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検討会議の概要(PDF:303KB)
「林業の星」ステップアップ制度検討委員会(第 2 回) 1 日 時 平成26年9月22日(月)午後1時30分から3時30分まで 2 場 所 ルビノ京都堀川 3 要約 会議室「嵯峨」 内 容 (1)報告事項(事務局) 第1回検討委員会の議事概要と検討のまとめについて(事務局説明) (2)検討事項 【論点1 ステップアップ研修制度はどうあるべきか】 <主な意見> ○緑の雇用制度は、資格取得はフォレストワーカー3年間で、ほとんど取得でき助か っている。研修内容ではもう少し知識面で、コスト面や、木材の仕分け方などを教 育して頂きたい。具体的には市場へ出す用材の選木の仕方など。 ○緑の雇用制度では、集合研修で研修生同士の交流(技術・意見)の中で勉強になる。 木材の仕分け作業の教え方は難しい。それを机上で勉強するのも難しい。緑の雇用 の研修にプラスαのステップアップ研修で、スキルアップさせていくべき。 ○緑の雇用を活用すれば人材が育つ。これまで緑の雇用制度に取り組まれない事業体 であっても、さらにより良い制度が出来ればもっと育成できる。 ○緑の雇用のステップアップのイメージは、第1段階は最初 3 年間で安全に作業する という事を身につける。その後 5 年目以降・10 年目以降のフォレストリーダー・ フォレストマネージャー研修でステップアップを図ること。 ○緑の雇用というのは林業の仕事を安全に体系的に学べるという仕組みが段階に応 じて作られており、それに対して支援もなされている。林業の星では、前向きに自 分たちが資格を取得して、次のステップにいきたいという、そういう気持ちを起こ させるような資格体系を作りたい。 ○林業の星では、社会的にも認知され、評価されるという前提と、待遇面でもそれが 評価されて反映されるのが、その上昇志向を支える。いろんな研修を組み合わせて 研修体系に組み入れ、国が用意している緑の雇用制度を活かしながら、資格を取る 形がイメージ。 ○その資格を取って、一体何がメリットなのかというのをはっきりしなければならな い。制度を作るのに合わせ、資格を認定された人がいれば、どういう事が実現出来 るようになるのかという仕組みを一緒に作るべき。 【論点2 技能を客観的に評価する資格制度はどうあるべきか(資格制度の仕組み)】 <主な意見> ○林業の星の制度では、担い手の技術を客観的に判断し、そのレベルに応じて各級に 認定するというシステムを作ってほしい。たとえば、「3級」は刈払いとチェーン ソーの技術レベルが高い人間。 「2級」は現場を全部把握出来る人。 「1級」はその 総括を全部見る事の出来る人。 なおかつ、指導者になれる人というのをいれてほしい。まず「林業の星」の各級を 認定できる人の階級を作る必要がある。 ○これまでの資格は運転免許のようなもの。資格を数多く持っている事は、幅広い仕 事が出来るという意味で、評価の対象になる。林業という仕事は、文章や物で書い て教える事が難しい。また、それを評価するのも難しい。資格試験では、それまで 担い手が実践してきた木の伐採本数、現場の数といった数値化することが必要。 例えば、3級ならこれまで何本木を切った、何時間機械を操作したというもの。上 位級では、一つの現場を何人使って完了させたか、現場をいくつ経験したか、規模 が大きくなっているか。そういうことを見れば、客観的に評価を出来るのではない か。 ○資格受験に際して、本人の申請書段階で、その人がどれだけの実務経験があるのか を報告。それから審査を行う。このように 2 段階に分けて、資格を判断すべき。 ○林業の星ではどういった人材育成が必要で、そのための研修制度・資格制度をどう したらよいか、といった考え方を示し、そのための研修項目を洗い出し、これは必 須、これは選択、といった具体的な議論をしていくことが必要。 ○資格検定試験の合格ラインをどこにもっていくかという点が非常に難しい。 ○林業の星制度と緑の雇用制度とどう違うのか、その違いを打ち出していく。 一つは研修、もう一つは資格付与。このステップアップ研修を受けて、修了するこ とが即資格を取得することになるのか。あるいは、ステップアップ研修はそれで一 つのしくみとして考え、一方、資格付与について、ステップアップ研修を修了して いなくても、受験は出来るのか。この二つを繋げるのか、別物にするのか、そこを 考える必要がある。 ○ステップアップ研修について、第1段階は基礎的な知識・技術の習得。2段階目は、 実技・実務への応用。出来れば、演習の場を設けて頂きたい。やはり、どれだけの ケースを、研修の中で体験するのかが実際に役立つスキル習得につながる。あるい は他人との交流の中で、学習していく事にも役立つ。 ○資格付与については、現存している公的資格を持っているかどうかは、一つの判断 基準にいれても良い。ただ、この資格の中にも軽重がある。それぞれの資格をポイ ント化し、AグループBグループとに分け、その中からAは必須・重要資格、Bは 選択といった形。 ○自動車の運転免許は更新があり、一度とったら黙っていても一生持っていられる、 というものでない。今回の資格をどのように考えるか整理が必要 ○例えば、運転免許証を持っているから、運転技術が高度という訳ではない。一般的 な形で認知された1つのレベル、というだけで、実際は現場に出さないとわからな い。 ○3級の項目に「3年未満」とあるが「3年以上」が望ましい。緑の雇用の制度も3 年間でフォレストワーカーが終了。3年経った所で一通りの事が一定レベルできる。 3年を経験し技術的にも思考にも癖がつくことが多い。それを一度修正するという、 基本的な確認が3級のイメージ。 ○2級は5年以上ということになるが、これは指導が出来るかどうか。そして、言葉 に出来るかどうか。自分の作業について、何故これを選択し、どうしてこの方法で 切ったかということを言葉に出来るかどうかというのが指導においては重要で、資 格取得必要項目にいれるべき。 ○1級は経営的な面も入ってくる。間伐に入る現場で、伐出技術の他に造林の知識も 必要になる。間伐した後の山がどうなるかという知識や、複数の現場を掛け持つな ら、コストなどの知識も必要。 ○資格の1級について、指導・現場管理・監督などのマネージメント要素を含まれて いる。実際マイスターという意味では、そういった事は出来ないが、腕は良い、と いうタイプもいる。そういったタイプを1級の中で分けていくのか、それとも指 導・管理要素は当然必要だという考え方で一本化していくのか。 ○現場で1番頭を悩ますのは、仕事の段取りを組める人かどうかということ。木を切 れる人は班の中にいるけれども、今ある林業機械を駆使して木を出す、という流れ の段取りを組める人が必要。 ○木を切れる、オペレーターを3級、その全体の流れをみて効率よく動けるのは2級、 コスト面等々を含めて振り分けが出来るのが1級。こなした現場の数が重要になっ てくる。同じ現場というのは一切無い。同じ現場でも木は違ってき、その時の状況 も変わる。5年後10年後に同じ現場に入っても同じように作業はできない。場を こなすことによって、臨機応変さが身につく。そういった事も資格制度に含めてほ しい。 ○客観的に評価される資格を持っている者を班長に指名すれば皆も納得しやすい。班 長は、手当があり、実際所得が増える。資格を取得するメリットにりモチベーショ ンにつながる。 【論点3 資格付与の手法はどうあるべきか】 <主な意見> ○長野県林業大学校の学生の指向は、現場が3分の1。業界の管理側に立つような立 場の方が3分の1。森林総合監理士等公務員あるいはコンサル系を志望する者が3 分の1。現場志向の中には、現場で技術を学んでからプランナーやフォレスター的 な方面に進みたいという学生もいる。 ○現場指向の学生の中でオペレーターがしたいのかチェンソーがしたいのかは明確 には分からない。最初にチェーンソーから入る者もいるし、フォワーダなどの機械 から入る者もいる。チェーンソーか林業機械かというより、現場で働きたいという 感じ。 ○施業プランナー、フォレスター、林業技士、技術士は林業界のなかではある程度名 前を知られている。現場の人間の呼称はない。林業には本当に技術が必要で、高い 能力のある人たちをみんなで応援してあげたくなるような名称が欲しい。若い学生 達が目指すような名称が林業の星制度で出てくればよい。 ○京都の場合も技術者をしたいのは、3分の1から4分の1ぐらい。大学校の2年間 ではまだ高校出てすぐの18、19、20才には自分の一生の仕事は決められない。 2年生の秋に、個人の適性をもう一度見つめ直すキャップストーン研修中。林業仕 事も細分化しておりそれぞれが異なる。資格制度ではある世界には当てはまるが、 ちょっと離れたマネージャー系には違うとなったら、その人らに対しても何か保護 策がいる。 ○林業の星では、林業の仕事の中身に応じてうまくカバーできる、それがまたいろん なメリットがあるというようなものが見えるようにするべき。 ○学生がその仕事についてからどれだけ一所懸命になるかというあたり、我々学校と しては、森林の価値、すばらしさ、おもしろさを最大限経験させている。 ○林業はヘッドハンティングがない業界。だから能力のある人が評価されないで辞め ていく例もある。京都だけでの基準ではなく他府県にも通用するような資格である ことが業界では必要。他県からの方の採用に際しても判断材料になるようなものと なってほしい。 ○意欲のある人は飛び級もあってもいい。この資格が一般化し、1年、2年でも勉強 し実践を積めば、試験で客観的に判断できれば飛び級もいい。そういう風に意欲を 持った人が来てくれる林業界になっていってほしい。そのためには、たとえば林業 の星1級を持っていたら、給料は○○以上だとか、1級免許をもっていたらプラス 5万円手当があるとか、そういうことも考えて欲しい。 ○取りたいな、やりたいなっていう、資格取得に前向きな意欲が出てくるためには、 一つはその資格を取得していくことが何らかの形で仕事に反映されていくこと。二 つ目には経済的なインセンティブがあること。さらに三つ目にはステータス。林業 の資格は一般的にはあまり認知度が高くない。認知度を高めるには、業界内なり、 内輪向けに資格をアピールするだけでなく、他の人たちも含めてアピールしていく のも必要。マスコミ等活用しながらアピールしていけば、逆にそれが林業従事者の 方に対しても一つのモチベーションにもなる。 ○そのためには、認定がしっかりしていなければいけない。何らかの協会か法人のよ うな形で、行政と業界との産官学一体にとなって推進できるような運営・認定団体 が必要。 ○「緑の雇用」事業のなかで、能力評価システムの導入を支援。会社の求める人材の 能力の明確化や人事評価、能力評価の仕組みづくりのため、たたき台となる項目案 を作成。この能力評価システムの導入はまだ低調だが、さらにブラッシュアップす る形で技能検定につなげられないか。 ○検定とか資格に関して、資格を認定する機関が一番重要。特に伐倒技術は数字的な データはない。認定する人が合格、不合格をつけていかなければいけない。そこが いいかげんなまま制度が進むと、結局は受け入れ側も受け入れられた側も信頼でき ない。しっかりした技術をもった人間が資格を認定するようにしていかないと、制 度はいいものができたけれど、人として育っていないになりかねない。受け入れ側 なり認定する人の教育も重要となる。