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インターンシップ・現場からの報告

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インターンシップ・現場からの報告
GSICS 国際公務員プログラム
インターンシップ実施記録①
実施機関:国連教育科学文化機関
2011 年 9 月 27 日
【インターンシップ準備】
私、末永明美は現在、神戸大学大学院国際協力研究科の博士課程前期、地域協力政策専
攻に所属しています。今回、インターンをさせていただくことになった UNESCO Bangkok
事務所での活動についてご報告させていただきたいと思います。
1.インターンシップ応募
1.1 志望動機
私が本インターンシップに応募したのは、主に、2つの理由からです。まず、国際機関
がどのような仕事をしているのかを実体験を通じて理解することです。自分なりに調べた
り、すでに国際機関で働かれている先輩方からお話を伺ったりしていましたが、具体的な
イメージがわかず、納得するには実際に行って体験してみるしかないと思ったからです。
私は教育開発を専攻しており、
教育分野を手がけている国際機関である UNESCO はインタ
ーン先として非常に魅力的でした。
もうひとつは、国際機関で働くために求められていることは何か、自分が獲得すべき能
力や経験は何かを知るためです。これに関しても、情報だけではなく肌身でそのことを感
じたく、それらが今後自分の進路設計に役に立つと考えたからです。
1.2 志望書類準備
志望書類の送付については、指導教官の小川啓一教授を通じて行いました。バンコクで
行われた国際会議をきっかけに小川教授が UNESCO Bangkok 事務所とインターンに関す
る学術協定を結ばれたことから、CV を小川教授経由で先方に送りました。その後、
UNESCO の職員より電話面接を受け、正式な採用をいただきました。CV を送ったのは 4
月中頃で、6 月中頃に電話面接を受け、7 月頭に採用通知をいただきました。その後、国際
公務員養成プログラムへの提出書類を用意しました。インターンシップ実施計画書、キャ
リアパス計画書、補助金申請に関する書類などです。VISA の取得にも係わる UNESCO か
らのインターン採用に関する正式書類を受け取る必要があったことなど、準備は慌しかっ
たのですが、小川教授やプログラム担当者様、GSICS のスタッフの皆様に、迅速に対応し
ていただき、無事に書類を提出することができました。また、すでにインターンを経験さ
れていた先輩方からもあらゆる面でサポートをいただき、出発に携わっていただいた皆様
に改めてこの場をお借りして御礼申し上げます。
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1.3 採用決定から出発まで
採用を正式にいただいてから、航空券や住まいの手配を始めました。住まいについては、
先に UNESCO Bangkok 事務所でインターンを経験されていた先輩から、タイでの滞在経
験のあるご友人を紹介していただきました。その方からいくつか滞在先の候補をいただい
たり、自身の友人からも情報を集めたりして、現地のアパートにメールや電話をし、とり
あえず数日間の宿泊先だけ決めました。その後、現地に着いていくつか物件を見てまわっ
てから、住居を移しました。
航空券については、具体的なインターンの開始時期を先方と協議中でしたので、しばら
く保留していただいた末に、予約を行いました。
6 月のはじめのほうに TOR をいただいていたので、インターンの内容については余裕を持
って知ることができました。
また、インターン中に修士論文を進める必要があったことから、スーツケースに収まる
分の論文や本を用意し、それ以外の資料は郵送で送りました。
(事務所の外観)
【インターン報告】
1.インターン先について
私 が 所 属 さ せ て い た だ い た の は 、 UNESCO
Bangkok
事 務 所
(http://www.unescobkk.org/)の Education Policy and Reform (EPR)という部署です。ア
ジア太平洋地域の教育セクターに対して、教育改革や財源運用に関する技術的サポートや
人材育成なども支援しています。現在、プログラムスペシャリスト、プログラムアシスタ
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ント、数名のインターンをひとつのチームとして、以下5つのテーマごとにチームを組み、
それぞれの業務にあたっています。
1)中等教育と学習の質、2)技術教育・職業訓練と能力開発、3)教育セクターの政策
分析と計画、4)教育セクターの運営と財政、5)教育の研究と展望
部署のチーフは、他のスタッフとともに、これらの業務の調整やサポートも行っていま
す。私は、3)の政策分析と計画を扱っているチームに所属させていただきました。
(自分のデスク)
2.インターンの仕事内容
2.1 教育統計の更新
EPR では、アジア太平洋諸国の基本的な教育統計を HP 上で公開しています。初等教育
や中等教育など教育レベルごとの学齢人口から、教育費用の対 GDP 比、EFA の達成状況
など様々です。すでに現在、掲載されている統計が数年前のものであったことから、
UNESCO 統計研究所からデータを入手し、データを最新のものに更新していくというのが
最初に与えられた仕事でした。非常に細かな仕事でしたが、それだけに正確さを意識して
神経を使いました。
2.2Country profile の作成
現在は、アジア太平洋諸国のそれぞれの国に関して、地理、人口、政治、経済などの基
本情報から教育に関する法律、各教育セクターの現状と課題、国際機関による当該国への
援助の概観などをまとめた、Country profile を作成しています。UNESCO が作成してい
る UNESCO National Education Support Strategy (UNESS)を元に、相手国の HP などイ
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ンターネットリサーチをしながら、文書を作成しています。これは前述の教育統計を掲載
している HP に年内を目指して掲載される予定です。
2.3 その他
上記の業務に加え、EPR が開催するワークショップの運営や議事録作成のアシスタント
なども行っています。
(ワークショップの様子)
3.インターンからの学び
3.1 仕事に対するスタンスの違い
まず一番最初に私が驚いたことは、勤務時間が非常にフレキシブルであるということで
す。
日本の多くの企業にあるように朝の何時から夕方の何時までという時間の縛りが比較的緩
く、おおよその時間枠が決められている以外は、個人の都合に合わせて、朝早く来て夕方
早く帰ったり、遅めに出社し遅めに退社したりすることが可能です。仕事の打ち合わせの
必要などから、出勤することが重要なのは前提であると思いますが、それよりは仕事をし
ているという事実に重点が置かれているように感じました。基本的にチームごとが単独で
それぞれの仕事を独自に進めており、仕事の進め方などはチームを率いるスペシャリスト
の個人の裁量に大幅に任せられていると思います。アットホームな雰囲気で他のチームと
の交流は容易ではありますが、仕事をしている「個」という存在を意識させられました。
自分の専門性を確立し、個としての自分を売り出していくに足る知識と技術、経験を身に
つける必要性を改めて感じました。
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3.2 創造性
仕事内容の打ち合わせをする際に、頻繁に自身の見解について尋ねられます。これにつ
いてどう思うか、どのように改善するべきか、質問や意見はいつでも歓迎されます。質問
した際には必ずと言っていいほど、いい質問だ、と快く応じてくれます。与えられた仕事
を早く正確にこなした上で、考慮すべきことを喚起させるような質問や建設的な意見が常
に求められているのと感じます。今は、相手の求めていることを正確に把握し、確実に返
すことを第一の条件として自身に掲げていますが、その際に必ず少なくともひとつは自分
なりの意見や改善策を添えるようにしています。スペシャリストに対して、インターンの
私からの意見がどの程度有益かは測りかねますが、日々の業務の中で常に考え続け、少し
でも多くの質のいい貢献ができるように心掛けています。
3.3 コミュニケーション
個としての立場に重点を置いた仕事の進め方がされており、また所属先の部署が一箇所
にまとまっていないため、仕事上の必要がない限り、他のチームとの交流はほとんどあり
ません。話をしたい人がいれば自分から赴き、積極的にコミュニケーションを図る必要が
あります。事務所には世界各国から様々な経験を持ったスペシャリストやインターンが集
まっており、見識を広げ、ネットワークを広げるまたとないチャンスです。
お昼時などを利用して、いろんな方と話す機会を持つようにしている他のインターンなど
を見ていて、自分はもっと能動的に行動していかなければならないと痛感しており、これ
は今後の課題でもあります。
また、同僚と密にコミュニケーションをとることは、仕事を行う際にも相手の考えてい
ることや求めていることをより理解しやすくするためにも必要なことだと思います。
インターンシップは、即戦力として自身をアピールできる絶好の機会であると同時に、
今後の自分の進路をどのように設計していくかということに関しても非常に有用であると
思います。自分の通用するところ、しないところ、今後の課題、予想と現実などを見極め
ることのできる貴重な体験です。このような機会を与えてくださった小川教授、国際公務
員プログラム関係者の方々をはじめ、多くの皆様に心より感謝致します。
文責 末永明美(GSICS 博士前期課程)
2011 年 9 月 27 日
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