良国際文化観光都市建設法」という、市民が大多数をもって批准した 法律がある。国際化に生きる町として、来年、平城遷都 1300 年を迎えるにあたり、こ れを機会として、知名度を高めたいということ、団塊の世代の生き甲斐のあるまちづく りを進めるため、いろんな国との交流を密接にしたいと思っている。例えば、中国の揚 州市は、鑑真和上のふるさとである。そこから友好都市として手を結びたいと、胡錦涛 氏が来られた時に、100 名以上の市民を連れて、熱き思いを伝えられた。また、国内に おいても交流を進めている。8世紀の当時の奈良を見つめ直すなかで、外から内から、 奈良をよく見つめ直す機会としたい。そこから、自分たちのまちを愛する気持ちや誇り、 アイデンティティが深まり、自分たちのまちを愛する市民が生まれてくるのだと思う。 コ:奈良は、ポテンシャルの高いまちであるという認識は持っている。ただ、それを政策と して市が行っていくべきなのか、観光としては、外からのお客を呼び込むというのが1 つの使命である。海外から来たお客が、快適に過ごせる環境をつくるのが、観光交流課 の使命ではないかと思う。それが、今の事業でみると、国際交流として、外に出て行く という事業が非常に多いと思う。もう少し内なる国際化というか、観光客が、普通に道 を行き交う市民と交流ができる土壌をつくるというのが、本来、観光交流課がやる事業 だと私は思う。そのことは、どう思うか。 市:確かに、インバウンドという意味での働きかけは、いろいろしている。また、海外に出 て行くという意味では、充分な予算がつかない制約のなかでやっている。市民の自発的 な意思を尊重しながらPRしている。国際交流協会が、今回実施したように、トレド・ ベルサイユに行って、市民のみなさんの写真やスケッチをしてもらい、それを奈良市で 紹介してもらう。同時に、トレドやベルサイユの画家たちの作品を、奈良市で展示する という双方向的な交流を進めていきたい。基本的には市民ありきで、市民を重視した交 流を進めるという大前提で、これからも進めていきたい。 コ:今のトレド・ベルサイユの事業は民間の力でできると思う。民間の力でできないところ を市でやるべきで、逆に観光交流課としては、外から来られる外国人の方に、どうおも てなしするか。そこをどう強化するか。その点が欠けているのではないか、というのが 私の思いである。また、国際交流協会の事務局を観光交流課でやっているが、これも、 市がやって良いか、もう少し民間の力を生かし、民間の国際交流協会などがあるのであ れば力を結集して、市が1つの力にする。という方法もあるのではないかと思う。 市:インバウンド関連の事業費、各団体への活動事業費は、別の予算があるので申し添えて おく。 ~評価~ 市(民間委託を拡充・市民参画・協働を進める)2人+1人(コーディネーター含む) 市実施(要改善)2人 市実施(現行どおり)1人 班の結果は、市(民間委託を拡充・市民参画・協働を進める)となった。 B:あまり申しあげることはないのだが、他の仕分け人が、効果の見えない成果のあがらな い補助事業は、いかがなものかとおしゃっていたが、私も、記念品をつくったり、小さ 3 なお金を運用したりしているので、廃止しても問題はないかと思う。事業を廃止したと きの影響についても、市民生活に直接影響は少ないと思われるとのことなので、基本的 には、一度、事業を中断し、もう少し他の事業との整理ができないかと思い、市実施(民 間委託を拡充、市民参画・協働を進める)に仕分けした。 A:記念品についてお伺いしたが、予算を切るわけにはいかないと思う。お土産、記念品を 渡すことは、人間として当然のことだと思う。海外から来ていただいた方に、奈良市民 としても、奈良のことを良く思っていただきたい。予算を減らすということよりも、今 は、ムダということも、韓国語の通訳の配置についても、説得力のある説明を聞いて理 解した。海外から来られた方に、奈良のことを良い印象をもって帰っていただけるよう に、日々、頑張っていただきたいと思う。 コ:奈良は、国際化に非常にポテンシャルがあるところで、そこを推進していくのは、市で はなく市民だと思う。市民の力をうまく活用して、担えない部分を市がサポートすると いう仕組みにしていくべきだと思う。市が、一生懸命引っ張っていっている間は、なか なか市民がついていかない。主役は、市民とすべきであって、そこを観光交流課として、 どう支えていくかということだと思う。市民との協働が大事だと思うので、この結論と させていただいた。 4