Comments
Description
Transcript
ルーマニア 掃除研修報告
ルーマニア 期 掃除研修報告 間 : 平成 23 年 10 月 9 日(日)~16 日(日) 研修先 : ルーマニア ブカレスト市、ブラッソヴ市、ティミソアラ市、アルバイウリア市 主催者 :「カイゼン研究所」ルーマニアオフィース 共催者 : 各都市役所、現地企業 参加者 :「日本を美しくする会」田中会長、田中美鈴奥様、千種副会長 トリプコヴィッチ・サニャ(「カイゼン研究所」日本オフィス) 目 的 : 今掃除研修を通じて「人々の心を綺麗にしよう」という強い念いをルーマニア社会 に広めたい。また、「掃除」への念いや「5S」の考え方を企業文化からルーマニア社会に広 く開かれた文化として根付かせたい。 ※「5S」とは、整理・整頓・掃除・清潔・躾の訳 10月10日(月) 10 月 9 日(日)の 13 時 30 分、成田空港を出発、 アムステルダム空港経由で 24 時 00 分(日本時 間:翌 10 日の 6 時)に到着。およそ 16 時間 30 分の空の旅でした。 朝 9 時、「カイゼン研究所」のジュリアン・ブ ラッツ社長ら関係者とワークショップが行われ、 今研修の背景、目的、日程スケジュール、そして、 自己紹介等がホテル会議室で行われた。 今研修最初のワークショップ その後、11 時からルーマニア国営テレビ放送出演によるビデオ撮りが、そこには、同席の 小川ルーマニア日本大使館員、ブラッツ社長、サニャさんも一緒に出演された。 事前打ち合わせも準備もなし、いきなりの本番に、一同少々困惑ぎみではあった。 田中会長がトップを切ってインタビューに 私、千種も緊張気味にインタビューに 昼食後の 14 時、今研修最初の開催地:ブラッソヴ市に向け、大平原、雪の残る山間部、ヨー ロッパらしい街並みの中なかを 3 台の車でおよそ 4 時間かけ走移動した。 その夜 19 時 30 分からホテルにて、ブラッソヴ市の副市長や5S実践の地元企業の方々が参 加され、「5S」をブラッツ社長が、「掃除」を田中会長が、それぞれにプレゼンテーション を行い、その後、懇親会が行われた。 田中会長、美人通訳と一緒に初のプレゼン 副市長も参加、田中会長夫人は和服姿で花を咲かせた 古く素敵な街並みのブラッソヴ市内 10 月 11 日(火) 朝 8 時、ブラッソヴ市役所の会議室で、今掃除研修のリーダーたち(参加者およそ 30 名)に 向けてのワークショップが行なわれ、ブラッツ社長と田中会長からは、昨夜同様にプレゼテーシ ョンが。そして、私、千種から新宿歌舞伎町の街頭清掃事例発表を行った。 一方で、リーダーとしての役割、掃除の仕方等の説明は殆ど行われることがなかった~不安~ が募るが、その場の流れ、やり方に従うことにした。 素晴らしい会議室でのワークショップ リーダーはお揃いのユニフォームとキャップを準備 その後 10 時に掃除実践場所に移動、そこには、既にボランティア参加者が大勢集まっていた。総 勢 60 名強の参加者だと思われる。ブラッツ社長と田中会長の指示のもと、先ずは記念撮影。その 後、指定のエリヤごとに 10 班に分かれて掃除開始、案の定、思うように運ばなかった。しかし、 作業方法を教示すると、すぐに覚え、その掃除姿勢は見事なくらい積極的で素晴らしく思えた。 掃 掃除開始前の集合写真・・顔にこわばりが 掃除道具、どれも少々粗雑だが・・準備されていた 掃 掃除する姿勢は真剣そのもの 掃除開始前の状況(前日、下見撮影) 掃除終了後の集合写真、顔の表情が明るく変化 掃除終了後の状況 綺麗さが全く違います 掃除終了後、12 時から市役所会議室でメディア・プレスへのプレゼンテーションが予定されてい た。また、この日の午後は、今掃除研修中唯一の自由時間、つかの間の市内見学を楽しみ、心休め た。 10 月 12 日(水) 朝 9 時、2 番目の開催地:ティミソアラ市に向けて 8 時間かけ、車で走移動する。 この掃除研修の間、プロドライバー3 人を雇ったという。その運転技術は凄い、猛スピードで 次から次へと前車両を追い抜き、国道を突っ走る。車窓からの景観をゆっくり見て楽しめる余裕 を与えてくれない。今日は、この車の移動だけで一日を費やすことになった。 その夜、実に古い建物が目につくティミソアラ市に到着。20 時からホテルにて、ティミソア ラ市のシウハンデュ市長やその関係者、地元企業の方々が参加され、前日同様にプレゼンテーシ ョンが行われ、その後、深夜の懇親会が行われた。 シウハンデュ市長(中央左)との交流 ブラッツ社長(右端) 懇親会時、今回この研修にずっと同行し「カイゼ ンの 5S」を実践する企業からの若い参加者に注目、 熱のこもったプレゼンをするブラッツ社長 今後の主軸リーダーになってもらいたいとお願いし たところ快諾、頼もしく思った。(下の 6 人) 10 月 13 日(木) 朝 7 時、小雨降るなか、ティミソアラ市役所の会議室へ行く。そこには既に今日のリーダー たちが 30 名ほど集まっており、そのやる気が窺えた。早速、ブラッツ社長と田中会長からプレ ゼンテーションが、私、千種から新宿歌舞伎町の街頭清掃事例発表を行った。会場全体に何らか の響きを感じた。 ここでも、リーダーへの説明等は何もなかった。昨夜の打ち合わせが功を奏してくれること信 じて、その後、9時過ぎに掃除実践場所となる河川敷へ移動した。 田 田中会長も真剣そのもの 大勢の参加者も真剣に聴いていた 小雨降るなかにも関わらず、掃除実践場所には想像以上の大勢のボランティアの参加者が集ま ってくれた。先ずは、掃除開始前の集合写真を撮る。その後、実践に移る。昨日の事前打ち合わ せがうまくいくよう願いつつ、掃除エリヤとその作業方法を教示する。あとは主たるリーダーが テキパキと指示し、一斉に掃除作業を始める。今回は、前回の反省が生かされ、嬉しさが込み上 げ、悪天候のなかでのことも重なり、感動と感謝の念に溢れ、達成感と喜びに満ちた。 掃除開始前の集合写真 会長婦人も喜びのポーズ 小雨のなかでも・・その作業風景は圧巻 掃除終了後の集合写真・・皆満足の笑顔 掃除開始前の状況(前日、下見撮影) 掃除開始前・・柳の木は垂れ下がり、ゴミは散乱 掃除終了後の 12 時、 朝のワークショップ会場に戻り、 ブラッソヴ市でと同様にメディア・プレス関係者へ向け てのプレゼンテーションを行ったが、その反応は鈍いよ うに思えた。それよりも、感想や意見発表の場が欲しい ところだった。 終了後、昼食をとり、次の開催地:歴史ある街アルバ イウ 掃除終了後の状況・・見事な綺麗さ 柳の木もすっきり イウリア市に車で 6 時間かけて向かう。ホテルに到着、 その後すぐの 19 時からプレゼンテーションの開始とな った。そのホテルの会場には、イウリア県知事、アルバ イウリア市のポール副市長をはじめ、5S実践の地元企 業の方々が参加され、熱き討論がなされた。 行政の方々から今の市政の悩みや問題が投げかけられた 時、新宿歌舞伎町の街頭清掃事例と継続し続けることによる成果が、大いに役立ったように思えた。 その後の懇親会でもまた、熱き思いを聞かせていただいた。 鍵山相談役の名声はヨーロッパにも 田中会長のプレゼンは、何処でも高く評価された 熱い思い、話が交わされた会場 10月14日(金) 朝 7 時 15 分、外はまだ暗く肌寒いが、昨日下見出来なかった実践会場の下見をする。その足で直 接、プレゼンテーションの会場となる大学講堂へ向かう。会場には、アルバイウリア市のポール副市 長をはじめ、行政関係者、企業人、一般参加者、学生と、およそ 150 名が集まり熱気に満ちていた。 8 時、いよいよ今回最後のプレゼンテーション。ブレッツ社長も田中会長も最後とあって熱弁を振 っていた。そんな会場で、パウル副市長の熱意は一段と熱く見えた。 160 名収容の会場もほぼ満席に 最後、期待に応えるべくプレゼンに熱がこもる 9 時 30 分、掃除実践会場となる歴史ある城壁の残る広場へ。今回は、特別な指示をすることなく、前回の 主軸となるリーダーたちに全てを託した。「カイゼン」のスタッフから指示がなされ掃除開始前の記念撮影 が行われる。そして、いよいよ掃除の始まり。主軸リーダーたちが今までの経験を生かし、班編成、掃除エ リヤ、そして、作業方法を参加者に指示し伝えて行く。参加者たちは立ち尽くすことなくスムーズに作業に 入って行く。今研修でこれほどまでにリーダーが育ってくれたことは驚きであり、満足感に満ち嬉しく思っ た。そして、「掃除」の素晴らしさ、大切さが伝わったことを実感した。 掃除開始前の集合撮影 ポール副市長も参加者に交じって熱心に取り組む(上中央) 大勢のひとによる人海戦術は凄い 学生らの若い力、将来が楽しみ 掃除終了後の集合撮影・・笑顔に満ちていた 掃除終了後・・気持ちのいい綺麗さに 掃 除 掃除開始前の状態 ・・草は生え、ゴミや ベンチが散乱 植木は映え、ベンチも元の位置にすっきり 掃除終了後 12 時、今朝のワークショップの行われた大学講 堂に戻る。そこにはメディア・プレス関係者が来ていた。また そのためのプレゼンテーションかと思いつつ、内心、参加者の 皆さんの感想や意見を聴きたいと思っていた。その思いが共有 出来たのかブラッツ社長の采配で、そのことが実現した。 ブ ブラッツ社長が「感想を述べたい人はいますか?」と問うと 先ず最初に口火を切ったのが、主軸リーダーのひとりだった。 道具洗い、その水は何と給水車を用意して 流石だし嬉しかった。その後、幾人かの参加者が「参加してよ かった。」「色々学んだ。」「またやって欲しい。」などと感 想を述べると、田中会長から、その感想発表者に「日本の飴」 がプレゼントされ喜ばれた。 圧巻は、ポール副市長の「このことは大切なこと。出来たことに 感謝している。皆で協力し合って自分たちの手でやって行こう。」の 発言。正しく「カイゼン」だと思った。最初からのことと重な り合い、思わず目頭が熱くなってしまった。 「5S」の考え方を理解し、「掃除」の大切さを肌身で感じ たルーマニアの参加者の人たちと最後に固い握手を交わしなが 積極的に感想を述べてくれた学生 ら、今掃除研修への参加の機会を与 えていただいたことに大感謝し、お 役立ち出来たことそれは嬉しくも思った。 そして、この3都市で、今後、こうした催し(運動)が繰り返され、 日本のようにルーマニア全土に広まり、いつしかヨーロッパにも波及 すること念願した。 ポール副市長の熱き思いは凄い 「カイゼン研究所」のスタッフ・・ご苦労さま この垂れ幕が、各々の掃除会場に掲げられていた 全てのミッションを終え、昼食を済ませた 15 時、アル バイウリア市をあとにし、スタート地のブカレストに向 かった。車でおよそ 6 時間はかかる。ドライバーは速度 を更に加速させ帰路を急ぐ。ブカレストに入りした途中、 あの世界で 2 番目に大きな建物で有名な「国民の館」を 見学した。ただただ凄いが実感。 最初からの今関係者が、ホテルの前で 最後の記念撮影 大平原のなかを一直線の 国道 国道沿いの一般的町並み PS:田中会長ご夫妻がベジタリアンであ ること事前に伝えてあり、どこに行っても無 世界で 2 番目に大きい建物・・国民の館 (議事堂宮殿) 添加の自然食の配慮がなされていた。ところ が、普段、日本では口にすること出来ないも のも飲食することが出来た。添加物にない食 の大切さを証明。ここでもご夫妻は大満足さ れていた。 21 時過ぎ、ブカレストのホテルに到着。今掃 除研修の「カイゼン研究所」と「日本を美しくす る会」の関係者とで最後の食事をしながら、これ までの感想をひとりひとり述べ合い、その成功と ここまでの労をねぎらいあった。感動が再び。 最後の食事が終わり、お別れのときが 10 月 14 日(土) 早朝 5 時 30 分、朝食を済ませ、6 時過ぎ、ブカレスト空港に向かった。 8 時 35 分、ブカレスト空港を出発。ローマ空港経由で日本時間の 6 時 40 分、成田空港に無 事到着した。長旅は疲れたが、その活動での感動や喜びが、その疲れを癒してくれた。 「掃除」を通じてのルーマニアとの掃除研修・交流、そして多くの学びと体験、決して忘れる ことなく有意義なものでした。 最後に、今掃除研修に深い関わりを持ち 準備していただいた「カイゼン研究所」日本 オフィスのブラッド社長、並びに、一緒に同 行し、しっかりサポートしていただいたサニ ャさんには、心より感謝とお礼申し上げます。 今回、全てにこの言葉からほじまり、この言葉に終わった “日本の輝きをルーマニアの都市に” 大変ありがとうございました。 平成 23 年 10 月 20 日 報告者 NPO法人 日本を美しくする会 副会長 千種敏夫