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2013年度 研究主題実践 [346KB pdfファイル]
奈良市立 鼓 阪 小 学 校 学校番号 403 校園長名 西 園児児童生徒数 本 浩 章 108 名 研究主題 自尊感情を高め、確かな将来展望のできる子どもをめざして -「わかった・自信がもてた」といえるような算数科の授業づくりをしよう- 研究年度 2年度 1 研究の方法 自尊感情を高めるための取り組みと して、昨年度から算数科に焦点を当てて いる。今年度は次の三点を中心に取り組 んだ。 〇昨年度に実践してみて効果のあった こと(視覚に訴える工夫、めあてをも たせて授業の終わりにふりかえりを させるという一時間の流れ、学習規律 の確認)を学校全体で統一して進めて いく。 〇もう尐し深めていきたいことがら(既 習学習の定着、言語活動、話し合い活 動、ノートの使い方)を追究する。 〇子どもの算数に対する意識調査を行 い、1学期と3学期で比較する。 2 研究主題設定理由 本校では、人権教育をすべての教育活 動の基盤に据えて取り組みを進めてい る。明るい子どもたちであるが、自分に 自信がないこともある。子どもたち一人 ひとりの自尊感情を高めることが必要 であると考え、主題を設定した。学力面 で子どもたちに自信をもたせることが できるよう、教科のなかでは算数科に焦 点をあてた。学習内容が定着しにくい・ 問題を丁寧に読まず、すぐ教師をたよる 「これで合ってる?」と個々の児童が確 かめたがるなどの実態から、教材・教具 を活用し、学習規律の確認しながら、め あてをもたせることに重点をおいて指 導してきた。その結果、意欲の向上がみ られた。自分の考えを発言する児童が増 えたり、 「わかった、できた」という言 葉を児童の口から聞けるようになった。 算数科において、子どもたち自身が算数 がわかったと実感できることが、自尊感 情を高め、自分に自信をもって行動でき ることになると確信し、今年度もこの主 題で取り組んでいくこととした。 昨年度に実践して効果のあったことを 全校で統一して進めていくとともに、も う尐し深めていきたいことがらを追究 して学校全体で共通認識してきた。 3 具体的な研究内容 ① 研究のねらい 児童の自尊感情を高めるため、算数科 の授業を通して児童に自信をもたせる。 ② 研究の重点 大まかな一時間の流れを統一したう えで、児童に視覚に訴える工夫をする。 また、言語的な話し合い活動をする。朝 のチャレンジタイムを利用して、基礎的 な学力を身につけさせる。 ③ 活動の方法 ○ 研究組織 低学年部と高学年部に分かれて 定期的に部会を設けて、尐人数での 実践交流を行い、手立てとその時の 児童の反応を部会で話し合った。 次回の部会の前には全体での会 をもち、前回に各部会で話し合った 内容を確かめた。 ○ 校内研修 「できる、わかる算数の授業と いろいろな教材・教具」 講師 大和郡山市立治道小学校 中川 眞砂代 いい教材の条件とは・・・ ・おもしろさ (算数数学の原 理のおもしろさ) ・知的な刺激があること(知 る・わかる喜び) ・学びが活用できること(算数 での学びが算数に。現実世界 との関連性) 中川先生のお話とともに、永年の 実践で、作り使ってこられた膨大 な教材・教具を見せていただいた。 基礎的な知識も、体験をとおして 具体的に楽しく印象づけられる ことを実感できた研修となった。 児童が引き込まれる教材の大切 さを学んだ。 研究授業 「広さを調べよう」4 年生 導入では、教師自作のミニチュア の家の絵を児童に提示した。はっき りした色使いでその面積を求める活 動に意欲を持った。さらに、その方 法として、 「1平方センチメートルく ん」と名づけた1㎠の画用紙をミニ チュアの家を印刷したプリントに並 べるという作業をとおして一人ひと りが考えていった。その後グループ で話し合い、さらにグループごとに ホワイトボードを見せながら学級全 体に面積の求め方を伝えた。考えた アイデアをいくつかにまとめ、みん なで名前をつけた。最後に振り返り を書いて、各自が今日の学習を確か めた。 授業につないだ。 ○ 算数アンケートの実施 児童自身が算数に対して自信が あると意識できることが大切なの で、年度の始めと終わりに算数アン ケートをとった。 ○ この授業の基本となっているのは、 授業時間の始めにめあての確認をす ることと、終わりに各自が振り返り を書くということである。また、言 語話し合い活動の充実のためにグル ープでのホワイトボードの活用を行 っている。研究授業の前には各学年 で実践してみた状況を集約して研究 4 研究の成果 今年度は研究の2年目ということで、 昨年度取り組んで効果のあったことを 全校で日常的に定着させた。 視覚に訴える授業ということで、教室 のテレビに教科書を大きく映したり、実 物投影機にプリントを大きく映したり している。大きな図を見せて、教師が注 目させたい点をその図で示すことによ り、児童の理解につながったと考えられ る。パソコンを使ったことなども職員で 交流し合い、実践に生かそうという雰囲 気が各々みなぎった。 既習学習の定着のために、朝のチャレ ンジタイムや授業の始めに小テストや、 復習プリントに取り組ませている。この ことにより、算数アンケートでも、計算 がすき、計算ドリルをするのがすき、算 数がすき、のポイントが増えている。 5 今後の課題 ・目で見てわかる工夫や体験を通して理解 を深める工夫により、算数が好きという児 童が増えてきた。学習を終えたすぐは問題 を解くことができても、時間がたつと忘れ てしまう。今後も朝のチャレンジタイムや 算数のはじめの時間などを使って、習った ことを忘れないように練習させていく必 要がある。計算は確実に身につけさせて次 の学年につないでいく。 ・児童にとって、自分たちで考えたことが 算数の一般的な解き方とつながることは、 大きな自信となるはずである。しかし、時 間的な制限や話し合い活動に対して児童 が不慣れであることから、日常的に取り組 むことがなかなかできなかった。自分の考 えをもつ、考えたことを友だちに伝える、 友だちの考えを聞く、自分の考えと友だち の考えが同じなのか、違うのかを考えて整 理する、みんなの前でわかりやすく発表す る等、いろいろな力が必要とされる。次年 度は考える算数的活動を取り入れること のできる単元を明らかにして、話し合い活 動を積み上げていく。そのことにより、児 童の学力及び自尊感情を高めていきたい。