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今週の市場材料-3 月 29 日-4 月 2 日
2010 年 3 月 29 日発行
GFT 日本為替調査-前川明
コンテンツ
1. 前週末オーバーナイト 26 日の海外市場での流れ:
2. 今週の市場材料:
3. 本日の市場の材料:
p.2
p.3-8
p.9-10
エグゼクティブサマリー
1.前週末オーバーナイトでの流れ:EU の IMF 関与を含むギリシャ救済合意で EUR 小反発
26 日のオーバーナイトでは、EUR が小幅反発。欧州連合(EU)首脳会議で IMF 関与を含むギリシャ救済策に合意し、市場の懸
念が一先ず一服。EUR が USD に対して買い戻された。財政問題への懸念が燻る GBP もつれて上昇した。もっとも、予想比小幅
に下振れた米 GDP を受けた需要に対する懸念を背景に原油相場が下落。資源通貨相場は軟化した。JPY は USD に対して小動き、
対 EUR で下げた。もっとも、JPY は米国市場で朝方発表のミシガン大学消費者態度指数が市場予想を上回ったことを受けて、
一時対 USD で 92.89 円付近まで下げる場面もあった。
2.
今週の市場材料:米雇用統計に注目-日本では日銀短観、2 月の主要指標

金融政策決定会合
o 主要国での開催なし

中央銀行関連
o 金融政策決定会合議事録(発表なし)
o BoC 当局者講演
(29 日)
o ECB 当局者講演
(29、31 日)
o BoE 当局者講演
(29、30 日)
o RBA 当局者講演
(30 日)
o 複数米 FOMC 当局者講演
(30、31、1 日)

中央銀行以外の当局関連
o 特に予定なし

物価・GDP・労働・生産関連など指標
o 鉱工業生産(日本)
(30 日)
o 小売売上高(日本、豪)
(29、31 日)
o GDP(英・確定値、加・月次)
(29、31 日)
o 失業率(日本、ユーロ圏、米)
(30、31、2 日)
o 消費者物価指数(ユーロ圏)
(31 日)
o 日銀短観
(1 日)
o 米雇用統計
(2 日)
今週の最大の注目は米雇用統計。市場は前月の小幅減から 20 万程度の増加を見込む。25 日のバーナンキ FRB 議長の議会証言
では、超低金利環境は「長期間」続くという最近の金融政策決定声明文の内容を踏襲。しかし、大きく雇用の増加幅が上振れ
ると、市場の政策金利先高観の高まりで USD が一段高となる可能性がある。31 日の 3 月の ADP 雇用統計、1 日の 3 月最終週の
新規失業保険申請件数も 2 日発表の米雇用統計の見込みを微調整するために重要である。その他の注目経済指標では、日銀短
観、日本の鉱工業生産、日本・豪の小売売上高、英 GDP 確定値、加・月次 GDP、日本・ユーロ圏・米の失業率、ユーロ圏の消
費者物価指数が発表される。今週の USD/JPY の予想レンジは 93 円台半ば-91 円台半ば。(各主要通貨の個別材料に関する詳
細は次ページ以降を参照)
3. 本日の市場の材料:日本では小売売上高、米では個人支出-終日を通じてレンジの可能性
26 日のオーバーナイトでは、IMF 関与を含むギリシャ救済策での EU 首脳会議での合意を受けて、EUR が小幅反発。USD は対
EUR で下落した反面、対資源通貨では堅調だった。本日は、AUD、NZD、CHF、CAD で主要な経済指標の発表はない。その他の市
場では、日本では小売売上高、米国では、個人支出と製造業景況感、英国では、住宅ローン許可数、ユーロではドイツ CPI 及
び鉱工業景況感指数などが発表される。日本の小売売上高の JPY への影響は限られるとみられ、アジア時間での AUD、NZD 市
場での主要経済指標の発表は予定されていないため、東京市場では方向感のないレンジ取引となる可能性がある。本日の東京
市場での USD/JPY の予想レンジは 93-92 円。カナダでは中銀総裁が講演予定。引き締め開始時期の示唆に注意が必要と思わ
れる。
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今週の市場材料-3 月 29 日-4 月 2 日
1. 26 日オーバーナイト:
(上昇・下落は NY の 26 日午後 5 時終値を TKY 同日午後 5 時終値で比較)
① 26 日のオーバーナイト:EU の IMF 関与を含むギリシャ救済合意で EUR 小反発
26 日のオーバーナイトでは、EUR が小幅反発。欧州連合(EU)首脳会議で IMF 関与を含むギリシャ救済
策に合意し、市場の懸念が一先ず一服。EUR が USD に対して買い戻された。財政問題への懸念が燻る
GBP もつれて上昇した。もっとも、予想比小幅に下振れた米 GDP を受けた需要に対する懸念を背景に原
油相場が下落。資源通貨相場は軟化した。JPY は USD に対して小動き、対 EUR で下げた。もっとも、
JPY は米国市場で朝方発表のミシガン大学消費者態度指数が市場予想を上回ったことを受けて、一時対
USD で 92.89 円付近まで下げる場面もあった。
NY 時間 26 日午後 5 時 (東京時間 26 日午後 5 時)
 USD/JPY=92.45
(=92.55)
 EUR/USD=1.3456
(=1.3365)
 EUR/JPY=124.41
(=123.70)
 GBP/USD=1.4934
(=1.4813)
 AUD/USD=0.9038
(=0.9077)
 NZD/USD=0.7035
(=0.7072)
[騰落率]
[-0.1%]
[+0.7%]
[+0.6%]
[+0.8%]
[-0.4%]
[-0.5%]
・ 欧州連合は IMF とユーロ導入国の 2 国間融資からなる救済策に合意した。合意を受けて、トリシェ
ECB 総裁は同合意を好意的に評価。これも EUR の支援材料となった。トリシェ総裁は EU 首脳会議前
に、IMF 関与に対して否定的な見解を表明したことが報じられ、これが 25 日のオーバーナイトで、
EUR が大幅安となる背景となった。もっとも、26 日オーバーナイトでの EUR の上昇は東京 26 日終
値比で 0.6%程度と反発の幅は限定的で、ギリシャ問題に端を発した EUR に対する市場の懸念は引き
続き、相場の重石となっていることを示唆している。
・ 米国で朝方発表された 10-12 月期の GDP 確定値は改定値の実質前期比+5.9%増から小幅の下方修正
の+5.6%増となった。USD 相場へのインパクトは限られたが、原油市場では、需要に対する懸念が台
頭し、原油相場は下落。資源通貨に対する弱気材料となった。
・ 欧州、米国株式市場は総じて軟調だった。英 FTSE 株価指数は-0.4%、独 DAX 指数は-0.2%、仏 CAC
は-0.3%、米 S&P500 株価指数は+0.1%、米ナスダック総合指数は-0.1%。原油先物は-0.7%下落し
た。
・ 3 月の米ミシガン大学消費者態度指数改定値は 73.6。速報値(=72.6)、市場予想(=73)を上回
り、米国朝方に USD が買い進まれる局面での買い材料となった。
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今週の市場材料-3 月 29 日-4 月 2 日
2. 今週の市場材料1
①サマリー: 米雇用統計に注目-日本では日銀短観、2 月の主要指標
 金融政策決定会合
o 主要国での開催なし
 中央銀行関連
o 金融政策決定会合議事録(発表なし)
o BoC 当局者講演
(29 日)
o ECB 当局者講演
(29、31 日)
o BoE 当局者講演
(29、30 日)
o RBA 当局者講演
(30 日)
o 複数米 FOMC 当局者講演
(30、31、1 日)
 中央銀行以外の当局関連
o 特に予定なし
 物価・GDP・労働・生産関連など指標
o 鉱工業生産(日本)
(30 日)
o 小売売上高(日本、豪)
(29、31 日)
o GDP(英・確定値、加・月次)
(29、31 日)
o 失業率(日本、ユーロ圏、米)
(30、31、2 日)
o 消費者物価指数(ユーロ圏)
(31 日)
o 日銀短観
(1 日)
o 米雇用統計
(2 日)
・ 今週の最大の注目は米雇用統計。市場は前月の小幅減から 20 万程度の増加を見込む。25 日のバーナン
キ FRB 議長の議会証言では、超低金利環境は「長期間」続くという最近の金融政策決定声明文の内容を
踏襲。しかし、大きく雇用の増加幅が上振れると、市場の政策金利先高観の高まりで USD が一段高とな
る可能性がある。31 日の 3 月の ADP 雇用統計、1 日の 3 月最終週の新規失業保険申請件数も 2 日発表の
米雇用統計の見込みを微調整するために重要である。その他の注目経済指標では、日銀短観、日本の鉱
工業生産、日本・豪の小売売上高、英 GDP 確定値、加・月次 GDP、日本・ユーロ圏・米の失業率、ユー
ロ圏の消費者物価指数が発表される。今週の USD/JPY の予想レンジは 93 円台半ば-91 円台半ば。
・ 日本の日銀短観も雇用統計に次、今後の JPY 相場を占う上で重要だ。日銀短観により足元、目先に対す
る企業の業況判断、雇用態度、資金繰りなどに関するセンチメント、つまり、企業側から見た日本経済
の体力が確認でき、日銀が描く「輸出を起点とする企業部門の好転が家計部門に波及してくる」(=
「外需↑」->「製造業↑」->「企業業績全般↑」->「雇用↑」->「経済全般↑」)というシナリオの
現状での検証が可能となるからだ。
・ 今週は、主要国での金融政策決定会合の開催はなく、過去の金融政策決定会合議事録の公表も予定され
ていない。また、金融・経済に絡む主要な会議なども予定されていない。
・ 今週の発表の経済指標では、日本では、鉱工業生産、小売売上高、家計消費支出、失業率が発表される。
失業率は前月からの横ばいでの高止まり。労働市場の改善の鈍さを背景に、小売売上高、家計消費支出
は前月の伸びからの鈍化が見込まれる。鉱工業生産は前月比で前月の増加から小幅減尐への転換を市場
は予想する。ユーロ圏では、失業率と消費者物価指数が今週発表される。失業率は小幅の悪化が見込ま
1 本レポートで言及しているコンセンサス予想の出所=http://www.fx360.com/calendar/Index.aspx
各国イベント・経済指標日時の出所=ロイター、ブルームバーグ及び各国当局公表情報。
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(3 月 29 日日本時間午前 4 時現在)。
今週の市場材料-3 月 29 日-4 月 2 日
れる、一方で、消費者物価は小幅の加速が見込まれる。しかし、依然 2%を大幅に下回る物価の上昇率に
収まる見込みであるために、当面物価からの ECB 政策に対する引き締め圧力は抑制されたものとなる可
能性が高い。オーストラリアでは、小売売上高が発表される。足元の消費の堅調さを検証する上で重要
である。カナダでは、月次の GDP が発表される。景気の足元の堅調さが確認される見込み。英国では、
GDP 確定値が発表されるが、大幅な改定が行われる可能性は低いと考える。
②USD/JPY:
A.日本発:日銀短観に注目-2 月の主要経済統計も
 JPY:2 月の小売売上高
 JPY:2 月の家計消費支出
 JPY:2 月の失業率
 JPY:2 月の鉱工業生産
 JPY:2 月の現金給与総額
 JPY:3 月調査日銀短観
(29 日)
(30 日)
(30 日)
(30 日)
(31 日)
( 1 日)
・ 今週の日本発の経済指標では、日銀短観が注目。その他では、家計消費支出、失業率、鉱工業生産、賃
金などの 2 月の主要な経済指標が発表される。基本的には、外需に支えられた日本経済の回復が確認さ
れる内容となるとみれる。すなわち、日銀短観では、製造業での業況判断 DI の改善が際立ち、非製造
業の回復は遅れ気味。それを裏付けるように、失業率の高止まりと鈍い賃金改善で個人消費の回復の足
取りは低調ということが示唆される見込みだ。一方で、鉱工業生産は外需が牽引し、前年比で一段と加
速する見込みである。
・ 日銀短観では、製造業回復がより鮮明となる見込みだが、業況判断 DI に加えて、企業の雇用態度や想
定為替相場、設備投資計画、資金繰りなどの情報も注目だ。つまり、企業側から見た日本経済の体力を
確認することで、日銀が描く「輸出を起点とする企業部門の好転が家計部門に波及してくる」(=「外
需↑」->「製造業↑」->「企業業績全般↑」->「雇用↑」->「経済全般↑」)というシナリオの現状
での検証が可能となるからだ。
・ その他の指標でも、外需主導の景気回復が再確認される内容となることが見込まれる。鉱工業生産は輸
出産業の生産が牽引し、前年比では前月からの一段の加速が予想される一方で、経済全体での失業率は、
企業の雇用に対する引き続く慎重さから、高止まりが、現金給与総額も引き続き、前年比での小幅マイ
ナスが見込まれる。この労働市場の改善の鈍さを受けて、小売売上高、家計消費支出の伸びは前月実績
からの鈍化が見込まれる。
・ 今週発表の主要な経済指標に対する市場予想は以下の通り。2 月の小売売上高(市場予想=前年同月比
+1.6%、前回実績=同+2.3%)、2 月の実質家計消費支出(市場予想=前年同月比+1.5%、前回実績=同
+1.7%)、2 月の失業率(市場予想=4.9%、前回実績=4.9%)、2 月の鉱工業生産(市場予想=前年同月
比+31.7%/前月比-0.5%、前回実績=前年同月比+18.5%/前月比+2.7%)、2 月の現金給与総額(市場予
想=前年同月比-0.1%、前回実績=同-0.2%)、3 月調査日銀短観大企業製造業業況判断 DI(市場予想=
-14、前回実績=-24)、3 月調査日銀短観大企業非製造業業況判断 DI(市場予想=-18、前回実績=22)、3 月調査日銀短観大企業全産業設備投資計画(市場予想=前年比-0.4%、前回実績=同-13.8%)。
B.米国発:3 月の雇用統計-上振れで USD 一段高の可能性
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今週の市場材料-3 月 29 日-4 月 2 日












USD:2 月の個人支出
USD;3 月のダラス連銀製造業景況指数
USD:1 月のケース・シラー住宅価格指数
USD;3 月の消費者信頼感指数
USD;フィッシャー・ダラス連銀総裁講演
USD;3 月の ADP 雇用統計
USD:3 月のシカゴ PMI
USD;デューク FRB 理事/ロックハート・アトランタ連銀総裁講演
USD;新規失業保険申請件数
USD;3 月の ISM 製造業 PMI
USD;ブラード・セントルイス連銀/ダドリー NY 連銀総裁講演
USD;3 月の雇用統計
(29 日)
(29 日)
(30 日)
(30 日)
(30 日)
(31 日)
(31 日)
(31 日)
( 1 日)
( 1 日)
( 1 日)
( 2 日)
・ 今週の米国市場での注目は、3 月の雇用統計だ。市場は前月の小幅減から 20 万程度の増加を見込む。25
日のバーナンキ FRB 議長の議会証言では、超低金利環境は「長期間」続くという最近の金融政策決定声
明文の内容を踏襲。しかし、大きく雇用の増加幅が上振れると、市場の政策金利先高観の高まりで USD
が一段高となる可能性がある。31 日の 3 月の ADP 雇用統計、1 日の 3 月最終週の新規失業保険申請件数
も 2 日発表の米雇用統計の見込みを微調整するために重要である。その他の指標では、失業率、個人支
出、個人所得、各種景況感指数(PMI)、消費者信頼感指数、ケース・シラー住宅価格指数が発表される。
総括すると、米経済は緩やかな改善基調が継続しているという市場の景況感を確認する内容となろう。
・ 非農業部門雇用者数は前月からの小幅増加が見込まれるが、失業率は高水準での横ばいの見込み。労働
市場での供給過多を背景に、個人所得は前月比微増に止まり、個人消費は前月比で鈍化が見込まれる。
もっとも、消費者信頼感指数は小幅の改善が見込まれる。景況感指数は、シカゴ PMI が小幅悪化が見込
まれるのに大して、ISM 製造業 PMI は小幅の改善が見込まれるなど、明確な改善の方向性は示さない見
通し。ケース・シラー住宅価格指数は前年比で小幅の下げ幅縮小を市場は予想する。
・ FOMC 関連要人の発言としては、フィッシャー・ダラス連銀総裁が 31 日に、デューク FRB 理事、ロックハ
ート・アトランタ連銀総裁が 1 日、ブラード・セントルイス連銀総裁、ダドリーNY 連銀総裁が 2 日に、
講演を予定している。これらの FOMC 関連要人では、デューク FRB 理事、ブラード・セントルイス連銀
総裁、ダドリーNY 連銀総裁が現 FOMC で投票権を持っている。
・ 今週発表の主要な米経済指標に対する市場予想は以下の通り。2 月の個人支出(市場予想=前月比+0.3%、
前回実績=同+0.5%)、2 月の個人所得(市場予想=前月比+0.1%、前回実績=同+0.1%)、1 月のケー
ス・シラー住宅価格指数(市場予想=前年比-0.6%、前回実績=同-3.1%)、3 月の消費者信頼感指数(市
場予想=50、前回実績=46)、3 月のダラス連銀製造業景況指数(市場予想=4.4%、前回実績=-0.1%)、
3 月の ADP 雇用統計(市場予想=4 万増、前回実績=2 万減)、3 月のシカゴ PMI(市場予想=60.0、前
回実績=62.6)、そして新規失業保険申請件数(市場予想=44.6 万、前回実績=44.2 万)、3 月の ISM
製造業 PMI(市場予想=57、前回実績=56.5)、3 月の非農業部門雇用者数(市場予想=19.5 万人増、
前回実績=3.6 万人減)、3 月の失業率(市場予想=9.7%、前回実績=9.7%)。
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今週の市場材料-3 月 29 日-4 月 2 日
③EUR/JPY:失業率は小幅に悪化、CPI は強含みの見込み
 EUR;3 月のユーロ圏鉱工業景況感指数
(29 日)
 EUR;3 月のユーロ圏消費者信頼感指数
(29 日)
 EUR; オルファニデス・キブロス中銀総裁・ECB 委員講演(29 日)
 EUR; ビニ・スマギ ECB 理事講演
(31 日)
 EUR;2 月のユーロ圏失業率
(31 日)
 EUR;3 月のユーロ圏消費者物価指数
(31 日)
 EUR;3 月の製造業 PMI 確定値
( 1 日)


CHF;3 月の KOF スイス先行指数
CHF;3 月の SVME PMI
(31 日)
( 1 日)
・ 今週発表の経済指標は全般的には、経済の回復は力強さに欠けるものであることを示し、市場は、政策
金利は引き続き、当面低水準が維持されるという見方を確認することとなろう。引き続き、ソブリンリ
スクに関わる新規材料で EUR が反応するリスクがある。
・ 今週の EUR 相場の一番の注目は、失業率と消費者物価指数だ。失業率は小幅の悪化が見込まれる、一方
で、消費者物価は小幅の加速が見込まれる。しかし、依然 2%を大幅に下回る物価の上昇率に収まる見込
みであるために、当面物価からの ECB 政策に対する引き締め圧力は抑制されたものとなる可能性が高い。
消費者信頼感指数は雇用の悪化などを背景に、横ばいが、工業景況感指数、製造業 PMI はそれぞれ、小
幅の改善、横ばいが見込まれている。
・ 今週発表のユーロ圏の指標に対する市場予想は以下の通り。3 月のユーロ圏鉱工業景況感指数(市場予
想=-11、前回実績=-13)、3 月のユーロ圏消費者信頼感指(市場予想=-17、前回実績=-17)、2 月
のユーロ圏失業率(市場予想=10.0%、前回実績=9.9%)、3 月のユーロ圏消費者物価指数(市場予想=
前年同月比+1.1%、前回実績=同+0.9%)、3 月の製造業 PMI 確定値(市場予想=56.3、前回実績=同
56.3)。
・ スイス発の発表経済指標は、KOF スイス先行指数及び SVME PMI のみ。CHF 相場は引き続き、スイス国立
銀行(SNB)の政策スタンス変更観測を背景に不安定に推移する可能性がある。SNB 当局者の最近の政策
転換示唆発言を受けて、CHF 相場は対 EUR で堅調な地合いが続いている。しかし、先週の SNB 総裁は、
過剰な CHF の上昇には断固とした政策を取ると発言し、市場をけん制した。もっとも、同総裁発言にも
関わらず、CHF/EUR は最高値水準で推移している。
・ 今週発表のスイス発の主要経済指標は以下の通り。3 月の KOF スイス先行指数(市場予想=1.90、前回
実績=1.87)、3 月の SVME PMI(市場予想=59.0、前回実績=57.4)。
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今週の市場材料-3 月 29 日-4 月 2 日
④GBP/JPY: GDP 改定値、消費者信頼感指数、製造業 PMI はほぼ横ばいの見込み
 GBP;2 月の消費者信用
(29 日)
 GBP;2 月の住宅ローン承認件数
(29 日)
 GBP;10-12 月期 GDP 改定値
(30 日)
 GBP;10-12 月期の経常収支
(30 日)
 GBP;3 月の GfK 消費者信頼感指数
(31 日)
 GBP;3 月の製造業 PMI
( 1 日)
 GBP;デール BoE チーフエコノミスト、パネル討論で議長
(29 日)
・ ロンドン市場での主要な経済指標は 10-12 月期の GDP 改定値、3 月の消費者信頼感指数と製造業 PMI。
GDP の前期比伸び率は修正なく、消費者信頼感指数、製造業 PMI はほぼ横ばいが見込まれ、回復の鈍さ
を確認する内容となる可能性が高い。GBP 相場の焦点は引き続き、高水準で当面推移することが予想さ
れる財政赤字と、政局への懸念だ。先週、英政府は 2010 年度予算説明書を公表。大幅な財政赤字削減
を目標として掲げたが、前提となる経済成長率などが楽観的との見方から、GBP 相場の弱気材料となっ
た。また、最近の世論調査は引き続き、次期選挙で、安定的な政権が誕生する可能性が低いことを示唆
しており、GBP の下落基調の背景となっている。英予算説明書では、2010/11 年度の財政赤字を従来の
1760 億 GBP から 1630 億 GBP に下方修正。2011 年の経済成長見込みを 3-3.5%としている。
・ イングランド銀行(BoE)当局者関連では、デール BoE チーフエコノミストがパネル討論で議長を務め
る予定となっている。
・ 今週発表の主要英経済指標に対する市場予想は以下の通り。2 月の消費者信用残高(市場予想=0.4B、
前回実績=0.5B)、2 月の住宅ローン承認件数(市場予想=4.82 万件、前回実績=4.82 万件)、10-12
月期 GDP 改定値(市場予想=前期比+0.3%、前回実績=同+0.3%)、3 月の GfK 消費者信頼感指数(市場
予想=-13、前回実績=-14)、3 月の製造業 PMI(市場予想=56.8、前回実績=56.6)。
⑤AUD/JPY: 小売売上高に注目-RBA 副総裁講演も
 AUD:デベル RBA 副総裁講演
 AUD:2 月の小売売上高
 AUD:2 月の建築許可
 AUD:2 月の民間信用残高
 AUD;2 月の貿易収支
(30 日)
(31 日)
(31 日)
(31 日)
( 1 日)
・ 現状の AUD 相場の焦点は、引き続き、豪準備銀行(RBA)の追加引き締めのペース。その意味で、足元
の消費動向、企業活動などの統計や当局の発言は今後も注視していく必要がある。今週は、デベル RBA
副総裁の講演が予定されている。今週発表の指標では、小売売上高と貿易収支が注目。小売売上高は前
月に続き、前月比でプラスだが減速する見込み。貿易赤字は前月からの拡大が予想される。次回の金融
政策決定会合は 4 月 6 日。その後は 5 月 4 日。
・ 今週発表の主要豪経済指標に対する市場予想は以下の通り。2 月の小売売上高(市場予想=前月比+0.3%、
前回実績=同+1.2%)、2 月の建築許可(市場予想=前年比+38.1%、前回実績=同+47.6%)、2 月の民間
信用残高(市場予想=前年比+1.5%、前回実績=同+1.3%)、2 月の貿易収支(市場予想=13.4 億赤字、
前回実績=11.76 億赤字)。
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今週の市場材料-3 月 29 日-4 月 2 日
⑥NZD/JPY: 発表経済指標は建築許可件数、NBNZ 景況感指数など
 NZD;2 月のマネーサプライ
(30 日)
 NZD;2 月の建築許可
(30 日)
 NZD:3 月の NBNZ 景況感指数
(31 日)
・ NZD 市場での注目は引き締め開始時期。前回の金融政策決定声明文では、「2010 年半ばごろからの金融
緩和政策の解除を始める」という文言を維持した。前週発表の 10-12 月期の GDP は市場予想通り、同期
の経済成長の回復を示しており、市場では、政策金利の引き上げ開始時期が焦点となっている。今週の
発表の指標では、建設許可数で足元の建築投資を、景況感指数で足元の企業センチメントを市場は確認
する。
・ 今週発表の主要ニュージーランド経済指標に対する市場予想は以下の通り。2 月のマネーサプライ(市
場予想=NA、前回実績=前年比-4.5%)、2 月の建築許可(市場予想=前月比+2.0%、前回実績=同2.8%)、3 月の NBNZ 景況感指数(市場予想=NA、前回実績=50.1)。
⑦CAD/JPY: 月次 GDP は 31 日-BoC 副総裁の講演は 29 日
 CAD;ジェンキンズ BoC 副総裁講演
(29 日)
 CAD;2 月の鉱工業製品価格指数
(30 日)
 CAD;2 月の素原材料価格指数
(30 日)
 CAD;1 月の月次 GDP
(31 日)
・ CAD 相場の焦点も政策金利の引き上げ時期だ。最近の金融政策決定声明文では、足元の物価、景気は上
振れているが、想定通り物価、景気が推移すれば、4-6 月期末までは現状の政策を維持するという文言
を繰り返した。しかし、その後の物価などの統計も上振れ、市場では、金利引き上げの前倒し観測が出
ている。今週発表の指標では、月次 GDP が注目。中央銀行の想定よりも足元で景気が上振れているかが
焦点だ。また、ジェンキンズ副総裁の講演も注目である。
・ 今週発表の主要カナダ経済指標に対する市場予想は以下の通り。2 月の鉱工業製品価格指数(市場予想
=前月比 0.0%、前回実績=同+0.3%)、2 月の素原材料価格指数(市場予想=前月比-1.0%、前回実績=
同+3.3%)、1 月の月次 GDP(市場予想=前月比+0.5%、前回実績=同+0.6%)。
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今週の市場材料-3 月 29 日-4 月 2 日
3. 29 日の市場の材料
29 日の市場材料[日本時間]
 JPY
;小売売上高(2 月)
 AUD
;主要な経済指標の発表なし
 NZD
;主要な経済指標の発表なし
 GBP
;消費者信用残高(2 月)
;住宅ローン許可数(2 月)
;マネーサプライ M4(2 月)
 EUR
;消費者物価指数-ドイツ(3 月速報)
;鉱工業景況感指数(3 月)
;消費者信頼感指数(3 月確定値)
;サービス業況感指数(3 月)
 CHF
;主要な経済指標の発表なし
 CAD
;主要な経済指標の発表なし
 USD
;個人支出(2 月)
;個人所得(2 月)
;ダラス連銀製造業景況感指数
[午前 08 時 50 分]
[午後 06 時 30 分]
[午後 06 時 30 分]
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[午後 06 時 00 分]
[午後 06 時 00 分]
[午後 06 時 00 分]
[午後 09 時 30 分]
[午後 09 時 30 分]
[午後 11 時 30 分]
サマリー: 日本では小売売上高、米では個人支出-終日を通じてレンジの可能性
・26 日のオーバーナイトでは、IMF 関与を含むギリシャ救済策での EU 首脳会議での合意を受けて、EUR が
小幅反発。USD は対 EUR で下落した反面、対資源通貨では堅調だった。本日は、AUD、NZD、CHF、CAD で主要
な経済指標の発表はない。その他の市場では、日本では小売売上高、米国では、個人支出と製造業景況感、
英国では、住宅ローン許可数、ユーロではドイツ CPI 及び鉱工業景況感指数などが発表される。日本の小売
売上高の JPY への影響は限られるとみられ、アジア時間での AUD、NZD 市場での主要経済指標の発表は予定
されていないため、東京市場では方向感のないレンジ取引となる可能性がある。 本日の東京市場での
USD/JPY の予想レンジは 93-92 円。カナダでは中銀総裁が講演予定。引き締め開始時期の示唆に注意が必
要と思われる。
A.USD/JPY: 日本では小売売上高-米国では個人支出と製造業景況感指数
・本日の東京市場では、2 月の小売売上高が唯一発表される経済指標であり、東京市場での JPY 相場は方向
感のないレンジ取引となる可能性が高い。2 月の小売売上高は、労働市場の回復の鈍さを背景に伸び悩みが
予想される(市場予想=前年同月比+1.6%、前回実績=同+2.3%)。
・ニューヨーク市場では、国内総生産(GDP)の 70%程度を占める足元の個人消費を見極めるのに重要な情
報である 2 月の個人支出が発表される。個人所得の伸び悩みを背景に個人支出の前月比伸び率は鈍化するこ
とが見込まれる。個人支出が上振れると USD の強気へと結びつく可能性がある。
・本日発表の指標に対する市場の予想は以下の通り。2 月の個人支出(市場予想=前月比+0.3%、前回実績
=同+0.5%)、2 月の個人所得(市場予想=前月比+0.1%、前回実績=同+0.1%)、3 月のダラス連銀製造業景
況指数(市場予想=4.4%、前回実績=-0.1%)。
B.
資源通貨:主要経済指標の発表なし
・オーストラリア、ニュージーランド、カナダとも、主要経済指標の発表なし。カナダではジェンキンズ
BoC 副総裁の講演が予定されている。引き締め開始時期の示唆に注意が必要と思われる。
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今週の市場材料-3 月 29 日-4 月 2 日
C.
GBP/JPY: 消費者信用残高と住宅ローン承認係数-前週末世論調査に注意
・ロンドン市場では、2 月の消費者信用残高及び 2 月の住宅ローン承認件数が発表される。両指標ともほぼ
横ばいが見込まれ、GBP 相場への影響は限定的だと考える。各種メディアで前週末に発表された次期選挙に
対する世論調査の結果で GBP 相場がインパクトを受ける可能性がある。
・本日発表の指標に対する市場の予想は以下の通り。2 月の消費者信用残高
(市場予想=0.4B、前回実績
=0.5B)、2 月の住宅ローン承認件数(市場予想=4.82 万件、前回実績=4.82 万件)、マネーサプライ M4
(市場予想=NA、前回実績=同+3.6%)。
D.
EUR/JPY: ドイツの 3 月 CPI は強含む可能性-スイスでは主要な経済指標の発表なし
・ユーロ市場では、ドイツの 3 月の消費者物価指数、3 月のユーロ圏鉱工業景況感指数、3 月の消費者信頼
感指数確定値、3 月のサービス業況感指数が発表される。ユーロ圏最大の経済であるドイツ消費者物価指数
は前月の実績から上振れが見込まれる反面、ユーロ圏の鉱工業景況感指数、サービス業況感指数はほぼ横ば
いが予想され、足元の景気回復が力強さに欠く中、足元の物価は強含んでいる姿が示される見込み。しかし、
31 日発表のユーロ圏消費者物価指数も小幅の加速が示されるものの、依然 2%を大幅に下回る物価の上昇率
に収まる見込みであるために、当面物価からの ECB 政策に対する引き締め圧力は抑制されたものとなる可能
性が高い。
・本日発表の指標に対する市場の予想は以下の通り。3 月の消費者物価指数-ドイツ(EU 基準;市場予想=
前年比+0.9%、前回実績=同+0.5%)、3 月の鉱工業景況感指数(市場予想=-11、前回実績=-13)、3 月の
消費者信頼感指数(市場予想=-17、前回実績=-17)、3 月のサービス業況感指数(市場予想=2、前回実
績=1)。
・スイスでは、主要な経済指標の発表は予定されていない。
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