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GFT FX/CFD モーニング・コメント -16 日の市場展望- 2010 年 9 月 16 日 GFT リサーチ:前川明 ① 16 日の市場展望:株価は続伸か、オーバーナイトでは米株価反発、円 85 円台半ば推移-日銀総裁講演に注目 ・ 為替相場プレビュー:ドル円は堅調な展開か、オーバーナイトで介入継続-ニュージーランド、スイスで金融政策決定 ・ 日経平均プレビュー:株価は続伸か、オーバーナイトでは米株価反発、円 85 円台半ば推移-日銀総裁講演に注目 ・ 商品相場プレビュー:オーバーナイトでは原油続落、金反落-原油は底堅く、金は軟調な展開か (本日の主要な市場の材料一覧は 4 ページ参照) 15 日のオーバーナイト市場 出所:ブルームバーグ、債券に関しては前日比利回り差 ② 15 日の米金融市場:株価反発、債券反落、円 85 円台半ば、原油続落、金反落 15 日のオーバーナイトの米金融市場では、株価は反発。債券相場(10 年債)は反落した(利回りは上昇)。米株価は、強弱 交錯の経済指標を背景に方向感のないレンジ取引だったが、上昇して引けた。債券市場では、10 年物を中心に下落した(2 年 物相場は上昇)。為替市場では、円は、継続的に実施された政府・日銀の円売り・ドル買い介入を背景に、85 円台半ば付近 で軟調に推移した。米原油相場は、カナダからの供給パイプライン稼動再開見込みやドルの全般的な堅調さを嫌気し、続落し た。金相場はドルの全般的な強含みなどを受けて小幅に反落した。英 FTSE 株価指数は-0.2%、独 DAX 指数は-0.2%、仏 CAC は0.5%、米 S&P500 種株価指数は+0.4%、米ナスダック総合指数は+0.5%。米原油相場は-1.0%だった。米金相場は-0.2%。 PAGE 1 / 4 16 日の GFT FX/CFD モーニング・コメント ③ 16 日の相場の展望 A. 為替相場:ドル円は堅調な展開か、オーバーナイトで介入継続-ニュージーランド、スイスで金融政策決定 15日のオーバーナイトの為替市場では、JPYが主要通貨に対して全面安。対USD、対EUR、対GBPで同日東京終値 比-0.3%、-0.5%、-1.0%でNY市場を終えた。東京時間の午前中に6年半ぶりに実施された政府・日銀による 円売り・ドル買い介入は欧州・NY市場でも継続され、介入は「過去最大の規模」(日経新聞16日朝刊)となり、 JPYは対USDで終始、85円台で推移した。朝方発表された米経済指標(NY連銀製造業景気指数、鉱工業生産)は 強弱交錯で相場に対する影響は限定的だった。資源通貨は対USDではまちまち、対JPYでは軒並み上昇した。 CAD、AUD、NZDは対USDで東京終値比+0.4%(対JPYで+0.7%)、+0.0%(同+0.3%)、-0.2%(同+0.2)だっ た。米NY連銀製造業景気指数は市場予想を下回った(実績=4.14、市場予想=8.00、前回実績=7.10)が、米 鉱工業生産は予想の範囲内だった(実績=前月比+0.2%、市場予想=同+0.2%、前回実績=同+0.6%)。 本日16日の為替市場では、USD/JPYは底堅い展開を予想する。オーバーナイトでのUSD/JPYは政府・日銀の介入 が継続されたことから堅調だったが、日米2年物利回りは小幅に縮小し、上値の重い展開だった。本日の東京 市場でも、主要な経済指標の発表は予定されていない(第3次産業活動指数のみ)。当局絡みでは、白川・日 銀総裁が講演を予定している。前日の政府介入後、日銀総裁は同介入を支援する内容の談話を公表した。市場 介入や追加金融緩和により踏み込んだ発言をするかどうかが焦点のひとつである。相場は再びUSD/JPYの下値 を探ろうとする可能性があるが、政府はこれまでのところ一段の円高阻止という断固たる姿勢を示しており、 下落余地は限られるとみる。本日のUSD/JPYの予想レンジは85円台後半-85円。米国で発表される指標は、生 産者物価指数(市場予想:前年比+1.30%、前回実績:同+1.50%、食品・エネルギーを除くベース)、新規失 業保険申請件数(同:45.8万、前回実績:45.1万)、経常収支(同:1250億USDの赤字、前回実績:1090億USD の赤字)、フィラデルフィア連銀景況指数(同:0.3、前回実績:-7.7)など。この中で注目は新規失業保険 申請件数である。前週発表の同指標は市場予想以上に減少し、米債券相場の弱気材料となった。再び、想定以 上に低い水準となると、USD相場への強気ととられる可能性がある。米当局者絡みでは、デュークFRB理事が講 演を予定している。また、ガイトナー財務長官が人民元政策に対する議会証言を行う予定となっているが、足 元で人民元は堅調に推移しており、中国政府の政策に対して過度に批判的な発言はしない可能性が高いと考え る。その他の通貨に対する材料では、ニュージーランドとスイスで金融政策が発表される。市場は両中央銀行 ともに、政策金利の現状維持を見込んでいる。指標では、ユーロ圏で貿易収支(同:黒字額の縮小)、スイス で鉱工業生産(同:前期比でプラス転化)、英国で小売売上高(同:前月比で鈍化)などが予定されている。 当局の講演では、ポーゼンBOE MPCメンバーが講演を予定している。 B. 日本株式相場:株価は続伸か、オーバーナイトでは米株価反発、円 85 円台半ば推移-日銀総裁講演に注目 15 日の米国の株式相場は、反発。もっとも、朝方発表の米経済指標は強弱交錯で、相場は方向感がなく、レン ジ取引に終始した。ダウ平均、S&P500 指数、ナスダック総合指数は前日比+0.4%、+0.4%、+0.5%で取引を終 えた。上昇したセクターは、ヘルスケア(S&P500 銘柄ベースで+0.73%)、消費財(同+0.67%)、通信サービ ス(同+0.53%)、テクノロジー(同+0.51%)。下落したセクターは公益(同-0.49%)、石油・ガス(0.18%)など。個別銘柄に関しては、ヘルスケアでは、バクスター・インターナショナル(+2.34%)、CR バード(+3.21%)などの医療用品サプライヤー銘柄が買われた。消費財では、ナイキ(+1.71%)、コーチ (+1.87%)などの銘柄が高かった。通信サービスでは、ベライゾン・コミュニケーションズ(+0.91%)、 AT&T(+0.25%)などの固定線通信銘柄が上げた。テクノロジーでは、ゼロックス(+1.56%)、ウエスタン・ デジタル(+2.32%)などのハードウェア・機器銘柄が上昇した。一方で、石油・ガスでは、シュルンベルジ PAGE 2 / 4 16 日の GFT FX/CFD モーニング・コメント ュ(-1.12%)、ダイヤモンド・オフショア・ドリリング(-2.45%)などの石油機器・サービス・販売銘柄の 一角が売られた。 本日 16 日の日本の株式相場は、続伸を予想する。オーバーナイトでの米株価は、反発。円は、オーバーナイ トでも継続的に実施された政府・日銀の円売り・ドル買い介入で 85 円台半ばで軟調に推移した。本日の日本 の株式相場は、オーバーナイトでの米株価の反発や一段の円安・ドル高を好感し、買い先行で始まると予想す る。その後は、引き続き円相場の動向に左右される可能性が高いが、円相場が前日の東京終値水準近辺で推移 する限り、堅調な地合いが継続するとみる。日本で本日発表される主要な指標はなし(第 3 次産業活動指数の み)。本日は白川・日銀総裁が講演を予定。為替市場介入や追加緩和に関する踏み込んだ発言がなされるかど うかが注目である。 C. 商品相場:オーバーナイトでは原油続落、金反落-原油は底堅く、金は軟調な展開か 原油相場:15 日のオーバーナイトでは、米原油相場は続落。カナダからの原油供給パイプラインの稼動再開見 込みやドルの全般的な堅調さが相場の重しとなった。しかし、ほぼ市場予想通りの減少を示した原油在庫統計 を受けて下げ渋った。NYMEX の原油先物中心限月物は前日比-1.0%だった。本日のアジアでの原油相場は、底 堅い展開を予想する。ドルの全般的な強含みが上値を抑えるが、アジアの株式相場の全般的な堅調さが下支え するとみる。15 日発表の米エネルギー省の週間在庫統計では、原油在庫は 249 万バレルの減でほぼ市場予想通 りだった。 金相場:15 日のオーバーナイトでは、米金相場は小幅の反落。ドルの全般的な堅調さなどを背景にほぼ終始マ イナス圏での取引だった。COMEX の金先物中心限月物は前日比-0.2%で NY 市場での取引を終了した。本日のア ジアでの金相場も軟調な展開を予想する。オーバーナイトでの米株価の反発を受けてアジアの株式相場は総じ て強含む可能性が高く、それが弱気材料となるとみる。14 日の最高値更新を受けた高値警戒感も上値を抑える 要因となると考える。 PAGE 3 / 4 16 日の GFT FX/CFD モーニング・コメント ④16 日の市場の材料 1 外国為替保証金取引や、CFD、デリバティブその他のレバレッジ取引には高いレベルのリスクが潜在しており、預託 した資金を超えて損失を被る可能性もあるため、全てのお客様に適している投資商品とは言えません。 本レポートの内容は 情報提供の目的にのみ供されるものとし、いかなる投資商品の提供・勧誘その他法的に拘束され得る行為、ま た、それら投資商品の推奨、助言等を意図したものではありません。 マーケットに関する意見・予想はその正確性や完全性についてそれらを保証するものではありません。 レポート著者の予想・意見は必ずしも、弊社及び弊社関係者の見方を反映したものではありません。 当社は本レポートの内容に依拠してお客さまが取った行動の結果に対し責任を負うものではございません。 弊社及び著者は投資サービス、法律サービス、会計・税制サービスあるいはその他のプロフェッショナル・サービス は提供しておらず、そのようなサービスの必要が生じた際は適切なプロフェッショナルからの提供を受けてくださ い。同支店は、日本においては、グローバル・フューチャーズ・アンド・フォレックス・リミテッドとして日本の金 融庁に第一種金融商品取引業者登録をしており(関東財務局長(金商)第268号)、社団法人金融先物取引業協会の 加盟業者です(金融先物取引業協会1520号)。www.gftforex.co.jp © 2010 グローバル・フューチャーズ・アンド・フォレックス・リミテッド 版権/著作権所有。無断複写・複製・転 載を禁ず 1本レポートで言及している市場予想の出所=ブルームバーグ。各国イベント・経済指標・日時の出所=ロイター、ブルームバーグ及び各国 当局公表情報。 PAGE 4 / 4