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2016年8月2日号 (PDF/490KB)

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2016年8月2日号 (PDF/490KB)
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2016 年 8 月 2 日
豪州主要経済指標
今週の注目点
経済指標・イベント
直近
前回
日付
経済指標・イベント
4-6 月期 消費者物価指数(前年比)
1.00%
1.30%
8月4日
米国 新規失業保険申請件数
前回
市場予測
26.6 万人
26.5 万人
金融市場・原油・為替
指数等
2016年7月29日
2016年7月22日
前週比
2015年7月29日
前年比
S&P/ASX200 指数
5,562.36
5,498.19
+1.2%
5,624.16
-1.1%
S&P/ASX200 不動産投信
1,546.40
1,539.40
+0.5%
1,298.00
+19.1%
豪州 90 日バンクビル利回り
1.87
1.90
-3bps
2.13
-26bps
豪州債券 10 年物利回り
1.87
1.91
-3bps
2.79
-92bps
77.53
79.21
-1.68
90.42
-12.89
0.76
0.75
+0.01
0.73
+0.03
63.30
63.30
+0.0
61.40
+1.9
豪ドル円
豪ドル米ドル(セント)
豪ドル TWI
先週の主な話題
先週は株式市場にとってまちまちの展開となりました。豪州株式市場が 1.2%、欧州株式市場が 1%それぞれ上昇した一方で、米国株式市場
は原油の下落を受けて 0.1%下落、日本株式市場は日銀による追加金融緩和策が市場の期待を下回る内容となったことから 0.4%下落、また
中国株式市場も銀行規制当局が金融リスクを抑制する規制強化策を発表したことを背景に 0.7%下落しました。債券利回りも同様に低下し、コ
モディティ価格は原油が下落した一方で、鉄鉱石が上昇するなどまちまちの展開となりました。米ドルは下落し豪ドルは上昇しました。
7 月の世界の株式市場は総じて好調でした(米国株+ 3.6%、欧州株+ 5.1%、日本株+ 6.4%、中国株+ 1.6%)。豪州株式市場は 6.3%上
昇し、2011 年 10 月以来で最も大きな上昇幅を記録しました。その要因として、グローバルの経済指標が総じて良好な結果となったこと、米国
の決算発表において好調な業績が確認されていること、金融政策における追加緩和に向けた議論の継続、豪州においては鉄鉱石価格が上昇
したことなどが挙げられます。 次項のエコノミック・サプライズ指数(各種経済指標の結果と事前の市場予想との乖離幅を示す指数)のグラフを
ご覧いただくと直近の経済指標は市場予測を上回る結果となっていることが分かります。
1/3
出所:Bloomberg/AMP Capital
予想通り、米連邦準備制度理事会(FRB)は短期的なリスクが払拭されたとして景気判断を引き上げましたが、今後の利上げに関しては従来通
り緩やかなペースで行うことを示唆しています。声明では、抑制された世界の経済成長と引き続き低水準のインフレ率ということを踏まえ、それら
の動向を引き続き注視していくことが述べられています。 米国の 4-6 月期のGDP成長率は前年比 1.2%と予想を下回る内容となり、雇用コスト
指数は前年比 2.3%と軟調な結果となりました。これらの予想を下回る経済指標は FRB の利上げ判断の時期を遅らせる可能性があるものの、
引き続き年末までに一回の利上げが行われると見られています。
大方の予想通り、日本は追加の金融緩和政策と財政政策を発表しました。 しかしながら、その内容は上場投資信託(ETF)の買い入れ額を 2
倍(6 兆円)に引き上げるというものにとどまり、国債買い入れ額やマネタリーベース目標の引き上げ、マイナス金利拡大といった実質的に金融
緩和の強化を押し進める政策は発表されませんでした。しかし、ETFの買い入れ増額は株式市場にとってはポジティブに捉えられ、何もかもが
ネガティブというわけではありません。マイナス金利拡大に踏み込まなかったことは銀行の収益にとってはプラスになりますし、日銀は次回の政
策会合でより広範囲な政策を検証していくとしています。 安倍首相は 28 兆円の経済対策を発表しており、今後、市場の注目は財政政策へと移
っていくでしょう。 これは極めて大きな金額(GDP の 6%)でありますが、このうちどの程度の金額が真水の効果が期待できる政策に回されるの
か、今後何年に渡って政策が実施されるのかなど詳細についてはまだ不透明です。 今回の一連の景気刺激策によって、景気後退入りの回避と、
2%のインフレ目標の達成については疑問が残り、最終的にはヘリコプターマネーが必要になることが予想されますが、その最終段階にはまだ
至っていません。 そのため、しばらくの間は一段の円高リスクがあります。
欧州の主要銀行に対するストレステストの結果は、事前の予想よりも良好な結果となりました。イタリアのモンテ・パスキ銀行とアイルランドのア
ライド・アイリッシュ銀行の 2 行のみが逆境ストレスの環境下において最低限の自己資本比率要件の 4.5%を下回りました。 アライド・アイリッシ
ュ銀行はわずかにその水準を下回る結果となりましたが、モンテ・パスキ銀行は深刻な結果となりました。 しかしながら、モンテ・パスキ銀行の結
果については、特段サプライズではありませんでした。
イタリアの銀行のどこが悪いのでしょうか?単純に何年にも渡り低成長と低金利を続けてきたことを考えればイタリアの銀行の不良債権比率が
高水準となるのは当然で、モンテ・パスキ銀行は増資を必要としており、さもなければ貸出の抑制を通じてイタリアの経済はますます悪化するで
しょう。 問題点としては、同行の株価が大幅に下落しているため株式市場からの資金調達が困難になっていることです。EU(欧州連合)の銀行
増資に対するルールは、公的資金を注入する前に、まず債券保有者に損失を負担してもらうことを求めています。 昨年の 11 月に地方銀行の
社債を保有する高齢の個人投資家が 10 万ユーロの損失を出し自殺するという事件が起こり、政治問題に発展した後「ベイル・イン(金融機関内
部での損失吸収)」の手法を広範囲に行うことが困難になっています。また、イタリアの上院の影響力を抑制するための国民投票を控え政権優
勢との予想がある中、世論を重視しない動きをとれば情勢が不利になり、レンツィ政権の指導力の失墜に繋がります。マッテオ・レンツィ首相と欧
州委員会の間には溝がありましたが、EU に懐疑的な五つ星運動の政党がイタリアで勢力を増していることを考えると、最終的には欧州委員会
が妥協案に応じるというのが現実的でしょう。欧州銀行監督局(EBA)のストレステストは、その妥協点への道を開いているとも言えます。
豪州の 4-6 月期のインフレ率は予想通り豪州準備銀行(RBA)の目標を大きく下回る結果となり、潜在的なインフレ圧力が極めて弱いことが示
唆されました。価格決定力が非常に弱い状態が続いており、それがスーパーマーケットの品目、衣類、賃料、家計、自動車価格、コミュニケーシ
ョンとレクリエーションなど広範囲にわたり確認されています。 世界的なデフレ圧力や、激しい競争や低調な賃金成長が、インフレ率を超最低水
準に押しとどめ、インフレ率が目標水準に戻るのを困難にしています。 このような環境下、RBA に対する政策金利の引き下げ圧力は続いていま
す。
世界経済指標
米国指標は、予想を上回る消費者信頼感と新築住宅販売件数、そして、引き続き低水準の新規失業保険申請件数など良好な指標が確認され
た一方で、耐久消費財受注、中古住宅販売仮契約、GDP 成長率と雇用コスト成長率が軟調となるなどまちまちの結果となりました。1-3 月期の
GDP 成長率が 0.8%に留まった後、4-6 月期も 1.2%という低水準の結果となったことは失望を誘いました。 しかしながら、最終需要は 2.4%と
底堅く、在庫(-1.2%)が主な足かせとなっており、時間の経過とともに巡航速度の成長ペースに回復すると見られます。
このことは利益が底打ちしている米国企業が多くみられることからも明らかです。S&P 500 指数採用企業のうち 316 社が 4-6 月期の決算発表
を行っており、前期比で利益が平均 8%増加し、81%の企業が利益で事前予想を上回り、51%の企業が売上で事前予想を上回る結果となって
います。
Brexit 投票後、英国の消費者信頼感は引き続き非常に弱い状態が続いている一方で、ユーロ圏では 7 月の景況感指数がわずかに上昇し、
消費者信頼感も踏みとどまっています。6 月のユーロ圏における銀行の貸出の伸び率も緩やかに上昇しています。 4-6 月期の GDP 成長率は
前期比 0.3%、前年比では 1.6%と前の期の前年比成長率 1.7%から僅かに低下、7月のコアインフレ率は前回と同じ 0.9%となりました。
6 月の日本の雇用指標は引き続き底堅く、鉱工業生産は上昇しましたが、家計支出は非常に弱い結果となり、CPI 指数が前年比で-0.4%とな
るなどデフレ傾向が継続していることが明らかとなり、コアインフレ率は前年比 0.4%とより一層の低下となりました。雇用統計についても詳しく
見ると、労働人口の減少が求人倍率に好影響を及ぼしており、鉱工業生産についても 5 月の弱い結果の反動と見ることもでき、前年比では1.9%という結果です。これらすべての結果は、日本がより積極的な景気刺激策が必要としていることを示唆しています。
2/3
豪州経済指標
4-6 月期の消費者物価指数が依然として低調な結果となりましたが、生産者物価指数及び輸入物価指数も同様に弱含みました。 民間部門の
信用の伸びについても不動産投資への融資が低調となったことで、全体的に弱含みました。
今週の注目点
米国では、雇用統計が公表予定で、底堅い米国経済を裏づける内容になると予想されます。非農業部門雇用者数変化も 18 万人増と予想され
失業率は引き続き 4.9%程度の低水準で推移し、賃金成長率もわずかに上昇すると見られています。 また、米ISM製造業景況感指数は引き続
き 53 近辺で推移し、PCE コア・デフレータは前年比 1.6%予想となっています。また、非製造業指数 ISM も同様に堅調に推移すると予想されて
います。また、4-6 月期の企業決算に注目が集まるでしょう。
日本では、28 兆円に及ぶ景気刺激策の内容が発表される予定で、その内容によって今回の刺激策への評価が明らかとなります。
イングランド銀行(BOE)は、Brexit 国民投票後の信頼感の低下に歯止めをかけるために金融緩和策を発表するとみられます。
中国の製造業購買担当者景気指数は若干の上昇が予想されますが顕著な回復とはならないでしょう。
豪州では、RBA が 0.25%政策金利を引き下げ、過去最低の 1.5%にすると弊社では予想しています。4-6 月期のインフレ率は、RBA にもう一
段の利下げを促すほどの水準ではなく、足元で発表されている経済指標も良好です。 しかしながら、期待インフレ率が 2%を下回る水準に落ち
込むことを防ぐために、RBA が行動すると見ています。そうすることで、インフレ率が合理的な時間軸のなかで目標レンジに戻るとの期待に働き
かけることができ、また、豪ドル高の是正にも繋がるでしょう。もし政策金利の引き下げが今回見送られた場合は、次回の金融緩和は 11 月に行
われると予想しています。 RBA の声明において、成長率及びインフレ率見通しに関して若干の変更が予想されます。
豪州経済指標に関して、コアロジック社の 7 月の住宅価格指数ではシドニーとメルボルンにおける住宅価格上昇の勢いが一層弱まる予想で、6
月の住宅建築許可件数は反発し 1%の増加が予想され、貿易赤字はわずかに改善、小売売上高は 0.3%上昇すると見ています。
また、豪州企業の 1-6 月の半期決算発表が今週始まる予定で、リオ・ティント、タブコープ、サンコープなど一部の企業が来週業績を発表します。
2 月の前期決算報告の結果が総じて低調だったことから、今季の決算報告の結果に対しての市場の期待というハードルは相対的に低いでしょう。
2015-16 の業績コンセンサス予想は 8%減益となっており、資源関連企業の利益が 50%程度の減益、銀行が 2%程度の減益になると予想され
ています。その他のセクターの平均は 1%の増益が予想されています。 今後の主要なテーマとしては、 資源関連企業の業績が、鉄鉱石と原油
価格の安定により改善にむかうこと、;ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)ビジネス・サーベイによる企業景況感に改善の兆しが見られるもの
の資本財・サービスセクターの収益は引き続き抑制される見通し;継続するコストの削減;引き続き銀行に対する逆風;配当への継続的な注目な
どが挙げられます。 セクター別にみると、小売、ゲーム、ヘルスケア関連等が好調な業績を発表すると見ています。
相場見通し
Brexit の不確実性やイタリアの銀行のリスク、米ドルの上昇に加えて、季節要因として 7-9 月期は軟調となる傾向が高いことから、短期的には
株式市場のボラティリティが一段と高まることが予想されます。とはいえ、短期的な不確実性の後には、まずまずのバリュエーション水準や世界
的に超低金利環境が継続していること、緩やかな経済成長が続いていることなどを背景に、株式市場は年末にかけて上昇トレンドになると見て
います。
(グローバルで国債利回りの 3 分の 1 がマイナス金利となっている)超低水準の債券利回りにより、中期的には債券からのリターンは軟調とな
る見込みです。しかし、脆弱な世界経済成長、余剰生産能力、低インフレ及び現在進行形の様々なイベントリスクを鑑みると、過度に弱気になる
ことは難しいと思われます。とはいえ、最近の債券利回りの上昇は、債券利回りが急騰するリスクをはらむほど、非常に低い水準となっています。
新たに FRB の金利引き上げ観測は原動力となるかもしれません。
商業用不動産やインフラ資産は、今後も投資家による利回り追求の動きから恩恵を享受する見通しです。
今後 1 年間の主要都市の住宅価格の上昇率については、融資基準の厳格化と供給増加によってシドニー、メルボルンでの過熱感が沈静化に
向かうと想定されるため、3%程度に鈍化することが見込まれます。
現金および銀行預金からのリターンは低迷するでしょう。
Fed が引き続き金利の引き上げを見送る中豪ドルは 1 豪ドル 0.76 米ドルまで上昇し、4 月につけた 0.78 米ドルという高値を更新するリスクが
あります。今週行われる RBA 金融政策決定理事会において政策金利の引き下げが行われなければ、豪ドルは 0.80 米ドルまで押し上げられ
る可能性があります。豪ドルはまだフェアバリュー(適正価値)よりは高いことから、長期的には下落基調となるでしょう。というのも、RBA が政策
金利の引き下げを行っている一方で、FRB はいずれ利上げを再開すると見られており、今後、金利差の縮小が見込まれることや、引き続き国債
の格下げリスクが高まっていること、コモディティ価格が依然低迷していること、豪ドルがフェアバリューを下回るのも珍しいことではないためです。
豪ドルは今後 1 年間で、1 豪ドル 0.60 米ドル近辺まで下落する可能性があると見ています。
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当資料は、投資の参考となる情報の提供を⽬的として、AMP キャピタル・インベスターズ・リミテッド(オーストラリアにおける登録番号:
AMP キャピタル・インベスターズ株式会社
ABN 59 001 777 591; AFSL 232 497)から提供された情報をもとに AMP キャピタル・インベスターズ株式会社が作成したものであり、特定の
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