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1 清家社会保障制度改革国民会議会長 第17回社会保障制度改革国民

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1 清家社会保障制度改革国民会議会長 第17回社会保障制度改革国民
清家社会保障制度改革国民会議会長
第17回社会保障制度改革国民会議後記者会見要旨
(平成25年7月12日(金)17:30~17:57
於:中央合同庁舎第4号館
共用620会議室)
1.発言要旨
○清家会長
それでは、先ほど官邸で開催されました第17回社会保障制度改革国民会議に
ついて御報告をいたします。
本日の国民会議には、15名の委員のうち12名が御出席でございました。
冒頭、甘利一体改革担当大臣から御挨拶をいただきまして、今回からいよいよ報告書の
取りまとめ作業に入るわけですけれども、この国民会議で議論を積み重ねた社会保障制度
改革の意義や内容を国民の皆様にわかりやすく伝えることが重要であるということ。今後、
本格化する起草作業において委員の意見を的確に反映するようにさまざまな工夫を行って
いると聞いているところであるけれども、そうした観点からきょうも貴重な御意見を賜り
たいという趣旨の御発言をいただいたところでございます。
次に、私のほうから先般、6月25日でございますけれども、起草検討委員にお集まりを
いただきまして、報告書のたたき台の起草作業の方針について意見の共有をいたしました
ので、その内容を御報告いたしました。
その内容といたしましては、まず第一に、たたき台の起草に当たっては改革推進法の規
定、理念を十分に踏まえるということ。第2に、国民会議におけるこれまでの議論、特に
議論の整理案やそれ以降の議論を十分に踏まえて作成をするということ。さらに政府が講
ずる法制上の措置につなぐことができるように改革の方向性やスケジュール感をできる限
り具体的に盛り込むということ。その際、国民会議でまだ意見が集約できていない部分に
ついても今後国民会議で議論をし、できるだけ1つの方向性にまとめていくということ。
そして最後に、社会保障制度改革の考え方や意義をわかりやすく発信するということ。と
りわけ若い世代や将来世代の安心につながるような社会保障制度改革をするのであるとい
うメッセージを強調するということ。将来世代に痛みが多く行かないように今の我々の世
代が何をすべきか、何ができるかを考えようというものであるということでございます。
次に、起草作業に当たって全体の骨格となる報告書全体の柱立て、さらに総論部分の構
成について事務局より御説明をいただきました。詳細については資料を参照していただき
たいと思います。
その際の主な意見といたしましては、まず、宮武委員から、この資料の報告書全体の柱
立てにつきましては、やはり国民へのメッセージをわかりやすく発することが大切だとい
うことで、幾つかの貴重な示唆をいただきまして、特に社会保障制度の新しい支え合いと
いう視点が大切だというお話でございました。
報告書の構成について駒村委員のほうから、総論と各論、一方方向ではなくて、双方向、
相互に議論が行われる。また、各論同士でも相互に議論が行われるように。総論と各論、
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各論同士で整合性がある形で双方向の議論が行われることが大切であるというお話がござ
いました。
大日向委員からは、21世紀モデルとして、特に子ども・子育て、少子化対策をわかりや
すく打ち出すことが重要であるということ。若い世代が安心するということは、実は、高
齢者の安心にもつながる。逆に高齢者が安心して老いを迎えることができるようになると
いうことは若者の希望にもつながっていくのだという視点が大切であるという御指摘がご
ざいました。
大島委員からは、やはり具体的に社会保障制度改革をどう実現するかが今、求められて
いるということ。そして、とりわけ時間軸で考えるという点でいいますと、時間と役割分
担を明示してほしい。それぞれの社会保障制度改革に関して、国とか関係団体あるいは国
民といったような、それぞれがどのような役割を果たす必要があるのかといったことを示
す必要があるといったようなお話がございました。
また、西沢委員からは、地方がどのように社会保障を支えていくかということを総論で
語ると各論につながっていくのではないかという御意見がございました。
次に、今後の起草作業に向けて委員から改めて幅広く意見をお聞かせいただきました。
まず最初に、西沢委員、駒村委員などから、議論の進め方あるいは資料の提示の仕方等
について御意見がございまして、これについてはこれから検討していくことといたしまし
た。
お隣にいらっしゃいます遠藤委員からは非常に幅広く、包括的なコメントをいただいて
おります。1つは、医療に関するデータの利活用を進めることの必要性について。もう一
つは、診療報酬体制の機能の強化に関して、診療報酬と補助金による適切な組み合わせが
大切であるということ。医療提供体制の改革と診療報酬改定、特に平成26年の改正の関係
が大切であるということ。病院外来受診に対する負担のあり方、被用者保険と高齢者医療
制度の課題、さらに保険料の公平性の問題、そして介護保険の自己負担の問題などもきち
んと目配りをしていくべきだということについて大変詳細にコメントをいただいておりま
す。
駒村委員からは、総論の部分について2015年までの短期、2025年までの中期、そしてそ
れ以降の長期の3つに分けて議論を行うことが大切である。また、制度横断的な視点が必
要であるという御指摘をいただきました。また、年金については、なるべく所得、経済力
に応じた仕組みにすべきであるというご意見が示されたかと思います。また、医療・介護
についても、その制度のあり方等について御指摘がございましたし、少子化についても、
例えば育児休業の普及と次世代法の継続強化が必要であるという御指摘がございました。
榊原委員からは、まず、全体の柱立てとして、社会保障とは絆あるいは連帯の形であっ
て、できるだけこれをしっかりと守っていくというメッセージを出すべしということ。総
論部分について、将来世代の痛みを緩和するために、今の我々の世代の責任でどのような
ことを考えたかという視点をしっかりと入れるべきであるといった御意見、さらに少子化
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対策についてのコメントがございました。
神野委員からは、8月21日の我々の任務終了までの時間がもう限られてきたということ
もございまして、そこで最終的に法制上の措置につなげるような提言をするという想定で
意見の集約をしっかりとこれから図ってほしいという御指摘があったところでございます。
最後に政府からコメントがございました。
甘利一体改革担当大臣からのコメントがございまして、報告書の取りまとめに当たって
は、政府が講ずることとなっている法制上の措置につなげられるよう、改革推進法に基づ
くとともに、改革の方向性とスケジュール感をできる限り具体化していただきたいという
こと。報告書のたたき台の作成作業については、これまでの17回に及ぶ議論をしっかりと
整理していただきながら、さらに必要な肉づけを行っていただき、8月の取りまとめにつ
なげていただきたいという趣旨の御発言がございました。
なお、次回の国民会議につきましては、起草作業の進捗に応じて、委員の皆様の日程を
調整の上、事務局より御連絡するということにしております。
私のほうからは以上でございます。
2.質疑応答
○記者
お尋ねは、本日の会議で何か具体的に取りまとまったことがあるかという御認識
なのかというのが1点目。
もう一つが、これまでの会議の中で取りまとめられたと考えられるものはどういうもの
なのか。改めてお聞かせください。
○清家会長
本日の会議は、何かを取りまとめるというよりは、特に起草委員以外の委員
の方々から起草作業に関してお考えを伺ったということでございます。
これまでの会議で取りまとめられたことというのは、その都度、例えば医療・介護の部
分、年金の部分あるいは子ども・子育ての部分に関して取りまとめの中間的な意見の集約
として申し上げたとおりでございますので、きょう改めてまたそれをもう一度、再確認し
たというようなことはございません。
○記者
そうすると、これまでに取りまとめた、例えば国保のお話であるとか、そういっ
たものが今後の報告書に盛り込まれるのかというのが1点。
もう一つ、総報酬割についてはなかなか意見が分かれているかと思うのですが、現在の
御認識をお聞かせください。
○清家会長
まず、おっしゃるように、これまで基本的に意見の集約が見られたものにつ
いては、当然ですけれども、それが報告書の中に盛り込まれていくと思います。
後期高齢者医療制度への拠出金の総報酬割100%化という観点かと思いますけれども、そ
れについてはおっしゃるとおり、きょう、神野委員の最後のコメントの中にもございまし
たが、まだ必ずしも委員の中でも意見の一致が見られていない部分もございますので、そ
れらはこれからまさに意見の集約を図っていかなければいけないところであると思ってお
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ります。
○記者
関連ですけれども、そうすると、きょうの資料1と資料2については、これを示
して、委員から幾つか意見が出ていたと思うのですが、これはこれで了解をもらったとい
うように考えていいのでしょうか。その辺の認識を教えてください。
○清家会長
きょうは、今、言いましたように、基本的には委員の方々からあまり制約を
設けずに御意見を伺う機会にしたいと考えておりましたので、資料1、2についても、特
にこれを今回了承していただくとか、そういう種類のものではございません。ただ、基本
的には、この柱立てといいますか、資料1のところについてこれでは特にまずいというよ
うな意見は特段なかったかと思います。総論部分については、いろいろと加筆すべし、あ
るいはこのように変えるべしという御意見もございましたので、これは遠藤先生が起草を
御担当のところでございますけれども、恐らくきょうのいろいろなコメントであるとか議
論も踏まえて修正されることもあるのかと思います。ですから、資料1、2については、
これについて御意見を承ったということで、これをきょう了承したとかという種類のこと
ではございません。
○記者
きょうのを踏まえて、今後、どのように起草の作業であるというか、取りまとめ
に向けてどういったスケジュール感で作業されていくのかということと、次回はどのあた
りまで進めようとお考えなのかを教えてください。
○清家会長
我々の国民会議は、いつも御質問にもお答えしておりますように、8月21日
というデッドラインがございますので、その前にしっかりとした報告書を完成させなけれ
ばいけないということになりますと、今から1カ月ぐらいの間に相当集中的に作業をしな
ければいけないということは明らかだと思っております。
その意味で、起草委員の先生方には、お忙しい中、暑い中、本当に頑張っていただいて
いるわけでございますが、まず、それぞれの御担当の部分の粗々の素案といいますか、第
1次原稿を書いていただいて、それをどこかの段階で起草検討委員の方々でお集まりいた
だき、相互に整合性をとるための話し合いの場などを持ち、その上で次回の国民会議にあ
る程度、骨子ができた段階で提出をしていただいて、また委員の皆様方に議論をしていた
だく。そういう骨子を議論した上で、恐らくさらにもう少し書き進んだものが、これは一
度なのか二度なのかわかりませんけれども、議論されて、1カ月以内ぐらいの間に最終報
告にまとめられていくというのが私の持っているスケジュール感でございます。
ですから、最終的に総理の報告書をお渡しするときにはもう議論はできませんので、そ
れまでに何回か国民会議を開いて、議論をし、最終報告をまとめていくことになると思い
ますが、少なくとも、この次の会議にはある程度の、文章になっているかどうかはわかり
ませんけれども、このような内容になっていくのではないかという報告が国民会議になさ
れ、それに対していろいろなコメントであるとか議論がなされることになるのではないか
と思っております。
○記者
個別項目、きょう新たに何か骨格が固まってというものはないというのは確かに
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聞いていてそのとおりかなと思ったのですが、これまでのおさらいを含めて、清家先生の
御認識をお伺いしたいのですけれども、先ほどの総報酬割の話はまだ詰めなければいけな
いというか、議論しなければいけない部分があるという話だったと思うのですが、これま
で聞いていると、総報酬割を負担金のところの全面適用とすることについては、それ自体
はコンセンサスなのですか。というのは、それで浮いてくる協会けんぽへの支援金はどこ
に使うかというのは確かにいろいろな意見があって、確かにそこは難しいのかなと思った
のですけれども、拡大することそのものの方向性については、これはもうコンセンサスで
報告書に書かれるという捉え方でよろしいのでしょうか。
○清家会長
これについては、今、報告書を担当の先生のほうで執筆されている段階です
ので、それがどのような書きぶりになるということを今、ここで申し上げることはできな
いかと思います。
ただ、御案内のとおり、今までの議論の中で私が承知しておりますのは、今、まさにお
っしゃったようなことでございまして、後期高齢者医療に対する拠出金を100%総報酬割に
して、健康保険制度の基盤の強化につなげていく必要があるのではないかということにつ
いては大方の合意があったのではないかと思います。
ただ、これはこれからまた草案が出てまいりまして、そこでの書きぶりについてこれか
ら議論がまた出る余地がございますので、今、この段階で必ずそういう合意が得られてい
て、そうなるとは申し上げることはできませんけれども、私も今までの委員の皆様方の議
論を伺っている限りでの認識は、今、おっしゃったような認識と同じ認識は持っておりま
す。
○記者
あともう一つ、同じような趣旨の質問で、個別項目で幾つか非常に大事なところ
で、ちょっと確認させていただきたいのですが、きょうの資料3の主な議論というところ
にも、例えばということで触れられている年金の支給開始年齢の引き上げの部分です。こ
れはこれまでも何度か議論されていますし、きょうもそういうことは議論していかなけれ
ばいけないという意見が出ていました。1カ月ぐらい前にもたしか会長のコメントとして
そういったことが必要であるというお話があったと思います。ここについてこういう議論
を早目に、長い時間がかかる話なのでやっていかなければいけないということについては、
ここは大体コンセンサスという捉え方なのかなとも思うのですが、そこはいかがですか。
○清家会長
これについても起草委員が今、起草作業中でございますので、この段階でそ
れがどのような形で報告書の中に取り込まれていくかということについては申し上げるべ
きではないと思いますけれども、確かにその議論が出ていることは間違いございませんが、
少なくともこの点については国民会議として何か具体的な結論を得ているというわけでは
ないと思います。
御案内のとおり、2004年の制度改正によって将来の負担水準を固定した制度を導入して
いるわけですから、そういう面では、年金財政上の観点というよりも、むしろ社会保障制
度全体の負担と給付のバランスの中でこれをどう考えるべきなのかということ。あるいは
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中期的にはこの問題はやはり高齢期の雇用や社会のあり方と一体に考える必要があるよう
な課題でもございますので、この点はいずれにしても、8月の取りまとめに向けてさらに
議論を深めていく必要がある論点ではないかなと思ってございます。
ですから、これについて何か既に合意ができているとか、どういう方向で報告書が書か
れるかということは今の段階では申し上げられないと思います。これはむしろさらに議論
を深めていく必要があるポイントではないかなと思ってございます。
○記者
きょう、いろいろ委員の方から意見書について、どの先生がどういうことを言っ
ているのかがわからないので、そこも含めて出したほうがいいのではないかという意見が
あって、確かに傍でネットで見ている私たちも、ちょっとそこはよくわからないなという
感じがあったので、私自身はそれに共感したのですけれども、そこはどうでしょうか。
○清家会長
これはこれから検討しますが、1つには、いろいろな委員が意見書を出して
くださっておられますけれども、委員の中にはその意見書は公開されることを前提にせず
に、個人的な起草委員に対する手紙という形で書かれているものもございます。ですから、
それらを一律に公表することが望ましいのかどうかということについては、意見書を出さ
れた先生方の御意見も承らなければいけません。確かに一部の委員はそれを公表すること
を前提で、公表することは構わないということでお出しになっている方もいらっしゃるこ
とは事実でございますけれども、必ずしもそうではない趣旨で意見書を出されている方も
おられますので、それについては御相談をさせていただきたいということです。
○記者
次回の中にはたたき台というか、草案的なものが出てくるということなのですけ
れども、これからどれぐらい間をあけてというイメージなのでしょうか。つまり、例えば
来週ぐらいなのか、それとも再来週ぐらいなのか。いずれにしろ、その辺ではないと時間
的に厳しいのかなと思うのですが。
○清家会長
おっしゃるとおり、むしろデッドラインから逆算してスケジュールを決めて
いかなければいけませんので、きょういただいた意見なども反映して起草していただくと
いうことを考えると、あす、あさってにとか、来週早々にとかということは、なかなか考
えにくいわけでございますけれども、起草作業をできるだけ急いでいただいて、できるだ
け早い時期に次回の国民会議は開きたいと思っております。先ほどもお答えしましたよう
に、8月の期限までに総理にこれを手渡すためには、少なくともあと何回か国民会議を開
かなければいけません。そして、恐らく国民会議を開くといっても、1回開いた後、一定
のインターバルをとらないと、皆様のお考えをまとめていただいたり、御都合を調整した
りする時間も必要でございますので、そういう意味で、当然ですけれども、例えば今月中
にあと何回か開くということになれば、そんなに間を置かずに次回を開いていただくこと
にしなければいけないと思います。これはまた事務局においても日程調整等をしていただ
くようにお願いをしております。ただ、一番大切なポイントは、きょういただいた議論な
ども反映しながら、起草委員の方に少ししっかりと考えをまとめていく時間もとらなけれ
ばいけませんので、その進捗状況を見てというか、ちょっと我々から言えば失礼ですけれ
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ども、少し頑張っていただいて、進捗を速めていただいて、できるだけ早い時期に次回を
開いていただきたいと私は希望しております。
○記者
先日、田村厚労大臣の閣議後会見で70歳から74歳の医療費負担を1割から2割に
戻すことについて来年度も視野にという言及があったのですが、国民会議の中ではこれは
どのような議論が行われているのでしょうか。
○清家会長
今、御指摘の件については、御案内のとおり、国民会議においてもこれまで
さまざまに意見が出されているところでございますけれども、国民会議としては現在、起
草作業を進めている段階でございますので、そうした個別の論点についてはコメントを差
し控えさせていただきたいと思っています。
(以上)
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