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蛋白質核酸酵素:ユビキチン様蛋白質とその蛋白質修飾システム

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蛋白質核酸酵素:ユビキチン様蛋白質とその蛋白質修飾システム
ユビキチン様蛋白質とその蛋白質修飾システム
千葉智樹 ・逢坂文男
ユ ビキチ ン様 蛋 白質 (ubiquitin-likeprotein;Ubl) は, 文字 どお り, ユ ビキチ ンと構
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造 的に類似 した一群の蛋 白質の 総称で ある。Ublは 便宜 的に1型Ublと2型Ublに
れる。1型Ublは
大別さ
ユ ビキチンと同様 の小さな分子 で標 的蛋 白質 に共有 結合することができ,
代表 的なSUMO-1とNEDD8に
ついては共 有結合 を触媒する独 自の修 飾酵素 系が同 定され
た。 ユ ビキチ ンの標 的蛋白質へ のポ リ化結合 は, プ ロテ アソー ムによる分 解のため の目印
とな るが,1型Ublに
よる翻訳後 修飾 は標 的蛋白質 の機能 変換や分 子集合 に寄与 している
と推定される。現 在,1型Ublの
生理機能 解明 の研究が急 速に進展 している。2型Ublは
,
Parkinの ように大 きな蛋 白質 中でユ ビキ チン様構 造を も って いる蛋 白質あるいはその領域
を指 し,2型Ublに
属す る分子群 は真核 生物 に多数存在 する。2型Ublの
作用機 構 はまだ
謎に包 まれてお り,その 生理学 的意義 はま った く不明 である。今後,2型Ublの
分 子機構
解 明 に関 する研究 の進展が 期待され て いる。
【ユ ビ キ チ ン様 蛋 白質 】 【蛋 白 質 修 飾 シ ス テ ム 】 【SCF複 合 体 】
は じめ に
近 年 の 急 速 な ユ ビキチ ン [
→ 今 月 のKey
Words
細胞 周 期制 御 に重要 な役 割 を果 た して い る ことが明 ら
(p.788)
]研 究 の 進 展 な らび に ゲ ノ ム プ ロ ジ ェ ク トの 進
か と な っ て きた 。 一 方 , 脱Ubl化
行 に よ って ,生 体 内 に多 数 の ユ ビキ チ ン様 蛋 白 質 (ubiq-
とな り (
鈴木 俊 顕 お よびHochstrasser:
uitin-like
Words(p.
質 修 飾 シ ス テ ム は蛋 白質 リ ン酸 化 ・脱 リ ン酸 化 に 相 当
788)]が 存 在 す る こ とが 明 らか とな っ た (
表1)1)。 ま た
す る 重 要 な 蛋 白 質 修 飾 機 構 で あ る と考 え られ る。 本 稿
い くつ か のUblに
で は , まず ユ ビキ チ ン蛋 白 質 修 飾 シ ス テ ム に つ い て 概
protein;Ubl)
[
→ 今 月 のKey
つ い て は蛋 白質 と共 有 結 合 す る こ と,
酵 素 の 存 在 も明 らか
私信)
,Ubl蛋
そ の 共 有 結 合 を触 媒 す る酵 素 群 が ユ ビ キ チ ン蛋 白 質 修
説 し, 次 い で 多 数 存 在 す るUbl蛋
飾 シス テ ム と類 似 し たE1( ユ ビ キ チ ン活 性 化 酵 素 )様 ,
白 質 修 飾 シ ス テ ム の機 能 と意 義 に つ い て 考 察 す る 。
白
白 質 の 紹 介 とそ の 蛋
E2( ユ ビ キ チ ン 転 移 酵 素 ) 様 酵 素 か ら構 成 され る こ と
が 判 明 した2∼6)
。 こ の 蛋 白質 修 飾 シ ス テ ム は ヒ トか ら酵
母 まで 進 化 的 に 保 存 さ れ て お り, 酵 母 の 系 に お い て は
Tomoki
ular
Chiba,
東 京 都 臨 床 医 学 総 合 研 究 所 分 子 腫 瘍 学 研 究 部 門
Oncology,The
Tokyo
Metropolitan
Institute
of Medical
(〒113-8613東
京 都 文 京 区 本 駒 込3-18-22)
Science,Honkomagome,Bunkyo-ku,Tokyo
[Department
of Molec-
113-8613,Japan]
E-mail:[email protected]://www.rinshoken.or.jp/
FumioOsaka,
科 学 技 術 振 興 事 業 団
・ERATO加
藤 た ん 白 生 態 プ ロ ジ ェ ク ト
CytoproteinNetworkProject,ERATO,JapanScienceandTechnologyCorporation(JST),Nishi-onuma,Sagamihara-shi,
Kanagawa229-0012,Japan]
Ubiquitin-like
744
Proteins
and
its Ligation
Systems
(〒229-0012神
奈 川 県 相 模 原 市 西 大 沼4-4-1)
[Kato
Ⅰ
ユ ビキチ ン様蛋 白質 とその蛋 白質修飾システム
表1
ユ ビ キ チ ン 様 蛋 白 質 (Ubl)
15
1. ユ ビキ チ ン 活 性 化 酵 素E1と ユ ビキ チ ン転 移 酵 素E2
ユ ビ キ チ ン はC末
端 に ポ リペ プ チ ドが 付 加 され た 前
駆 体 と して 合 成 さ れ ,2個 並 ん だ グ リ シ ン残 基 (GG配
列 ) のC末
端 で 切 断 され 機 能 的 なユ ビキ チ ン とな る (
こ
の切 断 酵 素 に 関 して は本 特 集 , 鈴 木 の項 参 照 )。 機 能 的 と
な っ た ユ ビキ チ ン は ,ATP依
酵素
存 性 に ユ ビキ チ ン活 性 化
(E1) に よ っ て ア デ ニ ル化 さ れ た の ち ,E1の
活性
中 心 で あ る シ ス テ イ ン残 基 とチ オ エ ス テ ル 結 合 し活 性
型 と な る。 活 性 化 され た ユ ビ キ チ ン は ユ ビ キ チ ン転 移
酵素
(E2,Ubc)
へ と チ オ エ ス テ ル 結 合 を介 して 転 移
し, 最 終 的 な標 的 蛋 白 質 へ の共 有 結 合 はE2に
よ って 直
接 また は間 接 的 に 行 なわ れ る (
本 特 集, 田中の項 の図1参
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照 )。 しか し選 択 的 な 基 質 認 識 は 多 くの場 合 , 次 項 に述
べ る ユ ビ キ チ ン リガ ー ゼE3に
2.
よ っ て 制 御 さ れ る。
ユ ビ キ チ ン リ ガ ー ゼE3
厳 密 な 基 質 認 識 機 構 を 担 う ユ ビ キ チ ン リガ ー ゼ (E3)
は標 的 蛋 白 質 の ユ ビ キチ ン化 に必 要 なE1,E2以
子 と定 義 され る。E3は
現 在2種
外 の因
類 に 大 別 され ,1型E3
は そ れ 自 身 は ユ ビ キ チ ン と は 結 合 せ ず , 分 解 され るべ
き基 質 を特 異 的 に 認 識 しE2を
リク ル ー トす る蛋 白 質 で
あ る。 一 方 ,2型E3はHECT(homologous 標 的 蛋 白質 へ の共 有 結 合 の 有 無 に よ って 便 宜 的 に1型
と2型 に大
別 さ れ る。
AP carboxyl terminus)
構 造 を 有 し,HECTド
toE6-
ドメ イ ン と よ ば れ る特 徴 的 な
メ イ ン を 介 して ユ ビキ チ ン とチ
オ エ ス テ ル 結 合 し, 特 異 的 に 基 質 を ユ ビ キ チ ン 化 す る
(HECTド
メ イン に関 して は本 特 集 , 田 中 の項参 照 )。 以 下
に 分 子 内 置 換 に よ っ て さ ま ざ ま な 基 質 を特 異 的 に認 識
す る 代 表 的 な1型E3で
ユ ビ キ チ ン は 真 核 生 物 に お い て 進 化 的 に 最 も保 存 さ
れ た76ア
ミノ酸 の 蛋 白質 で , その お もな機 能 は標 的 蛋
あ るSCF [Skp1/Cullin1
(Cdc53)/F-box protein] 複 合 体 を紹 介 した い。
SCF複
合 体 は , 出芽 酵 母 の 遺 伝 学 を 用 いた 細 胞 周 期
白質 に 共 有 結 合 し て 蛋 白 質 分 解 シ グ ナ ル を提 示 す る こ
研 究 か らG1/S期
移 行 に 必 須 なE3ユ
ビ キ チ ン リガ ー ゼ
とで あ る。 す な わ ち 標 的 蛋 白 質 に ユ ビ キ チ ンが 共 有 結
と して 同 定 され た 。G1/S期
合 し, そ の ユ ビ キ チ ン に さ ら に ユ ビ キ チ ン が 共 有 結 合
ヒ ビ タ ー で あ るSic1はCln/Cdc28に
移 行 に お い て ,CDKイ
す る と ポ リユ ビ キ チ ン 鎖 が 形 成 さ れ , プ ロ テ ア ソー ム
機 に ユ ビ キ チ ン 依 存 性 に 分 解 され るが , 細 胞 周 期 変 異
が ポ リユ ビキ チ ン鎖 を 認 識 し標 的 蛋 白 質 を速 や か に分
株 の解析 か らこの分 解 に必 須 な因子
解する (
本 特 集 , 田 中 の項 の 図1参 照 )7)
。 蛋 白質 の ユ ビ
Cdc53,Cdc4)
キ チ ン化 は蛋 白質 分 解 の 契 機 とな って い る こ とか ら, 標
酵 素 で あ り, 一 方 ,Skp1,Cdc53,Cdc4の3者
的 蛋 白 質 を選 択 的 に 認 識 す る機 構 は 厳 密 に制 御 さ れ て
の 後 の 遺 伝 学 的 か つ 生 化 学 的 な 解 析 か ら,Cdc53は
い る と考 え られ る。 以 下 に ユ ビ キ チ ン の 共 有 結 合 を基
Cdc34,Skp1と
(Cdc34,Skp1,
が 同 定 さ れ た8-10)
。Cdc34(Ubc3)
はE2
は, そ
結 合 す る こ と,Skp1はCdc53とCdc4
質 特 異 的 に触 媒 す る 機 構 に つ い て ご く簡 単 に 紹 介 し た
の 結 合 を仲 介 す る因 子 で あ る こ と,Cdc4はFボ
い。
WD40く
てSkp1と
ン
よ る リン酸 化 を契
り返 し蛋 白 質 を コ ー ド し,Fボ
, そ し てWD40く
ッ クス/
ッ ク ス を介 し
り返 し構 造 を介 して リン
745
Ⅱ
16
蛋 白 質 核 酸 酵 素 Vol.44 No.6(1999)
ユ ビ キ チ ン と相 同 性 の あ る
ユ ビ キ チ ン様 蛋 白 質 (Ubl)の
存 在 は 古 くか ら知 ら れ て い た
が , そ の 機 能 お よ び意 義 に つ
い て は ほ とん ど理 解 さ れ て い
な か っ た 。 最 近 , 多 数 のUbl
が さ ま ざ ま な 蛋 白 質 と共 有 結
合 し蛋 白 質 の 機 能 制 御 に か か
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わ る こ とが 明 らか に な り1)
,さ
ら に そ の 共 有 結 合 を触 媒 す る
酵 素 群 がUbl結
図1 SCF複
合 体 とCBC複
(a)SCF複 合 体 はSkp1,Cdc53/Cullin,Fボ
クス 蛋 白 質 と結 合 しさ まざ ま なSCF複
ッ クス 蛋 白 質 か ら構 成 され る。Skp1は 異 な るFボ
合 体 を形 成 す る。Cdc34(E2) はCdc53/Cullinと
ッ
結 合 し,F
ボ ッ クス蛋 白質 の 識 別 す る標 的 蛋 白 質 をユ ビキ チ ン化 す る。 (b)CBC複 合 体 はCulling,ElonginB,
ElonginCか
合性 蛋 白質の
合体
ら構 成 され る。CBC複
合 体 はElonginB/Cを
介 して さ ま ざま なBCボ
ッ クス 蛋 白質 と
相 互 作 用 す る。
解 析 か ら同 定 され た2∼5)
。驚 く
こ と に, そ の触 媒 カ ス ケ ー ド
は ユ ビ キ チ ン シ ス テ ム のE1,
E2と
類 似 して いた だ けで な く,
ヒ トか ら酵 母 ま で 進 化 的 に保
存 さ れ て お り, に わ か に 注 目
酸 化Sic1と
結 合 す る こ とが 明 らか とな った9∼10)
(
図1a) 。
Skp1,Cdc53,Cdc4の
い ず れ もHECTド
メイ ンを も
され る こ ととな った。
蛋 白 質 と共 有 結 合 す るUblは
そ のC末
端 にGG配
列
た ず ユ ビキ チ ン と もチ オ エ ス テ ル 結 合 し な い こ とか ら,
を有 し, ユ ビ キ チ ン と全 体 的 な 相 同 性 を 有 す る。 一 方 ,
Skpl/Cdc53/Fボ
ユ ビ キ チ ン 様 構 造 を有 す る がGG配
合 体 は基 質 とE2を
ッ ク ス 蛋 白 質 か ら構 成 され るSCF複
仲 介 す る1型E3で
あ る こ とが 判 明
列 を もた ず , 他 の
蛋 白 質 と の 共 有 結 合 が 認 め ら れ な い タ イ プ のUblも
し た 。 ま た さ ま ざ ま な細 胞 周 期 制 御 因 子 の 分 解 に 必 須
数 存 在 す る こ とが 明 らか とな り, 前 者 は1型Ublに
なFボ
者 は2型Ublに
ッ ク ス 蛋 白 質 (Met30,Grr1ほ
異 な るFボ
りSCF複
か )が 同 定 さ れ ,
ッ ク ス 蛋 白 質 と複 合 体 を 形 成 す る こ とに よ
合 体 は基 質 特 異 性 を 発 揮 す る こ とが 明 らか と
な った (
図1)9,11)
。SCF複
合 体 は種 を こえ て 保 存 され て
お り, 哺 乳 類 に お い て もSkp1ホ
モ ロ グ,Cullinフ
リー 蛋 白質 (Cdc53ホ モ ロ グ ), 多 数 のFボ
E3が
ヒ トFボ
ッ クス 蛋 白
と,Skp1,Cullin1か
報 告 され た 。SCF複
ら な るSCF複
モ ログ ,7種 のCullinフ
種 以 上 のFボ
746
た はhsTrCP2
合 体 で あ る こ とが
合体 は その多様 性 か らさまざまな
蛋 白 質 を特 異 的 に認 識 しうるE3で
のSkplホ
を ユ ビ キチ ン化 す る
ッ クス 蛋 白 質hsTrCP1ま
あ り, 線 虫 では10種
ァ ミ リー 蛋 白質 ,60
ッ ク ス 蛋 白質 が 見 つ か っ て い る12)
。
れ て い るUblで
来 は1型
(
表1)1)
。 し
研 究 は まだ 浅 く, 現 在2型
に分 類 さ
も, 今 後 の 解 析 が 進 む こ とに よ って , 将
に分類 され る可能性 が 残 され て いる。
ァミ
質 が 存 在 す る12)
。 ご く最 近 , 筆 者 らの グル ー プ を含 め複
数 の研 究 室 か ら, リン 酸 化1-?Bα
分 類 さ れ る こ とに な った
か し個 々 のUblの
多
,後
1.1型Ubl
1型Ublの
特 徴 は, ① 構 造 的 に ユ ビキ チ ン と全 体 的
な相 同 性 を 有 し, ② ユ ビ キ チ ン と同 様 に 前 駆 体 と し て
翻 訳 さ れ ,GG配
列 のC末
端 で切 断 され標 的蛋 白質 と
共有 結合 す る ことで あ る (
図2) 。 ヒ トの1型Ublは4
種類
(SUMO-1,NEDD8,UCRP,MNSFβ
/Fau1)
知 ら れ て お り, 酵 母 ま で 保 存 さ れ て い るSUMO-1,
NEDD8に
つ い て は さ らに標 的 蛋 白質 との共 有 結 合 を触
媒 す る酵 素 群 が 明 らか に な っ て い る (
後 述 )。
ユ ビキチン様蛋白質 とその蛋白質修飾 システム
17
に 必 須 で はないが ,pmt3欠
失
変 異 株 の 生 存 率 は 著 し く低 下
し て お り, 染 色 体 分 配 に も異
常 を生 じ る こ とか ら,SUMO1/Smt3/Pmt3は
蛋 白質
共通 の標 的
(
動 原 体 蛋 白 質 ?) を
修 飾 し染 色 体 分 配 な どの 細 胞
周 期 制 御 に 関 与 す る と考 え ら
れ て いる (
田 中克 典 ら :第21回
図2 ユ ビ キ チ ン (Ub) と ユ ビ キ チ ン 様 蛋 白 質
Ub,SUMO-1,NEDD8はGG配
基 にUbが
列 のC末
(SUMO-1,NEDD8)
端 で 切 断 され 機 能 的 とな る。Ubの48番
共 有 結 合 す る こ とに よ りポ リUb鎖
日本 分 子 生物 学 会 年 会)。
目の リシ ン残
B.NEDD8
が 形 成 され る。
NEDD8(neuralprecursor
cell-expressed
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A.SUMO-1
SUMO-1(small ubiquitin-related ビ キ チ ン と18%
modifier)
はユ
の 相 同 性 を有 す る蛋 白 質 で あ り, さ ま
gene
developmentally
8)は1993年
に神経 芽細 胞 の分 化 に伴 い発現 が抑
制 され る遺 伝 子 群 の1つ
ざ ま な 研 究 か ら独 立 に 遺 伝 子 ク ロ ー ニ ン グ さ れ たPIC1
か で は最 もUbと
(PML-interacting ん ど同 一 で あ るが ,E1酵
clone),GMPl(GAP modifying
protein),hsSMT3c(suppressor (ubiquitin-like)
同 一 で あ る13)。 現 在 名 称
は ま だ 統 一 さ れ て い な い が ,SUMO-1が
さ れ つ つ あ る 。 ヒ ト で は3種
一 般 的 に使 用
類 のSUMO-1フ
ァ ミ リー
蛋 白 質 が 存 在 す る が ,SUMO-1(hsSMT3c)
と して報 告 され た19)
。UbIの
相 同 性 が 高 く, 立 体 構 造 もUbと
とほか の
2種hsSMT3a/bと
の機 能 的 な相 違 は 現 在 明 らか で はな
い ’4)
。SUMO-1ホ
モ ログ は, 線虫 , コメ, 出芽 酵 母,
分 裂 酵 母 に も 存 在 し , 真 核 生 物 に お い て 広 く保 存 さ れ
Rub1は
SUMO-1の
標 的 蛋 白 質 と し てRanGAP1(Ran
モ ロ グspNEDD8は
1eukemia) ,I-?Ba,Sp100,p53な
生 存 に必 須 で あ る (
筆 者 ら :投 稿
モロ
グRUB1は3種
ミノ
類 存 在 し, そ の う ちの2種
酸 しか 違 わ ず , も う1種
NEDD8/Rub1は
は77.6% の 相 同 性 を もつ22)
。
前 述 のCullinフ
どが 明 らか とな っ
必 須 で あ る こ と,Cdc4の
が 示 唆 さ れ て い る13)
。 核 膜 孔 蛋 白 質RanGAP1の
C.UCRP
の 複 合 体 形 成 に 必 須 で あ り,
UCRP(ubiquitin
キ チ ン様 構 造 を2個
UCRPのGG配
SUMO-1化
は核 内 に お け る
局 在 を制 御 す る こ とが 明 らか と な っ て い る17)
。
核 移 行 を 阻 害 す るI-?Baは
さ れ る こ とでUb化
が 報 告 さ れ ,SUMO-1シ
を免 れ 安 定 化 す る こ と
ス テ ム とユ ビキ チ ン シ ス テ ム
MIF2の
モ ログSmt3は
動 原体 蛋 白質
変 異 を多 コ ピーで 抑 圧 す る必 須 遺 伝 子 産 物 で あ
る。 一 方 , 分 裂 酵 母 のSUMO-1ホ
な くC末
が2回
に
過 剰 発 現 は 正 常Cdc53の
含 む 分 子 量15Kの
protein) は ユ ビ
蛋 白質で ある。
列 は ユ ビ キ チ ン く り返 し配 列 の 間 で は
端 側 に存 在 す る こ と か ら, ユ ビ キ チ ン様 構 造
並 ん で 共 有 結 合 す る 格 好 に な る 。 この 特 徴 的 な
構 造 を有 す るUblと
して はほ か に もDiubiquitinが
れ る が , ほ とん ど 解 析 され て な い 。UCRPの
知 ら
発 現 はイ
ン タ ー フ ェ ロ ン γ に よ っ て 誘 導 され , そ の 発 現 量 は抗
の 拮 抗 的 な相 互 作 用 が 示 唆 さ れ た18)
。
出 芽 酵 母 のSUMO-1ホ
合体
単独 変 異 の表 現
cross-reactive
て い る16)
。 ま た ,PMLのSUMO-1化
さ ら に ,NF-?Bの
に共有
失 変 異 はSCF複
を 促 進 す る こ とな どが 明 らか とな っ て い る21)
。
複 合 体 の 安 定 性 ま た は局 在 を 制 御 す る こ とが 示 唆 され
PMLの
ァ ミ リー 蛋 白 質
型 を さ ら に増 強 す る こ と,Skp1はCdc53のRub1化
Rub1化
はRanBP2と
は1ア
(Cullin1,2,3,4A,4B,5/Cdc53/Pcu1,4)
て お り, そ の 他 さ ま ざ ま な蛋 白 質 と共 有 結 合 す る こ と
SUMO-1化
モ ログ
中)。 シ ロ イ ナ ズ ナ (Arabidopsis) で はNEDD8ホ
ている13,15)
の 各 構 成 因 子skP1,cdc53,cdc4の
activating protein),PML(promyelocytic
ほと
生 存 に 必 須 で は な いが5・21)
, 一方 ,分裂 酵母 ホ
結 合 し4,21)
, 出 芽 酵 母 のrub1欠
GTPase な
素 で は認 識 され な い こ とが 明
ら か と な っ て い る20)
。 出 芽 酵 母 のNEDD8ホ
of MIF2),UBL1
,Sentrinと
down-regulated
モ ログPmt3は
生存
ウ イ ル ス 作 用 と 相 関 す る こ と が 報 告 さ れ て い る23)
。
UCRPは
細 胞 内 蛋 白 質 とATP依
存 性 に共 有 結合 し,
イ ン タ ー フ ェ ロ ン の 刺 激 伝 達 に よ り細 胞 骨 格 の 中 間 径
747
18
蛋白質
核酸
酵素
Vol.44
No.6(1999)
フ ィ ラ メ ン トに 局 在 す る こ と か ら, 標 的 蛋 白 質 の 局 在
量 体 を形 成 す る 。ElonginBはElonginAとElongin
化 に 関 与 す る と考 え られ て い る24)
。
Cの 複 合 体 形 成 また は安 定 性 に 関 与 し, シャペ ロ ン様 の
D.MNSFβ/Fau1
役 割 を果 た す30)
。 こ の シ ャペ ロ ン様 の機 能 はN末
MNSFβ(monoclonal
nonspecific
fac-
れ る 。 ご く最 近 ,Elongin B,ElonginCはVHL(von
イ ン様 蛋 白 質 で あ り, 同 様 の 作 用 を 示 すMNSFα
は
Hippe1-Lindau)
MNSF/3がGG配
も
列 で 切 断 され た もの で ,Ubi-Lと
も蛋 白質 と共 有 結 合 す る が , そ
SCF複
合体
とCullin2の
(
前 述 ) と類 似 のCBC複
の標 的 は まだ 同 定 され て い な い26)
。Fau1(FBR-MuSV
っ た31)(
図1) 。CBC複
ざ ま な 蛋 白質 (SOCS,Rasほ
(Finkel-Biskis-Reilly)
expressed
gene) はFBR
マ ウ ス 肉 腫 ウ イ ル ス のfox配
複 合 体 形成 を仲 介 し,
合体
(Culling-
Elongin B-Elongin C) を形 成 す る こ とが 明 らか と な
associated
ubiquitously
端領
域 に 存 在 す るユ ビ キ チ ン様 構 造 が 担 っ て い る と推 測 さ
tor)は モ ノ ク ロ ー ナ ル 抗 体 の 産 生 を 抑 制 す る サ イ トカ
よ ば れ る25)
。MNSFβ
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suppressor
合 体 はBCボ
ッ ク ス を もつ さ ま
か )と相 互 作 用 す る が 機
能 は不 明 で あ る32)
。 このCBC複
合 体 もNEDD8に
よっ
列 に 対 す る が ん 原 遺 伝 子 と して 単 離 され , 両 者 の塩 基
て 修 飾 され る こ とが 明 らか とな っ て い る (Pause:私信 )
。
配 列 が 互 い に相 補 的 で あ るた めfoxはFau1の
C.hHR23A,B/Rad23
ア ン チセ
ン ス と して 作 用 す る可 能 性 が 示 唆 さ れ て い る。Fau1お
よ びMNSFβ
DNA修
は 同 一 で あ り, ユ ビ キ チ ン様 構 造 のC末
端 側 にGG配
列 を は さ ん で40Sリ
ボ ソー ム のS30蛋
復 に 関 与 す るhHR23A,hHR23BはN末
領 域 にUbl構
白
端
造 を有 して お り33)
, その酵母 ホ モログで
あ るRad23はUbl領
域 を欠 失 す る と紫 外 線 照 射 に よ る
端 で切 断 され る
DNA損
傷 を修 復 で き な い こ とが 知 られ て い る34)
。 この
こ とが 明 らか とな っ て い る27)。ユ ビ キ チ ン も同 様 に リボ
Ubl構
造 とプ ロ テ ア ソ ー ム が 結 合 す る ことが 最 近 明 らか
ソ ー ム 蛋 白質 との 融 合 産 物 か ら プ ロ セ ス さ れ る こ とが
とな り, プ ロ テ ア ソ ー ム とRad23の
知 られ ,N末
修 復 に必 須 で あ る こ とが 示 唆 され て い る35)
。 また ,Ubl
質 が 融 合 して い る こ と,GG配
列 のC末
端 に 存 在 す る ユ ビ キ チ ン は この 場 合 シ ャ
ペ ロ ン様 に機 能 し,C末
端 に続 く蛋 白 質 の 適 切 な折 りた
た み や 翻 訳 効 率 の 向 上 に 関 与 す る こ とが 示 唆 さ れ て い
領 域 を 欠 失 した 変 異 株 で はRad23の
か ら,Ubl領
相 互 作 用 がDNA
発 現量 が低 い こと
域 は シ ャペ ロ ン様 に作 用 して い る可 能 性 も
あ る。
2.2型Ubl
3.Ubl蛋
2型Ublの
特 徴 は 前 述 の よ う に , ① ユ ビキ チ ン様 領
域 構 造 を 有 す るが , ②GG配
列 が な い な ど, 標 的 蛋 白
白質修 飾 シス テム
最 近 ,SUMO-1お
よびNEDD8の
標 的 蛋 白質 へ の共
有 結 合 を触 媒 す る酵 素 群 が 同 定 され た2-5)
。 それ らはユ
質 へ の共 有 結 合 が 認 め られ ない こ とで あ る。2型Ublを
ビ キチ ン蛋 白 質 修 飾 シス テム と類 似 のE1様
構 成 す る蛋 白 質 は さ ま ざ まで あ り,Ubl構
酵 素 で あ り, 各Ublに
造 の共 通 機 能
酵 素 ,E2様
固 有 で あ っ た 。SUMO-1と
は不 明 で あ る。 仮 説 と し て , シ ャペ ロ ン と し て機 能 し
NEDD8の
て い る可 能 性 , ユ ビ キ チ ン 鎖 の ア ク セ プ タ ー 部 位 と し
蛋 白 質 修 飾 シス テ ム は, ユ ビキチ ン蛋 白 質 修
飾 シ ステム とは独立 の普 遍 的 な蛋 白質修 飾機構 で あ る
て 蛋 白 質 の 安 定 性 を 制 御 す る可 能 性 , あ る い は さ ま ざ
と考 え られ , ヒ トか ら酵 母 に 至 る まで 広 く真 核 生 物 に
ま な 蛋 白 質 との 相 互 作 用 に 関 与 す る可 能 性 が 考 え ら れ
お い て保 存 さ れ て い る (
図3) 。
る。
A.SUMO-1蛋
A.Parkin
出 芽 酵 母 ホ モ ログSmt3がATP依
Parkinは
常 染 色 体 劣 性 若 年 性 パ ー キ ン ソ ン病 の 原 因
遺 伝 子 産 物 と して 同 定 され ,N末
造 ,C末
Parkinの
B.Elongin
端 にRINGフ
端 に ユ ビ キ チ ン様 構
ィ ン ガ ー 様 構 造 を 有 す る29)
。
機 能 は まだ 不 明 で あ る。
ElonginBはRNAポ
存 性 に標 的 蛋 白 質
と共 有 結 合 す る こ とが 明 らか とな り,Smt3結
合性蛋白
質 の 解 析 か らAos1(activation
of Smt3) お よ びUba2
が 単 離 さ れ た 。Aos1とUba2は
複 合 体 を形 成 し, おの
お の は ユ ビ キ チ ンE1酵
B
素Uba1のN末
端 お よびC末
端 領 域 と高 い相 同 性 を 示 した (
図3) 。Uba2はAos1依
リメ ラ ー ゼⅡ の 転 写 伸 長 因 子
の構 成 因 子 で あ り,ElonginAお
748
白質修 飾 シス テム
よ びElonginCと3
存 性 にSmt3と
Uba2ヘ
チ オ エ ス テ ル 結 合 す る こ とか らAos1/
テ ロ2量 体 はSmt3特
異 的 なE1様
酵 素 と して
ユビキチン様 蛋白質 とそ の蛋白質修飾 システム
19
機 能 す る こ と が 証 明 され た3)
。
同 様 にSmt3と
チ オエ ス テル結
合 す るUbc9はSmt3特
なE2様
異 的
酵 素 で あ る こ とが 証 明
され た2}
。Aos1/Uba2,Ubc9
の 各 酵 素 はSmt3と
同様 に生
存 に必 須 で あ る 。
分 裂 酵 母 ホ モ ロ グPmt3は
生 存 に必 須 で は な い が , 染 色
体分 配 異常, テ ロ メア構造 異
常 , ス トレ ス 応 答 異 常 を有 す
る (
田 中 克 典 ら :第21回
日本
Database Center for Life Science Online Service
分 子 生 物 学会 年会 )。 以 前 か ら
知 られて いたrad31変
hus5変
異 株36)
,
異 株37)はpmt3変
異
図3 と同 様 の 表 現 型 を 示 し , そ れ
ぞ れPmt3に
素N末
E2様
対 す るE1様
ユ ビキ チ ン様 蛋 白質 修飾 シ ステ ム
SUMO-1,NEDD8の
酵
キ チ ンE1のN末
翻 訳 後 修 飾 はE1様
様 酵 素 に よ ってATP依
端 サ ブ ユ ニ ッ トお よび
SUMO-1蛋
酵 素 で あ る こ とが 判 明 し
存性 に 活性 化 されE2様
白質 修 飾 系 はE3様
1お よ びNEDD8蛋
酵 素 ,E2様
酵 素 に よ っ て触 媒 され る 。E1様
酵 素 はユ ビ
端 とC末 端 にお の おの 相 同 性 の 高 い 蛋 白 質 の ヘテ ロ2量 体 であ る。 各UblはE1
酵 素 にチ オ エ ス テ ル 結 合 を 介 して受 け 渡 され る。
酵 素 を必 要 と しな い が ,NEDD8に
つ いて は 不 明 で あ る。SUMO-
白質 修 飾 シ ス テ ム は 進 化 的 に保 存 され て い る。
た。 さ らに最近 クロー ニ ング
され たUba2ホ
モ ロ グFub2の
単 独 欠 失 変 異 株 もpmt3変
か ら,Pmt3蛋
異 と同 様 の表 現 型 で ある こ と
白質 修 飾 シス テ ム はRad31/Fub2ヘ
2量 体 ,Hus5pか
テロ
ら構 成 さ れ る こ とが 明 ら か とな っ た
(田中 克典 :私 信 ) (
図3) 。
B.NEDD8蛋
白質 修飾 シ ス テム
最 近 筆 者 ら は ,NEDD8が
蛋 白質 に 共 有 結 合 す る 修
飾 分 子 で あ る こ とを 見 い だ し , そ の 共 有 結 合 を触 媒 す
ヒ トで はSua1(SUMO-1
hUba2の
期 待 され る 。
activating
enzyrne) /
ヘ テ ロ2量 体 お よ びhUbc9がSUMO-1蛋
白
る酵 素 群 お よ び 標 的 蛋 白 質 を,NEDD8結
合性 蛋 白質
の なか か ら同 定 す る こ とに成 功 した4)
。NEDD8にDTT
質 修 飾 シ ス テ ム を構 成 す る。 精 製 蛋 白 質 に よ るin vitro
感 受 性 に 結 合 す る蛋 白質 と して , ユ ビキチ ンE1酵
再 構 成 実 験 でRanGAP1のSUMO-1化
N末
とか ら,SUMO-1化
が 可 能 で あ るこ
修 飾 に はE3様
酵 素 は必要 で はな
端 と相 同 性 の 高 いAPP-BP1(amyloid protein-binding い 可 能 性 が 示 唆 され て い る38)
。 そ の傍 証 と して, 興 味 深
hUBa3,
い こ と にPML,1-?Bα
単離 した
白 質 がtwo-hybrid法
,p53な
ど のSUMO-1標
でUbc9と
らか と な っ て い る13)
。Ubc9は
的蛋
相 互 作 用 す る こ とが 明
そ の ほか ,WT1(Wilm’s
tumor gene),Rad51/Rad52,c-Jun,GR(glucocorticoid receptor),ATF2(activating factor) ,E1Aな
precursor
端 と相 同 性 の 高 い
相 同 性 の 高 いhUbc12を
(
図3) 。 またin vitro翻
訳 系 で ,APP-BP1
ヘ テ ロ2量 体 を形 成 す る こ と,hUba3お
びhUbc12にNEDD8が
よ
特異 的 にチ オエ ステル結 合 す
る こ とを証 明 し た 。 さ らに 共 有 結 合 す る蛋 白 質 と し て ,
transcription
ど と も相 互 作 用 す る こ とが 知 られ , こ
れ らの蛋 白質 を含 めSUMO-1の
とhUba3は
protein),C末
出 芽 酵 母 のUbc12と
素の
標 的 蛋 白 質 は 多 岐 にわ
Cullinフ
ァ ミ リー の 一 員Cullin4Aを
べ て のCullinフ
ァ ミ リー 蛋 白 質 がNEDD8化
され る こ
と も 明 らか に し た (
筆 者 ら :投 稿 中)。APP-BP1/
た る こ とが 推 測 され る13)
。 さ ま ざ まな 蛋 白 質 を翻 訳 後 修
hUba3ヘ
飾 す るSUMO-1蛋
素 と し てCullin蛋
白 質 修 飾 シ ス テ ム は ユ ビ キ チ ン シス
同 定 し, その 後 す
テ ロ2量
体 をE1様
酵 素 ,hUbc12をE2様
白質 をNEDD8/Rub1化
酵
す る経 路 は
テ ム と拮 抗 す る , あ る い は ま っ た く新 し い 蛋 白 質 機 能
植 物 , 分 裂 酵 母 , 出 芽 酵 母 に お い て も普 遍 的 に保 存 さ
制 御 系 を構 築 して い る と考 え られ , そ の 研 究 の 進 展 が
れ て お り, 本 経 路 の 重 要 性 が 示 唆 さ れ る。
749
20
蛋 白質
核酸
酵素
Vol.44
No.6(1999)
APP-BP1は
ア ル ツハ イ マ ー の 原 因 遺 伝 子 ア ミロイ ド
保 存 されてお り,SCF複
前 駆 体 蛋 白質
(β amyloid precursor protein) の細 胞
様 な生 物現 象 を制御 す る こ とが推 測 され る。
合体 やCBC複
合体 を介 した多
内領 域 に 結 合 す る 蛋 白 質 と し て 同 定 さ れ て い た が , 最
近 ハ ム ス タ ー の 温 度 感 受 性 変 異 株ts41の
SMC1と
原 因遺 伝 子
同一 で あ る こ とが 明 ら か とな っ た 。ts41細
株 は制 限 温 度 下 で はM期
が 知 られ ,NEDD8蛋
に 入 らずS期
胞
を く り返 す こ と
白 質 修 飾 シス テム は細 胞 周 期 制 御
に関 与 す る こ とが 示 唆 され る39)
。 分 裂 酵 母 のFボ
ス 蛋 白 質pop1,pop2変
異 株 はts41細
胞
ック
真 核 生 物 の 細 胞 内 に は 少 な く と もユ ビ キ チ
ン ,SUMO-1/Smt3,NEDD8/Rub1に
よ る3種 類 の
蛋 白 質 修 飾 系 が 存 在 す る こ とが 明 らか と な っ た 。 こ れ
らの 普 遍 的 な 蛋 白 質 修 飾 シ ス テ ム に 関 す る研 究 は 始 ま
っ た ば か りで あ り, そ の 生 物 学 的 機 能 解 明 は 今 後 の 課
(APP-BP1
変 異 ) の よ う に 染 色 体 多 倍 数 性 を 示 す た め40)
,ts41細
題 で あ る 。 また , 免 疫 に か か わ るUCRPやMNSFβ
胞 で は相 当 す るSCF複
合 体 の機 能 不 全 が 予 想 され る。
Fau1の
分 裂 酵 母 のNEDD8蛋
白質修 飾 シス テム は, いずれ
も 生 存 に 必 須 で あ る。 現 在 ,spNEDD8,spUba3,
Database Center for Life Science Online Service
お わ りに
spUbc12が
明 らか と な っ て い るがAPP-BP1ホ
れ ,Cullinフ
もspNEDD8に
とは相 同性 の な い修 飾 分 子Apg12が
,E1様
を介 して 標 的 蛋 白 質Apg5に
母 の 一 連 の 自食 作 用 (autophagy) 変 異 株 の 遺 伝 学 的 解
よ っ て修 飾 さ
析 か ら明 らか とな り44)
, 蛋 白 質 の 共 有 結 合 に よ る蛋 白 質
ァ ミ リー 蛋 白質 の 機 能 にspNEDD8化
は
共 有 結 合 す る ことが 出 芽 酵
機 能 制 御 は 新 し い概 念 を築 く こ とが 予 想 され る 。
さ ら に, 脱 ユ ビ キ チ ン化 酵 素 [
→ 今 月 のKey
(シ ロ イ ヌ ナ ズ ナ ) のNEDD8蛋
酵 素Apg7
ァミリ
必 須 で ある (
筆 者 ら :投稿 中)。
植物
で あ り, 今 後 の 研 究 が 期 待 さ れ る。 ま た , ユ ビ キ チ ン
モログ
は ま だ 単 離 さ れ て い な い。 分 裂 酵 母 のCullinフ
ー 蛋 白 質 (Pcu1/Pcu4)
/
蛋 白 質 修 飾 を触 媒 す る酵 素 群 は依 然 として 不 明
白質 修 飾 シ ス
788)]の 発 見 に 伴 い , 脱SUMO-1化
Words(p.
酵 素 , 脱NEDD8
テ ム は オ ー キ シ ン応 答 性 に異 常 の あ る変 異 株 の 遺 伝 学
化酵 素 の存在 が 示 唆 され (
鈴 木 俊 顕 ら :私 信), 従 来 不
的 機 能 解 析 か ら 明 らか に な っ た 。APP-BP1ホ
モ ログ
可 逆 的 反 応 と思 わ れ た 標 的 蛋 白 質 へ の 共 有 結 合 が 可 逆
1) は オ ー キ シ ン応 答 性 に異
A
的 反 応 で あ る こ とが 明 ら か に な っ た 。 した が っ て ユ ビ
XR1(auxin-resistant 常 の あ る変 異 株 の 原 因 遺 伝 子 と して 単 離 され41)
,AXR1
キ チ ン系 蛋 白 質 修 飾 シ ス テ ム は , 蛋 白 質 リ ン酸 化 , 脱
変 異 株 で はNEDD8ホ
リ ン酸 化 に相 当 す る蛋 白 質 機 能 制 御 系 を構 築 して お り,
ECR1が
モ ログRUB1とUba3ホ
モ ログ
チ オ エ ス テル 結 合 で きな い42)
。 また 同 様 の オ ー
キ シ ン非 応 答 性 変 異 株 か らFボ
(transport inhibitor response
オ ー キ シ ン応 答 にSCFTIR複
1) が 同 定 さ れ て お り,
合 体 が 必 須 で あ る こ とが 推
測 され る43)
。TIR1はAXR1変
異 と遺 伝 学 的 相 互 作 用
を 示 す た め , 植 物 に お い て もNEDD8修
SCF機
一方
飾 システム は
モ ロ グRub1は
生存 に必
須 で は な く, そ の 蛋 白 質 修 飾 シ ス テ ム も生 存 に 必 須 で
は な い5・21)
。Rub1の
蛋 白 質 修 飾 シ ス テ ム は ,Ula1( ま
た は 独 立 に 単 離 さ れ たEnr2)
とUba3ヘ
文
献
(文献 番 号 を太 字 に した もの は と くに 重 要 で あ る こ とを示 す )
1)Tanaka,K.,Suzuki,T.,Chiba,T.:Mol.Cells,8,
503-512(1998)
能 を制 御 して い る と推 測 さ れ る。
, 出 芽 酵 母NEDD8ホ
そ の 分 子 機 構 解 明 に 関 す る研 究 の 進 展 が 期 待 さ れ る 。
ッ ク ス 蛋 白 質TIR1
テ ロ2量 体 と,
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Chiba,T.,Kawashima,S.,Tanaka,K.,Kato,S.:
Ubc12か
ら構 成 さ れ る (
図3) 。 出 芽 酵 母 で もCdc53
(Cullinホ モ ロ グ ) はRub1化
ubc12い
ず れ の 単 独 変 異 で もCdc53のRub1化
さ れ た5)
。 また ,ula1(enr2)
Genes
さ れ ,ula1,uba3,
は阻害
欠 失 変 異 はrub1欠
異 と同 様 にskpl,cdc53,cdc4,cdc34と
Dev.,12,2263-2268(1998)
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失変
遺伝 学 的相
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:EMBO J.
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:Genes Dev.
7)Tanaka,K.,Chiba,T.:Genes
(1998)
互 作 用 が あ る21)
。 以 上 の こ とか ら,NEDD8/Rub1に
るCullinフ
750
よ
ァ ミ リー 蛋 白 質 の翻 訳 後 修 飾 は 種 を こ えて
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