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Neighbors Vol.1

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Neighbors Vol.1
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砂漠化防止
中 国
砂漠化防止プロジェクトの第2期目では、
植樹造林を進めるだけでなく、植樹造林
を行った土地の再砂漠化を防ぐことにも
重点を置いた取り組みにも着手。乳牛
植樹造林後。
モデル農家の導入やメタンガス施設の建
設を通じ、間接的緑化にも力を注いで
いる。
・ プロジェクト第2期では、砂漠化の原因のひとつとなっている過放牧
対策として、モデル農家を設定した。また、薪の伐採を防ぐため、
家畜と人の糞尿を利用するメタンガス施設を建設。さらに、植林地
からの利益を植林地に還元する仕組みもつくった。
Results
当植樹造林事業は、中国河北テレビの環境番組で取り上げられ、北京市民へのトヨタの知名
度が上昇。中国国内におけるトヨタの企業イメージの向上にもつながった。
Comments
・ 中国における砂漠化の進展は、黄河の流れを各所で堰き止め、また、長江の洪水や、年に数
回、北京を襲う砂塵の大嵐の原因にもなっている。プロジェクトの対象地に選ばれた、北京の
北方約180キロにある豊寧満族自治県では、過放牧・過耕作が原因とされる砂漠化が急速に
進んでいる。
・また、当地は、北京や天津の重要な水源地でもあり、植樹造林活動は
「グリーンダム」
とも呼ばれ、
中国政府からも大きな期待が寄せられている。
植樹造林前。
What
中国における国家プロジェクト砂漠化防止を支援
When
2001年より
Who
トヨタ自動車
Summary
・ 2001年、トヨタは、
「NGO地球緑化センター」
(本部・東京)
と共同して、日中「21世紀中国首都
圏環境緑化モデル拠点」
計画の下、植樹造林プロジェクトを発足。すでに第1期3カ年が終了し、
2004年からさらに3カ年の延長を決め、現在2期目の活動に入った。
・ 植樹造林規模は、プロジェクト第1期(2001年4月∼2004年3月)
の3年間に、河北省豊寧満族
自治県に、1500ヘクタールに及ぶ植樹造林を実施。
・ 当プロジェクトは、① 中国科学院中日科技与経済交流協会が連絡役を務め、②トヨタが資金
と技術を提供、③ 地球緑化センターはボランティアの派遣を行ない、④ 河北省省庁は土地を提
供、⑤ 豊寧満族自治県林業局は植樹造林の作業を管理するなど、日中が一体となって推進
する国家プロジェクトである。
・ 一方、植樹造林事業と併行し、中国科学院と共同で砂漠化や緑化の研究も行っている。大規
模植林による環境への影響を把握するほか、乾燥地における植林技術を開発しその成果をプ
ロジェクトに投入している。
・ プロジェクト第2期(2004年4月∼2007年3月)
の3年間に、さらに1000ヘクタールの植樹造林を
行う予定。
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トヨタ・スクールズ・フォー・
サステイナブル・デベロップメント
Comments
サステイナブル・ガラパゴス
多様な生物群が共存する自然の宝庫として知られる
ガラパゴス諸島だが、生態系を維持する力が脆弱な
ため、タンカー座礁による重油流出事故で大きなダメー
エクアドル
ジを受けた。サステイナブル・ガラパゴスは、こうした事
故の再発を防ぐ使命も担っている。
What
ポーランド
エクアドル、ガラパゴス諸島の生態系を保護するプロ
ジェクト
「サステイナブル・ガラパゴス」
の支援
What
ポーランド、英国、チェコの3国で、地域社会の環境改善に貢献する活動を促進・支援するプロ
When
2001年8月より
Who
米国トヨタ
Summary
・「サステイナブル・ガラパゴス」
は、世界自然保護基
グラム。各国トヨタの現地事業体が、同プログラムを積極的に支援しているが、ここでは、ポーラ
金(WWF)
が、環境負荷の少ない再生可能なエネ
ンドの事例を紹介する。
ルギー供給の実現に向けて、同諸島で学術的・技術
的研究を行うために発足したプロジェクト。
When
2004年1月より
Who
トヨタ・モーター・ポーランド
Summary
・ 地域社会おける環境問題に関する改善策を立案し、ボランティアの動員や地元の学校・団体へ
・ 米国トヨタは、WWFの要請を受け、資金援助や油
回収車両の提供などの支援を行っている。
の資金援助を中心に
“実践”
するプログラム。
Results
米国トヨタは、コロラド大学と共同で、
「サステイナブ
・ 環境改善の実践例としては、老朽化した校庭の再整備や、コミュニティ
・ガーデンの整備、歴
ル・ガラパゴス」
の基盤となる、エネルギー供給、漁業、
史・文化遺産の保全などがある。これまでに約30カ所に及ぶ地域で生活環境の改善に貢献し
観光、輸送に関する10カ年計画、
「ガラパゴス諸島の
ている。
エネルギー・ブループリント」
を策定した。同計画に基づ
・ ポーランドでは、2つの環境団体が、トヨタ・モーター・ポーランドとの密接な連携をもとに、このプ
き、これまでに、主要な燃料受け入れ港のISO14001
ログラムを運営している。トヨタ・モーター・ポーランドは、資金援助のほかに、企画・プロジェクト
認証取得支援、油の回収・リサイクルの適正プロセス
選定に参画し、学校の先生を対象とする安全衛生のワークショップも行う。自治団体もこのプロ
の開発、学校教員向けの再生可能エネルギーに関す
ガラパゴス諸島に棲息する大ガメ。スペイン語で大ガメを意味
グラムを支援し、プロジェクト選定に参画する。
る授業方法の研修などを実施した。
する
「ガラパゴ
(Galapago)
」
が地名の由来。
トヨタは、事業を展開するすべての国・
Results
トヨタ・モーター・ポーランドがこのプログラムに参加することにより、
NGO、自治団体、学校、地域社会との協力関係が確立され、企業
地域で、社会貢献活動を実施している。
新たに進出する国々では、事業を立ち
イメージの向上にも寄与している。
Comments
ポーランド各地でトヨタ・スクールズ・フォー・サステイナブル・デベロップメ
上げると同時に、積極的な社会貢献活
活動に取り組んでいる人々とも交流し、将来的には、活動領域をヨー
動も開始する。
ロッパ全域に広げていく考でいる。
・ 教室で使う教科書などの教材を制作したほか、Tシ
環境教育
ントを推進する活動家たちは、国内はもとより、英国やチェコで同様の
ャツをはじめとするメディアを活用して、周辺住民に
湖畔環境の保護を呼びかけた。
マレーシア
・ トヨタは、この教育課程を実行するための資金を提
供した。
What
環境教育支援
When
2002年∼2004年
を使って行った環境教育課程は、現地の子供たちや
Who
トヨタ自動車
その家族に大好評だったため、ウェットランド・インター
Summary
・ 世界各地で湿地帯の生態を保護するための活動を
Results
行うNGO、ウェットランド・インターナショナルのマレー
熱意あふれる教師たちが、工夫をこらした楽しい教材
ナショナルとトヨタは、さらに2年間の延長を決めた。
Comments
この環境教育活動は、マレーシア政府に評価され、地
シア支部は、子供たちに環境保全の大切さを教える
元新聞に取り上げられた。その結果、広く一般にも知
ための教育活動を展開している。その一例が、マレ
られることとなり、トヨタの評価向上にもつながった。
ーシアのタセックベラ湖周辺の森林に約600年前か
ら住む先住民族、セメライ族を対象とした環境教育
活動。
・ セメライ族は、長い歴史のなかで自然環境と共生す
る知恵を育ててきたが、現代消費文明の浸透には
無防備で、これまで維持してきた環境を保護するた
企画会議では、地域の環境問題に関する改善策につい
めに必要な知識や環境に対する問題意識は、持っ
て意見を交換しあう。
ていなかった。
・ ウェットランド・インターナショナルは、タセックベラ湖の
自然環境と、そこで生活するセメライ族の存続を図
るために、セメライ族の子供たちを対象に、2年間に
教室の外で、身体を動かして、環境保全の大切さを学ぶ。
わたる環境教育課程を実施した。
普段、環境改善を実践している地域の子供たちが寸劇を創作。手作りの衣
装を身に着け環境保全のアピール活動。
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環境教育
1999年、トヨタは、世界初の量産型ハイブリッド車の発売や環境マネジメントシステ
ムの構築、環境情報の積極的な開示などが評価され、国連環境計画(UNEP)
か
ら
「グローバル500賞」
を受賞した。この賞は、
「持続可能な発展」
のための環境保
護及び改善に功績のあった個人及び団体に与えられるもの。この受賞を記念し、
トヨタは、同賞の理念を具体化するために、2000年より社会貢献活動の一環とし
て環境保護助成プログラムを実施している。NGO・ウェットランド・インターナショナル
が、マレーシアのタセックベラ湖周辺で実施している環境教育に対する支援は、そ
のプログラムのひとつ。
自分のルーツとは?
タセックベラ湖の周辺に住むセメライ族は、工業化や消費
社会の進展に対して対応しきれず、数百年来、共存して
きた自然環境を守れなくなっていたばかりか、民族としての
アイデンティティすら失いつつあった。ウェットランド・インター
ナショナルの環境教育活動を通じて、セメライ族の子供た
ちは、自然環境を保護・保全する重要性を教わり、そのた
めの手法も身につけた。また、この教育を経て、自分の民
俗的な歴史や伝統を再発見し、ひいては現代社会におけ
る自分達民族の価値について自信を得て、誇りに思えるよ
うになった。
「楽しい!」
ウェットランド・インターナショナルがセメライ族のために展開し
ている環境教育が成功した秘訣のひとつは、参加する子供
たちにとって楽しい体験になるからだろう。本誌に掲載されて
いる他の事例も実証しているように、
「参加の楽しさ」
は社
会貢献活動の持続性を左右する重要な要因だ。
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