Comments
Description
Transcript
陰茎海綿体の解剖と勃起のメカニズム
J-1 特別講演 陰茎海綿体の解剖 と勃起の メカニズ ム 東邦大学 医学部泌尿器 科学講座 永 尾 光 一 ヒ トの 陰茎 は,尿 道 海 綿 体 と一 対 の陰 茎 海 綿 体 か らな る.陰 茎 海 綿 体 は陰 茎 の背 側 に2本 あ り中 央 で 交通 性 が あ る.陰 茎 海 綿 体 は勃 起 に関 す る組 織 で あ り,硬 い 白膜 に覆 わ れ 血 液 を充 満 させ る こ とで 陰 茎 硬 度 を増 す.陰 茎 海 綿 体 内 に血 液 を 運 ぶ 動 脈 は,内 陰部 動 脈 の分 枝 の海 綿 体 動 脈 で あ り,入 っ た 血 液 は,非 勃 起 時 に は毛 細 血 管 網 か ら白膜 下 静 脈 叢 を流 れ た の ち,後 海 綿 体 小 静 脈 よ り貫 通 静 脈 へ 流 出 す るが,勃 起 時 に は らせ ん 動 脈 よ り陰 茎 海 綿体 洞 に入 り血 液 が 充 満 す る.一 部 後 海 綿 体 小 静 脈 よ り貫 通 静 脈 へ 流 出 す るが,貫 通 静 脈 は伸 展 され た陰 茎 海 綿 体 白 膜 に絞 扼 され 血 液 の流 出 が 抑 制 され る.こ の メ カ ニ ズ ム を静 脈 閉 鎖 機 能 とい う.末 梢 神 経 の 体 性 神 経 で あ る陰 部 神 経 は陰 茎 背 神 経 を介 し て陰 茎 の 知 覚 を仙 髄 や上 位 中 枢 に伝 え,ま た,坐 骨 海 綿 体 筋 や 球 海 綿 体 筋 を支 配 し球 海 綿 体 筋 反 射 な どで 海 綿 体 内圧 を上 昇 させ る.副 交 感 神 経 で あ る骨 盤 神 経 は仙 髄 か ら出 て 骨 盤 神 経 叢 に入 り海 綿 体 神 経 に な る.ま た,交 感 神 経 は,胸 腰 髄 か ら出 て腰 内 臓 神 経 や 上 下 腹 神 経 叢 を経 て 下 腹 神 経 とな り これ も骨 盤 神 経 叢 に入 り海 綿 体 神 経 を構 成 す る.骨 盤 神 経 は勃 起 に促 進 的 に働 き,下 腹 神 経 は抑 制 的 に働 き,射 精 に も関 与 す る. さ らに,海 綿 体 神 経 に,NANC(非 ア ドレ ナ リ ン非 コ リ ン作 動 性)神 経 が 含 ま れ勃 起 の 発 現 に 中 心 的 に働 く.そ の神 経 終 末 で 一 酸 化 窒 素(NO)が 合 成 され,NOは お よ び平 滑 筋 に浸 透 しグ ア ニ ー ル酸 シ ク ラ ー ゼ を刺 激 し,GTPか cGMPはcGMP特 る.そ らcGMPを せ ん動 脈 産 生 す る.こ の 異 的 プ ロ テ イ ン キ ナ ー ゼ に結 合 し,細 胞 内 の カ ル シ ウム 濃 度 を 低 下 させ して 海 綿 体 動 脈 ・らせ ん動 脈 と海 綿 体 小 柱 の 平 滑 筋 が 弛 緩 し動 脈 血 が ス ポ ン ジ状 の海 綿 体 洞 に 流 入 し充 満 す る.そ の他 のNO合 管 や 内皮 細 胞 表 面 のM3受 cGMPを 海 綿 体 動 脈,ら 成 は,副 交感 神 経 か ら放 出 され た ア セ チ ル コ リンが 血 容 体 に結 合 し行 わ れ る.勃 起 の 消 退 系 と して は,交 感 神 経 系 の 他 に, 不 活 化 させ るホ ス ポ ジエ ス テ ラ ー ゼ(PDE)が 上あ る.陰 茎 海 綿 体 で はPDE5が 床 の場 で 活 躍 して い る. あ り,そ の ア イ ソザ イ ム は11種 類 以 最 も優 位 で あ り,こ れ を阻 害 す る薬 剤 が 勃 起 治療 薬 と して臨 J-2 S1-1. Regulation of Cyclic Nucleotides Section of Urology, Yale University Marcia in the Urinary Tract School of Medicine New Haven, CT A. Wheeler Cyclic nucleotide levels are controlled through their synthesis from nucleotide triphosphates and their degradation cyclic AMP-induced to 5'-monophosphates relaxation by phosphodiesterases Components controlling in the urinary tract include receptors, inhibitory proteins, isoforms of adenylyl cyclase and PDEs. by calmodulin and by cyclic GMP. Cyclic GMP regulates (PDEs). by cyclases and stimulatory G- Hydrolysis of cyclic AMP by PDEs can be regulated a number of functions, including relaxation within the urinary tract. In the bladder, three isoforms of nitric oxide synthase can activate soluble guanylyl cyclase. Furthermore, natriuretic peptides can activate at least two particulate guanylyl cyclases. Soluble and particulate guanylyl cyclase activity has been detected in the ureter and urethra. In the urethra, changes in cyclic GMP levels via nitric oxide synthase and soluble guanylyl cyclase are responsible for non-adrenergic, non-cholinergic relaxation. Members of the eleven member PDE family that have been identified in the bladder which is CaM-calmodulin stimulated include PDE1, dependent and hydrolyzes both cyclic AMP and cyclic GMP, PDE2, which is by cyclic GMP and hydrolyzes both cyclic AMP and cyclic GMP, PDE3 which is inhibited by cyclic GMP and preferentially hydrolyzes cyclic AMP, PDE4, which is cyclic AMP specific and PDE5A1, 2 and 3 which are the inhibited by sildinifil and are cyclic GMP specific. In porcine bladder, vinpocetine, a PDE1 inhibitor that inhibits both cyclic AMP and cyclic GMP hydrolysis, causes relaxation. of PDE3 (milrinone), PDE4 (rolipram) and PDE1, 5 and 9 (zaprinast) Inhibitors have little effect on relaxation, however in rabbit detrusor, the PDE5 inhibitor, sildenafil, increases relaxation. In the ureter, PDE1, 2, 4, 5 and a cyclic AMP PDE that is insensitive to inhibition by xanthines and papaverine (PDE7 or 8) have been identified. In the rabbit ureter, rolipram induces relaxation without biologically significant side effects and may be of benefit for treatment of renal or ureteral colic or for the facilitation of ureteral stone passage. RNA transcripts for PDE1, 2, 4, 5, 7, 8, 9, 10 and 11A have been identified in the prostate. PDE11A hydrolyzes both cyclic AMP and cyclic GMP and has a limited tissue distribution, primarily in prostate and skeletal muscle. Tension induced by adrenergic agonists in human prostatic tissue is partially reversed by inhibitors of PDE4 and 5. Inhibitors of PDE1 and 2 are less potent. Inhibitors of PDE4 and 5 may be of use for treating urinary obstruction secondary to benign prostatic hyperplasia. In the urethra, little has been done to characterize Additionally, zaprinast ized female rats. Current information potentiates reflex-evoked PDE isoforms. PDE5A1, 2, and 3 have been identified. changes in bladder and urethral pressures in anesthet- of the role of PDE isoenzymes in the urinary tract, while limited and fragmentary, indicates that PDEs are key components of cyclic nucleotide signaling pathways. The large number of components in the signaling pathways offers the possibility of determining cell specific inhibitors. Information on the molecular organization, regulation and biological function of PDEs may produce novel therapeutics. J-3 S1-2. 平 滑 筋 に お け るPDEと 日本 獣 医畜 産 大 学 金田 獣 医 薬理 学 教 室 剛治 細 胞 内 の サ イ ク リ ッ クAMPお ラ ー ゼ(PDE)は PDE2は その阻害剤 現 在11の 副 腎 に,PDE3は 平 滑 筋 な ど に,PDE5は よ び サ イ ク リ ッ クGMPの 制 御 に重 要 な 役 割 を示 す ホ ス ポ ジ エ ス テ フ ァ ミ リー に 分 類 され て い る.PDE1は 血 小 板,心 臓,脂 肪 細 胞 な ど に,PDE4は 肺,血 小 板,平 滑 筋 な ど に,PDE6は 特 に 中 枢 系,心 腎 臓,生 臓,腎 殖 腺,心 臓 な ど に, 筋,肝臓,気 道 網 膜 視 細 胞 に高 い 活 性 を 示 し,PDE7か ら11は い くつ か の 組 織 に お い て,遺 伝 子 や 蛋 白 の発 現 が 確 認 さ れ て い る. この うち,PDE1か ら5型 に は そ れ ぞ れ 選 択 的 な 阻 害 剤 が 存 在 す る.平 滑 筋 に お い て こ れ ら の 阻 害 剤 に よ る弛 緩 の効 力 に は臓 器 差 が あ る こ とが 示 さ れ て き た.血 気 管 平 滑 筋 で はPDE3お よび4型 が,膀 型 が 強 い 効 力 を 示 す こ とが 報 告 され て き た.し り,こ れ ら のPDE阻 管 平 滑 筋 で はPDE3型 胱 平 滑 筋 で はPDE1お よ び5型 が,陰 が 最 も 強 い効 力 を, 茎 海 綿 体 平 滑 筋 で は5 か し,消 化 管 平 滑 筋 で は 収 縮 刺 激 条 件 の 違 い な ど も あ 害 剤 の効 力 の 差 異 を明 らか に し た 報 告 は少 な い.我 々 は これ ま で に モ ル モ ッ ト回 腸 お よ び 盲 腸 紐 の 収 縮 に対 す るPDE1-5阻 型)>Ro20-1724(4型)>ミ 害 剤 の 収 縮 抑 制 効 力 を 比 較 し,回 腸 で は ザ プ リ ナ ス ト(5 ル リノ ン(3型)の 順 に 強 く,盲 腸 紐 で は ザ プ リナ ス ト>ヴ ィ ンポ セ チ ン (1型)>EHNA(2型)>Ro20-1724>ミ ル リノ ン の 順 に 強 く,さ ら に各 阻 害 剤 の 弛 緩 と関 連 す る 環 状 ヌ ク レ オ チ ドに つ い て 報 告 し て き た.今 回 さ ら に モ ル モ ッ ト胆 嚢 に お け るPDE1-5阻 害剤 の収縮 抑制 効 力 と各 阻 害 剤 の 弛 緩 と関 連 す る環 状 ヌ ク レ オ チ ド を 明 ら か に した.こ を制 御 す るPDEフ また,我 々 は平 滑 筋 弛 緩 薬 の 原 型 で あ る非 選 択 的PDE阻 で は,主 にcAMPあ る い はcGMPを る い はcGMPと S1-3. PDE阻 害 剤 のパ パベ リ ンに よる弛緩 機構 は大 動脈 介 す るが,し か し膀 胱,回 腸 あ る い は子 宮 平 滑 筋 で は 主 に ミ トコ ン ド リア の 呼 吸 抑 制 に よ る こ と を報 告 し て き た.今 とcAMPあ れ ら よ り,消 化 管 平 滑 筋 収 縮 ァ ミ リー の 関 与 を 検 討 し,他 臓 器 で 報 告 され て き た 成 績 と比 較 す る. 回 は こ れ ら の成 績 を も と に,各 臓 器 に お け る 弛 緩 の 関連 性 を示 す. 害 薬 と循 環 器 用 薬 剤 北海 道 大 学大 学 院 医学 研 究科 循 環 病 態 内科 佐久 間一郎 PDEは サ ブ タ イ プ に分 か れ るが,そ の い くつ か の 選 択 的 阻 害 薬 は循 環 器 用 剤 や 勃 起 障 害(ED)改 善 薬 と して 臨 床 応 用 さ れ て い る.た と え ば,シ ロ ス タ ゾ ー ル(プ レ タ ー ル(R))は 血 管 平 滑 筋 や 血 小 板 で cAMPを 上 昇 さ せ,閉 塞 性 動 脈 硬 化 症 治 療 薬 と し て 用 い ら れ るが,心 臓 で も弱 いcAMP増 加 作 用が あ り,洞 性 除 脈 の 治 療 に利 用 され る こ とが あ る.キ サ ン チ ン誘 導 体 は 気 管 支 平 滑 筋 や 心 臓 でcAMPを 増 加 させ,気 管 支 拡 張 薬 や 強 心 薬 と し て使 用 され る.一 方,cGMPを 増 加 させ るPDE阻 害薬 として はジ ピ リ ダ モ ー ル(ペ ル サ ン チ ン(R))が あ り,そ の ア デ ノ シ ンre-uptake阻 害 作 用 に よ るcAMP増 加作用 とあ い ま ち,血 小 板 凝 集 抑 制 作 用 や 血 管 拡 張 作 用 が 惹 起 さ れ る.シ ル デ ナ フ ィル(バ イ ア グ ラ(R))は PDE5型 の選 択 的 阻 害 薬 で あ り,陰 茎 海 綿 体 平 滑 筋 で 神 経 終 末 お よ び血 管 内 皮 細 胞 由 来 のNOに cGMPの 増 加 を遷 延 さ せ る こ と に よ り,勃 起 が 増 強 す る. しか る に,5型PDEは す る.た 血 管 平 滑 筋 に も存 在 す る の で,シ ル デ ナ フ ィル はNOを と え ば,血 管 内 皮 由 来 のNOを よる 介 す る血 管 弛 緩 も増 強 増 加 す る こ と に よ り,血 圧 低 下 や 頭 痛,鼻 閉 といった 副作 用 が 惹 起 さ れ る.さ ら に,硝 酸 薬 は血 管 平 滑 筋 でNOを 放 出 し て 血 管 を 拡 張 す る.従 っ て,シ ル デ ナ フ ィ ル と硝 酸 薬 が 併 用 さ れ る と,NOを 介 した 血 管 拡 張 作 用 が 増 強 され,著 明 な血 圧 低 下 が 起 こ る場 合 が あ る.そ の 際,健 減 少 し,心 い る. 常 者 で は冠 血 流 は一 定 に保 た れ る が,冠 筋 虚 血 を誘 発 す る危 険 が あ る.従 硝 酸 薬 以 外 に もNOを 動 脈 狭 窄 が 存 在 す る狭 心 症 患 者 で は 冠 灌 流 が っ て,硝 酸 薬 等 と シ ル デ ナ フ ィル の 併 用 は禁 忌 と され て 放 出 す る 薬 剤 が あ り,Kチ ャ ネ ル 開 口薬 の ニ コ ラ ン ジ ル(シ グ マ ー ト(R))やβ 遮 断 薬 の ニ プ ラ ジ ロ ー ル(ハ イ パ ジ ー ル コ ー ワ(R))が臨 床 応 用 さ れ て い る.わ れ わ れ は,実 際 に こ れ ら 血 管 拡 張 薬 が シル デ ナ フ ィ ル と相 互 作 用 を有 し,血 管 拡 張 作 用 の 増 強 が 認 め られ る こ とを 報 告 し た.従 っ て,こ れ ら の薬 剤 は シ ル デ ナ フ ィ ル との 併 用 は禁 忌 と な る.一 方,Caチ ャ ネ ル 拮 抗 薬 や β2刺 激 薬 と シ ル デ ナ フ ィ ル の 間 に は 相 互 作 用 は認 め られ ず,こ れ らは 安 全 に併 用 す る こ とが で き る . J-4 S1-4. PDE阻 害 薬 の 臨 床 応 用 昭和 大 学横 浜 市 北部 病 院 泌尿 器 科 佐々 木春 明 泌 尿 器 科 に お け るPDE阻 全 世 界 でEDの 害 薬 の 臨 床 応 用 は,勃 Vardenafil,Tadalafilの3種 ら,本 類 が 既 に 使 用 さ れ て い る が,本 邦 で も1999年3月 医 が 経 験 し たED治 にSildenafilが 療 と し て のPDE5阻 認 可 さ れ,5年 ボ60例, 50mg58例, あ っ た が,投 100mg65例)で,挿 与 後 は プ ラ セ ボ 群2.17, ラ 群 で 有 意 な 改 善 を 示 し,ま プ ラ セ ボ 群1.72, 25mg2.97, 性 評 価 は245例(プ ラ セ ボ62例, (プ ラ セ ボ2例, 50mg10例, 25mg3例, 全 性 が 高 い こ と(3)使 100mg6例),視 な ど で あ っ た.そ ら に,ア 25mg60例, index 25mg3.52, 100mg3.60と 覚 異 常6.0%(プ of erectile function: ラセ IIEF)ス 100mg3.80と あ っ た 投 与 前 のIIEFス バ イ アグ コ ア が,投 バ イ ア グ ラ 群 で 有 意 に 改 善 し た.一 100mg65例)で 100mg10例),頭 行 わ れ,ほ 痛10.9%(プ ラ セ ボ0例, の 後 も 国 内 外 でSildenafilの い やす い こ 必 要 時 頓 用 の経 内 の 臨 床 試 験 は243例(プ 50mg3.83, 50mg58例, 50mg12例, か しなが 間で われわ れ泌尿 器科 入 の頻 度 お よ び 勃 起 の 維 持 に 関 し て 評 価 た 勃 起 の 維 持 に 関 し て も1.30で 50mg3.53, み で あ る.し の5年 が 挙 げ ら れ る.Sildenafilは 入 の 頻 度 は 投 与 前 の 国 際 勃 起 機 能 検 査(international コ ア は1.65で 療 薬 で あ り, 害 薬 はSildenafil, つ い て 概 説 す る. い や す い 最 も 理 想 的 な 投 与 経 路 の ひ と つ で あ る.国 25mg60例, し た.挿 ED)治 邦 で はSildenafilの 効 性 が 高 い こ と(2)安 者 お よ び パ ー トナ ー の 満 足 度 が 高 い こ と の4つ 口 投 与 で あ り,使 dysfunction: 外 国 で はPDE5阻 が 経 過 し た.こ 害 薬(Sildenafil)に 理 想 的 な 治 療 薬 と し て の 条 件 は,(1)有 と(4)患 起 障 害(erectile 第 一選 択 治 療 法 と し て 不 動 の 地 位 を 確 保 し た.諸 50mg2例, 全 て り13.7% ラ セ ボ2例, 25mg0例, 与 後 は 方,安 25mg4例, 100mg9例) 高 い 有 効 性 と 安 全 性 に 関 し て 数 多 く報 告 さ れ て い る.さ ン ケ ー ト調 査 に よ る とSildenafilの 満 足 度 は 本 人 の み な ら ず パ ー ト ナ ー で も60.8%と 高 い評 価 が 得 ら れ て い る3). 以 上 か ら,PDE5阻 1) 白 井 将 文,塚 害 薬(Sildenafil)は 本 泰 司,佐 藤 嘉 一,他:勃 セ ボ 対 照 比 較 試 験 成 績,西 2) Rosen, RC, assessment 3) et al.: The of erectile 佐 々 木 春 明,他:勃 理 想 的 なED治 療 薬 で あ る. 起 不 全 に対 す る 経 口 治 療 薬 シ ル デ ナ フ ィ ル の 無 作 為 化 二 重 盲 検 プ ラ 日 泌 尿,62,373-382,2000. international dysfunction. index of erectile function Urology, 起 障 害 の 治 療 チ ャ ー ト,治 49: (IIEF): 822-830,1997. 療,84(11),2719-2724,2002. A multidimensional scale for J-5 S2-1. 心 臓 洞 房 結 節 細 胞 の 自動 運 動 奈 良 医大 薬 理 佐藤 広康 単 一 洞 房 結 節 細 胞 は 自発 性 興 奮 を 示 す.そ の 活 動 電 位 は 特 異 的 形 状 を著 わ し,自 動 能 機 序 は 第4相 の 緩 徐 脱 分 極(ペ ー ス メ ー カ ー)電 位 に起 因 す る.ペ ー ス メ ー カ ー 電 位 に 関 与 す る イ オ ンチ ャ ネ ル は 単 独 で は な く数 種 の イ オ ン チ ャ ネ ル 電 流 が 相 互 に 複 雑 に 関 わ っ て い る.L型Ca2+チ ャネ ル(ICaL), K+チ ャ ネ ル の コ ン ダ ク タ ンス の 減 少(GK),持 続 性 内 向 き 電 流(ISt),遅 延 整 流 性K+電 流(IK),過 分 極 活 性化 内 向 き電 流(If),T型Ca2+チ ャ ネ ル(ICaT),Na+/Ca2+交 換 電 流(INa/Ca),ATP感 電 流(IKATP)な どが 挙 げ られ る.こ れ らの イ オ ン チ ャ ネ ル は 自律 神 経 の 相 反 支 配 を う け,さ に機 能 し て い る. 受 性K+ ら に複 雑 哺 乳 動 物 間 で の 洞 房 結 節 細 胞 の活 動 電 位 形 状 に は大 差 は な く,最 大 拡 張 期 電 位(-60mV)やTTX 感 受 性 な ど共 通 点 は 多 い.し か し,洞 調 律 と活 動 電 位 持 続 時 間 に は種 差 が あ る.洞 調 律 の 差 異 は最 も 著 明 で,体 の大 き さ(体 重)に 依 存 す る と言 わ れ て い る.我 々 の 研 究 か ら,ペ ー ス メ ー カ ー 電 位 に 貢 献 す る イ オ ン チ ャ ネ ル 電 流 に 動 物 種 間 で 差 異 が あ る こ とが 判 明 した.ラ ッ トで は過 分 極 パ ル ス に よ っ て 出現 す る著 明 な 内 向 き 整 流 電 流(IK1)に よ っ て,If電 流 発 現 が マ ス ク さ れ 弱 い 活 性 化 し な い こ とが 判 明 した.著 明 なIf電 流 を も つ ウサ ギ,モ ル モ ッ ト と は,全 く異 な る.最 近 の サ ル の 研 究 で は,ラ ッ ト と類 似 し た イ オ ンチ ャ ネ ル の 発 現 が 観 られ,ヒ ト との 関 連 性 の 発 見 に大 き な第 一 歩 とな っ た.ま た, IK電 流 は3種 の 電 流 成 分 か ら構 成 され て い る.多 くの 哺 乳 動 物 の 洞 房 結 節 細 胞 の 自 動 能 は早 期 活 性 化 電 流(IKr)に 依 存 度 が 大 き い.し か し,ブ タ だ け は遅 延 性 活 性 化 電 流(IKS)に 依 存 して い る こ とが 判 っ て い る.こ れ ら は イ オ ンチ ャ ネ ル 遺 伝 子(と くに,HCNチ ャ ネ ル)の 動 物 種 差 に よ る もの と推 測 さ れ るが,詳 細 な 解 明 は 不 明 で あ る. 洞 房 結 節 細 胞 も最 終 的 に はbeatingで あ り,収 縮 毎 に 細 胞 内Ca2+濃 度 を 上 昇 し 回 復 させ な け れ ば な らな い.つ ま り,beatingと は振 り子 運 動 で あ り,そ の 機 能 を膜 イ オ ン チ ャ ネ ル と細 胞 内 情 報 伝 達 系 が 執 り行 っ て い る. S2-2. 心 臓 に対 す る ペ ー ス メ ー カ ー 療 法 杏 林 大学 医 学 部第 二 内科 池田 隆徳 心 臓 は,循 環 動 態 に お け る ポ ン プ機 能 と し て の 役 割 を 担 っ て い る が,こ れ は 洞 結 節 か ら発 せ られ た 電 気 信 号 が 刺 激 伝 導 系 を介 し て心 房 か ら心 室 へ と行 き渡 り,歩 調 を 合 わ せ て一 斉 に 収 縮 す る こ とで 成 り立 っ て い る.興 奮 の発 生 源 で あ る洞 結 節 や 心 房 と心 室 を連 絡 す る 房 室 結 節 ・ヒ ス 束 な どが 障 害 され る と,洞 停 止 や 房 室 ブ ロ ッ ク な どが 生 じ て 心 停 止 と な る た め,ペ ー ス メ ー カ ー 治 療 の 適 応 と な る.ペ ー ス メ ー カ ー は,こ の よ う な徐 脈 性 不 整 脈 の 治 療 に 主 に用 い られ る が,心 室 頻 拍 ・細 動 や 心 房 細 動 な ど の 頻 脈 性 不 整 脈 に対 して も使 用 され る こ とが あ る.突 然 死 の 予 防 装 置 と し て植 込 み 型 除 細 動 器 が あ る が,こ れ も頻 拍 に対 す るペ ー ス メ ー カ ー 機 能 を備 え て い る.最 近 で は,ペ ー ス メ ー カ ー は重 症 心 不 全 の 治 療 と し て も用 い られ て お り,左 右 の 心 室 を 同 時 に ペ ー シ ン グす る こ とで 両 心 室 の 動 き を 同 期 させ, 心 臓 の 動 き の 改 善 を 図 る方 法 で あ り,心 臓 再 同 期 療 法 と呼 ば れ る. 植 込 み 型 ペ ー ス メ ー カ ー は,そ の 本 体 で あ る ジ ェ ネ レ ー タ ー と電 極 リー ドに よ っ て 構 成 さ れ る.ジ ェ ネ レー タ ー に は,IC化 した 電 子 回 路 と小 型 大 容 量 の リチ ウ ム 電 位 が 内 蔵 さ れ て い る.ジ ェ ネ レ ー タ ー か ら発 せ ら れ た 刺 激 は,電 極 リー ドを 介 して 先 端 の 電 極 に伝 え ら れ,そ の 電 極 に接 し た 局 所 心 筋 を興 奮 さ せ る.そ し て,そ の 興 奮 は細 胞 間 接 合 を介 し て 心 臓 全 体 に 伝 え られ,心 臓 は収 縮 す る.心 筋 に は, ペ ー シ ン グ に 対 して 一 定 以 上 の 出 力 で な い と興 奮 し な い(刺 激 閾 値)と い う 法 則 が あ り,ま た,興 奮 終 了 後 に は い か な る刺 激 に も反 応 し な い 時 期(絶 対 不 応 期)が あ る.通 電 の た め の 電 極 に は 単 極 と双 極 の2つ が あ る.単 極 の場 合 は,1つ の 電 極 を 心 筋 に 接 触 さ せ,ペ ー ス メ ー カ ー 本 体 が 不 関 電 極 とな る. 双 極 の 場 合 は,2つ の電 極 を心 筋 に接 触 さ せ,こ の2極 間 で の 刺 激 と な る.後 者 の ほ う が 主 流 とな っ て い る.通 電 は,陰 極 刺 激 の ほ うが 刺 激 閾 値 を低 くす る こ とが 可 能 な た め,通 常,心 筋 と の接 触 が 最 も 良 好 で あ る リー ド先 端 を陰 性電 極 と し て い る.心 筋 で は 電 極 留 置 後 に一 過 性 に刺 激 閾 値 が.上昇 す る こ とが あ る が,こ れ は炎 症 反 応 が 生 じて,心 筋 と電 極 との 間 に 結 合 組 織 膜 が 形 成 さ れ る こ とに よ る.こ の 現 象 は,電 極 先 端 部 に ス テ ロ イ ド剤 を付 着 した リー ドを使 用 す る こ とで,そ の軽 減 を図 る こ とが で き る. 以 上が,心 臓 に対 す るペ ー ス メ ー カ ー療 法 の 概 要 で あ る. J-6 S2-3. Pacemaker in Urinary Activity in the Upper Urinary Tract; Tract Smooth Muscle. Functional Role of Nitric Oxide Section of Urology, Yale University School of Medicine. New Haven, CT Robert M. Weiss, M.D. Donald Gutherie The function conditions, Professor of the ureter ureteral peristalsis and Chief is to transport urine from the kidney to the bladder. begins with the spontaneous origin of electrical Under normal activity at pace- maker sites located in the proximal portion of the urinary collecting system. The electrical activity is propagated distally and gives rise to the mechanical event of peristalsis, ureteral contraction, depends that moves the ureter's the bolus of urine distally. ability to completely Efficient coapt its walls. propulsion Pacemaker of the urinary bolus fibers differ from non- pacemaker fibers in that their resting membrane potential is less negative and does not remain constant but rather undergoes a slow spontaneous depolarization. If a sufficient area of the cell membrane referred is depolarized rapidly to as the threshold enough potential, to reach a critical a regenerative level of transmembrane depolarization potential or upstroke of an action potential occurs. The action potential traverses from cell to cell across low resistance gap junctions giving rise to a propagated ureteral contraction. The location of pacemaker cells in the upper urinary tract varies with the species, but in general pacemaker cells are located in the proximal renal pelvis and calyces. Fibroblast-like cells resembling the interstitial cells of Cajal, which serve as pacemaker cells in the intestine, have been described in the proximal portion of the guinea pig renal pelvis. ed low-voltage potentials Morita and associates that appeared (1981) , using extracellular to be pacemaker potentials electrodes, from the border record- of the minor calyces and the major calyx. They noted that the contraction rhythm varied in each calyx which is in accord with multiple pacemakers being present in the multicalyceal kidney. Spontaneous shifts of the pacemaker occur from one site to another the primary for ureteral pacemaker peristalsis along the pyelocalyceal is located in the proximal system all regions of the ureter can act as latent pacemakers. Nitric oxide synthase (NOS) converts L-arginine to nitric border. portion oxide (NO) Although of the collecting that stimulates guanylyl cyclase activity with the resultant conversion of GTP to cGMP with resultant smooth muscle relaxation. NOS containing nerves have been demonstrated in the human ureter and at the pig uretero-vesical junction (UVJ). NO is involved in human ureteral relaxation and NO is involved in nonadrenergic, noncholinergic induced relaxation of the UVJ and the urethra. There are three isoforms and NADPH dent. There of NOS ; neuronal NOS (nNOS) and endothelial NOS (eNOS) are calcium dependent and inducible NOS (iNOS) is NADPH dependent but calcium indepenare at least two forms of NOS in the guinea pig ureter, bladder and urethra ; a soluble form with properties similar to nNOS, which is involved in urethral relaxation, particulate enzyme which has properties similar to iNOS, which is found in macrophages, may have implications in the patho-physiology of urinary tract infections. and a which J-7 S2-4. 消 化 管 の 自 動 運 動 ― ミ ュ ー タ ン トマ ウ ス 消 化 管 か ら マ ウ ス 胚 性 幹 細 胞 か らで きた 消 化 管 まで 奈 良 県立 医科 大 学 高木 都, 生 理 学 第二 講座 中川 正 消 化 管 の 運 動 は振 子 運 動 や 分 節 運 動(ま た は そ れ らの ハ イ ブ リ ッ ド)と い う腸 管 内 容 物 を撹 拌 ・混 和 す る役 割 を果 た す運 動 と,腸 管 内 容 物 を 口側 か ら肛 門 側 へ 輸 送 す る 役 割 を果 た す 蠕 動 運 動 が 代 表 的 で あ る.振 子 ・ 分 節 運 動 に つ い て は カ ハ ー ル の 間 質 細 胞(ICC)の あ る が,蠕 動 運 動 に つ い て は 自動 運 動 か ど う か,い ネ ッ トワ ー ク が 駆 動 す る 自動 運 動 で ま だ 確 定 的 で な い.蠕 動 運 動 は,腸 の 法 則 に 従 っ て 起 こ る腸 壁 内 神 経 系 を 介 す る 内反 射(蠕 動 反 射)が 消 化 管 全 体 に連 続 し て 起 こ る と考 え られ て い る. 自動 運 動 を引 き起 すICCネ ッ トワ ー ク と,蠕 動 反 射 を 引 き起 す 腸 壁 内 神 経 系 の両 者 の 関 係 が い か な る も の か を 明 らか に す る こ と は,消 化 管 の 運 動 制 御 機 構 を解 明 す る 上 で 重 要 な 課 題 と思 わ れ る. そ こで,1)特 定 の カハ ー ル の 間 質 細 胞(ICC-MY)ネ ッ トワ ー ク が 遺 伝 的 に 欠 損 し て い る ミ ュ-タ ン トマ ウ ス の腸 管 運 動 に お け る腸 壁 内 神 経 系 の 役 割 を 解 明 す る研 究 と,2)マ きた 消 化 管 様 細 胞 塊 に お け るICCネ ウ ス 胚 性 幹 細 胞 か らで ッ トワ ー ク と腸 壁 内神 経 ネ ッ トワ ー ク の 役 割 を 解 明 す る研 究 を 企 図 した. そ の 結 果,ICC-MY欠 で き な か った が,自 損 ミュ ー タ ン トマ ウ ス の 腸 管 で は漿 膜 側 か らは 電 気 的 なslow に一 酸 化 窒 素 性 神 経 の 強 い 抑 制 が 観 察 さ れ た.ま た,マ ウ ス 胚 性 幹 細 胞 は,ICCネ waveは 記録 動 運 動(蠕 動 運 動 に は見 え な い)は 規 則 性 が 劣 る もの の 存 在 し,腸 壁 内 神 経 系,特 か ら で きた 消 化 管 様 細 胞 塊 で ッ トワ ー ク が 十 分 に分 化 し,自 動 運 動 や 細 胞 塊 全 体 に 伝 播 す る 細 胞 内 カ ル シ ウ ム 振 動 な ど の 生 理 的 な機 能 が 働 い て い る こ とが 明 らか に な っ た.し 誘 導 を し な け れ ば,そ の 分 化 は不 十 分 で あ っ た.一 不 十 分 な 分 化 の も とで も観 察 さ れ て い るが,腸 見,蠕 か し,腸 壁 内 神 経 系 に つ い て は,特 定 の 分 化 動 運 動 に 見 え る 自動 運 動 が 腸 壁 内 神 経 系 の 壁 内 神 経 系 が 十 分 に分 化 す る と ど の よ う な 運 動 パ タ ー ン に 変 わ る か は現 在 検 討 中 で あ る. 以 上 の 結 果 か ら,消 化 管 運 動 の 発 生 機 構 に お い て カ ハ ー ル の 間 質 細 胞(ICC)ネ 経 ネ ッ トワ ー クが ど の よ う な 関 わ りを有 し て い る か に つ い て 考 察 す る. ッ トワ ー ク と腸 壁 内 神 J-8 S3-1. Detrusor and Gastroinestinal Department of Russell The (Ach) and M3 and ATP M5 greater than that in only may vitro mediate reverses tract and In the rat the recent the normal solely 0.1), via the while slopes detrusor strips The detrusor carbachol the of the is bladder. The studying disease both from also being due study role of of detrusor with an highlights processes. & ƒÀ3 muscle is far M3-receptors, M2-receptors cyclase in M4 contraction of however, the activity gastrointestinal obtained low in M2 importance carbachol in muscarinic These responses selecting the agonist, as has the the bladder with spinal injury. agonist 6.57•}0.08 in 4-DAMP the (pKB= obtained in normal function. with but suggest mediated muscarinic both values patients results to to for be (pKB=9.9•} performed the bladder M2-receptor from to due to bladder. on bladders to bladder affinity were values similar change of appeared (pKB=6.4•}0.3) normal performed overactive a high experiments the been overactive human having affinity tissues the the diabetes) have the In unclear. supersensitive in were with in overactive antagonist no still dysfunction. (denervation, of is affinity was antagonists. the a 6.17•}0.07 to to in studies treatment Similar , suggesting increase strips patients the the activity neurogenic from selective in few M2-receptors had supersensitive M2 to and a mixed smooth direct models but 4-DAMP (pKB=5.6•}0.1) unity) used antagonists). However again not M2 Ml, receptors resulting disease detrusor these increasing methoctramine and the M2 adenylate systems several M3-antagonist patients (P<0.01). M3 (ƒÀ2 contraction are methoctramine from were on of tissues in The the population some transmitter possess M2-receptors, reduction receptor in to the the for muscle tissues increased contraction pEC50 plots these human with unity the results is in antagonists M2-antagonist and bladders, sensitivity bladder, smooth while density minor In main (M1-M5). present the stimulation significantly examined M3-receptor (Schild Similar affinity human tissue 9.9•}0.1) tissue have obtained the preparations being the a is turnover, of via contraction. occur controlling studies with overactive density receptor were Ach and acetylcholine 5 subtypes muscle predominance b-adrenoceptor may contribute subtypes the (Schild are M3 intestinal tract). receptor Muscarinic receptor in oxide. muscle mediated normal neurotransmitters there and whereby by changes may M2 the the phosphate smooth is involved induced M2 receptors Our UK. maintaining smooth both muscle is urinary inositol detrusor "re-contraction" states, human. but Receptors Sheffield, nitric which Many Despite smooth subtype to subtypes, and receptors. indirect lower bladder M2 M3 this pathological and Sheffield, releasing releasing of coupled receptor of by cyclase. gastric relaxation the are detrusor an the Muscarinic for by receptors, adenylate colonic, and of responsible muscle sphincters subtypes muscarinic ileal, is smooth muscarinic inhibit intestinal and on receptor of In University system the relaxing acts subtypes itself. In and it population in contracting and receptor of nervous function, released Science, Muscle Chess-Williams parasympathetic bladder Biomedical Smooth idiopathic without that been reported most relevant overactive any the change increase in the animal in in diabetic model the tissue rat when J-9 S3-2. 排 尿 機 能 の 中枢 神 経 支 配 琉 球 大 学 医学 部 泌尿 器 科 菅谷 公男 膀 胱 は 自律 神 経 支 配 臓 器 の な か で 唯 一 随 意 調 節 可 能 な臓 器 で あ る.そ の た め,下 部 尿路 の神経 性調 節 は発 達 し,排 尿 や 蓄 尿 に は多 くの神 経 反 射 の 関 与 が 報 告 さ れ て い る.排 尿 は仙 髄 に起 始 核 の あ る骨 盤 神 経 を求 心 路 及 び 遠 心 路 と し脳 幹 の 橋 排 尿 中 枢 を 介 す る反 射 で行 わ れ,大 脳 前 頭 葉 か ら橋 排 尿 中 枢 へ は抑 制 性 投 射 が あ り,蓄 尿 を 維 持 し て い る.ま た,大 脳 か ら橋 排 尿 中 枢 へ の 抑 制 性 投 射 の 解 除(脱 抑 制)で 排 尿 が 起 こ る と考 え られ て い る.橋 排 尿 中枢 は ネ コ,イ ヌ で は青 斑 核 の 腹 側 の 青 斑 核 ア ル フ ァ に 相 当 し,ラ ッ トで は青 斑 核 の 内側 のBarrington核 制 野(橋 排 尿 中枢 の腹 内 側 の 橋 網 様 体)と,外 に相 当 す る.橋 に は 膀 胱 収 縮 を抑 制 す る橋 排 尿 抑 尿 道 括 約 筋 活 動 を増 強 させ て 膀 胱 収 縮 を抑 制 す る橋 蓄 尿 中 枢(青 斑 下 核)も 存 在 す る.仙 髄 に は興 奮 性 グ ル タ ミ ン酸 ニ ュー ロ ン と抑 制 性 グ リ シ ン ・GABA ニ ュ ー ロ ンが 存 在 し,グ ル タ ミ ン酸 は膀 胱 及 び 外 尿 道 括 約 筋 活 動 の 増 強 に,グ リ シ ン ・GABAは それ らの 抑 制 に 働 い て い る.こ れ らア ミノ 酸 系 ニ ュー ロ ン は 排 尿 や 蓄 尿 の遠 心 路 の み な らず 求 心 路 に も強 く影 響 し て い る.ま た,グ ル タ ミ ン酸 ニ ュ ー ロ ン は グ リ シ ンニ ュ ー ロ ン を作 動 さ せ,グ リ シ ン ニ ュ ー ロ ン は グ ル タ ミ ン酸 ニ ュ ー ロ ン を抑 制 す る関 係 に あ る.橋 の3ヵ 所 の 排 尿 ・ 蓄 尿 関連領 域 か らは仙髄 の グ ル タ ミ ン酸 及 び グ リ シ ン ・GABAニ 達 性 経 路 と延 髄 を介 す る 経 路 の2経 介 す る 経 路 が,橋 ュ ー ロ ン に投 射 が あ るが,橋 か ら仙 髄 へ の 投 射 に は い ず れ も直 路 が 考 え られ て い る.橋 排 尿 中 枢 か らは 延 髄 の 大 細 胞 性 網 様 核 を 網 様 体 か ら は巨 大 細 胞 性 網 様 核 を介 す る経 路 が,そ し て橋 蓄 尿 中 枢 か ら は大 縫 線 核 を 介 す る経 路 が あ り,こ れ ら延 髄 の 領 域 は橋 か らの 投 射 を増 強 し て い る こ とが 考 え られ る.し か し,橋 内 や 延 髄 内 で は こ れ ら排 尿 ・蓄 尿 関 連 領 域 の お 互 い の 関 連 は ほ と ん どな い.大 脳 か ら は橋 の これ ら排 尿 ・蓄 尿 関 連 領 域 に投 射 が あ り,最 終 的 に は仙 髄 の グ ル タ ミ ン酸 や グ リ シ ン ・GABAニ か し て 排 尿 や 蓄 尿 を行 っ て い る.し た が っ て,排 系,延 髄 は動 力 系,仙 S3-3. ュー ロ ンを動 尿 の 中 枢 神 経 機 構 は,大 脳 は 随 意 調 節 系,橋 は起 動 髄 は実 行 系 と し て 捉 え る こ と が で き る. 消化管機能 の中枢神経支 配 東 北大 学 大 学院 医 学 系研 究 科人 間行 動 学 福土 審 ス トレ ス は 身 体 諸 臓 器 に さ ま ざ ま な影 響 を 及 ぼ す.下 部 消 化 管 は そ の 代 表 的臓 器 で あ る.こ の ス ト レ ス-脳-消 化 器 の軸 に典 型 的 に見 られ る現 象 を脳 腸 相 関(brain-gut ロ ス タ ッ ト法,脳 機 能 画 像 法,分 子 生 物 学,臨 interactions)と 呼 ぶ.消 れ つ つ あ る.脳 腸 相 関 が 病 態 の 中 心 を な す 疾 患 群 の 代 表 が 過 敏 性腸 症 候 群(irritable drome; IBS)で あ る.IBSと 化管 バ 床 疫 学 的 分 析 の 進 歩 に よ り,脳 腸 相 関 の詳 細 が 解 明 さ bowel syn- は,一 般 臨 床 検 査 で 把 握 さ れ る形 態 変 化 を欠 く に もか か わ らず,腹 痛 と 便 通 異 常 に代 表 さ れ る下 部 消 化 管 症 状 が 慢 性,再 負 荷 に 対 す る 消 化 管 運 動 亢 進 が 見 られ,高 外 傷 体 験 を持 つ もの の 割 合 が 高 い.こ 発 性 に持 続 す る症 候 群 で あ る.IBSで は,ス トレ ス 率 に不 安 ・抑 うつ を 中 心 とす る 心 理 的 異 常 を 合 併 し,心 的 の よ う な脳 か ら消 化 管 へ の 遠 心 性 信 号 だ け で な く,逆 方 向 の 信 号 の 臨 床 的 重 要 性 が 認 識 さ れ つ つ あ る.す な わ ち,消 化 管 か ら脳 へ の 求 心 性 信 号 がIBSの 病 態形成 に 果 す 役 割 が 明 確 に な っ て き た.バ ロ ス タ ッ ト法 で は,柔 ら か な 合 成 樹 脂 の バ ッ グ を消 化 管 に 挿 入 し,一 定 の低 圧 を消 化 管 に 与 え る こ とに よ り,内 腔 を 閉 塞 す る収 縮 運 動 の み な らず,内 運 動,消 化 管 壁 緊 張 の変 化,特 に 弛 緩 反 応 を検 出 で き る.ま た,バ させ る こ とで,消 化 管 知 覚 を 定 量 的 に評 価 で き る.脳 機 能 画 像 法 のpositron (PET)と module,対 大 脳 誘 発 電 位 に よ り,ヒ 応 す る脳 部 位,神 腔 を閉 塞 しな い収 縮 ッグ内圧 を さ まざまな程 度 に変化 emission トに お け る消 化 管 知 覚 の メ カ ニ ズ ム の み な らず,刺 経 伝 達 物 質,情 tomograpy 激 下 の脳 機 能 報 処 理 パ タ ー ン,こ れ ら の結 果 と し て の 情 動 形 成 が 明 ら か に され つ つ あ る.脳 部 位 で は前 帯 状 回 と前 頭 前 野 が,神 経 伝 達 物 質 と し て は ノ ル ア ドレ ナ リ ン,セ ロ トニ ン,ヒ ス タ ミ ン,corticotropin-releasing (CRH)が IBSの 克 服 の み な らず,情 あ ろ う. hormone 重 要 で あ る .脳 腸 相 関 の 分 析 は, 動 の機 序 な ら び に脳 と 内臓 の機 能 的 関 連 の 解 明 に 有 益 な 情 報 を提 供 す る で J-10 S3-4. 消 化 管利 用 膀 胱 拡 大 術 後 の 膀 胱 機 能 の 経 時 的 変 化 信 州 大 学 医学 部泌 尿 器 科 井川 靖 彦, 市 野 み ど り, 関 聡, 加 藤 晴 朗, 石 塚 修, 西 沢 理 目 的: 神 経 因 性 膀 胱 患 者 の 膀 胱 蓄 尿 機 能 障 害 に対 す る消 化 管 利 用 膀 胱 拡 大 術 の 経 時 的 効 果 をS状 結 腸 利 用 群 と回 腸 利 用 群 に分 け て 検 討 した. 方 法: 対 象 はClam法 は,S状 に て 消 化 管 利 用 膀 胱 拡 大 術 を施 行 し た 神 経 因 性 膀 胱 患 者35例 結 腸 利 用 群(S群)が26例,回 央 値18)歳,I群9∼76(中 6∼57(平 均31.7)か (MCC),排 腸 利 用 群(I群)が9例 央 値21)歳),性 月,I群10∼49(平 別 に2群 均30.4)か 尿 筋 コ ン プ ラ イ ア ン ス(Comp),律 最 大 収 縮 圧(UICmax)を 結 果: MCCは,S群 で 術 前 平 均180mLか ら術 後3か 術 後1年 ら術 後3か 月387mLに,I群 ら術 後3か 月24.6mL/cmH2Oに,い 後1年 大膀 胱容 量 よび そ の で 術 前218mLか で術 ず れ も有 意 に増 大 し,両 群 間 で こ れ ら の効 両 群 と も に 術 後3か 以 上 の 時 点 で の 評 価 で は,S群 月 の 時点 で の値 とほ ぼ同等 で あ っ で25.1mL/cmH2O,I群 月 に比 べ て さ ら に漸 増 す る傾 向 を認 め た が,両 動 性 収 縮 波 の 出 現 率 は,術 後3か ら術 後3 月20.5mL/cmH20に,I群 以 上 の 時 点 で の 評 価 も追 跡 で きた23例(S群18例,I群5例) に つ い て長 期 的 な効 果 を み て み る と,MCCは と,両 群 と も に術 後3か の 内訳 後 経 過 観 察 期 間 はS群 ラ メ ー タ ー と し て,最 動 性 膀 胱 収 縮 波 の 出 現 時 の 膀 胱 容 量(VUIC)お で 術 前5.6mL/cmH2Oか 果 に 有 意 差 を認 め な か っ た.術 た が,Compは 間 で 有 意 差 は な か っ た.術 月 で あ っ た.パ で,そ 術 時 年 齢(S群5∼58(中 検 討 した. か 月400mLに,Compは,S群 前12.0mL/cmH2Oか で あ っ た.手 で27.5mL/cmH2O 群 間 で 有 意 差 は な か っ た.律 月 の 時 点 で は,S群46%(11/26例),I群33%(3/9例)と,S群 お い て や や 多 く出 現 す る 傾 向 が あ っ た が,統 計 学 的 な 有 意 差 を認 め な か っ た.VUICお 両 群 間 で 有 意 差 を認 め な か っ た.律 動 性 収 縮 波 が術 後1年 に よびUICmaxに 以 降 も残 存 し て い た 例 は3例 あ っ た が,い ず れ も尿 失 禁 は な く,術 後 早 期 に お い て も,律 動 性 収 縮 波 の有 無 と尿 失 禁 の 残 存 と の 間 に相 関 は な か っ た. 結 論: 膀 胱 拡 大 術 は,S状 結 腸,回 腸 の い ず れ を利 用 し て も,術 後3か 筋 コ ン プ ラ イ ア ン ス を有 意 に 増 大 させ,期 待 し た効 果 が 得 られ,術 れ る律 動 性 収 縮 波 を 認 め る こ とが 少 な くな い が,そ 問 題 と は な らな い もの と考 え る. 月 ま で に膀 胱 容 量 お よ び排 尿 後 早 期 に は 腸 管 蠕 動 に よ る と思 わ の 大 半 は術 後1年 以 内 に 自 然 消 退 し,臨 床 的 に は J-11 P-1. メ タ リ ッ ク ス テ ン トの 歴 史 的 考 察:開 発 の 経 緯 か ら最 新 の 動 向 ま で 慶 應義 塾 大 学 医学 部 放射 線 診 断科 橋本 統, 栗 林 幸夫 管 腔 臓 器 内 面 を 金 属 で 補 強 す る とい う発 想 は,1960年 代 に,Interventional Radiologyの 父 と呼 ば れ るDotterが,初 め て こ の世 に示 し た も の で あ る.そ の 後,ス テ ン トは,1980年 代 中 盤 に,テ キ サ ス の 二 人 の 放 射 線 科 医GianturcoやPalmazな ど に よ っ て,臨 床 の 場 に 導 入 し う る具 現 性 を与 え られ た.本 講 演 に お い て は,ス テ ン トの 語 源 を 含 め,現 代 に お け る ス テ ン ト隆 盛 の 礎 を 築 い た 偉 大 な 先 達 た ち に まず ス ポ ッ トを あ て,そ の 偉 業 を紹 介 す る. ス テ ン トの 臨 床 応 用 は,当 初,腸 骨 動 脈 ・ 冠 状 動 脈 に お い て 進 め られ,腎 動 脈,大 腿 ・膝 窩 動 脈,頚 動 脈,透 析 用 シ ャ ン ト血 管,大 静 脈,腕 頭 ・鎖 骨 下 静 脈 な ど,全 身 の 血 管 系 へ と応 用 範 囲 が 拡 大 し,さ ら に,そ の優 れ た 管 腔 構 造 保 持 機 能 は,胆 道 ・気 道 ・消 化 管 ・尿 道 な ど,他 の 管 腔 臓 器 へ の適 応 拡 大 を も可 能 と した. 血 管 狭 窄 の 治 療 に ス テ ン トを 用 い る こ と に よ り,バ ル ー ン カ テ ー テ ル を用 い た 血 管 形 成 術 施 行 時 に お け る初 期 成 功 率 低 下 の 二 大 要 因 で あ っ たelastic recoilと 解 離 を克 服 し う る と い う事 実 が 判 明 し た こ とが,そ の 後 の 爆 発 的 な 普 及 に 繋 が っ た が,一 方 で,ス テ ン ト留 置 が 刺 激 と な っ て 生 じ る 中 長 期 の 再 狭 窄 の 問 題 が 表 面 化 し,薬 剤 溶 出性 ス テ ン トに代 表 さ れ る 如 く,こ れ に対 す る様 々 な 打 開 策 が 産 み 出 され る に 至 っ て い る.本 講 演 に お い て は,こ の よ う な 沿 革 お よ び,再 狭 窄 撲 滅 の た め の 取 り組 み の 最 前 線 に つ い て も紹 介 す る. ま た,ス テ ン トに人 工 血 管 の 素 材 を組 み 合 わ せ た ス テ ン トグ ラ フ トが 派 生 し て 誕 生 し,現 在 で は,大 動 脈 疾 患 を 中 心 と し て,急 速 な 適 応 拡 大 が 進 み つ つ あ る.本 講 演 で は,日 本 か ら発 信 され る数 少 な い 医 療 材 料 の1つ で あ り,厳 密 な位 置 調 整 が 可 能 で あ る,優 れ た 瘤 シー ル ド効 果 を 有 す る,一 体 型 分 枝 付 きが 留 置 可 能 で あ る,高 い 柔 軟 性 の た め 急 峻 な屈 曲部 に も適 合 す る,伸 縮 可 能 な 蛇 腹 構 造 を有 す る た め 留 置 後 の 血 管 形 態 の 変 化 に も対 応 し う る な ど,数 々 の 先 進 性 に満 ち あ ふ れ た 井 上 式 ス テ ン トグ ラ フ トに つ き紹 介 す る. 最 後 に,将 来 展 望 と し て,夢 を 促 した い. P-2. ・ 理 想 の ス テ ン ト/ス テ ン トグ ラ フ ト像 を描 き,こ の 領 域 の益 々 の 発 展 腹 部 か ら四 肢 血 管 の ス テ ン ト治 療 奈 良県 立 医科 大 学 吉川 放射線科 公彦 血 管 性 病 変 に対 す る ス テ ン トに よ る治 療 は 閉 塞 性 疾 患 に対 す る ス テ ン トを 用 い た 経 皮 的 血 管 拡 張 術 (PTA)と 動 脈 瘤 に 対 す る ス テ ン トに人 工 血 管 を 巻 い た ス テ ン トグ ラ フ トに よ る ス テ ン トグ ラ フ ト治 療 に大 別 され,両 者 共,低 侵 襲 な治 療 法 と して 著 し い進 歩 を 遂 げ て い る.本 講 演 で は 腸 骨 ・大 腿 動 脈 の 閉 塞 性 動 脈 硬 化 症(ASO)に 対 す る ス テ ン ト治 療 な ら び に 腹 部 大 動 脈 瘤 に 対 す る ス テ ン トグ ラ フ ト 治 療 の 現 況 と問題 点 に つ い て,自 験 例 を 呈 示 し な が ら概 説 す る. 1. 腸 骨 動 脈ASO 本 邦 で は 腸 骨 動 脈 領 域 で3種 類 の ス テ ン トが 認 可 さ れ,バ ル ー ン カ テ ー テ ル に よ る 血 管 拡 張 術(バ ル ー ンPTA)後 の 残 存 狭 窄 や 内 膜 解 離,あ る い はバ ル ー ンPTA後 の再 狭 窄 例 を 中 心 に ス テ ン ト治 療 が 行 わ れ,良 好 な 治 療 成 績 が 報 告 さ れ て い る.最 近 で は治 療 技 術 の 進 歩 と相 ま っ て,従 来 血 管 内 治 療 の 適 応 外 と さ れ て き た 長 区 域 の 完 全 閉 塞 例 に も ス テ ン ト治 療 が 適 応 さ れ る よ う に な りつ つ あ る.筆 者 ら は139病 変 の腸 骨 動 脈 完 全 閉 塞 に 対 して ス テ ン ト治 療 を行 い,初 期 成 功 率99%,一 次 開 存 率89.1%, 二 次 開存 率97.1%と 良 好 な 成 績 を 得 て い る. 2. 大 腿 動 脈ASO 大 腿 動 脈ASOに 対 す る ス テ ン ト治 療 の初 期 成 功 率 は95-100%と 良 好 で あ る が,3年 開 存 率 は6366%と 満 足 の い く長 期 成 績 が 得 られ て い な い の が 現 状 で あ り,適 応 も限 定 さ れ て い る.し か し,最 近 nitinol stentを 用 い て2年 開 存 率84%と す る 報 告 も あ り,ま た 冠 動 脈 領 域 で す で に臨 床 応 用 が 始 ま っ て い るdrug eluting stentの 初 期 成 績 は 良 好 で あ り,大 腿 動 脈 で も ス テ ン ト治 療 は今 後 発 展 す る可 能 性 が あ る. 3. 腹 部 大 動 脈 瘤 大 動 脈 瘤 に対 す る ス テ ン トグ ラ フ ト治 療 は21世 紀 の 低 侵 襲 治 療 と し て 最 も期 待 さ れ て い る 治 療 法 の 一 つ で あ り,腹 部 大 動 脈 瘤 に対 して は 欧 米 を 中 心 に 数 種 類 の ス テ ン トグ ラ フ トが 認 可 さ れ,本 邦 で は2種 類 の ス テ ン トグ ラ フ トが 治 験 中 で あ る.初 期 成 績 は 良 好 で あ るが,endoleakや ス テ ン トグ ラ フ トの 変 形,破 損 等 の 問 題 点 もあ り,長 期 に わ た る 経 過 観 察 が 必 要 で あ る. J-12 P-3. 頸 動 脈 ス テ ン ト留 置 術 の 現 状 と今 後 神 戸 市立 中央 市民 病 院脳 神 経 外 科1,先 端 医 療 セ ンター脳 血 管 内 治療 部2 坂井 信 幸1,2, 坂 井 千 秋2, 黒 岩 輝 壮2, 森 実 飛 鳥1, 石 原 秀 行1, 中 尾 哲1, 菊 池 晴 彦1 【目 的 】 高 度 の 頸 動 脈 狭 窄 症 は 内 科 治 療 を 行 っ て も脳 卒 中 発 作 を効 果 的 に防 ぐ こ とが 難 し く,こ れ ま で は 頸 動 脈 内膜 剥 離 術(CEA)が ク リニ カ ル エ ビ デ ン ス に基 づ き行 わ れ て き た.CEAの し て 始 ま っ た 頸 動 脈 ス テ ン ト留 置 術(CAS)は,器 高危 険群 に対 材 の 開 発 改 良 と経 験 の 蓄 積 に基 づ き 今 後CEAに 取 っ て 代 わ る 低 侵 襲 血 行 再 建 術 と し て 大 き な 期 待 が か け られ て い る.CAS開 始 以 来 の 変 遷 を も とに, 現 在 の 標 準 的 治 療 戦 略 と今 後 の 展 望 を 自験 例 の分 析 を 交 え て を報 告 す る. 【対 象 と方 法 】1997年2月 (67.8±7.2)歳,390病 のCASを にCASを 変;症 行 っ て きた.当 開 始 以 来 これ まで に368症 候 性-195,無 初CEA高 症 候 性-199,平 例;男 性-304,女 性-64,年 齢50-84 均 狭 窄 率-78.1±12.4%に,395回,397手 危 険 群 と血 管 解 離 ・大 動 脈 炎 ・FMDな 技 ど を対 象 と した が,2年 前 か ら第 一 選 択 の 治 療 と して い る.局 所 麻 酔 ・大 腿 動 脈 ア プ ロ ー チ ・ガ イ デ ィ ン グ カ テ ー テ ル 留 置 ・控 え め の 前 拡 張 ・ス テ ン ト留 置 ・後 拡 張 を行 う手 技 は 一 貫 し て い る.使 用 し て き たstentはPalmaz Easy Wallstent, loonを,現 SMART 在 はPercuSurgeを stent, ACCULINK, PRECISEな 主 に し なが らArteriA, ど で,protectionに AngioGuardXPを 【結 果 】 治 療 に起 因 す る合 併 症 の 全 体 成 績 は死 亡1(0.25%:過 位 塞 栓),minor stroke-8 (2.02%:遠 位 塞 栓)で,一 再 治 療 は 合 併 症 な く完 了 し,症 候 の 再 発 は2例 用 い て い る. 潅 流),major stroke-3 過 性 の 症 候 を呈 した18例(4.5%)の 脈 低 血 圧 に起 因 す る血 行 力 学 性 の も の が 含 まれ て い た.再 狭 窄 は248例 stent, は 当 初 はNaviBal- 中18例(7.3%)に (0.76%:遠 半数 は徐 見 られ た が に と ど ま っ た. 【結 語 】 す で に頸 動 脈 専 用 ス テ ン トや 種 々 のprotection deviceの 開 発 が 進 ん で お り,今 後 急 速 に 治 療 の 安 全 性 と確 実 性 の 向 上 が 期 待 で き る.器 材 や 手 技 は年 々 進 歩 改 良 し続 け て お り,CASの 果 に 関 す る ク リニ カ ル エ ビ デ ン ス の 蓄 積 に よ り本 格 的 なCAS時 初期 治療 結 代 の 到 来 は 目 前 と考 え られ る. J-13 P-4. ス テ ン トに よ る 気 道 確 保 東 京都 済 生 会 中央 病 院 野守 呼 吸 器外 科 裕明 気 道 狭 窄 に 対 して 使 用 さ れ る ス テ ン トの種 類 は大 き く分 類 す る と シ リ コ ン ス テ ン ト と金 属 ワ イ ヤ ー ス テ ン トが あ る.そ れ ぞ れ 利 点 と欠 点 が あ り,そ れ に よ り適 応 疾 患 が 概 ね 決 ま っ て い る.狭 して は 主 に腫 瘍 に よ る 浸 潤 性 狭 窄 と圧 排 性 狭 窄,炎 種 ス テ ン トの 適 応 と限 界,お 回各 よ び 高 度 気 道 狭 窄 に対 す る ス テ ン ト挿 入 法 を 中 心 に発 表 す る. シ リ コ ン ス テ ン トに は 主 に 以 前 よ り使 用 さ れ て い る 気 管 切 開 孔 に 固 定 す るT-tubeと10数 ら使 用 さ れ 始 め た 遊 離 型 のDumon られ る.シ 窄疾 患 と 症 に よ る 肉 芽 性 狭 窄 と瘢 痕 性 狭 窄 が あ る.今 stentとDynamic stentの3種 年前か 類 が あ り,狭 窄 部 位 に よ り使 い 分 け リ コ ン ス テ ン トの 利 点 は ほ とん どす べ て の 種 類 の 気 道 狭 窄 に 適 応 が あ る こ とで あ る.欠 点 と し て 気 道 内 腔 全 周 を シ リ コ ン が 覆 うた め 気 道 上 皮 の 繊 毛 運 動 を 障 害 し排 疾 機 能 を悪 化 す るた め,咳 嗽 能 力 の 弱 い 患 者 に は 肺 炎 や 無 気 肺 を生 じ る こ とが あ る.ま たDumon 性 鏡 や 専 用 の 金 属 鉗 子 を使 用 す る た め 全 身 麻 酔 を要 し,ま stentやDynamic stentで は硬 た そ れ ら の 手 技 に 慣 れ な い 医 師 に とっ て は 挿 入 が 困 難 で あ る. 金 属 ス テ ン トに は 主 にZ-型 のexpandable metallic stentと メ ッ シ ュ型 のultraflex そ の 利 点 は喉 頭 と気 道 内 の 局 所 麻 酔 の み で 挿 入 が で き,そ stentが あ る. の 手 技 も簡 単 な こ とで あ る.ま た金 属 ワ イ ヤ ー の 隙 間 が あ る た め 気 道 上 皮 の線 毛 運 動 は ほ とん ど傷 害 され ず 排 疾 機 能 の 障 害 を来 さ な い.欠 点 は 腫 瘍 の 浸 潤 性 狭 窄 や 炎 症 の 肉 芽性 狭 窄 に 対 して は ワ イ ヤ ー の 隙 間 よ り腫 瘍 や 肉 芽 の増 生 を 生 じ再 狭 窄 を来 す こ とが あ る.ま た 挿 入 後 の 抜 去 は ほ と ん ど不 可 能 で あ る.そ の た め 適 応 疾 患 は主 に 腫 瘍 に よ る 圧 排 性 狭 窄 に 限 ら れ る. 日 常 診 療 に お い て 気 道 狭 窄 に よ る呼 吸 困 難 は し ば し ば急 激 に 生 じ る.気 道 狭 窄 症 状 が 切 迫 して い る 場 合,全 身 麻 酔 を 要 す る シ リ コ ン ス テ ン ト挿 入 は 危 険 な こ と も多 い.我 は気 管 切 開 を 行 い 気 管 チ ュ ー ブ を 挿 管 し,狭 々 は そ の よ う な症 例 に 対 し て 窄 部 位 で カ フ を 膨 ら ませ る こ と に よ りブ ジ ー を 数 日 間 行 っ て か ら ス テ ン トを挿 入 して い る.同 方 法 は ス テ ン ト治 療 に 慣 れ な い 医 師 で も簡 単 で確 実 に 気 道 確 保 が 行 え,ブ ジ ー の 後 に 専 門 医 に ス テ ン トを挿 入 し て も ら え ば 済 む の で是 非 知 っ て お い て 頂 き た い 方 法 で あ る. 以 上,良 まれ,気 性 気 道 狭 窄 は も と よ りIV期 肺 癌 の 気 道 狭 窄 患 者 で も窒 息 に よ る 苦 痛 は解 除 す る こ と が 望 道 狭 窄 の 開 大 法 は 多 くの 医 師 が 知 っ て お くべ き 治 療 法 で あ る.各 種 ス テ ン トの 適 応 と高 度 気 道 狭 窄 に 対 す る ア プ ロ ー チ を 中 心 に述 べ る. J-14 P-5. 消 化 管 狭 窄 に 対 す る ス テ ン ト治 療 星 ヶ丘 厚生 年 金病 院 放射 線 科1,奈 良 医大 田中 幸 子1, 福 住 健 寛1, 三 浦 放射 線 科2 明 夫1, 吉 川 公 彦2 ス テ ン ト治 療 は,手 術 不 能 悪 性 食 道 狭 窄 に対 す る 姑 息 的 治 療 と して そ の 地 位 を確 立 した と言 っ て も 過 言 で な い.現 る.ス 在 で は,食 道 以 外 の 消 化 管 に も応 用 が す す め られ,対 テ ン ト治 療 の 適 応,有 用 性 と問 題 点 に つ い て 食 道,小 腸,大 象 疾 患 や 使 用 方 法 も広 が っ て い 腸 に分 け て,自 験 例 を 中 心 に解 説 す る. 1) 食道 手 術 不 能 悪 性 疾 患 の食 道 狭 窄 に よ る 嚥 下 困 難 や 瘻 孔 閉 鎖 に対 し て,QOLの 改 善 を 目的 に ス テ ン ト治 療 が 行 わ れ る の が 一般 的 で あ り,保 険 適 応 の ス テ ン トが 市 販 さ れ て い る.瘻 閉 鎖 や 再 閉 塞 防 止 の た め, 膜 付 き の ス テ ン トが 使 用 さ れ る こ とが 多 い.留 置 成 功98-100%,臨 66-100%と 報 告 さ れ,他 床 的 有 効 性72-100%,瘻 孔 閉鎖 率 に選 択 で き る治 療 法 が な く,そ の 有 用 性 は広 く評 価 さ れ て い る.留 置 後 の 合 併 症 で あ る ス テ ン トの 逸 脱,出 血,痺 痛,気 道 閉 塞,穿 孔 な どの 防 止 が 課 題 で あ り,我 々 は,spiral Z- stentを 用 い て 移 動 の し に くい カ バ ー ス テ ン トを独 自 に 開 発 し,臨 床 応 用 を 行 っ て きた.良 性 疾 患 に 対 し て は留 置 後 の ス テ ン ト逸 脱 や 再 閉 塞 が 問 題 とな り,適 応 は 限 られ て お り,抜 去 を 前 提 と し た 一 時 的 留 置 や 生 体 吸 収 さ れ る材 質 で 作 製 され た ス テ ン トの 開 発 が 進 め られ て い る. 2) 小腸 悪 性 疾 患 に よ る 胃 十 二 指 腸 閉 塞 で,バ 床 的 有 効 性80-100%と イパ ス 術 が で き な い 例 が 適 応 とな り,留 置 成 功94-100%,臨 報 告 さ れ て い る.食 道 用 の ス テ ン トで は,経 口的 な 留 置 が 困 難 で,専 用 の ス テ ン トや 留 置 シ ス テ ム の 開 発 が 必 要 で あ る. 3) 大腸 手 術 適 応 の な い 悪 性 疾 患 に よ る閉 塞 に対 し て,人 工 肛 門 を 回 避 す る た め に ス テ ン ト治 療 を行 う場 合 と術 前 処 置 と して イ レ ウ ス の 寛 解 な ど を 目的 に す る 場 合 が あ る.大 腸 用 の ス テ ン トは な く,食 道 用 や 自作 の も の が 使 用 さ れ て い る.ス テ ン ト留 置 成 功 は82-100%で,非 が 回 避 で き,術 前 処 置 で は,83-100%で る.こ 閉 塞 が 解 除 され,一 手 術 例 で は,75-100%で 人工 肛 門 期 的 手 術 が 可 能 とな っ た と報 告 さ れ て い れ ら の ス テ ン ト治 療 は,従 来 行 わ れ て い る人 工 肛 門 造 設 術 や 経 肛 門 イ レ ウ ス チ ュ ー ブ な ど との 比 較 検 討 が 課 題 で あ る.良 性 疾 患 は食 道 と同 様 に,適 応 が 限 られ,手 用 され て い る. 術 不 能 例 や ク ロ ー ン 病 な ど に使 J-15 P-6. 尿 道 領 域 の ス テ ン ト治 療 東 邦 大 学医 学 部 泌尿 器 科 学講座 原 啓 尿 道 に対 す る ス テ ン ト治 療 に つ い て 概 説 す る.一 日 の う ち に僅 か 数 分 し か フ ロ ー の 無 い管 腔 臓 器 で あ る.し か し排 尿 とい う重 要 な 生 理 現 象 を担 っ て お り,患 者 のQOLを 如 何 に 高 め て 行 くか が,今 泌 尿 器 科 医 に求 め られ て い る. 高 齢 化 社 会 の 到 来 を 迎 え,前 る.ま た 多 くの 高 齢 者 で,手 立 腺 肥 大 症 な どの 下 部 尿 路 通 過 障 害 に よ る 排 尿 障 害 患 者 が 急 増 し て い 術 適 応 が あ りな が ら心 血 管 障 害 や 呼 吸 器 疾 患 な どの 合 併 症 に よ り,止 む を得 ず 尿 道 留 置 カ テ ー テ ル や 間 欠 的 自己 導 尿 で 管 理 さ れ て い る 患 者 も数 多 くい る.し か し 自排 尿 に対 す る欲 求 は臨 床 の 現 場 で 非 常 に 強 い も の が あ り,こ に よ り,自 排 尿 が 可 能 とな りQOLの う した 患 者 に 対 して 尿 道 ス テ ン トを留 置 す る こ と 向 上 につ な げ る こ とが 可 能 とな っ て い る. 前 立 腺 部 尿 道 に対 す る ス テ ン トに は,永 久 留 置 型 と一 時 留 置 型 に大 別 さ れ る.永 ロル ー メ 」 「メ モ サ ー ム 」が あ り,メ ッ シ ュ タ イ プ で 尿 道 上 皮 粘 膜 に被 覆 さ れ,原 る.結 石 形 成,位 置 の 移 動,尿 久 留 置 型 に は 「ウ 則 的 に永 久 留 置 と な 道 上 皮 の 過 増 殖 な ど で は抜 去 も検 討 し な け れ ば な らな い.一 時 留 置 型 に は 「プ ロ ス タ カ ス 」 「メ モ カ ス 」が あ り,6ケ 月 か ら1年 で 交 換 す る.「 メ モ カ ス 」 はニ ッ ケ ル チ タ ン の 形 状 記 憶 合 金 製 ス テ ン トで,適 切 な位 置 に 固 定 後50℃ の 温 水 で 拡 張 し留 置 さ れ,抜 去 時 に は10℃ の 冷 水 を注 入 す る こ と に よ り軟 化 し,容 易 に 抜 去 が 可 能 とな る. い ず れ の ス テ ン ト も留 置 中 の違 和 感 は軽 微 で,重 の 増 殖 な どが 管 理 上 問 題 とな る.そ の 点,一 篤 な合 併 症 は認 め られ な い.結 時 留 置 型 で は,状 石 形 成,尿 道 上皮 況 に 応 じて 抜 去 が 容 易 に 可 能 で あ り有 用 で あ る.い ず れ に し ろ留 置 直 後 か らの 自 排 尿 が 可 能 とな り,患 者 の 満 足 度 が 高 い 治 療 で あ る. また 若 者 の オ ー トバ イ 事 故 な ど に よ る尿 道 断 裂 や 尿 道 外 傷 は術 後 の 尿 道 狭 窄 の 治 療 に 苦 慮 す る.こ う した 前 部 尿 道 の 狭 窄 に対 し て 尿 道 ス テ ン ト(メ モ カ ス)を 留 置 し て 我 々 は 良好 な経 過 を 得 て い る.内 視 鏡 下 尿 道 形 成 術 後 に 尿 道 ス テ ン トを留 置 す る こ と に よ り,術 直 後 か ら良 好 な 排 尿 が 回 復 さ れ る.ま た,従 来 は術 後 の 尿 道 狭 窄 に対 し て 定 期 的 な尿 道 拡 張 術(尿 双 方 に 苦 痛 の 多 い 疾 患 で あ っ た.尿 道 ブ ジー 法)が 必 要 と な り,患 者 医 療 者 道 ス テ ン トで は 留 置 中 に 良 好 な 排 尿 が 維 持 さ れ,約 時 に は尿 道 の 十 分 な拡 張 も確 保 さ れ て い る. 一年 後 の抜 去 J-16 教 育 セ ミ ナ ー1. α1ア ドレナ リン受 容 体 の ゲ ノム 薬 理 京都 大 学 大 学 院 辻本 薬 学研 究 科 ゲ ノム 創薬 科 学 分野 豪三 カ テ コ ー ル ア ミ ン は歴 史 的 に 最 も古 くか ら知 られ て い る神 経 伝 達 物 質 で あ り,そ の 受 容 体 で あ る ア ドレ ナ リ ン受 容 体 の研 究 は古 くか ら行 わ れ て き た.ア ドレ ナ リ ン受 容 体 の研 究 は,初 期 の 薬 物 親 和 性 に よ るサ ブ タ イ プ 分 類 か ら,1980年 代 後 半 か ら90年 代 に か け て の 遺 伝 子 ク ロ ー ニ ン グ を機 に,遺 伝 子 ・蛋 白質 レベ ル へ の 理 解 へ と,よ り詳 細 に 拡 が りつ つ あ る.ゲ ノ ム 科 学 の 進 歩 に よ っ て,遺 伝 子 レ ベ ル で α ア ド レナ リ ン受 容 体 の 情 報 伝 達 機 構 は明 らか と さ れ つ つ あ り,ま た,よ り治 療 効 果 の 高 い サ ブ タ イ プ 特 異 的 作 動 薬 ・拮 抗 薬 の 開 発 が 可 能 と な っ て い る.今 後 の 研 究 の 進 展 に よ り,現 在 不 明 な 点 が 多 く残 さ れ て い る組 織 レベ ル,さ 的 意 義,病 ら に は個 体 レベ ル で の α1ア ドレ ナ リ ン受 容 体 サ ブ タ イ プ の 生 理 態 との 関 連 の 解 明 が 期 待 され る. 教 育 セ ミ ナ ー2. 膀 胱 平 滑 筋 と抗 コ リ ン 薬,そ の 現 状 と 未 来 ― ア トロ ピ ン 抵 抗 性 収 縮 と その 問題 熊 本大 学 大 学 院 医学 薬 学研 究 部 吉田 泌 尿 器病 態 学 分 野 正貴 下 部 尿 路 機能 障 害 は大 き く蓄 尿 障 害 と排 出 障 害 に分 け られ る.一 状 を 中 心 と した 症 候 群 と し て,過 活 動 膀 胱(overactive す る 関 心 が 高 ま っ て い る.OABの bladder: 昨 年,国 OAB)が 際 禁 制 学 会 に よ り蓄 尿 症 定 義 さ れ,こ の 疾 患 に対 治 療 は 薬 物 療 法 が 主 流 で あ り抗 コ リ ン剤 が 汎 用 さ れ て い る. 膀 胱 平 滑 筋 の 収 縮 に は コ リ ン作 動 性 神 経 か ら放 出 さ れ る ア セ チ ル コ リ ン と非 ア ド レ ナ リン,非 コ リ ン(non-adrenergic, non-cholinergic: NANC)性 神 経 伝 達 物 質 が 関 与 して い る.NANC神 経伝 達物 質 に よ る膀 胱 収 縮 は ア トロ ピ ン抵 抗 性 収 縮 と呼 ば れ,そ phate (ATP)と 考 え ら れ て い る.ATPは の 主 要 な 神 経 伝 達 物 質 はadenosine プ リ ン 受 容 体 の う ちP2X受 triphos- 容 体 を介 し て,細 胞 外 の カ ル シ ウ ム を 細 胞 内 に 移 行 す る こ とに よ り収 縮 反 応 を惹 起 す る.正 常 ヒ ト膀 胱 で は この ア トロ ピ ン 抵 抗 性 収 縮 は全 体 の 数%と さ れ て い る が,各 種 病 態(神 経 因 性 膀 胱,前 立 腺 肥 大 症,間 質 性 膀 胱 炎)や 加齢 で は こ の ア トロ ピ ン抵 抗 性 収 縮 の 割 合 が 増 加 す る と報 告 され て い る.我 々 の 検 討 で,ヒ ト膀 胱 の ア トロ ピ ン抵 抗 性 収 縮 は加 齢 に よ る増 加 す る こ とが 明 らか とな っ た.ま た 最 近,特 発 性OABの 患者膀 胱 で は P2×2受 OABに 容 体 を 介 す る収 縮 反 応 の 亢 進 も報 告 され て い る. 使 用 さ れ る抗 コ リ ン剤 は膀胱 の ム ス カ リ ン受 容 体 に よ る 収 縮 機 構 を阻 害 す る こ とで 排 尿 筋 過 活 動 を抑 制 し,尿 意 切 迫 感 や 頻 尿 な どの 症 状 を 改 善 す る と考 え ら れ る.抗 コ リ ン 剤 に は現 在 使 用 さ れ て い る塩 酸 オ キ シブ チ ニ ン や 塩 酸 プ ロ ピベ リ ン の 他 に も,数 種 類 の 薬 剤 が 現 在 治 験 中 あ る い は 申 請 中 で あ る.こ れ ら の薬 剤 は,純 粋 に 抗 ム ス カ リ ン作 用 だ け の も の と,抗 ム ス カ リ ン作 用 に 加 え カ ル シ ウ ム 拮 抗 作 用 を有 す る もの の2つ に 分 類 さ れ る.高 齢 者 で は 過 活 動 膀 胱 の 有 病 率 が 高 く,膀 胱 収 縮 の ア トロ ピ ン 抵 抗 性 収 縮 が 増 加 す る こ と,過 活 動 膀 胱 患 者 の 膀 胱 で は プ リ ン 作 動 性 収 縮 が 亢 進 す る こ と な ど を 考 慮 す る と,抗 ム ス カ リ ン作 用 の み の薬 剤 に 比 較 し て カ ル シ ウ ム 拮 抗 作 用 を併 せ 持 つ 薬 剤 の 方 が よ り有 効 に膀 胱 収 縮 を抑 制 す る可 能 性 が 考 え られ る. 今 回 は,膀 胱 平 滑 筋 収 縮 機構 の 変 化 の 中 で,特 用 機 序 な ど を 中 心 に話 題 を 提 供 し た い. に ア トロ ピ ン抵 抗 性 収 縮 の 意 義 と,抗 コ リ ン剤 の 作 J-17 1. リ ゾ フ ォ ス フ ァ チ ジ ン酸 に よ る 気 道 平 滑 筋 の 遊 走 はA-キ ナ ー ゼ に よ っ て抑 制 され る 九 州 大 学大 学 院 ・医 学研 究 院 ・生体 情 報薬 理 大池 正 宏, 平 川 雅 和, 辛 島 裕 士, 伊 東 喘 息 患 者 に お け る気 道 壁 の リモ デ リ ン グ は,繰 生 じ る構 造 的 変 化 と考 え られ て い る.活 祐之 り返 す 炎 症 に よ る気 道 平 滑 筋 の遊 走 と増 殖 に よ っ て 性脂 質 リゾ フ ォ ス フ ァ チ ジ ン酸(LPA)は 障 害 を受 け た 気 道 上 皮 で産 生 さ れ,気 管 支 喘 息 等 の 原 因 の ひ とつ で あ る 可 能 性 が 指 摘 され て い る.本 研 究 で 我 々 は,LPA が ウ シ 気 道 平 滑 筋 の 遊 走 能 に お よ ぼ す 影 響 と,そ の 薬 物 に よ る改 善 の 可 能 性 を検 討 した.LPAに 小 分 子G蛋 白RhoAの コ ン フ ル エ ン トに培 養 し たBTSMCを ろ,LPAは より 活 性 化 が 生 じ,ま た こ れ に引 き続 き ア ク チ ン細 胞 骨 格 の 重 合 が 生 じ た.さ ら に, 擦 過 して 無 細 胞 野 を作 り,そ こに 遊 走 す る細 胞 を計 数 し た と こ これ を有 意 に 増 大 させ た.ま た 遊 走 境 界 部 分 を ア ク チ ン染 色 で 観 察 す る と,遊 走 起 始 部 に は 強 い ア クチ ン の 重 合 を認 め た の に 対 して 遊 走 し た 細 胞 に は ほ とん ど ア ク チ ン線 維 を認 め な か っ た. 従 っ て,ア ク チ ン の重 合 は 気 道 平 滑 筋 細 胞 の遊 走 開 始 機 構 と し て 重 要 で あ る と考 え られ た.こ の 反 応 へ の 薬 物 の 作 用 を 次 に検 討 した と こ ろ,Rho-キ ナ ー ゼ 阻 害 薬Y27632に クチ ンの 重 合 と細 胞 遊 走 が 抑 制 さ れ た.ま た,細 胞 内cAMP濃 度 を ジ ブ チ リルcAMP,フ ン ま た は テ オ フ ィ リ ン に よ っ て 増 加 させ る と,LPAに よ るRhoAの 走 の 全 て が 抑 制 さ れ た.A-キ これ らのcAMP濃 した が,Y27632の ナ ー ゼ 阻 害 薬KT5720は の一連 よ るア ォル ス コ リ 活 性 化,ア ク チ ン の 重 合,細 胞 遊 度 上 昇 薬 に よ る作 用 を 阻 害 作 用 に は影 響 を与 え な か っ た.以 上 の 結 果 よ り,cAMP/A-キ る気 道 平 滑 筋 細 胞 の遊 走 を,RhoAの よ っ てLPAに ナ ー ゼ はLPAに よ 活 性 化 とそ れ に 続 くア ク チ ンの 重 合 を 阻 害 す る こ と で抑 制 す る と考 え られ た.こ の こ と は,気 道 壁 の リモ デ リ ン グ をcAMP上 昇 作 用 が あ る薬 物 で 阻 害 で き る 可 能 性 を示 唆 す る もの と考 え られ た. 2. モ ル モ ッ ト気 管 平 滑 筋 に お け るcarbachol及 るJNK阻 びendothelin-1に よ る収 縮 反 応 に 対 す 害 薬 の作 用 日本大 学 ・薬 ・機 能形 態 学 研究 室1,東 邦 大 学 ・薬 ・薬理 学 教 室2 齋藤 清 茂1, 木 澤 【目 的 】Mitogen-activated (ERK), ERK5, 類 され,細 p38 MAPK及 胞 増 殖,分 化,ア 靖 夫1, 小 池 protein びc-Jun 勝 夫2, 草 間 kinase (MAPK)は,extracellular NH2-terminal ポ トー シ ス,ス 貞1 kinase JNK阻 signal-regulated kinase の サ ブ フ ァ ミ リー に 分 ト レス 応 答 な ど多 くの 生 命 現 象 に お い て 重 要 な役 割 を果 た して い る こ とが 知 られ て い る.平 滑 筋 収 縮 に お い て もMAPKの やp38MAPKを (JNK)の4つ 関 与 が 示 され て お り,近 年,ERK 介 し た 経 路 と ミオ シ ン軽 鎖 リ ン酸 化 非 依 存 性 収 縮 と の 関 連 が 示 唆 され て い る.一 方, 害 薬 は 喘 息 治 療 薬 と して の 応 用 が 期 待 さ れ て い るが,気 道 平 滑 筋 の 収 縮 反 応 に対 す る作 用 は ほ と ん ど 報 告 さ れ て い な い.本 研 究 で は,受 容 体 作 動 薬 に よ る気 管 平 滑 筋 の収 縮 反 応 に対 す るMAPK, 特 にJNKの 寄 与 に つ い て 検 討 し た.【 方 法 】Hartley系 モ ル モ ッ トか ら摘 出 した 気 管 を 実 験 に供 し た.筋 の 張 力 変 化 は 等 尺 性 に記 録 した.【 結 果 及 び 考 察 】 モ ル モ ッ ト気 管 平 滑 筋 に お い て,carbachol (CCh,1μM)及 びendothelin-1(ET-1,10nM)は あ るSP600125 (3-30μM)は,p38MAPK阻 を強 く抑 制 した.こ れ に対 し,ERK よ りCCh収 pathwayを 持 続 的 な収 縮 反 応 を 引 き起 こ した.JNK阻 害 薬 で あ るSB203580(25μM)と 阻 害 す るPD98059(25μM)及 縮 は抑 制 さ れ な か っ た.一 方,ET-1収 縮 はSP600125,PD98059及 著に 抑 制 さ れ た.以 上 よ り,モ ル モ ッ ト気 管 平 滑 筋 に お い て,JNK pathwayが 収 縮 反 応 に お い て 重 要 で あ る こ と,収 縮 に 関 与 す る シ グ ナ ル 伝 達 が CCh とET-1と で は 異 な る可 能 性 が 示 唆 さ れ た. 害薬で 比 較 す る とCCh収 縮 びUO126(25μM)に びSB203580に よ り顕 両 受容体 作動 薬 に よる J-18 3. Heat shock protein 20の 相 性 平 滑 筋 ス キ ン ド フ ァ イ バ ー に 対 す る 二 相 性 効 果 東 京 医科 大学 ・生 理学 第 一 学講 座1,九 州 大 学大 学 院 医学 研 究 院 ・薬 理 学講 座 ・臨床 薬 理 学分 野2 吉野 Heat 恭 正1, 森 本 shock 121)は protein 20 幸 生2, 渡 辺 (HSP20)は 賢1 ア クチ ン結 合 能 を 持 ち,そ トロ ポ ニ ンI抑 制 領 域(骨 格 筋;残 基104-115)と 位 由 来 の合 成 ペ プ チ ド(HSP20p110-121)が て,Ca2+活 モ ル モ ッ ト盲 腸 紐 平 滑 筋 トリ トンX-100処 性 化 最 大 収 縮 を抑 制 す る一 方 で,収 回 日 本 平 滑 筋 学 会 総 会 で 発 表).こ 縮 のCa2+感 のHSP20pの 検 討 す る 目的 で,今 回,我 々 はCa2+活 理 標本 におい 受 性 を増 強 す る こ と を見 い だ した(第45 ス キ ン ド平 滑 筋 に対 す る 二 相 性 効 果 の メ カ ニ ズ ム を 影 響 に つ い て 検 討 を 行 っ た.HSP20pはCa2+活 オ シ ン軽 鎖 リ ン 酸 化 量 を増 加 す る が,リ 濃 度Mg2+に 基110- 性 化 収 縮 時 の ミオ シ ン軽 鎖 リ ン酸 化 量 と,高 濃 度Mg2+に リ ン 酸 化 非 依 存 性 収 縮 に対 す るHSP20pの 時 に,ミ の ア ク チ ン結 合 部 位(残 相 同 性 が 高 い.我 々 は この ア ク チ ン 結 合 部 ン酸 化 量 あ た りの 収 縮 張 力 を 減 少 させ た.さ よ る リ ン酸 化 非 依 存 性 収 縮 張 力 をHSP20pは が ミオ シ ン軽 鎖 リン 酸 化 を促 進 す る一 方 で,ク よる 性化 収 縮 らに高 有 意 に減 少 さ せ た.以 上 の結 果 は,HSP20p ロ ス ブ リ ッ ジ に直 接 的 に働 き ア ク チ ン ー ミオ シ ン相 互 作 用 を抑 制 す る こ と を示 唆 す る. 4. May-Hegglin異 常症 と非 筋 ミオ シ ン変 異 北 里 大 学 ・医 ・内科IV1,マ 宮暗 浩 二1, May-Hegglin異 中舘 サ チ ュー セ ッツ大 学 ・医 ・生理 学2,北 里 大 学 ・医 ・小児 科3 尚 也3, 渡 辺 真 理 子1, 平 美 也 子1, 池 辺 光 男2, 東 原 正 明1 常 症 は,巨 大 血 小 板 を有 す る 血 小 板 減 少 症 と好 中 球 の 特 徴 的 な 細 胞 質 内 封 入 体 を もつ,常 染 色 体 優 性 遺 伝 形 式 の 遺 伝 疾 患 で あ り,近 年 非 筋 ミオ シ ン重 鎖 遺 伝 子(MYH-9)の て お こ る こ とが 報 告 され た.今 回,わ れ わ れ はMay-Hegglin異 析 を行 った.第 1841番 変異 に よっ 常 症 の 異 な る2家 系 を経 験 し遺 伝 子 解 一 例 め は,母 親 と二 人 の 娘 が と もに 本 疾 患 を 有 して い た.MYH-9の 目 の グ ル タ ミ ン酸 が リジ ン に 点 突 然 変 異 して い る こ とが3人 遺 伝子 解析 にて 共 に認 め られ た.次 に 末 梢 血 塗 沫 標 本 を 抗 ミオ シ ン抗 体 に て 免 疫 蛍 光 染 色 し た と こ ろ,好 中 球 の 封 入 体 が 強 く染 色 さ れ ミオ シ ン の 存 在 が 確 認 され た.ま た,同 時 に ア ク チ ン線 維 をphalloidin染 色 した と こ ろ,そ の封入体 の中心部 分 が染 ま り,ア ク チ ン 線 維 が 封 入 体 中 心 部 分 に 存 在 し て い る こ とが 示 さ れ た.こ れ まで に 電 子 顕 微 鏡 に て,本 封 入 体 は フ ィ ラ メ ン ト構 造 を呈 し て い る こ とが 分 か っ て い た が,そ こ に ミオ シ ン の み な らず ア ク チ ン 線 維 も存 在 し て い る こ とが,今 の 点 突 然 変 異 を有 す る ミオ シ ン を 回 初 め て 明 らか に な っ た.ま た,こ 大 量 発 現 さ せ 生 化 学 的 に フ ィ ラ メ ン ト形 成 能 を調 べ た と こ ろ 高 塩 濃 度 に お い て も重 合 が 解 離 しな か っ た.細 胞 内 封 入 体 は この よ う な 変 異 ミオ シ ン の 生 化 学 的 性 質 を反 映 して い る と考 え られ た.第 は,非 筋 ミオ シ ン重 鎖 の 遺 伝 子 解 析 に て,あ 二例 目 き ら か な変 異 は 認 め ら れ な か っ た.こ れ まで にわが 国で 報 告 さ れ た 中 で,遺 伝 子 解 析 の な さ れ た もの は,国 島 ら に よれ ば こ れ ま で に約30症 例 に お よ ぶ.し か し,そ の 全 て に ミオ シ ン重 鎖 に 異 常 を認 め て い る.本 疾 患 の病 態 が,一 例 め の 変 異 ミオ シ ン で 示 さ れ た よ う に ミオ シ ンの フ ィ ラ メ ン ト形 成 能 に 関 係 す る な ら ば,本 症 例 の 原 因 遺 伝 子 解 析 は ミオ シ ン重 合 の メ カ ニ ズ ム に 関 与 す る他 の 分 子 の存 在 の 可 能 性 が あ り,き わ め て 興 味 深 い.今 の 解 析 を進 め る予 定 で あ る. 後,遺 伝 子変 異部 位 J-19 5.ト ロ ポ ニ ンI抑 制 領 域 由 来 ペ プ チ ドは 平 滑 筋 の ラ ッ チ 形 成 を 促 進 す る 東 京 医科 大 学 ・医 ・生 理学 第 一講座 渡辺 賢,吉 野 恭正 横 紋 筋 ト ロ ポ ニ ンI抑 制 領 域(心 LRRVR-NH、)は,平 筋 型;領 域136-147)由 滑 筋 ス キ ン ド標 本 収 縮 を,ミ す る.ミ オ シ ン結 合 能 を持 た な こ とか ら,Tnlpは ブ リ ッ ジ 形 成 を抑 制 す る と考 え られ た(Watanabe るTnlpの Tnlpは 作 用 を 明 らか に す る 目 的 で,ス 来 ペ プ チ ド(Tnlp;Ac-GKFKRPT- オ シ ン軽 鎖 リ ン酸 化 に影 響 を与 え る こ とな く抑 制 細 い フ ィ ラ メ ン ト機 能 に 影 響 し て,平 滑 筋 の ク ロ ス et al.,2003).今 回,ク ロ ス ブ リ ッ ジ解 離 に 対 す キ ン ド標 本 の 弛 緩 経 過 に対 す るTnlpの 効 果 を検 討 した. 弛 緩 速 度 を速 め る 一 方 で,完 全 な 弛 緩 を妨 げ 張 力 を一 定 状 態 に 保 持 させ た.弛 緩 時 に 解 離 す る 早 い ク ロ ス ブ リ ッ ジ の 一 部 は遅 い サ イ ク ル の ク ロ ス ブ リ ッ ジ(い わ ゆ る ラ ッチ)に 移 行 す る(Kuhll al.,1990)と 仮 定 す る と,Tnlpは ジ へ の 移 行 を共 に 促 進 す る た め に,弛 起 こ し た と考 え られ る.今 et 早 い サ イ ク ル の ク ロ ス ブ リ ッ ジ解 離 と,遅 い サ イ ク ル の ク ロ ス ブ リ ッ 緩 速 度 の 上 昇 と ラ ッ チ の 形 成 とい う,一 見 相 反 した 現 象 を 引 き 回 の 実 験 結 果 は,細 い フ ィ ラ メ ン トが ラ ッ チ の 形 成 に 決 定 的 な役 割 を 果 た す こ と を示 唆 す る. 6.チ ロ シ ン キ ナ ー ゼ 関 連 メ カ ニ ズ ム は 平 滑 筋Caチ ャ ネ ル を β ア ドレナ リ ン受 容 体 刺 激 心 筋 チ ャ ネ ル モ ー ドに す る 名 古 屋大 学 中山 大学 院 医 学 系研 究 科 晋 介,上 心 筋 のCaチ 條 厚 ャ ネ ル と は対 照 的 に,一 般 的 に 平 滑 筋Caチ ャ ネ ル に は β ア ド レ ナ リ ン受 容 体 刺 激 に よ っ て 大 き な 活 性 化 は 認 め られ な い.心 筋 と平 滑 筋 に お け る β 受 容 体 サ ブ タ イ プ は そ れ ぞ れ β1,β2 に分 類 さ れ るが,ど ち ら もcyclic AMPカ ル は 同 一遺 伝 子 のsplice variantで に類 似 し たCaチ ス ケ ー ドを 活 性 化 す る.さ らに,心 筋 と平 滑 筋 のCaチ あ り,95%の 相 同 性 が あ る.ど の よ う な メ カ ニ ズ ム が,こ ャ ネ ル に 生 理 学 的 機 能 の 差 異 を 与 え る の で あ ろ う か?今 ャネ のよう 回 の膀 胱平 滑 筋 を用 いた 第 二 の 開 口状 態 に 関 す る実 験 に よ り,チ ロ シ ン キ ナ ー ゼ 関 連 メ カ ニ ズ ム が この 重 要 な役 割 に 寄 与 す る こ とが 結 論 され た. J-20 7.胃 機 能 か らみ た 潰 瘍 性 大 腸 炎 の 病 態 日本 歯 科 大 学 ・歯 ・外科 学 講座1,日 本 大 学 ・医 ・外 科学 講 座 外科1部 門2 富田 涼 一1,池 田 太 郎2,五 【目的 】 潰 瘍 性 大 腸 炎(UC)で 十 嵐 誠 悟2,丹 よ う に な っ た.し か し,UCの 頻 便 は 胃 ・小 腸 通 過 時 間 の 促 進 に起 因 す る可 能 性 が 示 唆 さ れ る 胃排 出 機 能 を検 討 した 報 告 で は,正 常 例 と変 わ らな い,あ ど と相 反 す る 結 果 が 報 告 さ れ,UCと 未 だ 報 告 さ れ て い な い,UC症 性10例,女 性4例,女 性4例,24-46歳,平 トー プ 法)と 液 体 食 胃 排 出 機 能(ア と も に,UC例 る い は,促 進 胃排 出 機 能 の 関 連 は不 明 で あ る.そ こ で,本 邦 で は 例 の 胃排 出 機 能 を 明 らか に す る こ とを 目 的 に本 研 究 を行 っ た.【 対 象 と 方 法 】 全 大 腸 炎 型 活 動 期UC5例(男 14例(男 勝 久2 は,大 腸 ば か りで な く,胃 や 小 腸 な どの 上 部 消 化 管 運 動 機 能 異 常 も 存 在 す る こ とが 指 摘 さ れ て お り,UCの し て い る,な 正 性1例,29-49歳,平 均35.8歳)を 均38.6歳)に 対 照 に,半 つ い て,健 常 人 固 形 食 胃排 出 機 能(ラ ジ オ ア イ ソ セ トア ミノ フ ェ ン法)を 検 討 し た.【 成 績 】 半 固 形 食 お よ び 液 体 食 が 対 照 例 よ りや や 排 出 機 能 が 低 下 を 示 し た が,有 意 差 は認 め られ な か っ た.そ し て,UC で の 半 固 形 食 お よ び 液 体 食 の 胃排 出 曲線 は と もに,対 照 と類 似 の 排 出 パ タ ー ン を示 した.【 結 論 】 全 大 腸 炎 型 活 動 期UCの 8.モ 胃排 出 機 能 は 正 常 で あ り,頻 便 に は関 与 して い な い と思 わ れ た. ル モ ッ ト胃 輪 走 平 滑 筋 の 自 発 電 気 活 動 に お よ ぼ す ボ ル ボ ー ル エ ス テ ル の 作 用 名 古屋 市 立 大学 大 学 院 ・医 学研 究科 ・細胞 機 能 制御 学 中村 江 里,鈴 木 光 モ ル モ ッ ト胃体 部 か ら摘 出 し た 輪 走 平 滑 筋 小 組 織 は緩 や か な 脱 分 極 電 位(Slow 的 に 発 生 し て い る.こ の 電 位 に 及 ぼ すProtein 体 抑 制 薬(2-aminoethoxy 幅 に はPKCとIP,が Phorbol diphenylborate, を変 化 さ せ る と考 え られ る.そ 発 的 に 発 生 す るSlow (1-10nM)のPDBuやPMAは 平 滑 筋 学 会 総 会 に お い て報 告). potentialsに 及 ぼ すPDBuやPMAの 頻 度 や 振 幅 を 増 大 させ,そ potentialsの 作 用 はChelerythrineで (0.HμM)のPDBuやPMAは 膜 を僅 か に 脱 分 極 さ せSlow potentialsの 濃度 拮 抗 さ れ た.ア 制薬 や 減 弱 した.高 濃 度 律 動 的 発 生 を抑 制 した の 性 の 律 動 的 変 動 が 伴 っ て い る と考 え た.高 濃 度 のPDBuは ン に よ る興 奮 作 用 も減 弱 さ せ た の で,PKCが し て い る こ とが 推 察 さ れ た. 頻度 発 生 頻(度 を 増 れ らの 作 用 は それ ぞ れPKC抑 IP、受 容 体 抑 制 薬 で 拮 抗 され た.ア セ チ ル コ リン に よ る興 奮 作 用 はPDBuやPMAで で,自 発 活 動 発 生 に はPKC活 potentialsの 作 用 を検 討 した.低 静 止 膜 電 位 を変 化 させ る こ とな くSlow potentialsの 容 頻 度 と振 出 胃輪 走 平 滑 筋 細 胞 か ら ガ ラ ス 微 小 電 極 を用 い て細 胞 内 記 録 加 さ せ た が,そ の振 幅 は 変 化 させ な か っ た.PDBuやPMAの セ チ ル コ リ ン はSlow potentialsの 活 性 化 させ る作 用 を 有 す る の で,Slow こで,摘 律動 制 薬(Chelerythrine)やIP3受 どの 効 果 か ら,Slow そ れ ぞ れ 関 与 し て い る こ とが わ か っ た(第45回 esters(PDBu,PMA)はPKCを を お こ な い,自 kinaseC(PKC)抑 2-APB)な potentials)を アセ チル コ リ ム ス カ リ ン 受 容 体 を 介 す る興 奮 発 生 の調 節 機 構 に も 関 与 J-21 9.腸 神 経 か ら のacetylcholine遊 channelの 離 に お け るsmall conductance Ca2+-activated K+ 役割 大 阪 府 立大 学 ・大 学 院 農 学生 命 科 学研 究 科 ・応 用 薬理 学 研 究 室 竹 内 正 吉,末 永 清 剛,篠 種 々 の 消 化 管 機 能 へ のsmall 崎 亜 也 子,藤 conductance 田 秋 一,畑 Ca2+-activated い る。 今 回,腸 神 経 叢 か らのacetylcholine (ACh)遊 文明 K+(SK) 離 へ のSK channelの 関与 が示 唆 され て chanllelの 関 与 を調 べ た 。 【 方 法 】壁 内 神 経 叢 の 付 着 した モ ル モ ッ ト回 腸 縦 走 筋 標 本 を電 気 刺 激(EFS)あ る い は ニ コ チ ン刺 激 し,浴 液 中 に 遊 離 して く るAChをHPLCで ッ ト消 化 管 で の 局 在 を免 疫 組 織 化 定 量 し た 。SK2の 学 的 手 法 に よ り調 べ た 。 【結 果 】 自 発 性ACh遊 抗 体 を 作 成 し,ラ EFSに 離 はapamin(100nM)に よ り影 響 さ れ な か っ た が, よ る遊 離 は僅 か だ が 有 意 に増 加 した 。 ニ コ チ ン刺 激 誘 発 性ACh遊 で 著 し く増 加 した 。 一 一方,BKchannelの 阻 害 剤 で あ るiberiotoxinは,こ ん ど作 用 を 示 さ な か っ た 。TetrodotoxinはEFSお した 。Ryanodineは 離 を 増 加 した 。以 前 に 抗SK3抗 局 在 を調 べ,平 滑 筋 とgap結 か に した 。 今 回,抗SK2抗 合 を 持 つ 飾roblast様 体 を作 成 し,SK2の 用 い て 調 べ た と こ ろ,SK2に 体 を用 い て,ラ 神 経 節 で のSK2の ッ ト 細 胞 に 発 現 し て い る こ とを 明 ら 局 在 を調 べ た 。抗SK2抗 体 の 特 異 性 を,HEK細 特 異 的 で あ る こ とが 確 認 で き た 。ラ ッ ト消 化 管 で はSK2の が 免 疫 電 顕 に よ り分 か っ た 。 【考 察 】 以 上 の 結 果 か ら,SKchannelは 離 には ほ と 離 を 著 し く抑 制 内 神 経 叢 内 の 神 経 節 に 認 め ら れ た 。更 に,神 経 細 胞 を 取 り囲 む グ リア 細 胞 にSK2が 体 の 活 性 化 に よ るACh遊 上 のapalnil1 れ ら のACh遊 よ び ニ コ チ ン刺 激 誘 発 性ACh遊 ニ コ チ ン刺 激 誘 発 性ACh遊 消 化 管 で のSK3の 離 は30nM以 胞を 免 疫 反 応 は壁 発 現 してい るこ と 細 胞 体 に存 在 す るニ コチ ン受 容 離 に重 要 な 役 割 を 持 っ こ とが 示 唆 さ れ た 。 グ リア 細 胞 に お け る 局 在 か ら腸 コ リナ ー ジ ッ ク神 経 へ の 関 与 が 示 唆 さ れ た が,更 10.Hirschsprung病 に詳 細 な検 討 が 必 要 で あ る。 ラ ッ トの 無 神 経 節 腸 管 平 滑 筋 に お け る 収 縮 特 性 に 関 す る 研 究 九 州大 学 ・大 学 院 ・医学 研 究 院 ・小 児外 科 中辻 隆 徳,家 【目 的 】Endothelin 呈 しHirschsprung病 入 里 志,秋 吉 潤 子,水 B受 容 体(EDNRB)遺 田 祥代 伝 子 欠 損 ラ ッ トのhornozygous の モ デ ル 動 物 と して 知 られ て い る.こ る が,平 滑 筋 の収 縮 特 性 や細 胞 内 情 報 伝 達 機i構に着 目 した 研 究 は 少 な い.そ ラ ッ トの 無 神 経 節 腸 管 平 滑 筋 にお け る収 縮 時 の 細 胞 内Ca2+濃 週 齢 のEDNRB遺 伝 子 欠 損 ラ ツ トのhomozygous の 正 常 腸 管 平 滑 筋 条 片 を 用 い て,そ ([Ca2+]i)と 遺 伝 子 欠 損 ラ ッ トのhomozygous た.holnozygous び 発 生 張 力 を そ れ ぞ れ0%及 typeの び100%と typeの 無 神 経 節 腸 管 平 滑 筋 で は10μMの type 度 び60mMK+ した.【 結 果 】EDNRB カルバ コール刺 激 に よ る あ っ た.一 方,wildtypeの 昇 と発 生 張 力 の 最 大 値 は そ れ ぞ れ145.6%と269.6%で 正 常 神 経 節 腸 管 平 滑 筋 に 比 べ て[Ca2+]i上 な っ た[Ca2+]i上 伝子 欠 損 無 神 経 節 腸 管 平 滑 筋 条 片 お よ びwild ル バ コ ー ル の ア ゴ ニ ス ト刺 激 を 加 え た 場 合,homozygous はwildtypeの て,異 こでEDNRB遺 度 変 化 に つ い て検 討 し た.【 方 法 】34 れ ぞ れ に お け る カ ル バ コ ー ル の 収 縮 機 序 を 細 胞 内Ca2+濃 昇 と発 生 張 力 の 最 大 値 は そ れ ぞ れ106.5%と175.5%で 平 滑 筋 に お け る[Ca2+]i上 μMカ 無神経 節腸 管 を 張 力 の 同 時 測 定 法 を 用 い て 比 較 検 討 した.コ ン トロ ー ル と し て5.9mMK+及 に よ る刺 激 を行 い そ の 際 の[Ca2+]i及 [Ca21]i上 typeの typeは れ まで に も多 数 の 研 究 報 告 が な さ れ て い 正 常腸 管 あ っ た.【 結 論 】10 typeの 無 神 経 節 腸 管 平 滑 筋 に お い て 昇 は低 値 を 示 し,張 力 も 同様 の傾 向 を認 め 無 神 経 節 腸 管 平 滑 筋 に お い て は,wild typeの 正 常 神 経 節 腸 管 平 滑 筋 と比 べ 昇 の メ カ ニ ズ ム を 有 す る可 能 性 が 示 唆 さ れ た. J-22 11.マ ウ ス 胃底 部 輪 走 筋 の持 続 性 弛 緩 の メ デ イエ イ タ ー 大 阪府 立 大 学 ・大学 院 農 学 生命 科 学研 究 科 ・応 用薬 理 学研 究 室1,大 阪 大学 ・大 学 院 ・薬 学 研 究科 ・神 経 薬理2 向井 和 則1,竹 内 正 吉1,新 谷 紀 人2,橋 本 均2,馬 場 明 道2,畑 文 明1 胃 の 神 経 性 反 応 と し て,内 容 物 の 貯 留 に 関 与 す る受 容 性 弛 緩 が 特 徴 的 で あ る.本 研 究 で は マ ウ ス 胃 底 部 条 片 を 用 い て,経 壁 電 気 刺 激(EFS)に 【方 法 】 マ ウ ス(PACAPK.O.マ よ り現 れ る持 続 性 弛 緩 の メ デ ィエ イ タ ー を 検 索 し た. ウ ス とそ のwildtypeマ ウ ス)か マ グ ヌ ス法 で,EFS(20V,0.5msecduration,1-10Hz)に マ ウ ス に お い て,EFSに を生 じた.阻 よ り,一 過 性 の 弛 緩 とそ れ に 続 く収 縮 が 生 じ た.EFS終 続 性 弛 緩 はPACAP受 よ り完 全 に抑 制 され た.PACAPK.0.マ の 持 続 性 弛 緩 が 生 じた.こ の 弛 緩 は抗PHI抗 も 完 全 に抑 制 さ れ た.外 wild typeマ PACAPとPHIに 体 に よ り,resting toneが 容 体 ア ン タ ゴ ニ ス トの ウ ス に お い て,EFSに よ り,wildの 半 分程 度 体 に よ り著 し く抑 制 さ れ た.ま たPACAP6-38に か ら適 用 し たPHIに ウ ス の持 続 性 弛 緩 は抗PHI抗 よ び 抗PHI抗 了 後 も持 続 性 の 弛 緩 害 薬 を用 い た 実 験 か ら,一 過 性 の 弛 緩 と そ れ に続 く収 縮 は,そ れ ぞ れ 一 酸 化 窒 素 とACh に よ り メ デ ィエ イ トさ れ て い る こ とが 示 さ れ た.持 PACAP6-38に ら胃 底 部 輪 走 筋 層 の 条 片 を作 成 し, よ る 反 応 を記 録 し た.【 結 果 】wildtype よ る 弛 緩 はPACAP6-38に 体 に よ り抑 制 され た.両 よって よ り完 全 に 抑 制 さ れ た. マ ウ ス に お い て,PACAP6-38お 著 し く上 昇 し た.【 考 察 】 マ ウ ス 胃底 部 で の 持 続 性 弛 緩 は よ りメ デ ィエ イ トさ れ て い る こ とが 示 唆 され た.ま た,両 伝 達 物 質 が 常 に一 定 の 抑 制 的 な 制 御 を か け て い る こ と も示 唆 さ れ た.な お,PACAP6-38はPHIの 作 用 を も阻 害 す る こ と が 示 され た. 12.糖 尿 病 モ デ ル ラ ッ トの 胃 運 動 に 対 す る エ ン ドセ リ ン ー1の 効果 名 古屋 市 立 大学 大 学 院 ・医 学研 究 科 ・臨床 機 能 内 科学 今枝 憲 郎,加 藤 岳史 【目 的 】 糖 尿 病 モ デ ル ラ ッ ト を 用 い て 胃 自 動 運 動 に 対 す るET-1の ラ ッ トにStreptozotocin(STZ)を 効 果 を 検 討 し た.【 方 法 】SD 腹 腔 内 投 与 し糖 尿 病 モ デ ル ラ ッ ト(STZ群)を 力 測 定 法 で 胃前 庭 部 輪 走 平 滑 筋 切 片 の 自動 運 動 を 測 定 し,ET-1とsarafotoxin 較 検 討 し た.【 結 果 】C群(n=22)で 0.16±0.01gで でC群(n=11)は あ った.STZ群(n=12)で は 筋 緊 張 度 は0.16±0.01gで は い ず れ もC群 0.19±0.02g;後0.97±0.10g,p<0.05)の み が 有 意 に 充 進 した.一 0.05),振 幅(前0.24±0.02;後0.31±0.04g,p<0.05)す (前0.18±0.03g;後1.83±0.20g,p<0.05)の 幅 与 自動 運 動 の 頻 度(前2.6± 方,STZ群(n=6)で は 筋 緊 張 度(前 投 与 で はC群(n= 度(前2.7±0.1/min;後3.2±0.1/min,p< べ て 有 意 に 充 進 し た が,STZ群 み が 充 進 し た.【 結 語 】ET-1はET。 自動 運 動 を 充 進 し て お り,糖 尿 病 モ デ ル ラ ッ トで はET。 れ た. 自動 運 動 は頻(度2.6±0.1/min,振 み が 有 意 に充 進 した.S6c(10nM)の 8)は 筋 緊 張 度(前0.17±0.03g;後0.52±0.04g,p<0.05),頻 尺性 張 効 果 を比 と有 意 差 は な か っ た.ET―1(10nM)投 筋 緊 張 度(前0.17±0.02g;後0.83±0.08g,p<0.05)と 0.1/min;後2.9±0.1/min,p<0.05)の 作 製 した.等 S6c(S6c)の で は筋 緊張度 受 容 体 を 介 して 胃 受 容 体 を介 し た 反 応 が 減 弱 し て い る と考 え ら J-23 13.モ ル モ ッ ト慢 性 腰 仙 随 破 壊 モ デ ル に お け る 直 腸 直 腸 お よ び 直 腸 内 肛 門 括 約 筋 反 射 奈 良 県立 医 科 大学 ・第 二生 理 学1,同 児島 祐1,勝 井 錬 太1,中 ・消化 器総 合 外 科2 川 正1,藤 井 久 男2,中 島 祥 介2,高 木 都1 【目的 】 モ ル モ ッ ト慢 性 腰 ・仙 随 破 壊 モ デ ノ レを作 製 し,白 律 神 経 損 傷 後 の 排 便 反 射 と 自 動 運 動 の経 時 的 変 化 を 調 べ,同 時 に,直 腸 の 壁 内 神 経 系(以 下ENS)と 化 を 調 べ た.【 対 象 と方 法 】 第1∼4腰 g,雄 性)を 作 成 し,術 後2,4,6,9日 傷 のControl群(n=10)と 腸 を 採 取 し,PGP9.5,ACK45を 日 に はControlよ 0.05),そ 目 に増 加(P<0.01)す るが,そ か し,直 腸 反 射 性 収 縮 の 大 き さ は,2日 り も増 大 し た(P<0.01).内 り も増 大 し た(P<0.01).し の他 はControl群 日 口 以 降 低 下 し,6日 ら な か っ た.免 疫 染 色 に よ る,ENSとICCの 目 に はControlよ り も減 目 に一 度 減 少 す る が,次 第 に増 大 し,91―1 目に は 目 の 直 腸 反 射 が 減 弱 した の み で(P< た,直 腸 伸 展 時 に受 動 的 に 発 生 す る 内 圧 は4 り も低 下 し た(P<0.01).一 方,自 動 運 動 の 頻 数 は 変 わ 観 察 で は,無 傷 のcontrol群 ら か な 形 態 学 的 変 化 は認 め られ な か っ た.【 考 察 】 反 射 回 数,反 れ た 経 時 的 変 化 と,免 疫 染 色 でENSやICCの 自動 運 射 測 定 終 了 後 に直 肛 門 括 約 筋 反 射 性 弛 緩 も,次 第 に 増 大 し,9日 目 に はControlよ 形 態変 形 態 を共 焦 点 顕 微 鏡 で 観 察 し の 後 減 少 し,9日 か し,ReHexareaは,2日 と有 意 差 を 認 め な か った.ま 目,9日 下ICC)の ル モ ッ ト(体 重350∼450 比 較 検 討 した.反 用 い て 免 疫 染 色 を行 い,ENSとICCの た.【 結 果 】 反 射 回 数 は,2日 Controlよ カ ハ ー ル の 問 質 細 胞(以 随 破 壊(以 下PITH)モ 目 に排 便 反 射(直 腸 直 腸 お よび 直 腸 内 肛 門 括 約 筋 反 射)と 動 を 測 定 し(PITH群,各n=7),無 少 した(P<0.05).し 随 と第1∼3仙 と比 べ て,PITH群 射 反 応 の 大 き さ,ReHex で,明 areaで み ら 形 態 変 化 が 認 め られ な か っ た こ とか ら,自 律 神 経 損 傷 後 も腸 壁 内 神 経 系 が 機 能 的 変 化 を遂 げ,排 便 機 能 を維 持 し て い る と思 わ れ る. 14.モ ル モ ッ ト小 腸 力 バ ー ル の 介 在 細 胞(ICC)の 三次 元的構築 早 稲 田 大学 ・人 間科 学 部 ・健 康 福 祉科 学 科1,福 井大 学 医 学部 ・解 剖 学第 一講 座2 小室 輝 昌1,堀 口 カ ハ ー ル の 介 在 細 胞(ICC)が す る こ と は,既 成 果,例 和 秀2 消 化 管 蠕 動 運 動 の ペ ー ス メ ー カ ー お よ び 平 滑 筋 へ の 興 奮 伝 達 機 能 を有 に 周 知 の 事 実 とな っ た が,そ え ば,各 の 一 方,多 種 ニ ュー ロ ン の 支 配 領 域,投 年 に渡 っ て 蓄 積 さ れ て 来 た 腸 管 神 経 系 の研 究 射 方 向 な ど を 示 す 回 路 図 に対 応 さ せ,運 包 括 的 に 考 察 す る ま で の 充 分 な成 果 は 得 られ て い な い.本 た め,モ ル モ ッ トの 小 腸 を材 料 と し て,ICC各 試 料 は全 載 伸 展 標 本 と し てc-Kitお 研 究 で は,こ 型 の 三 次 元 的構 築,数 量 的 特 徴 に つ い て検 索 を 試 み た. よ びPGP9.5免 疫 組 織 化 学 染 色 を施 し,共 焦 点 顕 微 鏡 に よ り観 察 し た.生 後6週 令,腸 管 の 円 周 約20mmの そ700∼800ミ ク ロ ン の 間 隔 で 配 列 して お り,筋 層 問 神 経 叢 のICC―APは り巻 い て い るの が 明 瞭 に観 察 さ れ た.こ 動 物 の 空 腸 で は,筋 層 問 神 経 節 は腸 の長 軸 に 対 して,お 周 あ た りの 数 は 約130個 の 円 周 か ら起 る と考 え る と き,少 よ 個 々 の 神 経 節 を カ ゴ 状 に取 れ は,腸 壁 の 一 部 平 面 上 にICC-APが を意 味 す る.多 極 性 の 細 胞 の 突 起 問 の距 離 は し ば し ぼ200μmを μmで,円 動制御 機構 を の よ う な基 本 的 デ ー タ を 得 る 重複 して存在 す る こ と 越 え,円 周 に 沿 っ た 長 さ は平 均 約150 で あ っ た.こ の こ とは,蠕 動 運 動 が 腸 管 の 長 軸 上 の 一 点 を 通 る 腸 壁 な く と も約130個(∼260)のICC-APが 定 され る.深 部 筋 神 経 叢 のICC-DMPは 同 時 に発 火 す る可 能 性 が 推 同 じ く多 極 性 の細 胞 で あ るが,突 起 は輪 走 筋 に 沿 っ て 走 行 す る た め,円 周 方 向 の 突 起 の 長 さ は約200∼300μm,円 周 あ た りの 数 は 約80個,腸 管長軸 方 向の細 胞列 の 間 隙 は 平 均50μmで あ っ た.ま た 輪 走 筋 層 内 のICC-CMは 輸 走 方 向 に 平 行 に位 置 す る 長 さ約250 ∼350μmの 双 極i生の 細 胞 で ,非 常 に ま ば ら に観 察 さ れ た.継 続 「Pの観 察 結 果 を 含 め,ICCネ ッ トソ ー ク の 示 す 意 義 に つ い て 考 察 す る. J-24 15.犬 モ デ ル を 用 い た 消 化 管 運 動 元 進 薬 物 の検 討 東 京慈 恵 会 医科 大 学 ・外 科 仲吉 朋 子,川 矢永 勝彦 崎 成 郎,中 【 背 景 】 セ ロ トニ ン5HT4受 田 浩 二,石 橋 由朗,鈴 木 裕,古 川 良 幸,羽 生 信 義, 容 体 に選 択 的 に作 用 す る ク エ ン酸 モ サ プ リ ド,お よ び ドー パ ミンD2受 容 体 拮 抗 作 用 とア セ チ ル コ リ ンエ ス テ ラ ー ゼ 阻 害 作 用 を あ わ せ もつ 塩 酸 イ トプ リ ドは い ず れ も臨 床 的 に 広 く用 い ら れ て い る代 表 的 な 消 化 管 運 動 賦 活 剤 で あ る.それ ぞ れ の 薬 物 の 消 化 管 運 動 に 対 す る 作 用 様 式 を 知 る こ と は薬 物 の選 択 に 有 用 で あ る.【 目 的 】 イ ヌ を 用 い た 慢 性 実 験 モ デ ル を 作 成 し ク エ ン酸 モ サ プ リ ドお よ び 塩 酸 イ トプ リ ドの 消 化 管 運 動 効 果 を記 録 し比 較 ・検 討 す る.【 方 法 】 対 象:ビ 犬4頭(体 重10-12kg).全 下 部 結 腸 の 計7ケ 身 麻 酔 下 に開 腹 し 胃 体 部 ・胃前 庭 部 ・十 二 指 腸 ・空 腸 ・回 腸 ・上 部 結 腸 ・ 所 に にStrain Gauge Force Transducer 外 頚 静 脈 よ り中 心 静 脈 カ テ ー テ ル を 挿 入 した.約2週 塩 酸 イ トプ リ ド20mgを 度:い ー グル (SGT)を 縫 着 した.薬 物 投 与 路 と して 右 間 の 回復 期 間 の後 に ク エ ン酸 モ サ プ リ ド2rng, そ れ ぞ れ 投 与 し消 化 管 運 動 に 及 ぼ す 効 果 に つ い て 観 察 し た.【 結 果 】 収 縮 強 ず れ の 群 に お い て も薬 物 の 投 与 直 後 に全 消 化 管 に お い て 同 時 性 の 強 い 収 縮 波 を 観 察 した.強 縮 様 収 縮 は い ず れ も通 常 のIMCと 比 べ て50-100%と の 強 収 縮 様 収 縮 の 収 縮 頻 度 は通 常 のIMCと 与 に よ る収 縮 は 全 て のaction 十 分 な 強 さ の収 縮 で あ っ た.収 縮 頻 度:各 収 群で ほ ぼ 同 様 で あ り,い ず れ の 薬 剤 を 用 い た場 合 で も薬 物 投 縮 時 間:ク エ ン酸 モ サ プ リ ドの 投 与 に よ る収 縮 は 小 腸 か ら結 腸 を 含 む 下 部 消 化 管 に対 し て よ り長 く作 用 した.塩 potentialに 乗 っ た もの で あ っ た.収 酸 イ トプ リ ドの 強 収 縮 様 収 縮 は 胃 に お い て ほ か の 部 位 よ り も よ り長 く持 続 す る傾 向 が 見 られ た.【 結 語 】 ク エ ン酸 モ サ プ リ ド と塩 酸 イ トプ リ ドは い ず れ も全 消 化 管 部 位 に 対 して の 運 動 充 進 作 用 を示 した が,ク ド は結 腸 輸 送 な ど の下 部 消 化 管 に対 す る効 果,塩 エ ン酸モ サ プ リ 酸 イ トプ リ ドは 胃 の排 出 遅 延 の 改 善 効 果 な どに,よ り効 果 的 に 作 用 す る可 能 性 が 示 唆 さ れ た. 16.内 在 神 経 に よ る ラ ッ ト食 道 横 紋 筋 運 動 の 制 御 機 構 岐阜 大 学 ・応 用 生物 科 学 部 ・獣 医 学講 座 椎名 貴 彦,志 水 泰 武,松 山 勇 人,武 脇 義 【背 景 と 目的 】 食 道 平 滑 筋 の 運 動 は,中 枢 由 来 の 外 来 神 経 に 加 え て,壁 内 の 内在 神 経 に よ っ て も制 御 さ れ て い る こ とが 知 られ て い る.し か し,食 道 横 紋 筋 で は,内 在 神 経 の 存 在 が 形 態 学 的 に は明 ら か に な っ て い る も の の,そ の 機 能 学 的 研 究 は あ ま り行 わ れ て い な い.本 研 究 は,筋 層が横 紋筋 の みか らな る ラ ッ トの 食 道 を用 い て,食 道 横 紋 筋 運 動 に対 す る 内 在 神 経 の 役 割 を解 析 した もの で あ る.【 材 料 と方 法 】Wistar系 ラ ッ トか ら食 道 を分 離 して,オ ル ガ ンバ ス に セ ッ トした.フ を 用 い て,食 道 運 動 を等 尺 性 に記 録 し た.ま た,3H-cholineを ォ ー ス トラ ン ス デ ュ ー サ ー 用 い て,食 道 標 本 か ら のACh放 出量 を 測 定 した.【 結 果 と考 察 】 まず,食 道 を支 配 す る迷 走 運 動 神 経 を単 パ ル ス 電 気 刺 激 した と こ ろ,食 道 標 本 は単 収 縮 し,そ の収 縮 反 応 はd一 ツ ボ ク ラ リ ン に よ っ て 完 全 に消 失 し た.ま た,こ の単収 縮 はカ プサ イ シ ン投 与 に よ っ て抑 制 さ れ た.カ プ サ イ シ ン は知 覚 神 経 を 刺 激 す る こ とが 知 られ て い る.そ の た め, この 結 果 は,ラ ッ ト食 道 に は横 紋 筋 運 動 を抑 制 す る 内在 神 経 反 射 経 路 が 存 在 し,カ プ サ イ シ ン は そ の 反 射 経 路 を興 奮 させ る こ と を示 唆 して い る.こ の カ プ サ イ シ ン に よ る単 収 縮 抑 制 効 果 は,NK1レ タ ー ア ン タ ゴ ニ ス トや 一 酸 化 窒 素(NO)合 動 神 経 を電 気 刺 激 し た 食 道 標 本 か らのACh放 少 させ た.こ れ ら の結 果 は,食 成 酵 素 阻 害 薬 の 投 与 に よ っ て 阻 害 さ れ た.さ ら に,迷 走 運 出 量 を 測 定 し た と こ ろ,カ プ サ イ シ ン はACh放 出 を減 道 横 紋 筋 運 動 を制 御 す る内 在 神 経 反 射 経 路 に は タ キ キ ニ ン お よ びNO 作 動 性 神 経 が 存 在 し て お り,そ の 反 射 経 路 は,ACh放 と を示 唆 し て い る. セプ 出 を介 し て,食 道 横 紋 筋 運 動 を制 御 し て い る こ J-25 17.IL-1β に よ る消 化 管 平 滑 筋 運 動 機 能 障 害 の 分 子 機 構 東 京大 学 ・院 ・獣 医薬 理 学 堀 正 敏,尾 崎 博 【背 景 】 炎 症 性 腸 炎 疾 患(IBD)発 症 時 に 認 め られ る消 化 管 運 動 機 能 障 害 は,腸 内 フロー ラの異 常 を 介 し て エ ン ド トキ シ ン暴 露 な どに よ り炎 症 を悪 化 さ せ る悪 循 環 を きた し,臨 床 上 大 き な 問 題 と な っ て い る.し か し,筋 層 で の 炎 症 応 答 と消 化 管 運 動 機 能 障 害 機 構 に 関 す る情 報 は極 め て 少 な い .【 目的 】 炎 症 性 サ イ トカ イ ンで あ るIL-1β に 着 目 し,IL-1β に よ る 消 化 管 平 滑 筋 の運 動 機 能 障 害 機 構 に つ い て 解 析 した.【 方 法 】 ラ ッ ト回 腸 筋 層 組 織 標 本 を 無 菌 的 に 作 製 し,IL-1β 方,TNBS誘 発 回 腸 炎 モ デ ル ラ ッ トな らび にDSS誘 の筋 層 標 本 を用 い てIL-1β 理 ス キ ン ド フ ァ イ バ ー を用 い て 収 縮 蛋 白系 のCa感 理 やGTP+CChに よ るCa感 よ る収 縮 性 が 顕 著 に減 弱 し た.ま た,α 毒 素 処 受 性 に つ い て 検 討 し た 所,IL-1β 発 回 腸 炎 モ デ ル ラ ッ トな ら び にDSS誘 ら摘 出 した 回腸 組 織 や 結 腸 組 織 に お い て も,CChに 激 に よ る リ ン酸 化CPH7 発 潰瘍性 大腸 炎 モ デ ルマ ウ スか よ る収 縮 性 は 減 少 し,IL-1β の 発 現 に 伴 っ てCPI- 17蛋 白質 の発 現 量 は顕 著 に減 少 して い た.【 結 論 】IBD発 機 構 の 一 つ と し て,IL-1β 受 性増 加 受 性 の 脱 リ ン酸 化 酵 素 阻 害 蛋 白 発 現 量 が 顕 著 に減 少 し,そ れ に伴 っ てCCh刺 発 現 量 も減 少 した.TNBS誘 処 置 した 標 本 で 受 性 増 加 作 用 が 抑 制 さ れ て い た .そ こで,Ca感 作 用 に 関 与 す る収 縮 蛋 白 系 分 子 群 の 発 現 に つ い て 解 析 し た と こ ろ,PKC感 蛋 白 質 で あ るCPI-17の 間 器 官 培 養 し た.一 や 標 的 分 子 の 発 現 量 や 運 動 機i能に つ い て 解 析 し た .【 成 績 】IL-1β 処 置 を し た 器 官 培 養 回 腸 組 織 標 本 で は,カ ル バ コー ル(CCh)に は,GTPγS処 存 在 下 で3日 発 潰 瘍 性 大 腸 炎 モ デ ル マ ウ ス を作 製 した.こ れ ら 症 時 に 見 られ る 消 化 管 運 動 機 能 障 害 の 分 子 に よ る脱 リ ン酸 化 酵 素 阻 害 蛋 白 質CPI-17の 発 現量 低 下 を介 した収縮 蛋 白 系 のCa感 受 性 増 加 機 構 の 抑 制 が 重 要 で あ る こ とが 示 唆 さ れ た. 18.形 状 記 憶 合 金 バ ル ブ に よ る便 失 禁 治 療 ― イ ヌ を用 い た 基 礎 的 検 討 ― 東 北大 学 大 学院 ・医学 系研 究 科 ・生 体 調節 外 科1, 同 ・工 学 研 究科 ・バ イ オ ロ ボテ イ クス 専攻 ・ロボ テ イ クス講座2 柴田 長南 近1,長 尾 宗 紀1,舟 山 裕 士1,佐 々木 巌1,石 橋 和 彦2,田 中 真 美2, 征 二2 【は じ め に】 形 状 記 憶 合 金 は尿 失 禁 治 療 へ の 応 用 が 考 え られ て い る.今 回,わ れ わ れ は,形 状 記 憶 合 金 を便 失 禁 治 療 に応 用 す る た め の 基 礎 的 検 討 を行 っ た.【 方 法 】 まず,摘 出 した イ ヌ 大 腸 の 内 外 径,壁 の 厚 さか ら,イ ヌ 大 腸 の 内 腔 開 閉 に 適 した 形 状 記 憶 合 金 バ ル ブ を 作 製 した .バ ル ブ は常 温 で は 閉 鎖 し て い る が,熱 が 加 わ る と開 放 す る仕 組 み と し た .作 製 した バ ル ブ を用 い,麻 酔 下 の イ ヌ で 実 験 を 行 っ た.バ ル ブ を イ ヌ の直 腸 に 取 り付 け,ま 死 等 の 悪 影 響 が な い こ とを 確 認 し た.バ ず,無 理 な く取 り付 け られ る こ と,閉 鎖 した 状 態 で 大 腸 に壊 ル ブ の 口側 大 腸 内 腔 で 内圧 測 定 を行 い な が ら,さ らに口側 の 大 腸 か ら潅 流 用 の カ テ ー テ ル を 内 腔 に留 置,固 定 した.ま た,バ ル ブ の肛 門 側 大 腸 に小 切 開 を お き,バ ル ブ を通 り抜 け た 内 容 物 を 観 察 出 来 る よ う に した .内 圧 を測 定 しな が ら潅 流 用 カ テ ー テ ル か ら生 食 を 浦 ドさ せ,バ ル ブ か ら肛 門 側 へ 内 容 物 が 漏 れ て し ま う 内 圧 を測 定 した(バ ル ブ の 耐 圧 試 験).そ で 潅 流 を 中 止 し,内 圧 が 一 定 とな っ て 内容 物 が 漏 れ な くな っ た 時 点 ま で 待 ち,バ の時点 ル ブ に 熱 を加 え バ ル ブ温 度 と 内圧 の 関 係 を 測 定 し,か つ 内 容 物 が バ ル ブ よ り肛 門 側 に漏 れ 始 め た 時 期 を記 載 し た .【 成 績 】 バ ル ブ の 耐 圧 は,300mmHgで あ り,そ の後 潅 流 を 中止 した と こ ろ,200mmHgま で 内圧 が低下 して 一定 とな った .こ こ で バ ル ブ の温 度 を 上 昇 させ る と,42度 とな っ た と こ ろ で 急 激 に 内 圧 が 低 下 して 内 容 物 が バ ル ブ の 肛 門 側 へ と流 れ 始 め る こ とが あ き らか とな っ た.【 結 論 】 こ れ ら の 結 果 か ら,今 回 作 製 し た バ ル ブ は 実 験 上 は十 分 な 性 能 を有 し て い る と考 え ら れ た.た ぎ て 実 際 に は 使 い に くい た め,今 行 く必 要 が あ る と思 わ れ た. だ し,今 回 作 製 した バ ル ブ は大 き す 後 は 同 様 の 性 質 で さ ら に 小 型 化 した バ ル ブ を 作 製 し,実 験 を重 ね て J-26 19.シ ク ロヘ キ サ ノ ン 誘 導 体 の ラ ッ ト閉 塞 膀 胱 に 対 す る 作 用 鳥 取 大 学 ・医 ・病 態 解 析 医 学 ・分 子 薬 理 学 講 座1,明 治 乳 業 ・医 薬 事 業 部2, 鳥 取 大 学 ・医 ・器 官 制 御 外 科 学 講座 ・腎 泌 尿 器 学 分 野3 齊藤 源 顕1,鈴 佐藤 慶 祐1 木 啓 仁2,山 田 昌 司2,木 下 ゆ か 子1,祝 部 大 輔1,宮 川 征 男3, 【目的 】 シ ク'ロヘ キ サ ノ ン誘 導 体 は神 経 細 胞 の誘 導,分 化 お よ び 保 護 作 用 が 知 られ て い る.膀 胱 頚 部 閉 塞 に よ り過 活 動 膀 胱 モ デ ル を作 成 し,シ の 雌SDラ ク ロヘ キ サ ノ ン誘 導 体 の 作 用 を 検 討 した.【 方 法 】10週 ッ トを用 い て マ イ ル ドな 下 部 尿 路 閉 塞 モ デ ル を作 成 した.3群(A:コ 部 尿 路 閉 塞 群,C:下 部 尿 路 閉 塞 に シ ク ロ ヘ キ サ ノ ン誘 導 体(8mg/kg)を 各 群6週 間 飼 育 し た(n= 6-8).各 群6週 間 飼 育 し,メ の 膀 胱 内 圧 測 定(CMG)を タ ボ リ ッ ク ケ ー ジ を 用 い たvoiding 施 行 し た.ま た,摘 組 織 の 割 合 を 算 出 した.【 成 績 】 膀 胱 重 量 はB群 た.voiding behavior れ た が,C群 で は優 位 に 改 善 さ れ た.ま が 観 察 さ れ た が,C群 studyで はB群 がA群 behavior が,A群 たCMGで の約1.5倍 で あ っ た が,C群 の 排 尿 回 数,1回 はB群 で はA群 study,ウ レ タ ン麻 酔 下 で 色 し,全 体 に対 す る結 合 で軽 度 改 善 さ れ 排 尿 量 の 著 名 な低 下 が 認 め ら で は 最 大 膀 胱 内 圧 の 上 昇 と膀 胱 容 量 の低 下 で 優 位 な 改 善 が み られ た.膀 胱 体 部 に 対 す るH&E染 に比 べ 膀 胱 平 滑 筋 の 肥 大 が 認 め られ た.膀 観 察 さ れ た がC群 連 日腹 腔 内投 与 群)に 分 け 出 した 膀 胱 体 部 をH&E染 の 約2倍 齢 ン トロ ー ル 群,B:下 色 で は,B群 胱 体 部 に対 す る 結 合 組 織 の 割 合 で は,B群 で は他 の 群 で優位 な低 下が の レ ベ ル まで 著 明 に 改 善 さ れ て い た.【 結 論 】 シ ク ロ ヘ キ サ ノ ン誘 導 体 は 膀 胱 頚 部 閉 塞 に よ る過 活 動 膀 胱 を改 善 す る 作 用 を有 す る こ とが 示 唆 さ れ た. 20.モ ル モ ッ ト膀 胱 平 滑 筋 の 自 発 細 胞 内 カ ル シ ウ ム 濃 度 上 昇 に お け る ギ ャ ッ プ 結 合 と 間 質 細 胞の役割 名 古 屋 市 立大 学 大 学院 ・医 学研 究 科 ・細 胞 機能 制 御 学 橋谷 光,矢 内 良 昌,鈴 木 光 モ ル モ ッ ト膀 胱 平 滑 筋 標 本 を 用 い て,自 発 細 胞 内 カ ル シ ウ ム 濃 度 上 昇 の細 胞 間 伝 達 機 構 に つ い て ギ ャ ッ プ結 合 と問 質 細 胞 に 着 目 し て 検 討 し た.カ ル シ ウ ム 蛍 光 色 素Fura-2負 束 の最 外 側 よ り発 生 し対 側 に伝 搬 す る カ ル シ ウ ム 信 号 が 観 察 さ れ た.こ 18β-glycyrrhetinic acid(18β-GA,40μM)に ム 濃 度 上 昇 が 観 察 さ れ た.カ ァ ゾ ン酸(10μM)や よ り抑 制 さ れ,筋 線 維 束 の 最 外 側 に 限 局 した カ ル シ ウ ル シ ウ ム 伝 搬 は 細 胞 内 カ ル シ ウム 貯 蔵 部 位 の 機 能 を抑 制 す るサ イ ク ロ ピ ラ イ ア ノ ジ ン(100μM)に よ っ て 影 響 を 受 け な か っ た が イ ノ シ トー ル3リ に よ る カ ル シ ウ ム 遊 離 を 阻 害 す る2-APB(50-100μM)に よ っ て 抑 制 さ れ た.し 内 電 位 記 録 法 に よ り計 測 し た細 胞 間 の 電 気 的 結 合 を も阻 害 した.カ ン(10μM)に よ っ て も抑 制 さ れ た.C-kit抗 筋 線 維 束 の 外 側 に沿 っ て 存 在 し た が,線 Fluo-4負 荷 標 本 に お い て,筋 線 維 の伝搬 はギ ャップ結合 阻害 剤 か し2-APBは ン酸 細胞 ル シウム伝 搬 の同期 はニ フェ ジ ピ 体 を用 い た 免 疫 蛍 光 染 色 に よ り同 定 した 問 質 細 胞 は 平 滑 維 束 問 の 結 合 組 織 に よ り多 く見 られ た.カ ル シ ウム蛍光 色素 荷 標 本 に お い て 問 質 細 胞 の 自発 カ ル シ ウ ム 濃 度 上 昇 は 平 滑 筋 細 胞 の そ れ とは 同 期 して お ら ず,低 頻 度 で 発 生 し時 間 経 過 は非 常 に緩 や か で あ っ た.ま た 平 滑 筋 細 胞 の カ ル シ ウ ム 濃 度 上 昇 は ニ フ ェ ジ ピ ン(10μM)に よ り完 全 に 抑 制 さ れ た が 問 質 細 胞 の 反 応 は ほ とん ど影 響 を 受 け な か っ た.以 上 の結 果 か ら モ ル モ ッ ト膀 胱 に お け る 自発 細 胞 内 カ ル シ ウ ム 上 昇 の伝 搬 は ギ ャ ッ プ 結 合 を介 した 電 気 的 連 絡 とL型 カ ル シ ウ ム チ ャ ネ ル の 自己 再 生 的 活 性 化 に よ り起 こ り,細 胞 内 カ ル シ ウ ム貯 蔵 部 位 の 関 与 は ほ とん ど な い と考 え られ た.ま た 消 化 管 組 織 な どで 自 発 活 動 の発 生 に 関 わ っ て い る 間 質 細 胞 に類 似 した 細 胞 は膀 胱 に も存 在 した が ペ ー ス メ ー カ と し て の 役 割 を 支 持 す る 結 果 は得 られ な か っ た. J-27 21.ウ サ ギ 尿 道 に お け る 自発 細 胞 内 力 ル シ ウ ム濃 度 上 昇 の機 構 大 同病 院 ・泌 尿 器 科1,名 古 屋 市 立大 学 大 学 院1矢学研 究 科 ・細胞 機 能1}孟ll御 学2,同 矢内 良 昌1,橋 谷 光2,郡 健 二 郎3,鈴 木 ・腎泌 尿 器 科学3 光2 尿 道 平 滑 筋 に お い て は細 胞 内貯 蔵 部 位 か ら の カ ル シ ウ ム 放 出 に よ り活 性 化 さ れ る カ ル シ ウ ム 依 存 性 塩 素 イ オ ンチ ャ ネ ル 電 流 と こ れ に対 応 す る 一 過 性 自 発 脱 分 極 の 存 在 が 知 ら れ て お り,尿 禁 制 の た め の 尿 道 平 滑 筋 の 持 続 的 な 緊 張 に関 与 して い る と考 え られ て い る.し か し現 在 まで これ らの 電 気 現 象 と細 胞 内 カ ル シ ウム 濃 度 上 昇 お よ び 筋 収 縮 の 関 係 は 十 分 に解 明 さ れ て い な い.そ こ で今 回 我 々 は ウ サ ギ 尿 道 輪 走 筋 標 本 を 用 い て 自発 細 胞 内 カ ル シ ウ ム 濃 度 上 昇 の機 構 に つ い て検 討 した.カ Fura-2を 負 荷 した 標 本 に お い て,2種 1∼3回 程 度 起 こ り約10秒 ル シ ウム蛍光 色素 類 の 自発 細 胞 内 カ ル シ ウ ム 上 昇 が 観 察 され た.1つ は1分 間に ほ ど持 続 す るバ ー ス ト状 の カ ル シ ウ ム 濃 度 上 昇 で カ ル シ ウ ム チ ャ ネ ル 阻 害 剤 で あ る ニ カ ル ジ ピ ン(1μM)に よ り強 く抑 制 され た.も う一 つ は 様 々 な 振 幅 と時 間 経 過 を も っ て よ り高 頻 度 で起 こ る 単 発 の カ ル シ ウム 濃 度 上 昇 で ニ カ ル ジ ピ ン存 在 下 で も観 察 され た.こ の カル シ ウム 濃 度 上 昇 は,細 胞 内 電 位 記 録 法 に よ り記 録 し た 一 過1生自発 脱 分 極 と同 様 に細 胞 内 カ ル シ ウ ム貯 蔵 部 位 の機 能 を抑 制 す る サ イ ク ロ ピ ア ゾ ン酸(10μM)や ラ イ ア ノ ジ ン(50μM)に の カ ル シ ウ ム を 除 去 す る こ と に よ り完 全 に 抑 制 され た.消 て い る 問 質 細 胞 に 特 異 的 なc-kit抗 よ り消 失 し,ま た 細 胞 外 化 管 組 織 に お い て 自発 活 動 の 発 生 に 関 わ っ 体 を 用 い た 免 疫 蛍 光 染 色 法 に よ り,尿 道 平 滑 筋 組 織 に はKit陽 の 細 胞 が 数 多 く分 布 して い る こ とが 示 さ れ た.以 性 上 の 結 果 か ら,ウ サ ギ 尿 道 に お い て は 平 滑 筋 細 胞 か ら起 こ る と考 え られ る電 位 依 存 性 カ ル シ ウ ム チ ャ ネ ル に依 存 し た 細 胞 内 カ ル シ ウ ム 濃 度 上 昇 の ほ か に,細 胞 内貯 蔵 部 位 か ら の カ ル シ ウ ム 遊 離 に依 存 し た カ ル シ ウ ム 濃 度 上 昇 が 起 こ っ て お り,こ の 反 応 へ の 間 質 細 胞 の 関 与 が 推 定 され た . 22.摘 出 ヒ ト膀 胱 平 滑 筋 に 対 す るsolifenacinの 作 用 熊 本 大学 ・大 学 院 ・医 学薬 学 研 究部 ・泌 尿器 病 態 学 桝永 浩 一,吉 田 正 貴,稲 留 彰 人,大 谷 将 之,上 田 昭一 【目 的 】 頻 尿 ・尿 失 禁 治 療 薬 と し て 開 発 さ れ たsolifenacinは,M1, M3受 性 を 示 す とさ れ て い る.今 回,摘 出 ヒ ト膀 胱 平 滑 筋 に対 す るsolifenacinの 容 体 に対 し て 比 較 的 親 利 薬 理 学 的特 性 に つ い て 検 討 した. 【方 法 】 膀 胱 腫 瘍 に て膀 胱 全 摘 術 を受 け た 患 者 か ら摘 出 した 膀 胱 の 正 常 体 部 か ら平 滑 筋 条 片 を作 製 し,こ れ をKrebs-Henseleit液 (CCh),80mM KC1,5mM を 満 た した 筋 浴 槽 内 に 懸 垂 固 定 し,張 力 変 化 を記 録 した.Carbachol CaCl、 及 び経 壁 電 気 刺 激(EFS)に よ る収 縮 に対 す るsolifenacinの 川 を検 討 し た.更 に,平 滑 筋 条 片 に透 析 プ ロ ー ブ を 貫 通 させ,Ringer液 析 液 を 回 収 しな が ら経 壁 電 気 刺 激 を行 い,ACh放 【 結 果 】Solifenacinの 前 処 置 はCChの 縮 を ほ と ん ど 抑 制 し な か っ た.CChの (slope:1.13±0.05)で あ っ た.ま た,80mM 出 量 に 対 す るsolifenacinの 影 響 も検 討 した. 用 量 反 応 曲 線 を右 方 に させ た が,高 濃 度 の前 処 置 で も最 大 収 用 量 反 応 曲 線 に 対 す るsolifenacinのpA,値 KC1及 び5mM は7.79±0.08 CaCl、 に よ る収 縮 に対 し てsolifellacin は ほ とん ど影 響 を示 さ な か っ た.経 壁 電 気 刺 激 に よ る 周 波 数 反 応 曲 線 に対 し てsolifenacinは 性 に収 縮 反 応 を抑 制 し た.ま た,経 壁 電 気 刺 激 に よ るatropine抵 よ る 膀 胱 平 滑 筋 か らのACh放 た が,高 前 処 置 に よ りACh放 濃 度(10-6M)のsolifenacinの 制 す る こ とが 示 さ れ,頻 用 量依 存 抗 性 収 縮 に対 してsolifenaci11は な 抑 制 作 用 を 示 さ な か っ た.更 に,EFSに 【結 論 】Solifenacinは 作 を透 析 液 と して 灌 流 さ せ た.透 有意 出量 は周波数 依存 性 に増加 し 出 量 は抑 制 さ れ た. ヒ ト膀 胱 平 滑 筋 の 受 容 体 及 び副 交 感 神 経 終 末 の 両 方 に作 用 し,膀 胱 収 縮 を 抑 尿 ・尿 失 禁 治 療 薬 と し て 有 用 で あ る可 能 性 が 示 唆 さ れ た. J-28 23.男 性 ホ ル モ ン に よ る 早 期 不 活 性 化K+チ ャネ ル 発 現 制 御 名 古屋 市 立大 学 ・大 学院 薬 学研 究 科 ・細 胞 分 子薬 効 解 析学 分 野 大矢 進,伊 藤 克 倫,加 藤 香,村 木 克 彦,今 泉 祐治 性 ホ ル モ ン分 泌 は 性 周 期 や 病 態 に よ り変 化 し,イ オ ンチ ャネ ル 活 性 調 節,発 る.輸 精 管 平 滑 筋 に お い て 早 期 不 活 性 化K+電 サ ブ ユ ニ ッ トはKv4.3Lで あ る(Ohya るKChlPs,NCS1,DPPXはKv4チ 流(IA)は 現 制 御 に も関 与 し て い 活 動 電 位 発 射 の 調 節 に寄 与 して お り,主 な α S et al.,1997).ま た,Kv4チ ャ ネ ル の β サ ブ ユ ニ ッ トで あ ャネ ル の 細 胞 膜 移 行 や 電 流 特 性 を修 飾 す る.本 研 究 で は,睾 丸 摘 出 及 び テ ス トス テ ロ ン処 置 に よ る ラ ッ ト輸 精 管 平 滑 筋 に お け るIAの 電 流 特 性 及 びKv4.3Lと サ ブ ユ ニ ッ トの 発 現 変 化 に つ い て検 討 した.3週 ス テ ロ ン処 置 群 に は 睾 丸 摘 出 後,メ 去 勢 群,テ ス ト チ ル テ ス トス テ ロ ン を毎 日経 口投 与 し た(100mg/kg).sham群, ス トス テ ロ ン 処 置 群 の7週 齢 雄 性 ラ ッ トよ り輸 精 管 平 滑 筋 を摘 出 し,単 離 輸 精 管 平 滑 筋 細 胞 を 用 い て ホ ー ル セ ル ク ラ ン プ 法 に よ りIA電 流 特 性 の 変 化 に つ い て 検 討 し た.ま PCR法 その β 齢 の雄 性 ラ ッ トよ り睾 丸 を摘 出 し(去 勢 群),テ た,リ 及 び ウエ スタ ン ブ「 ロ ッ ト法 を 用 い て ラ ッ ト輸 精 管 平 滑 筋 に お け るKv4.3L及 トの 発 現 変 化 を検 討 し た.そ の 結 果,IAの 電 流 密 度 は去 勢 群 に お い て 有 意 に 減 少 し,テ ス トス テ ロ ン 処 置 群 に お い て ほ ぼ 完 全 に 回 復 した.ま た,Kv4.3L,KChlP3の 群 に お け るKChlP3発 現 のdown-regulationが ス トス テ ロ ン はKv4.3L発 Kv4.3Lの アル タ イム び β サ ブユ ニ ッ 発 現 量 も同 様 に 遷 移 し た.特 に,去 勢 顕 著 で あ っ た.し た が っ て,輸 精 管 平 滑 筋 に お い て,テ 現 をup-regulationさ せ る と と もに,KChlP3発 細 胞 膜 移 行 を促 進 す る こ と に よ り,Kv4.3Lの 現 もup-regulationさ せて 機 能 的 発 現 を 強 力 に 増 大 さ せ る と考 え られ る. 24.マ ウ ス膀 胱 平 滑 筋 に お け る興 奮 収 縮 連 関 に つ い て の 検 討 名 古 屋市 立 大 学大 学 院 ・薬 学 研 究 科 ・細胞 分子 薬効 解 析 学 森村 浩 三,大 矢 進,村 木 克 彦,今 平 滑 筋 で は脱 分 極 刺 激 時 に 電 位 依 存 性Ca2+チ る が,筋 小 胞 体(SR)膜 離 機 構(CICR)に 泉 祐治 ャ ネ ル か ら流 入 す るCa2+に 上 に存 在 す る リア ノ ジ ン受 容 体(RyR)が よ る 細 胞 内Ca2+濃 よって収 縮 が 惹 起 され 活 性 化 され るCa2+誘 度 上 昇 が ど の程 度 収 縮 に 寄 与 す る か に つ い て は不 明 な 点 が 多 い. 当 研 究 室 で は モ ル モ ッ ト膀 胱 平 滑 筋 細 胞 で 脱 分 極 刺 激 直 後 に 細 胞 膜 近 傍 で のCICRに Ca2+濃 度 上 昇"Ca2+ホ い て 検 討 し た.単 離 膀 胱 平 滑 筋 細 胞 に30msの 近 傍 の局 所 部 位 でCa2+ホ 態 お よ び平滑 筋組 織 の収 縮 反応 につ 脱 分 極 刺 激 を与 え た 時,刺 激 開 始 後10∼20msで ッ トス ポ ッ トが 発 生 し,脱 分 極 刺 激 終 了 後 もCa2+ウ に緩 徐 に 伝 播 し た.一 方,5msの し な か っ た.刺 激 時 間 を 延 長 す る とス ポ ッ ト発 生 数 は 増 大 し,20∼30msの エ ー ブ と して 細 胞 全 体 刺 激 で は ス ポ ッ ト発 生 数 も エ ー ブ が 伝 播 す る事 を見 出 した.さ ら に通 電 刺 激 に よ る活 動 電 位 発 生 時 に もホ ッ トス ポ ッ トの発 生 と細 胞 全 体 へ の 伝 播 が 観 察 さ れ た.ま に よ る収 縮 反 応 に 対 す る30μMリ 徐 なCICRが た筋直 接刺 激 ア ノ ジ ンの 作 用 を検 討 した 結 果,収 縮 が ほ ぼ 抑 制 され る事 を 見 出 し 誘 起 され る 自発 的 収 縮 も30μMリ ウ ス 膀 胱 平 滑 筋 に お い てRyRを 細 胞膜 脱 分 極 刺 激 で も ホ ッ トス ポ ッ トは少 数 発 生 し た が 細 胞 全 体 へ は伝 播 頭 打 ち に な り,こ れ ら の ホ ッ トス ポ ッ トか らCa2+ウ る膜 直 下 の 特 定 のSRで よる局 所 的 な ッ トス ポ ッ ト"が 発 生 す る こ と を報 告 して い る.膀 胱 平 滑 筋 の 興 奮 収 縮 連 関 に つ い て さ ら に 検 討 す る た め に マ ウ ス膀 胱 平 滑 筋 の 細 胞 内Ca2+動 た.ま た15mMK+で 発 性Ca2+遊 介 し た2段 ア ノ ジ ン で 抑 制 さ れ た.以 上 の 結 果 よ り,マ 階 のCICR,即 生 じ る 緊 密 なCICR,さ ら にCa2+ウ ち 脱 分 極 直 後 に ホ ッ トス ポ ッ トを発 生 させ エ ー ブ と し て 細 胞 全 体 のSRへ 興 奮 収 縮 連 関 に お い て極 め て 重 要 な機 能 を 果 た し て い る こ とが 示 唆 さ れ た. 広 が る緩 J-29 25. 正 常 と肥 満 マ ウ ス に お け る前 立 腺, 膀胱 収 縮 反 応 の 比 較 東 邦 大 学 ・医 ・泌 尿 器 科学1,東 京 医 科 歯科 大 学 ・難 治 疾 患研 究 所 ・分 子 神経 化 学2, 昭和 大 学 ・保健 医療 学 部 ・作 業療 法学 科3 上村 修 一, 片岡 和 義1, 青 木 中島 耕 一1, 栗 田 稔1, 永 尾 石井 延 久1, 浜 崎 浩 子2, 坂 井 雅 一, 加藤 聡 彦1, 光 一1, 原 田中 祝 江1, 出 口 正 夫1, 啓1, 森 田 隆1, 三 浦 一 陽1, 泰3 【目 的 】 糖 尿 病 患 者 で は,前 立 腺 肥 大 症 の 有 無 や,程 度 に関 わ らず 尿 意 切 迫,排 尿 困 難 の よ う な 前 立 腺 肥 大 症 様 の 症 状 を訴 え る場 合 が あ る.そ の た め 糖 尿 病 患 者 の 前 立 腺 で は ア ドレ ナ リン レ セ プ タ ー の 増 加 な ど排 尿 障 害 を き た す 変 化 を生 じて い る の で は な い か と考 え た.そ こ で我 々 は2型 糖 尿 病 に 多 い 肥 満 の モ デ ル と して ボ ンベ シ ン レ セ プ タ ー ノ ッ ク ア ウ トマ ウ ス(以 下BRS-3欠 胱,前 立 腺 組 織 を用 い て,ア 56∼84週 のBRS-3欠 ド レ ナ リ ン,ム ス カ リ ン受 容 体 の 分 布,機 損 マ ウ ス と正 常 マ ウ ス の 膀 胱,前 立 腺 を用 い て 比 較 検 討 した.膀 胱 は カ ル バ コ ー ル に対 す る 収 縮 の 比 較 と カ ル バ コ ー ル 収 縮 下 の βagonistに ン に対 す る 収 縮 の 比 較 と α1A antagonist下 腺 の α1A, Dの 発 現 をRT-PCRに ウ ス に 比 較 しBRS-3欠 腺:フ よ る 弛 緩 の 比 較,前 損 マ ウ ス で 有 意 に 強 く,βagonistに antagonist下 立腺 は フェニ レ フ リ の フ ェニ レ フ リ ン に対 す る収 縮 の 比 較 を し た.ま よ り検 討 した.【 結 果 】 膀 胱:カ た 前立 ル バ コ ー ル に 対 す る収 縮 は正 常 マ よ る 弛 緩 に 有 意 差 は認 め な か っ た.前 立 ェ ニ レ フ リン に 対 す る収 縮 は 正 常 マ ウ ス に 比 較 しBRS-3欠 め な か っ た.α1A 損 マ ウ ス と略 す)の 膀 能 に つ い て 検 討 し た.【 方 法 】 損 マ ウ ス で 強 か っ た が 有 意 差 は認 の フ ェ ニ レ フ リン に 対 す る収 縮 は 正 常 マ ウ ス に比 較 しBRS-3欠 ウ ス で 有 意 に抑 制 さ れ た.【 考 察 】 現 在RT-PCRに 損マ よ り前 立 腺 の α1A, Dの 発 現 を調 べ て お り当 日 は そ の 結 果 も踏 ま え総 合 的 に考 察 す る 予 定 で あ る. 26. ヒ ト膀 胱 に お け るRho/Rho-kinaseの 局 在 と排 尿 筋 収 縮 へ の 関 与 獨 協 医科 大 学 ・泌 尿器 科 釜井 隆 男, 山 西 【目 的 】Rho/ROCK経 友 典, 中西 公 司, 古 谷 信 隆, 吉 田 謙 一郎 路 は ア ク ト ミオ シ ン系 を 制 御 し,細 胞 周 期 や 癌 の 進 展 と関 連 し て い る ほ か, 種 々 の 平 滑 筋 の 収 縮 に も関 与 し て い る こ とが 報 告 され て い る.今 回 ヒ ト膀 胱 平 滑 筋 のCarbachol収 に お け るRho/ROCKの に て 膀 胱 全 摘 術,前 立 腺 癌 に て 前 立 腺 全 摘 出術 を 行 っ た 症 例 の う ち,患 者 の 同 意 の 得 られ た20例 き,非 癌 部 の膀 胱 全 層 を 採 取 し た.12例 で は 粘 膜 を取 り除 き,8例 片 標 本 を 作 成 した.Western と免 疫 組 織 染 色 法 に てRho/ROCKの organ bathを 応(Emax: blotting法 用 い,Carbacholの 与 した 後,2nd carbachol CRCを 80mMKClで 濃 度-収 縮 曲 線(CRC)を 作 成 した.Y27632のCarbachol収 は 同 一 で あ っ た.Emaxは,粘 Emaxは60.5(11.8%と 膜 の 非 付 着 切 片 で は143(11.7%,付 た,粘 れ な か っ た.【 結 論 】Carbacholの で 発 現 す る こ と が 判 明 し た. た 投 の 変 化 に よ り検 討 し ン ト ロー ル で は,2つ 膜 の 付 着 切 片 で は,Y27632投 な り投 与 前 に比 べ て 有 意 に低 下 し た が(p=0.0274),非 後 で 有 意 差 は 見 られ な か っ た.pEC50値 (Y27632)を 縮 反 応 に対 す る効 果 を,最 大 反 に お け るEmax, 有 意 差 を 認 め た(P=0.0264).ま inhibitor (-logEC50)値 筋 層 よ り も粘 膜 に優 位 に 高 発 現 を示 し た.コ pEC50値 発 現 を 検 討 し た.ま 作 成 し,ROCK の 最 大 収 縮 反 応 に対 す る%),pEC50 につ で は膀 胱 粘 膜 を付 着 した ま ま筋 切 た.【 結 果 】Rho/ROCKは で は89.7(7.1%で 縮 役 割 を,膀 胱 粘 膜 の 存 在 ・非 存 在 下 に お い て検 討 した.【 方 法 】 浸 潤 性 膀 胱 癌 は,粘 膜 の 付 着 の 有 無,Y27632投 のCRC 着 切片 与後で は 付 着 切 片 で は,投 与 前 与前 後 で有意 な変化 はみ ら ヒ ト膀 胱 に対 す る 作 用 は粘 膜 の 非 存 在 下 で は発 現 せ ず,粘 膜 存 在 下 J-30 27. 膀 胱 平 滑 筋 過 形 成 を 呈 す るnNOS遺 伝 子 欠 損 マ ウ ス に 対 す る テ ス トス テ ロ ンの 効 果 帝 京 大学 ・医 ・泌 尿 器 科 武藤 智, 岡 田 【目的 】neuronal 呈 す る.こ 弘, 堀 江 Nitric oxide 重郎 synthase (nNOS)遺 の マ ウ ス に対 し てtestosteroneを 法 】 雄 のnNOS遺 伝 子欠 損マ ウス は膀胱 平滑 筋過形 成 や頻尿 を 投 与 し,排 尿 状 態 の 変 化 を 検 討 した の で 報 告 す る.【 方 伝 子 欠 損 マ ウ ス お よ び野 生 型 の排 尿 量,排 尿 回 数,一 回 排 尿 量 を 測 定 した.ま た,テ ス トス テ ロ ン投 与 に よ りそ れ ぞ れ の マ ウ ス に お け る排 尿 状 態 の 変 化 を検 討 し た.【 結 果 】nNOS遺 子 欠 損 マ ウ ス は,野 生 型 と比 べ て有 意 に 頻 尿 で あ っ た(6.3 尿 量 に差 は 認 め ら れ な か った.野 日排 尿 回 数,夜 の 改 善(4.1 vs 4.2times/day, 生 型 に テ ス トス テ ロ ン を投 与 した 場 合,排 間 排 尿 回 数)に 有 意 な 変 化 は認 め られ な か っ た が,nNOS遺 vs 6.3, P=0.0018)が 認 め ら れ た.尿 中 のNOx排 P=0.006)が,一 尿 状 態(一 伝 日排 日排 尿 量,一 伝 子 欠 損 マ ウ ス で は頻 尿 出 量 は野 生 型,nNOS遺 伝 子欠 損 マ ウ ス と も に テ ス トス テ ロ ン投 与 に よ る影 響 は認 め ら れ な か っ た.【 結 論 】 膀 胱 平 滑 筋 過 形 成 に と も な う 頻 尿 に 対 す る男 性 ホ ル モ ン の 関 与 が 示 唆 さ れ た. 28. α2ア ゴ ニ ス トに よ る ラ ッ ト門 脈 輪 状 標 本 の 収 縮 に お け る 内皮 性 調 節 に つ い て 北 海 道 医療 大 学 ・薬 ・臨 床薬 理 毒 理 木村 真 一, 鳥 羽 美 由 起, 大 橋 敦 子, 島 村 佳一 【緒 言 】 門 脈 輪 走 筋 の 収 縮 は,内 皮 細 胞 か ら放 出 され る一 酸 化 窒 素(NO)に よ り抑 制 さ れ て い る が, ア ゴ ニ ス ト刺 激 時 に お け る 平 滑 筋 の 収 縮 の 内 皮 に よ る調 節 に つ い て は 不 明 な 点 が 多 い.本 ラ ッ ト門 脈 の 輪 状 標 本 を 用 い,α2ア 研究で は ゴ ニ ス ト刺 激 に よ る 内 皮 依 存 性 収 縮 に つ い て検 討 し た.【 方 法 】 麻 酔 し た ラ ッ ト よ り門 脈 を 摘 出 し,幅 約1mmの タ イ ロー ド液 中 で 等 尺 性 張 力 を 測 定 した.内 内 皮 正 常 お よ び 内 皮 除 去 輪 状 標 本 を 作 成 し,370Cの 皮 除 去 標 本 の 作 成 は0.75% deoxycholateで 内腔 を短 時 間 処 理 した.α2ア ゴ ニ ス ト と してclonidineを 用 い た.【 結 果 ・考 察 】 内 皮 正 常 門 脈 輪 状 標 本 に10-8 ∼10-6Mの clonidineを 作 用 させ る と濃 度 依 存 性 に収 縮 高 が 増 加 し た .clonidineに よ り増 大 した 収 縮 はyohimbineに 生 させ た.L-NNA存 で はclonidineに よ り抑 制 さ れ た.NO合 成 阻 害 薬L-ニ 在 下 にclonidineを トロ ア ル ギ ニ ン(L-NNA)は 作 用 さ せ る と,さ ら に緊 張 性 収 縮 が 増 大 し た.内 皮 除 去 標 本 よ る緊 張 性 収 縮 は 発 生 し な か っ た.clonidineに 抑 制 さ れ な い が,エ ン ドセ リ ンETB受 よ る 緊 張 性 収 縮 はCOX阻 害薬では 容 体 拮 抗 薬 に よ り抑 制 され た.以 上 よ りラ ッ ト門 脈 輪 状 標 本 の α2ア ゴ ニ ス ト刺 激 に よ る 緊 張 性 収 縮 に は 内 皮 由 来 エ ン ドセ リ ン がETB受 こ とが 明 ら か に な っ た. 緊張 性収 縮 を発 容 体 を介 して 関 与 し て い る J-31 29. Functional role of TRPC6/TRPC7 smooth muscle cells heteromultimeric channels in vascular カル ガ リー 大学 ・医 ・薬 理 学 丸山 良亮 Transient receptor potential (TRP) channels are thought to be Ca2+-permeable non-selective cation (NSC) channel activated by G protein-coupled receptors. TRPC6 channel is a candidate for [Arg8]-vasopressin (AVP)-induced NSC channel in A7r5 vascular smooth muscle cells. The pharmacological properties of AVP-NSC current ; e.g. blockade by Gd3+ and SKF96365 and augmentation by fulfenamate are similar to those of heterologously expressed TRPC6 channels (in HEK293 cells). However, we found that AVP-NSC currents of A7r5 cells were suppressed by extracellular Ca2+ in physiological range whereas TRPC6 currents were enhanced. TRPC channels are known to assemble into heteromultimeric channels within two major TRPC subfamilies ; TRPC1/4/5 and TRPC3/6/7. TRPC heteromultimeric channels exhibit different properties compared to their homomultimeric channels. We tested hypothesis that AVP-NSC channels of A7r5 cells are due to heteromultimeric rather than homomultimeric TRPC6 channels. To suppress the TRPC6 homo- and heteromultimeric channel currents, we utilized dominant negative TRPC6 pore mutant (L678F679W680 to A678A679A680), which form non-conductive homo- and heteromultimeric channels. AVP-NSC currents were suppressed by the dominant negative TRPC6 indicating a role for TRPC3/6/7 channels. RT-PCR revealed the expression of TRPC6 and TRPC7, but not TRPC3 in A7r5 cells. Extracellular Ca2+ suppressed TRPC7 and TRPC6/ TRPC7 heteromultimeric channel currents. These results suggest that the AVP-NSC channels of A7r5 cells may due to the expression of TRPC6/TRPC7 heteromultimeric channels. 30. 内皮 細 胞 の 小 コ ン ダ ク タ ンス ・K+チ ャネ ル でEDHFに 名 古 屋市 立 大学 ・看 護 学部 ・生 理学 研 究 室1,同 山本 喜 通1, 鈴 木 よ る過 分 極 は 説 明 で きる か ・大 学 院 ・医学 研 究科 ・細胞 機 能 制御 学2 光2 モ ル モ ッ ト腸 間 膜 動 脈 か ら 内 皮 細 胞 層 を 剥 離 し,側 底 膜 面 を 上 に し て カ バ ー グ ラ ス に 固 定 し た. ギ ャ ッ プ 結 合 に よ り等 電 位 と考 え ら れ る隣 り合 っ た2個 の 細 胞 に各 々 パ ッ チ電 極 を 適 用 し,一 方 の 電 極 で 電 流 固 定 下 に膜 電 位 を測 定 し,他 方 の 電 極 でcell-attached を記 録 した.そ た 内 皮 細 胞 の 静 止 膜 電 位 は-10mVよ K+濃 patch-clamp下 に単一 チ ャネル 電流 の パ ッ チ 膜 電 位 は 他 方 の 電 極 で測 定 した 膜 電 位 を使 っ て 希 望 電 位 に 固 定 した.単 り浅 く,ア セ チ ル コ リ ン に よ る過 分 極 反 応 は 発 生 せ ず,細 度 が 低 下 して い る と考 え られ た.そ こ で150mM-K+液 で10∼15分 間 灌 流 して か ら再 び 通 常 の 灌 流 液 に 戻 す と,静 止 膜 電 位 に 変 化 は な か っ た が 過 分 極 反 応 が 回復 し,cell-attached な 電 流 を 流 す チ ャ ネ ル 活 動 が 観 察 さ れ た.こ の チ ャ ネ ル は4∼5pSの は-50mVよ り深 く,K+チ 細 動 脈 標 本 の 場 合,内 た,こ で あ っ た.ギ の 標 本 内 の す べ て の 内 皮 細 胞 と平 滑 筋 細 胞 を-45mVの た め に は,約20,000個 は小 さ 長 さ0.7mmの ャ ッ プ結 合 で 電 気 的 に 連 絡 し 静 止 膜 電 位 か ら20mV過 分極 させ る の チ ャ ネ ル が 同 時 に 開 く必 要 が あ る と計 算 され る.こ の 標 本 に存 在 す る 内 皮 細 胞 の 総 数 を仮 に1,000個 う る こ と に な る.こ patchに コ ンダ ク タ ン ス を持 ち,逆 転 電 位 ャネ ル と考 え られ た.一 層 の 平 滑 筋 層 を持 つ 直 径70μmで 皮 細 胞 か ら見 た 入 力 抵 抗 は4.6MΩ 離 し 胞 内 とす れ ば,細 胞1個 あ た り20個 の チ ャ ネ ル の 同 時 開 口 で 過 分 極 反 応 を起 こ し の チ ャ ネ ル の 観 察 さ れ る頻 度 は 必 ず し も高 くは な い が,こ 応 を 生 じ さ せ て い る可 能 性 は高 い と考 え られ る. のチ ャネル が過分 極反 J-32 31. 高 濃度 イ ンス リン慢性 投与 時 にお け る糖尿 病 ラ ッ トの収 縮反 応増 強 に対 す るア ンジオ テ ンシ ン受容 体拮抗 薬 の効果 星 薬 科 大学 ・医 薬研 ・機 能形 態 林 優 子, 小 林 恒 雄, 松 本 貴 之, 鎌田 勝雄 【目 的 】 イ ン ス リ ン は1型 糖 尿 病 の 治 療 に必 須 で あ る が,streptozotocin (STZ)誘 発糖尿 病 ラ ッ ト に慢 性 投 与 す る と内 皮 細 胞 機 能 障 害 を 改 善 す る 一 方 で,収 縮 反 応 を増 強 させ る とい う事 が 報 告 さ れ て い る.ま た,angiotensin II (Ang II)は 強 力 な 血 管 収 縮 因 子 で あ る と と も に,他 の 血 管 作 動 性 物 質 の 調 節 因 子 で あ り,近 年,イ ン ス リ ン と の相 互 作 用 が 注 目 され て い る.そ 投 与 時 に お け る血 管 収 縮 増 加 とAngIIの こ で,高 濃 度 イ ン ス リ ン慢 性 関 与 に つ い て 検 討 し た.【 方 法 】STZ投 与 後,10週 間後 の動 物 及 び対 照 動 物 を 用 い,高 濃 度 の イ ン ス リン,イ ン ス リ ン及 び ニ ュ ー ロ タ ン(Ang II受 容 体 拮 抗 薬)を 2週 間 慢 性 投 与 した 後,胸 部 大 動 脈 を摘 出 し,収 縮 反 応 を 測 定 し た.ま た,ア ン ジ オ テ ン シ ン変 換 酵 素 (ACE) mRNAの はcontrol群 発 現 に つ い て はRT-PCR法 に 対 しSTZ群 る収 縮 反 応 は,STZ群 を 用 い て 比 較 検 討 し た.【 結 果 】ACE で 増 加 し,イ ン ス リ ン慢 性 投 与 に よ り,さ に対 しSTZ+イ ン ス リ ン群 で 有 意 に増 強 した.ニ 縮 反 応 の 増 強 は抑 制 さ れ た.control群 収 縮 反 応 は,STZ群 発現 よ ュ ー ロ タ ン を併 用 す る と,収 で は イ ンス リ ン慢 性 投 与 に よ っ て,NEに ら れ な か っ た.内 皮 細 胞 除 去 標 本 に お け るNEの mRNAの ら に発 現 が 増 加 した.NEに よ る 収 縮 に 影 響 は見 に対 しSTZ+イ ン ス リ ン群 で 有 意 に 増 強 し,ニ ュ ー ロ タ ン の併 用 に よ り有 意 に抑 制 さ れ た.AChに お け る 内皮 細 胞 依 存 性 弛 緩 反 応 は, STZ群 に お い て 減 弱 が 見 ら れ,イ ン ス リ ン慢 性 投 与 に よ っ て 改 善 した.ニ ュ ー ロ タ ン の 併 用 は,イ ン ス リ ン慢 性 投 与 と同 程 度 の 弛 緩 反 応 を 示 した.収 STZ群 に お い てNE収 縮 反 応 を生 じ な い 濃 度 に お け るAng Iの 前 処 置 は, 縮 の 感 受 性 を増 加 した.【 考 察 】 糖 尿 病 ラ ッ トに お け る高 濃 度 イ ン ス リ ン 投 与 に お い て 認 め ら れ る血 中 の 高 イ ン ス リ ン状 態 は,血 管 収 縮 の増 加 を 生 じ,こ の 増 加 に はACE の 発 現 増 加 に 伴 うAng 32. mRNA IIが 関 与 して い る の か も しれ な い. イ ヌ 脳 底 動 脈 の伸 展 誘 発 性ERK1/2活 性 化 に お け る プ ロ テ イ ンキ ナ ー ゼCδ の 関 与 について 静 岡 県立 大 学 ・薬 ・薬 理 学教 室 小原 一 男, 見 立 絢 子, 中 山 貢一 【目的 】 血 管 平 滑 筋 で は伸 展 な ど の 力 学 的 刺 激 に よ り細 胞 増 殖 や 肥 大 な ど に よ る病 的 な 組 織 再 構 築 が 誘 導 さ れ,こ れ に はMAPキ ナ ー ゼ の 一 種 で あ るERK1/2 (extracellular tein kinase)の 関 与 が 示 唆 され て い る.し か し,伸 展 刺 激 に よ るERK1/2活 signal-regulated 性化 機序 につい ては十 分 に解 明 さ れ て い な い.本 研 究 で は,イ ヌ 脳 底 動 脈 に お け る伸 展 誘 発 性ERK1/2の 検 討 し た.【 方 法 】 雌 雄 雑 種 成 犬(体 重10-18kg)か 械 刺 激 装 置 を 用 い て1mm/secの 持 した.PKC, Rhoお お よ び η の4種 酵 素 に よ り抑 制 さ れ た.PKCδ Rhoの RGDペ の活 性 化 はPKCδ 抑 制 され た.ま た,PKC阻 類 の ア イ ソ フ ォ ー ム が 存 在 し,こ の う ち緩 徐 伸 活 性 化 さ れ た.PKCδ プ チ ドお よ びRhoの よ り,PKCδ ら に,伸 展 刺 激 に よ りERK1/2が プ チ ドお よ び ロ トレ リ ン で 抑 制 さ れ た.ま た,MEK阻 お よ びRho 活 性 を 阻 害 す る ボ ツ リヌ スC3 阻 害 薬 の ロ ト レ リ ン お よ びRhoキ 害 薬 の カ ル ホ ス チ ンCに 活 性 化 は影 響 を う け な か っ た.さ 間維 ム ノ ブ ロ ッ ト法 を 用 い て 測 定 し た. の み が 活 性 化 され た.ま た,緩 徐 伸 展 に よ りRhoも 活 性 化 は イ ン テ グ リ ン の 活 性 を 阻 害 す るRGDペ Y-27632で に 緩 徐 伸 展 を加 え,そ の 伸 展 量 を15分 活 性 化 はSDS-PAGE,イ 【 結 果 】 イ ヌ脳 底 動 脈 に はPKCα,δ,ζ 展 に よ りPKCδ 活性 化機 序 につ いて ら摘 出 し た 脳 底 動 脈 よ り作 製 し た リン グ 標 本 に 機 速 度 で 初 期 筋 長 の1.5倍 よ びERK1/2の pro- ナーゼ 阻害 薬 の の 活 性 化 は抑 制 さ れ た が, 活 性 化 さ れ,そ の 活 性 化 は 害 薬 のPD98059に よ りERK1/2の 活性 化 は 強 く抑 制 され た.【 考 察 】 イ ヌ 脳 底 動 脈 に お い て,伸 展 刺 激 は イ ン テ グ リ ン に よ り受 容 さ れ,Rho/ Rhoキ ナ ー ゼ 系 を 介 してPKCδ 示 唆 され た. を活 性 化 し,引 き続 きMEKを 介 してERK1/2を 活 性 化 す る こ とが J 33. cGMPを 介 した血 管 弛 緩 反 応 機 構 の 検 討 東 邦 大 学 ・薬 ・薬 理 学 教 室1,同 田 中 芳 夫1, Toro 滝沢 景2, ・薬 物 学 教 室2,UCLA・ 山下 庸 子1, 八巻 医 ・麻 酔 科3 史 子1, 胞 内cGMP濃 弛 緩 反 応 機 構 の 一 部 に は,Kチ 重 要 性 が 示 さ れ て い る.し 作 用 をMaxiKチ 小池 勝 夫1, ャ ネ ル の 活 性 化 が 関 与 し て お り,冠 動 脈 で はMaxiKチ か し,ラ Song Min3, ッ トの 動 脈 を用 い て,ニ ャネル の役割 の トロ グ リ セ リ ン(NTG)とANPの 弛緩 ャ ネ ル の 選 択 的 阻 害 薬 で あ る イベ リオ トキ シ ン の 抑 制 効 果 を指 標 に し て 解 析 し た と こ ろ,腸 間 膜 動 脈 で はMaxiKチ て い た た め,何 ャ ネ ル の 活 性 化 の有 意 な 関 与 が 認 め られ た が,大 動 脈 で は そ の 関 与 は らか のKチ 大 動 脈 弛 緩 作 用 は,高 カ リウ ム に よ り顕 著 に 減 弱 し ャ ネ ル が 関 与 す る 可 能 性 が 考 え られ た.本 研 究 で は,ラ 弛 緩 作 用 に 関 与 す るKチ た.【 結 果 】1)NTGとNOR3の ャ ネ ル の サ ブ タ イ プ に つ い て,さ ン,テ ル チ ア ピ ン,E-4031に 弛 緩 作 用 は,グ ら に検 討 す る こ とに し リベ ン ク ラ ミ ド,ア パ ミ ン,カ よ っ て は影 響 を 受 け な か っ た が,高 濃 度 の4-ア トラ エ チ ル ア ン モ ニ ウ ム に よ り顕 著 に抑 制 され,Kv2.1の ス タ ン ブ ロ ッ トに よ る蛋 白定 量,PCRに よ るmRNAの 発 現 が 認 め ら れ た.【 考 察 】cGMPを ネ ル は,腸 間 膜 動 脈 で はMaxiKチ で あ る こ とが 示 さ れ,血 ッ ト大 動 脈 に お け 弛 緩 作 用 は,可 溶 性 グ ア ニ ル 酸 シ ク ラ ー ゼ の 選 択 的 阻 害 薬(ODQ)で 著 明 に抑 制 さ れ た.2)NTGとANPの 34. 弘 毅2, 度 の 上 昇 を介 し て 血 管 弛 緩 反 応 を 引 き起 こ す.こ の 全 く認 め られ な か った.た だ し,NTGとANPの け るKv2.1の 重信 Ligia3 【背 景 と 目 的 】NOとANPは,細 るNTGとANPの -33 リ ブ ド トキ シ ミ ノ ピ リ ジ ン も し くは テ 関 与 が 示 唆 さ れ た.3)免 疫 組 織 染 色,ウ ェ 発 現 実 験 結 果 か ら,ラ ッ ト大 動 脈 平 滑 筋 に お 介 し た ラ ッ トの 血 管 弛 緩 反 応 に 関 与 す るKチ ャ ネ ル,大 動 脈 で は,4-ア ミノ ピ リ ジ ン感 受 性Kvチ ャ ャ ネ ル(Kv2.1) 管 部 位 に よ る サ ブ タ イ プ の 差 が 認 め られ た. 血 管 平 滑 筋 に お け る カ ル シ ウ ム依 存 性 収 縮 お よ び カ ル シ ウ ム 非 依 存 性 収 縮 に 対 す る EPA (eicosapentaenoic acid)の 作 用 の 違 い 山 口大学 ・医 ・医 学 科 ・器 官制 御 医 科 学講座 ・分子 細 胞 生理 学1, 北 海 道大 学 大学 院 ・水 産 科 学研 究 科 ・生命 資 源 科学 専 攻 ・生 物 資 源化 学 講座2 津本 麗 奈1, 岸 三 輪 さ お り1, 小 林 Rho-kinaseを 博 子1, 野 口 亮 子2, 宮 下 和 夫2, 王 虹 艶1, 最 上 紀 美 子1, 誠1 介 す る血 管 平 滑 筋 の カ ル シ ウム 非 依 存 性 異 常 収 縮 は,血 と し て 注 目 さ れ て い る.我 々 は こ れ ま で に,SPC 細 胞 質 カ ル シ ウ ム 濃 度 を変 化 させ る こ と な く,Srcフ ム 非 依 存 性 収 縮 を 特 異 的 に 阻 害 す る 物 質 と し て,n-3多 (eicosapentaenoicacid)を 同 定 した.今 効 果 を検 討 した.方 ら に,こ 荷 ブ タ 冠 状 動 脈 平 滑 筋 条 片 を 用 い,細 胞 質 激 と し て,SPC,高 これ らの 刺 激 に よ る 張 力 が 最 大 に な りか つ 安 定 した 時 点 で,EPAを ム 濃 度 を変 化 さ せ る事 な く張 力 を増 加 さ せ る の に対 し,高 カ リ ウ ム脱 分 極,U46619を 投 与 し た.SPCは よ びU46619に カ リ ウ ム脱 分 極 に よ る収 縮 を 抑 制 し な か っ た.興 に よ る細 胞 内 カ ル シ ウム 濃 度 上 昇 に 対 して は抑 制 作 用 を 示 した が,高 用 い, 細 胞 内 カル シ ウ カ リウ ム 脱 分 極 お よ びU46619に は,細 胞 質 カ ル シ ウ ム 濃 度 の 上 昇 を伴 っ て 観 察 さ れ た.EPAはSPCお よる収 縮 よ る収 縮 に は 抑 味 深 い事 に,EPAはU46619 カ リ ウム 脱 分 極 に よ る細 胞 質 カ ル シ ウ ム 濃 度 上 昇 に対 し て は抑 制 作 用 を 示 さ な か っ た .更 に,我 々 はEPAの 作 用 との 関 係 に つ い て も検 討 した の で,こ の経路 に よ るカル シ ウ 価 不 飽 和 脂 肪 酸 の 一 種 で あ るEPA 回我 々 は,血 管 平 滑 筋 の 細 胞 質 カ ル シ ウ ム 濃 度 お よ び 張 力 に 法 と し て は,fura-2負 カ ル シ ウ ム 濃 度 と張 力 の 同 時 測 定 を 行 っ た.刺 制 効 果 を示 し た が,高 管平 滑筋 の ァ ミ リー チ ロ シ ン キ ナ ー ゼ,お よびRho-killase を 介 して カ ル シ ウ ム 非 依 存 性 異 常 収 縮 を 引 き起 こす 事 を見 出 し た.さ 対 す るEPAの 管 攣 縮 な どの 血 管 病 の 原 因 (sphingosylphosphorylcholine)が,血 立体構 造 とこれ らの 血管 れ ら の結 果 に つ い て も本 会 で 報 告 す る. J-34 35. 血 管 平 滑 筋 のSphingosylphosphorylcholine の 重 要 性 と,membrane raftの (SPC)反 応 性 に対 す る コ レス テ ロー ル 関 与 の 可能 性 山 口大 学 ・医 ・医学 科 ・器 官 制 御 医科 学講 座 ・分 子細 胞 生 理 学1, 同 ・医 学研 究 科 ・応 用 医工 学 系 ・デ ジ タル情 報 制 御 医学 講 座 ・デ ジ タル細 胞 制御 学2 岸 博 子1,2, 森 景 則 保1, 津 本 麗 奈1,2, 周 峰1, 最 上 紀 美 子1, 小 林 高 脂 血 症 は 心 血 管 イ ベ ン トの 主 要 な リ ス ク フ ァ ク タ ー で あ る.こ phorylcholine kinase (SPC)が (Src-TKs)お れ ま で 我 々 はsphingosylphos- 血 管 平 滑 筋 の カ ル シ ウ ム 非 依 存 性 収 縮 を引 き起 こ し,Src よ びRho-kinaseが,こ は,血 管 平 滑 筋 のSPC反 誠1,2 family tyrosine の シ グ ナ ル 伝 達 に 関 与 す る事 を 報 告 し て きた.今 回 我 々 応 性 に対 す る コ レ ス テ ロ ー ル の 関 与 に つ い て,ヒ 培 養 血 管 平 滑 筋 細 胞 を 用 い て 検 討 し た.手 トお よ び 動 物 モ デ ル,更 ロー ル食 負 荷 ウ サ ギ の 腸 間 膜 動 脈 平 滑 筋 で,血 中 コ レ ス テ ロ ー ル 濃 度 とSPC反 応 性 は正 の 相 関 を示 し,高 脂 血 症 治 療 薬 で 血 中 コ レ ス テ ロ ー ル 濃 度 を正 常 範 囲 内 に 低 下 させ る と血 管 平 滑 筋 のSPC反 は 消 失 した.更 に,高 コ レ ス テ ロー ル 食 負 荷 ウ サ ギ の 腸 間 膜 動 脈 平 滑 筋 を β-cyclodextrin で 処 理 し て コ レ ス テ ロ ー ル を 除 去 す る と,血 管 平 滑 筋 のSPC反 に お い て,SPCはSrc-TKsの1つ で あ るfynお し,こ れ らの 蛋 白 がmembrane cholera toxin subunit よ りcaveolin-1が るfynお B (CT-B)と よ びRho-kinaseの 細 胞 膜 へ のtranslocationを 共 局 在 す る事 が 観 察 さ れ た.細 誘発 raftを 標 識 す る 胞 を β-cdx処 理 す る と,細 胞 膜 よ る標 識 も著 し く低 下 した が,こ れ らの 細 胞 で はSPC刺 細 胞 膜 へ のtranslocationは 応性 (β-cdx) 応 性 は 消 失 した.培 養 血 管 平 滑 筋 細 胞 よ びRho-kinaseの raftの 局 在 蛋 白 で あ るcaveolin-1や,membrane 除 去 さ れ,CT-Bに に 術 で 摘 出 さ れ た ヒ ト腸 間 膜 動 脈 平 滑 筋 お よ び 高 コ レ ス テ 激 によ 消 失 し た.以 上 よ り,血 管 平 滑 筋 の カ ル シ ウ ム 非 依 存 性 収 縮 の シ グ ナ ル 伝 達 に コ レ ス テ ロ ー ル お よ びmembrane raftが 重 要 で あ る事 が 示 唆 さ れ た. 36. IP受 容 体 な ら び に β-ア ド レ ナ リ ン 受 容 体 を 介 し た 平 滑 筋 の 弛 緩 反 応 に お け る cAMP非 依 存 性 機 構 に つ い て:MaxiKチ ャネ ル の 役 割 とそ の 活 性 化 機 序 東邦 大 学 ・薬 ・薬 理 学教 室 八巻 史 子, 山 下 【目 的 】 我 々 は,プ cAMP量 庸 子, 堀 之 内 孝 広, 田中 ロ ス タ サ イ ク リ ン 受 容 体(IP受 の 上 昇 を伴 う機 構 に 加 え,組 織cAMP量 研 究 で は,IP受 容 体 と同 様,Gs蛋 勝夫 容 体)を 介 した 血 管 平 滑 筋 の 弛 緩 反 応 に は,組 の上 昇 を伴 わ な い 機 構(cAMP非 関 与 す る こ とを 見 出 し,そ の 機 序 の 一 部 に は,MaxiKチ た.本 芳 夫, 小 池 ャ ネ ル の 活 性 化 が 関 与 す る こ と を報 告 して き 白 共 役 型 受 容 体 に 分 類 さ れ る β-ア ド レ ナ リ ン受 容 体(β 受 容 体)を 介 した 平 滑 筋 の 弛 緩 反 応 に対 す るcAMP非 依 存 性 機 構 の 関 与 とMaxiKチ らか にす る と と も に,IP受 ャ ネ ル の 活 性 化 機 序 を検 討 した.【 定 実 験 と組 織cAMP量 容 体 を 介 したMaxiKチ の 定 量 に は,モ ャ ネ ル 電 流 測 定 に は,酵 【結 果 】1)β2,β3受 容 体 へ の 刺 激 に よ り組 織cAMP量 (ibTx)に よ り抑 制 さ れ た が,β3受 容 体 の 刺 激 は,GTP依 の効 果 は ア デ ニ ル 酸 シ ク 依 存 性 弛 緩 反 応 の 一 部 は,iberiotoxin 容 体 を 介 し た 反 応 は,ibTxに よ り影 響 を受 け な か っ た.3)IP受 ャ ネ ル 電 流 を増 加 さ せ た.ま た,コ チ ャ ネ ル 電 流 を 増 加 させ る と と も に,ibTx感 cAMP非 は 有 意 に 増 加 し,こ か し,β2,β3受 容 体 を 介 し た 弛 緩 反 応 は,SQ22,536 容 体 を 介 し たcAMP非 存 性 にMaxiKチ レ ラ トキ シ ン は,MaxiK 受 性 の 平 滑 筋 弛 緩 作 用 を 引 き 起 こ し た.【 依 存 性 機 構 は,β 受 容 体 を 介 した 弛 緩 反 応 に も関 与 す る も の の,MaxiKチ 度 は,β 受 容 体 の サ ブ タ イ プ に よ っ て 異 な る こ と,2)cAMP非 し たMaxiKチ 方法 】機 能測 素 処 理 に よ り得 られ た 胸 部 大 動 脈 平 滑 筋 細 胞 を使 用 し た. よ り抑 制 さ れ た.し に よ り影 響 を 受 け な か っ た.2)β2受 ャネル の役割 を明 ル モ ッ トか ら摘 出 した 各 種 平 滑 筋 組 織(胃 底 ・ 十 二指腸 ・ 気管・ 胸 部 大 動 脈)を,チ ラ ー ゼ 阻 害 薬(SQ22,536)に 織 依 存 性 機 構)も 依 存 性 機 構 の 一 部 に は,Gs蛋 ャ ネ ル へ の 直 接 的 な 活 性 化 制 御 機 序 が 関 与 す る,こ とが 示 さ れ た. 考 察 】1) ャネル の関与 の程 白を介