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自動車周辺およびその他事業

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自動車周辺およびその他事業
自動車周辺およびその他事業
クリーン商品の性能を向上し、普及を促進
■ L&F
(ロジスティクス&フォークリフト)事業 ■
トヨタは国内外でフォークリフトや
物流システム機器、トーイングなど
物流やITS、住宅など
さまざまな分野で
活発に環境活動を展開
寿命延長など、クリーン化にも配慮し
た商品としました。
物流に関するさまざまな商品を供給
しています。L&F事業においても
新たに2005年までの「環境取組プ
■1t∼3tカウンタータイプフォークリフト
トヨタ販売台数内訳
エンジン式
バッテリー式
バッテリー式比率
ラン」と、販売店を対象とした「環
(台)
境ガイドライン」を作成しました。
トヨタは、L&F
(ロジスティクス&フォー
クリフト)、住宅、マリン、アグリバイ
オ・環境緑化、情報通信など、自動車以
外の分野でも多彩な事業を展開してい
なお、当事業は'01年度から、(株)
(%)
30
25,000
25
20,000
豊田自動織機製作所へ譲渡されるこ
とになりました。
20
15,000
15
10,000
ます。また、
ITS
(高度道路交通システ
10
ム)にも積極的に関わり、環境負荷低減
5,000
につながる各種の実験や実用化に向け
ての協力を行っています。ここでは特
0
に環境活動に関連の深い事業について
5
'95
'96
'97
'98
'99
'00
0
(年)
ご紹介します。
ガソリンエンジン式フォークリフト
では、'01年1月に、日本初となる、電
子燃料噴射装置を搭載(オプション)
リーチタイプ バッテリー車 1∼3t「ジェネオ−R」
し、出力を向上させるとともに、触媒
マ フ ラ ー と の 組 み 合 わ せ に よって
エネルギー効率や稼働性能を
向上させた新製品を発売
CO、HC、NOxをそれぞれ95%浄化
できるようになり、米国カリフォルニ
ア州の規制に適合しました。
バッテリー式フォークリフトは、エ
ンジン式と比較して環境負荷の少な
い商品ですが、これまで、パワーの不
足と稼働時間の短いことが普及を妨
自動車の規制に合わせて
自主的に環境活動を展開
げる要因となっていました。トヨタは
※L&F事業における環境の取り組みの詳細につい
ては、
(株)豊田自動織機製作所が発行する環境報
告書、もしくは同ホームページをご覧ください。
http://www.toyota-shokki.co.jp/
62
ACモーターの採用により、これらの
L&F事業では、生産・流通過程での
弱点を解消したバッテリー式フォー
環境負荷物質の低減やリサイクル化の
クリフトのカウンタータイプを'99年
ために、自動車に準じた対応を自主的
9月に、リーチタイプを'01年2月に
に進めてきました。使用物質と使用量
発売しました。
については'01年3月までに把握を終
カウンタータイプでは右上グラフ
え、使用済みバッテリーは日本バッテ
のように'99年、'00年とバッテリー
リー工業会のリサイクルルートによっ
式の比率は高まっており、発売したば
て再利用されています。また、エンジ
かりのリーチタイプについては、トラ
ン冷却液
(LLC)
は'97年8月より販売
クション制御機能搭載によるタイヤ
店を通じて回収が続けられています。
自動車周辺およびその他事業
Environmental Report 2001
ITSの本格的な普及に向けて運用を拡大
■高度道路交通システム(ITS)■
トヨタのITSへの取り組み
ETC車載器の販売を開始
「Crayon」実験の拡大
自動車を中心とした交通・運輸がも
トヨタは、
EVコミューター
「e-com」
料金所での渋滞緩和を目的とするE
たらす事故や渋滞、環境、エネルギー
の共同利用システム
「Crayon」の実証
TC
(有料道路自動料金収受システム)
などの諸問題をエレクトロニクスや
実験を各地で展開し、データ収集や評
のサービスが'01年3月から千葉・東
情報通信技術の活用によって解決を
価を行ってきました。
京を中心とした首都圏と沖縄の路線
図ろうとする取り組みが、高度道路交
'00年度は、より多くのデータを集
通 シ ス テム(ITS= I n t e l l i g e n t
め、システムの完成度を高めるため、
Transport Systems )です。
下記のように実験を拡大しました。
で開始されました。
トヨタは車載器を開発し、同時期に
1都5県(東京・千葉・神奈川・埼玉・茨
ITSがもたらす環境面での効果とし
城・沖縄)を中心に3月中旬から販売
て、30年後にクルマの燃料消費量と
を開始し、約半月間で約800台を
CO 2 が約15%、都市部のNOxが約
出荷しました。
30%削減できるという試算があります。
トヨタは、
I
TSを21世紀の新しい社
会システム提案の場と考え、自動車本
体の高機能化だけでなく、新しい交
ETC車載器
通システムの開発など幅広い分野で
積極的な取り組みを進めています。
その中から環境に関連が深く、'00年
度に大きな進展が見られた活動につ
京都でのパブリックカーシステム実証実験
いてご報告します。
豊田市での実験
■ 社内・グループ企業での実証実験
実験名称/実験フィールド
Crayon
実験主体
トヨタ自動車
期 間
'99年7月∼
(愛知県豊田市・刈谷市・安城市
・大府市)
豊田自動織機、
'00年10月∼
アイシン精機、デンソー、
アイシン・エィ・ダブリュ
規 模
特記事項
・本社地区に
利用拠点(デポ)8カ所設置
・車両50台 ・登録社員約500名 トヨタとグループ企業4社での共同実験とし、
広域ネットワークでの稼働検証など、より実用
・各社にデポ1カ所設置
に近い運用を図る
・車両12台(上記より割当)
・登録社員約100名
■ 行政機関等の社会実験への参画
実験名称/実験フィールド
豊田市「小型電気自動車等
共同利用実験」
実験主体
豊田市
(愛知県豊田市)
ITS/EV住宅地セカンドカーシステム (財)自動車走行電子
技術協会
期 間
京都パブリックカーシステム
(財)日本電動車両協会
(株)最適化研究所
特記事項
・デポ1ヵ所 ・車両5台
・職員約50名
VERTIS(道路・交通・車両インテリジェント化
推進協議会)のITSモデル地区実験の一環
'01年3月∼
・デポ3ヵ所 ・車両9台
・市民・職員約200名
市民を対象に加え実験を継続・拡大
'00年1月∼3月
・デポ5ヵ所(Crayon2デポ)
・車両50台(e-com20台)
・市民 約220名
専業主婦・在宅者を会員に
徒歩5分200m圏に5デポ配置
'00年12月∼
'01年3月
(3ヵ年計画)
・デポ7ヵ所
・車両35台(e-com20台)
・市民 約350名
'01年6月から実験再開、9月から
観光客対応などシステム高度化の予定
(東京都稲城市多摩ニュータウン)
(京都市)
規 模
'99年10月・
11月
※トヨタのI
TSに関する取り組み全般については、ホームページをご覧ください。
http://www.toyota.co.jp/ITS/
63
開発から販売店支援に至るまで、環境負荷低減活動を計画的に推進
■ 住宅事業 ■
トヨタの住宅事業はいつも
「 NEWS
*
のある家」をコンセプトに、
「 S&I発
*
想」による環境配慮型の21世紀住宅
「シンセシリーズ」
「エスパシオシリー
ズ」
「 Vieαシリーズ」を販売していま
す。2000年からは、戸建て住宅に加
えて、マンション販売や街づくりの提
案事業も開始しました。
具体的な環境活動としては、業界が
指針とする環境行動計画「エコアクシ
ョン21」に加え、独自に「トヨタ住宅
事業部門環境取組プラン」を策定しま
した。このプランに基づき、年度ごと
に具体的な環境実施事項を定め、ゼ
ロエミッションに向けた活動などを計
画的に推進しています。また、
トヨタ
優れた断熱性能を誇る
「シンセ・レゾン-G」
開発・設計
エネルギー低減住宅の開発と
「住宅性能表示制度」へ万全の対応
では環境に配慮した住宅建設や街づ
とされる対応を行っています。特に構
造の安全性、耐久性、VOC等、環境面
の性能においては、
標準仕様において
も、その優れた性能をアピールしてい
くりを推進するなかで、住宅事業部門
トヨタホームは「S&I発想」の家づ
と販売店、施工店、部材メーカーが一
くりにより、ソーラーシステムやVOC
丸となって環境負荷低減への取り組
対策、廃棄物低減、水利用などの省エ
みを実施しています。
ネ環境配慮技術の開発に取り組むと
ます。
環境に配慮した集合住宅や
街づくりに取り組む
ともに、住まい自体を長持ちさせる
*NEWS
「Nature=安全への配慮」
「Enjoyment=生活創造
家づくりを進めています。'00年4月
トヨタホームでは集合住宅など大規
にはソーラーシステム屋根一体型住
模な住宅建設事業も推進するなかで、
宅「シンセ・レゾン」を完成させ、発売
環境に配慮した施設計画やリサイク
を開始しました。
ル材料の採用を積極的に進めていま
さらに、'00年度中には高効率な
す。'01年5月から愛知県日進市で分
オ ー ル 電 化 シ ステム を 組 み 込 ん だ
譲を開始したマンション「セルシオス
「シンセシリーズ」の開発を完了し、
「Safety=安全への配慮」
'01年4月より新たに販売をスタート
クエア日進」では、 ガスコージェネ
*
レーションシステムを導入し、併設の
*S&I発想
しました。これは新開発の給湯設備に
プールと共用ゾーンへ電力を供給する
より、従来の電気温水器に比べ25%
ほか、自動車からのリサイクルガラス
もの省エネ効果を発揮して、確実に使
を骨材にした透水性舗装や住戸棟以
用エネルギー量を低減できる新商品
外への広範囲な緑化を行いました。
です。
また、各住戸にはディスポーザーを
の楽しみへの配慮」
「 Wellness=健康への配慮」
「Super Skeleton=変わらない強さで暮らしを支
える構造体」
「Intelligent Infill=変わりゆく暮らし
に応え続ける住機能」
※
「News」
「S&I発想」の詳細については'99年環境
報告書70ページ、またはホームページをご覧ください。
http://
www.toyota.co.jp/envrep99/pdf/p70_72.pdf
*ガスコージェネレーションシステム
都市ガスを利用して発電すると同時に排熱も回収し
て再利用できるシステムで、高いエネルギー効率が
特長。トヨタタービンアンドシステム製のガスター
ビンエンジンを使用。
64
トヨタホームではまた、住宅品質確
設置しており、粉砕された生ゴミは
保法に基づく
「住宅性能表示制度」に
処理槽で分解処理した後、排水処理
則り、すべての性能に対しトップレベル
するシステムを設備しています。
自動車周辺およびその他事業
Environmental Report 2001
調達・生産
販売店支援
解体建設廃材の適正処理と
低減活動にいち早く取り組む
3事業所すべてで埋立廃棄物
ゼロを達成し、リサイクルを推進
■ ゼロエミッション活動への取組み
'00年4月よりゼロエミッション活動
以下は3事業所で行われているゼロエミッション活
に取り組み、同年12月までに春日井・
動の一例です。
栃木・山梨の3事業所すべてにおいて、
再利用などの
効果
対 策
春日井事業所では水道水の節水に取り
石膏ボード+
切り粉=混合粉
度から約4,700t低減し約39,100tで
元町環境
センターで
焼却処理
て取り組んでいます。トヨタでは今
(完全焼却)
した。なお、'98年度に3事業所で認証
後も販売店の環境対応活動を強力に
バックアップしていく方針です。
取得した ISO14001は、維持審査によ
建設廃材の不適正処理に対しては、
外壁板
って環境マネジメントシステムの運用
原料に戻して
再利用
が適切に行われているとの評価を得て
'01年5月から建設物リサイクル法
が段階的に施行されるなど、法規制
グラスウール
います。
が強化されつつありますが、トヨタ
仕入先で
リサイクル
肥料のリン
などに再利用
ボンデかす
■ 埋立廃棄物量推移
では販売店に向けての適正処理指導
(第2弾)を'00年12月に完了し、特
(t)
栃木
春日井
山梨
500
路盤材や鉄
に再利用
床・清掃かす
'99年1月
栃木ゼロ達成
400
すべての販売店が環境取り組みの体
制を整備し、各社独自の計画に沿っ
組んでおり、'00年度の使用量は、'99年
442
29
「トヨタホーム販売店環境ガイドライ
ン」を策定しました。それに基づき
従来埋立て・廃棄処理
していたもの
廃棄物の埋立ゼロを達成しました。また
トヨタホーム販売店では'00年2月に
に解体工事に伴う廃棄物の適正処理
を周知徹底させました。
また、'01年3月には全国の販売店
300
183
302
165
200
に対し建設物リサイクル法に対する
説明指導を実施し、工事現場から出
207
される廃棄物の現状調査を行いまし
128
100
230
た。さらに、施工現場での「ゴミゼロ
137
プロジェクト」も'01年1月より体制
79
0
'98
'99
'00
'01
を整えてスタートし、新築工事現場
(年度)
でのゴミゼロをめざして低減活動を
強化しています。
■ 住宅生産工程におけるエネルギー使用量推移
(t/年)
7,850
8,000
エ
ネ
ル
ギ
ー
使
用
量
︵
CO2
排
出
量
︶
7,000
6,230
6,300
6,560
'92
'93
'94
6,930
7,300
6,640
6,450
'97
'98
6,820
6,000
5,000
4,000
3,000
2,000
1,000
0
'95
※CO2排出量は、C換算値からCO2換算値へ変更しました。
'96
'99
'00(年度)
販売店による廃棄物処分場確認
65
自動車周辺およびその他事業
Environmental Report 2001
世界各地で植林やバイオ技術を応用した新事業を推進
■ アグリバイオ・環境緑化事業 ■
世界人口が急増する中、途上国での
は、従来から大量に使われている石油
工業化の進展と相まって、今後は食糧
系プラスチックに替わりうるもので、自
問題や環境問題が深刻化することが
動車内装部品や食品包装材、
家電など
予測されます。トヨタでは1998年1月
広範な用途が期待されています。
花き栽培の「(株)
トヨタフローリテック」
が出荷を開始
株式会社白山貿易とトヨタが合弁で
から事業開発部にバイオ・緑化事業室
なお原料となるサツマイモは、特別
を発足させ、バイオ技術の応用による
フローリテック
(青森県六ヶ所村)
」
では、
事業化や世界的な社会貢献の可能性
に開発した高収量・高 乾物率の優良
*
苗を地元農家に提供し、
栽培委託する
を追求してきました。'99年には愛知
方針です。
を始めました。同社は大温室やデンマ
'00年秋からポインセチアなどの出荷
ークより導入した最新の栽培システム
県西加茂郡三好町にバイオ技術研究
の拠点となる「バイオ・緑化研究所」
設立した花き製造会社「株式会社トヨタ
オーストラリアでは416haを植林
を擁し、'01年度は年間400万ポット
の生産をめざしています。また、バイオ
を開設し、'01年1月からはバイオ緑化
事業部へと組織を昇格させ、いっそう
'98年6月にオーストラリアに設立
強化した体制のもと、植林や農作物
した「オーストラリアアフォレステー
栽培など、多彩な事業を推進してい
ション」
(メルボルン)では、植林事業
ます。
やバイオテクノロジーの研究を進め
技術を応用した品種の開発にも積極
的に取り組んでいます。
ています。'99年度から開始した植
林事業では、'00年度までに西豪州
で416haの植林を実施しました。
インドネシアではサツマイモを
原料にした新しいバイオ事業がスタート
今後は南豪州へも植林事業を推進し
ていく計画です。
'01年4月、
トヨタはインドネシア共
フローリテック温室
和国・ランプン州において、サツマイ
モを原料に家畜用飼料と生分解性プ
ラスチックを製造する新会社「トヨタ
バイオインドネシア」を三井物産株式
会社と合弁で設立しました。新会社が
生産する飼料原料は現在の飼料主原
料であるトウモロコシの代替となりう
るもので、'02年9月に年産10万トン
規模の加工工場を立ち上げて、
主に日
本国内へ輸出する計画です。
また、'03年には独自の発酵技術と
加工処理によって、低コストで安定し
西豪州での植林事業
た品質の生分解性プラスチック用原
料(乳酸)を生産する工場の立ち上げ
66
*生分解性プラスチック
を予定しています。エコマテリアルとし
石油系プラスチックと同等の機能・性質をもち最終
て期待される 生分解性プラスチック
*
マテリアルとして期待されている。
的には水と二酸化炭素になるプラスチックで、エコ
*乾物率
水分を除いたデンプン等、成分のネット重量率。
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