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Ⅱ各論 第2章第1節(PDF形式 116 キロバイト)
第2章 保健医療施策の充実 第1節 医療提供体制の充実 本県における医療資源の適正な配置と医療提供体制のシステム化を図るため、7つの二次保健 医療圏を設定し、効率的・効果的な医療提供体制の整備を進めています。 地域の各医療機関が有機的に連携し、適切な機能分担を行うなど限られた医療資源を有効に活 用することにより、二次保健医療圏の中で比較的専門性の高い保健医療活動が完結できる地域完 結型の保健医療提供体制の構築を目指しています。 1 魚沼基幹病院の整備 魚沼圏域においては、入院患者の約 20%が中越圏域などの圏域外の病院に入院しており、また、 がん治療や心疾患、周産期医療等の高度医療や救急医療も中越圏域に頼る状況にあり、高度医療・ 救命救急を担う病院の確保が喫緊の課題となっています。 この課題に対応し二次保健医療圏が担うべき機能を圏域内で完結させるため、魚沼基幹病院の 整備と周辺病院を含めた医療の再編を進めています。 基幹病院の整備に当たっては、全国から医師や看護師が集まるマグネットホスピタルとなるよ う、高度先進医療、救命救急医療、地域医療支援機能を担うとともに、地域医療の充実、質の向 上に寄与することを目指しています。 加えて、総合診療医等を育成する教育センターや、最先端の研究に参画できるよう、大規模な コホート※を構築するなど研究センターの機能整備を進めます。 2 県央基幹病院(仮称)の整備 県央圏域においては、病床数が 200~300 床の中小規模の病院が林立していますが、救急医療の 核となる救命救急センターが設置されていないことに加え、心疾患、小児疾患、がん治療等の高 度医療も隣接圏域に頼る状況にあり、救命救急センターを併設した基幹病院の整備が課題となっ ています。 この課題に対応するため、地元の首長や医療関係者からなる合同会議での議論を踏まえつつ、 500 床規模の基幹病院の整備と圏域内の病院の再編を目指し検討を進めます。 3 地域医療連携ネットワークの整備 医療資源に限りがあり、かつ高齢化が進む本県において、医療の質の確保や勤務医の負担軽減 などが課題となっています。 こうした課題に対応するため、佐渡圏域及び魚沼圏域では、圏域内の病院や診療所、薬局など をオンラインで結び、診療情報や画像情報などを共有する医療連携ネットワークの構築を進めて います。 このネットワークを活用することにより、重複検査や重複投与を避けられるなど患者満足度の 向上を実現するとともに、どこの病院や診療所で受診しても直近の診療内容など正確な情報把握 ができ、患者に最適の医療を提供することが可能となります。 23 4 ドクターヘリ※の整備 本県は、県土が広大で離島、へき地を多く抱える中で、救急医療体制の確保が大きな課題とな っています。 この課題に対応するため、平成 24 年 10 月からドクターヘリ※を導入し、救急医療の専門医及 び看護師を現場に急行させ、重症救急患者に対し一刻も早い救命医療を開始するとともに、救急 医療機関へ速やかに搬送できる体制を整えたところであり、今後も円滑かつ効率的な活用を進め ることで、一層の救命率の向上と後遺症の軽減を図ります。 こうした取組を通じ、県民が安心して医療を受けられる地域医療提供体制の充実を図っていき ます。 24