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まされる目(脳)について
だ まされる目(脳)について め のう アニメーションとは い か どう さ かたち れん ぞく てき へん か え にん ぎょう さつ えい アニメーション(以下アニメ)とは、動作や形が連続的に変化している絵や人形を、一コマずつ撮影 えい しゃ ほう ほう うご み して映写する方法で、 なめらかに動いているように見えます。 うご じっ けん かく にん ほう がん アニメが動くようすは、 かんたんな実験で確認できます。 まず、方眼ノー よう い ほう ちょっ けい つぎ トを用意してはしっこの方に、直径2㎜くらいの●を書きます。次に、 ペー こん ど すこ した か つぎ ジをめくり、今度は●をほんの少し下に書きます。 さらに次のページは、 まえ した か 前のページよりもさらに下に●を書きます。 これを20∼30ページくりか か お えして書き、 できあがったら、 パラパラとめくります。 すると、 ●が落ちてくる ように動いて見えるはずです。 じっ さい うご げん り おな 実際のアニメが動くのも、原理はこれと同じです。 びょう かん まい ぜん ご え うご え アニメでは1秒間に20枚前後の絵が動くように絵 つく びょう かん まい ぷん が作られています。 1秒間に20枚だと、20分のアニ が ひつ よう え かず まい メーションに必要な絵の数は24,000枚になるので、 はい けい か たい へん 背景まで書いていると大変です。 そこで、 とうめいな うご もの か が はい けい え かさ シートに動かす物を書いて(セル画)、背景の絵に重 しゃ しん はい けい ほう ほう つく ね、写真をとる方法で作られています。 め のう だまされやすい目(脳) じっ さい うご え れん ぞく てき うご かん にん げん め のう ざん ぞう 実際には動いていない絵を、連続的にみると動いているように感じるのは、人間の目と脳に 「残像」 げん しょう お ざん ぞう ひかり み ひかり き あと み という現象が起こるからです。残像というのは、光を見たときに、 その光が消えた後も、 それまで見て ひかり のこ み げん しょう め のう かん え き おく じ どう てき いた光がしばらく残って見えるような現象のことです。 目と脳はそのしゅん間の絵を記憶して、 自動的 いま み え つぎ え と ちゅう うご そう ぞう に今見た絵と次の絵がなめらかにつながるように、途中の動きを想像しているのです。 め のう そう ぞう しめ じっ けん さん かっ けい 目や脳が、 ないものを想像していることを示す、 かんたんな実験に、 「カニッツァの三角形」 がありま がた せい さん かっ けい へん いち ぶ くろ か み す。 3つのおうぎ形と、正三角形の辺の一部が黒いインクで書かれています。 これを見ると、 どうでしょ じっ さい か しろ さん かっ けい み のう か う? おそらく、実際には書いていない白い三角形がくっきりとうかんで見えているでしょう。脳が、過 こ けい けん もと しろ さん かっ けい み はん だん 去の経験に基づいて、 「ここには白い三角形があるから、 こう見えているんだ」 と判断しているのです。 め のう じっ さい はたら このように、 目と脳には、実際にはないものでもそれをおぎなおうとする働きがあるのです。 さん かっ けい み ぼう ず み カニッツァの三角形 (パンダに見えるか、てるてる坊主に見えるかは、 りんかくしだい。) スリットアニメのつくりかた つぎ つく せつ めい 次に、 スリットアニメのしくみと作りかたについて説明をしましょう。 れん ぞく すう まい が ぞう よう い まい すう あ も よう ① 連続した数枚の画像を用意し、枚数に合ったしま模様をつくる。 まい れん ぞく が ぞう つか ば あい ま くろ せん 6枚の連続画像を使う場合には、 すき間のはばを1,黒線のはば くろ せん ま を5とします。 これで、 6コマのうち、黒線で5コマがかくれて、 すき間 み (スリット) からは1コマしか見えなくなります。 5 まい が ぞう じゅん ばん ② 6枚の画像を順番にならべる。 1 が ぞう ③ それぞれの画像を、 スリットはば(1コマ)のしまにする。 すこ せつ めい せつ めい れん ぞく え おな 少し説明がむずかしくなるので、 コマを3つにして説明しましょう。 まず、 3つの連続した絵を同じ い ち 位置におきます。そして、 コ A ぶん マが3つですから、 2コマ分 くろ ぶん ま が黒、 1コマ分がすき間の スリットをつくり、 このスリッ うま トを1コマずつずらして馬の え の つぎ 絵に乗せます。次に、 スリッ B ま み トのすき間から見えている + ぶ ぶん き だ 部分だけを切り出してみる ず みぎ と、図の右のA∼Cのような も よう うま しま模様の馬ができます。 C も よう うま かさ このしま模様の馬を重ね ると、Dになります。 このDに + かさ スリットを重ねると、 2コマ ぶん = 分はかくれるので、A∼Cの み いずれか1つが見えるよう になります。 D うま はし かた あか あお 馬の走り方は赤→青→ みどり うご 緑になるので、 スリットの動 かた ひだり みぎ はん たい みぎ ひだり うご かし方は左から右になります。 もし、反対にスリットを右から左へ動かす うま うし む うご み と、馬は後ろ向きで動いているように見えてしまいます。 〔本書の無断複製(コピー)・再配布を禁じます。〕 Copyright © 2012 AD-SCIENCE All Rights Reserved.