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高付加価値経営の実現 4.高付加価値経営実現の

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高付加価値経営の実現 4.高付加価値経営実現の
不況下を生き抜く!「市場縮小経済下での社長の打ち手」4/5
それでは後半戦を始めて参りたいと思います。今日も録音をしてましてね、このセミナーの。去年の
11 月にもここの会場でやらせて頂いて、自分の CD を自分の車の中で聞いているっていうアホなことを
やっているんですね。言葉が悪かったり、でもなかなか直んないですね。それでも、結構良い事言って
いるなあって思いながら聞いてたりするんですけど・・・。いや、何が言いたいかっていうと、やっぱ
り言っていることとやっていることって一致しない訳じゃないですか。自分で言ってたって自分ででき
てないわけですよ。だから、そういう意味で勉強にはなるなと。こういうこと言うと、「あれは理事長
言わない方が良かった」ってうちの社員に言われるんですけどね(笑)。
さっき銀行さんの話をしましたけど、今大変ですね、今回東洋経済に出てましたけど、銀行さんの格
付けね。ダーッとこう出てるんですね。信金さんは出てませんけど。銀行さんも選ばれなきゃいけない
時代になったと。これも皆さん今日最初にお話した市場縮小って話と全く一緒ですよ。銀行さんが相手
にしている企業が毎年 9 万くらい減っていますから。そうすると、銀行さんも選ばれなきゃいけない。
もう所沢の市場なんて大変ですよね、銀行が多すぎるって銀行員が言っていたから間違いない。みなさ
んこうやるとそうだなあって思うと思うんですけど、最近メイン銀行なんて言わなくなったじゃないで
すか。昔はメインって言ってましたけど。言わなくなったってことは、銀行さんからすれば、リスクは
分散して下さいってうまいこと言うのかもしれないけれど、結局は市場が縮小しているって話ですよね。
銀行さんもまさに選ばれる時代になっている。我々も選ばれる時代になっている。
3高付加価値経営の実現
これからまさに会社は高付加価値経営をやっていかなきゃいけないだろうと思います。前半戦で人を
切れとかいろいろ言いましたけど、これは短期的なところで、これからそれだけやってていいのかって
いったら、そうじゃないですから、長期的に社長はどういう風にやっていかなきゃいけないかっていう
のをお話します。
1、社長の最大の役割は、仕事を創造すること
社長の最大の役割は、仕事を創造することなんです。そうじゃないですか?みなさん。仕事って与え
られるものじゃないですよね?世の中、社会、お客様を見て、こういう仕事が役に立つんじゃないか、
と考えて開発するのがトップの最大の役割、役目ですよね。
こういう時代になるとトップが営業に出る、それも正しいと思います。トップがまさに自ら営業に出
る、これもすごく大事ですね。だけど、もっと大事なことは、お客様の所に行って、お客様のニーズを
聞き取ってくることじゃないですか?そこから新たな事業を開発するってことが最大の今テーマです
よね。同じ商品を同じやり方で売っていたら、絶対単価って下がっていきますからね、このデフレの時
代に。同じものを同じように売っているっていうことは他人が真似してくるわけですから、単価競争、
価格競争にしかなりようがないですもんね。ですから、仕事を創造するってことがまさに社長のトップ
の役割と思います。
ドラッカー博士が、「企業の目的は顧客を創造すること」だって言ってますね。もちろんそうだと思
います、顧客を創造することだと思います。でも、顧客を創造する前に必ず仕事の創造がなきゃいけな
いんですよ。仕事の創造があって、それが社会的有用性があって、顧客が「うん役に立った、お前の商
品は役に立つ。お前の商品が無いと困る。」っていうふうに言わせるから顧客の創造に繋がるんですも
んね。ですから、仕事の創造が絶対先にある。商品や製品の創造が絶対先になきゃいけない。ただ単に
トップが営業に出るって簡単な話じゃないです。
社長が仕事を創造することによって、その社長を見てああ仕事は創造することが仕事なんだって組織
的に変わっていく。社員のみんなが仕事を創造した結果として、顧客を取れる。結果的に会社が儲かる、
こういう構造を作っていかなきゃいけないんだと思うんです、これからは。だから、トップの役割は絶
対に仕事を創造することなんです。顧客を取る前に必ず仕事の創造がある。相手に役に立つ仕事の創造
が・・・。
2、高付加価値経営の道
皆さんが売っている商品とかサービスとか製品とか、買っている側はその商品とか製品とかサービス
そのものを買っている訳では絶対にないんです。必ずその商品とか製品には役割がある、買っている側
からすると。そうじゃないですか?
例えばここにある白板があります。この白板っていうのは、作っている方から見たら白板を作ってい
るんです。だけど、これをもし買う人がいたら、この機能を何ですかね?そうやって考えていかなきゃ
いけないんだと思うんです。この機能は、例えば、こういうセミナーをやった時に、同じような文章を
読んで頂くためにシェアするものですよね、社内だったら社内で会議するために、共通のこういう白板
があるとみんなで情報を共有できるじゃないか、とかね。そうやって必ず相手にとっての役割があるは
ずですよね。
皆さんのご商売もホワイトボードを作っているっていうことが目的じゃないです。相手がホワイトボ
ードによってなんらかの効用を得ているんです。そうですよね?世の中の商品に必要でないものってい
うのはないわけですから、その必要っていうものはどんな機能かっていうのを考えなきゃいけないです
ね。そして、その視点から顧客にとって、これはどんな機能があるんだって考えて、その機能を満たす
にはもしかしたらこういうものがあるんじゃないか、ああいうものがあるんじゃないかっていうところ
から仕事を創造していくしかないんだと思うんです。
先程でんかのヤマグチさんの話をしましたけど、あそこは大手の軒並みの粗利益率が 25%のところを
が、でんかのヤマグチは粗利益率 38%ですね。同じ電化製品を売っているんですよ。同じ電化製品を売
っていて片は 25%、片や 38%、あり得ないでしょ?でんかのヤマグチは電気製品を売っているんじゃ
ないですよ。じゃあ何売っているの?これは社長が言っているんじゃないですけど、おそらくは、65
歳から 70 歳の方はあまり外に出たくない、そういう方々が自分のライフスタイルを持つわけじゃない
ですか。そのライフスタイルをでんかのヤマグチは電化製品っていうのを通じて提供しているわけです
よね。電気そのものを売っていたらそんな粗利益率が変わる訳ないですから。そうですよね?
自分の事務所のことを話しますが、我々は税理士、会計事務所ですから、税務とか会計を売っている
って最初僕も思っていたんです。ですから、3 月決算が来ると 5 月までに申告しなければいけないから、
申告書を作る、これが仕事だと思っていたんです。でも、そうじゃなかったんです。
我々の機能は、中小企業の皆さんから突きつけられる問題を徹底的に解決することだっていうふうに
決めたんです、僕は。だから、皆さんから要望があるじゃないですか。言われない要望っていっぱいあ
りますものね。皆さんは会社を経営していますから、売上が上がらないとかやる気が無い社員ばっかい
て困るとか、なんとかモチベーションが上がらないかとか、生産性を上げたいんだけどどうしたらいい
か、とかいろんな問題が社長の頭の中にありますよね。そうすると、その問題はすべて僕にとっては仕
事なんです。そうすると、今日冒頭にお話ししたように、今までは申告書を作るという仕事をしていま
したけど、だんだん仕事が変わってきた。ある時は社長と一緒に銀行に行く、これは社長が金融で困っ
ているから一緒に行く訳ですよね。ある時は経営会議に出る、これは会社の生産性を上げるにはどうし
たらいいかっていう問題があるからその問題をなんとか解決できないかってことで始める訳です。ある
時はなんとか会社を存続するには何か良い手はないかって時に、なんとかそこで知恵を出して存続でき
るような方法を考える。皆さん方における問題はすべて我々の問題なんです。
仕事ってそうですよね?自分で創造するっていうのは。ですから、必ず皆さん方の商品も相手から見
た時に相手のとっての機能がある。商品とかサービスには必ず与えられた機能があるわけですよ。その
与えられた機能の中から自分の所の商品を膨らましていく、業務範囲を拡大していく。そういうふうに
考えて高付加価値を付けていく、顧客は自社の何を買っているかです。そうやってご自身の仕事の創造
をし、業態の開発をしていくということです。
先程のでんかのヤマグチは、個人のライフワークそのものを提案しているわけですよね。その中に電
気があるってことですね。そうやって事業っていうものは作っていかなきゃいけないんだと思うんです。
これが仕事を創造していくことですね。
はい、その次。たゆまぬ改善・改革を繰り返し行い、商品・製品・サービスに命を吹き込む。本当に繰
り返ししかないですよね。世の中にすごい商品っていうのはありますよ。売れ筋で売れて売れてしょう
がないというモノが。でもこれもおそらく日々の積み重ねの中で、改善・改革の積み重ねでそういう商
品が世に生まれているということ。京セラの稲盛さんもおっしゃっていましたけど、世の中にこういう
商品がでたっていうのは思いつきではなくて、2 年 3 年 5 年 10 年、日々たゆまぬ努力を続けていった
から世に出ているということですよね。この繰り返ししかおそらくないと思います。
今日は A 社の A さん見えていますけど、先週の土曜日、営業会議に出させて頂きましたけど、すご
い会社ですよ。僕も大学出て 6 年半くらい営業の仕事をしていましたけど、久しぶりに営業の血がみな
ぎるような、すごいですよ。
「お前どうすんだ、そんなんで」とかやってですね。こわいなーこの人と・・・。
さすが業績が良いだけのことはあるなっていうことを改めて感じさせてもらいました。やっぱり今まで
利益を出し続けているっていうのはこういうところがあったんだなあって改めて感じさせてもらいま
した。でもこれからはこれだけじゃダメですね。自分の商品やサービスが顧客にとって本当に役に立っ
ているかっていうことをしっかりと議論していかないと。
その中で、ある工場の部長の方が何か新しい事はないかって話の中でね、今度コバルト(材料)って
いうのが 1 キロ 9,000 円くらいで買っていたと。原材料がどんどん上がっていく時ではみんな一斉に上
げるから価格がほとんど変わらなかったんです。ところが、原材料が下がっていく時には、下げる会社
と下げない会社があるんですって。よくよくその部長が調べたら、今うちは 9,000 円で買っているけど
も 6,000 円ぐらいで買えるところがあると。それはよかったね、じゃあこれからは 6,000 円にしようっ
てことになったんですね、会議の中で。その時に別の部長が「部長さ、それ 6,000 円でいいんだけど、
品質は変わらないの?」っていう質問が飛んだんです。当たり前ですよね、9,000 円が 6,000 円になっ
て品質の心配がでるじゃないですか。そうしたら、
「6,000 円でも全く問題ないです。
」って話になった
んですね。だったらそれが良いね、でかしたって話ですよ。
何が言いたいかっていうと、こういう会話が皆さんの取引先で行われているってことです。そのコバ
ルトを作っている会社が A 社は 9,000 円が 6,000 円になって品質には全く問題ないよと、9,000 円が
6,000 円になってそれはでかした、これはそうしようって話ですよね。ところが、皆さん逆の立場にな
った時に自分がコバルトを作っている会社になったならば、自分の商品が相手のものとちっとも変らな
い、でもうちが 9,000 円で相手が 6,000 円だよっていった時にいくら営業したとしても勝てませんよ
ね?そういう会話が相手の営業会議で行われているってことですよ。そうしたら、自分の商品や製品の
品質を徹底的に磨く以外に手はないでしょ?あと価格競争するかどっちかですから。じゃああっちが
6,000 円ならばうちは 5,000 円にするっていったら、それは価格競争ですよね。中小企業は絶対に価格
競争したらダメですもんね。
相手の会社が 6,000 円だとしても、うちの会社は 9,000 円だけど相手の会社の 6,000 円にはこういう
ところが無いっていう機能をうちにはあるよというのを作っていくしかないわけじゃないですか。これ
は 1 日や 2 日でできることじゃないですよね。その何かを作っていくっていうのはまさにこれですよ、
たゆまぬ改善・改革を繰り返すってことですよ。そして、商品とか製品に自社独自の命を吹き込むと。
これ以外に差別化できることってないですよね?だから、毎日でも毎月でも会議を開いて、今お客様に
こういう商品を出しているんだけれども、こういうふうに困っていうところをなんとか改善して、本当
に一つ一つ無理だと思うことを改善・改革をやっていくしか手はないんだと思います。それが会社の役
目ですものね、顧客に役に立つということは。
ですから、本当に日々のことをおろそかに絶対にしてはいけない。これもドラッカーが言っています
が、「優れた組織の文化とは昨日までの卓越した仕事を今日の普通の仕事に変えてしまう」と。こうい
う新しい事をやろうよ、ないしはこういう付加価値を付けようよ、この商品にこういう改良をしようよ
っていった時に、「いや、それはできないよ」って言ってしまったらそれまでですよね。でも、なんと
かやってみようよ、1 年かかるか 2 年かかるかわかりませんけどそれを何とかやってみようと。3 年か
かってなんとかやった時に、今度 4 年目 5 年目になった時にどうなるかっていうと、「あの時あんなに
悩んだけど今普通に出来てるね。」こういう会話が組織の中でできるかどうかですよ。
3、営業力から商品力重視へ
これからまさに顧客が情報を先に得る時代ですから、もう営業でお尻を叩いてやるっていう時代はた
ぶん終わったんだろうなあって思います。僕も営業マンやっていたからわかりますけど、先月業績達成
したかとかって順番にやりましたけどね。自分の番が来るまで人の話なんて聞いてませんよ。だいたい
営業会議なんていうのはそういうもんですよね。どうやって言い訳しようかしか考えていないものね。
40 億の会社もそうですよね、だいたい 3 時間くらいの経営会議の中で 2 時間くらい数字の報告をし
ているんです。もうそんなのやめようよって言ったんだけど。数字の報告は先に配っておけばいい話で、
見といてねって言っておけば 5 分で済む話ですよね。会議が終わったあと質問したんですけど、
「この
会議が終わった後顧客にとって何か変ったことってありますか?」って。会議やってお客様に直接変わ
ったことがなければ何の意味もないですよね、顧客第一主義ですから。
それから、この会議をやった後にこの商品のこういう不都合があったところがなんとか改善できそう
だね、その次の会議ではそれができるようになったっていうことを報告していって、営業マンがそれを
顧客に伝えていって、今度こういうふうに良くなったよ、だから買ってくださいっていうから会議なん
ですよね。顧客第一主義ってそういうものですよね。自分の所のことをいくら話してもしょうがない話
です。だから、営業マンのお尻叩くのは個人的に何でお前達成できないんだって個人的にやっていれば
いい話ですよ。僕も営業マンの時に予算達成したときには涙出ましたけどね。そういう瞬間って確かに
ありますよ、営業マンって。でもそれは本当に一過性のことですよね。本当の営業っていうのは、自分
の商品やサービスをいかに高めていくかってことじゃないですか。そうやっていかなきゃいけないんだ
ろうと思います。
これから会社のお付き合いがより合理的になりますからね。営業マンのそれこそカラオケだ、ゴルフ
だっていうのももちろん大事ですけど、だんだん合理的になってくる。そういう中で皆さんの勝負はま
さに商品力だと思います。
4、現場第一主義
これもすごく大事ですね。社長が実態を見極める。社長がね、トップが実態を見極めなければならな
い。例えば、会社で製造部とか営業部とかありますよね。僕も経験しましたけど、お客様のところにい
くのは営業マンですよね。僕も新入社員の頃営業をやっていてお客様のところへ行く、ないしは電話が
かかってくる、このソフトどうも使いにくいってクレーム受けるのは営業マンですよね。そうすると、
それを作っている工場へ行って工場長にでも、お客様からこういう声があるんですけど、工場長どう?
って言った時に皆さんどう思います?そういう現状を。
だいたい 30 年くらいのベテラン工場長が昨日入った新入社員にこういう商品がこういうふうに都合
悪いってお客さんから言われたんだけどって言って直す工場長いると思います?僕は経験したけど「そ
れはお前の説得の仕方が悪いんだ」とか「お客さんの使い方が悪いんだ」とか言われておしまいでしょ。
僕が新入社員に入った頃に、電話をしてね。T という会社にいて、そこではソフト開発をしていたんで
すが、電話をすると「それはお前使い方が悪いんだ」って言われて、「そうじゃないんだ。お客さんが
こういう不都合を感じているんだからなんとかそれ直せ」っていつもケンカしてたんですよ。そうする
と、そのうち「お前、何年入社だ?」とか言われて。いや、何年入社とか関係ないよねと思うんだけど、
そういうところってなんだか知らないけれど先輩・後輩って出るんですよね。
何の話をしているかっていうと、やっぱりトップが顧客のところに行って、営業するだけじゃなく、
お客さんの声を吸い上げて、それを代わりに工場長こういうふうにお客様が不都合を感じてるから直せ
ってトップが工場長に言わないと変わらないってことですよ。営業マンに任せきりにしていたら変わら
ないってことです。こういうことが人間社会の中で起きるってことです。だから、トップ自らが現場を、
品質を見極めていかなきゃいけないんだと思うんです。それがまさにトップの役目です。現場に行って
営業するのも大事だけど、お客様の声を聞いてくるために行くんです。お客様の声を聞いて、こういう
ふうにうちの商品を直していきなさいってトップが戻って工場長なり社員に指示を出す、これがトップ
の役目じゃないですか。
本田宗一郎さん、あの人はやっぱすごいですね。昔 HONDA が新しいバイクが出来ると、テストド
ライバーを雇ってテストドライブするんですね、大阪から東京まで走らせるんですよ、バイクをね。で
普通の人はバイクのテストドライバーっていったらプロのドライバーを頼むじゃないですか、普通に考
えたら。ところが本田さんはさすがですね、誰にやらせるかっていうとバイクを乗ったことない人に頼
むんですって。それでバイクの乗り方だけ教えるんです。これがアクセルね、これがブレーキね、後は
走ってこいって言うんですって。
そうすると、その人ってガソリンで走っているのも知らないですよね。走り方と止まり方しか知らな
い。オイルとか必要だとか知らないんです。そういう人にテストドライバーをさせるんです。そうする
と、大阪からまあ静岡くらいになった時になんかわからないけどブスンブスンって止まっちゃった。本
人はガソリンが切れて止まったということもわからないんです、その人は。だけどそういう人にテスト
ドライバーさせるんです。そうすると、素人が乗るとガソリンがいつ無くなるかすらわからないんだな
と。そうしたら、我々が売っていく顧客もそういうことがわからないわけだから、例えばじゃあガソリ
ンが無くなったらエンプティーマークを付けようとかね、例えばですよ。そういう商品開発をするんで
すって。さすがでしょ?そのぐらい素人が使っても壊れないっていうバイクを作った本田宗一郎さん。
ところが我々なにやっているかっていうと、それは使い方が悪いんだとか、私のさっきの会社もそうだ
けどマニュアルの何ぺージ読んでくださいとか・・・。そんなの読まなくても動かせるようにするのが
ソフトなんだろって言いたくなるでしょ。でも、やっぱり自分の立場が変わっちゃうとそうなっちゃう
んですよ、人間って。さすが本田宗一郎さん。
顧客の期待の 10%上をいく。我々って何かものを頼んだ時って意識しない期待をしていますよね。こ
ういうものが出てくるんじゃないかとか。例えば、これを作ってくれって言った時に自分の頭の中でイ
メージってあるじゃないですか。その 10%上をいく、すごい大事だと思うんです。
この間あるパスタ屋さんへ行ったんですね。そうしたら、パスタが出てくるのがどうやら遅かったら
しいんです。僕にはあまり感じなかったんですけど。普通どのくらい待つのかわかりませんけど、10
分くらい経っても出てこなかったのかなあ。それでウエイトレスが「大変遅くなりました」ってパスタ
を持ってきました。別にそんなに遅くないけど思いながらパスタを食べ終わったら、そこのウエイトレ
スが「どうぞ」って言ってアイスを持ってきたんです。「これ頼んでないけど」って言ったら「いや、
お料理が大変遅くなりましたのでお詫びです」と。これ期待していないことなんですよ。こういう時に
人間って感動しますよね。
おもわず職業柄からか「すいません、それって誰が決めたの?」って聞いちゃったんだけど。「これ
はお客様をお待たせしましたから、私の権限でやらせてもらいました。」って言ってましたけど。すご
いですよね、やっぱり。これが本当のエンパワーですよね。権限委譲ですよね。お客様に喜んでもらう
っていうものが社員に周知されているからこそのことですね。
さっきのでんかのヤマグチさんは冷蔵庫が壊れたっていったら何をやると思います?普通の営業マ
ンはラッキーっていって冷蔵庫のカタログを持って走っていくでしょ、喜んで。それやらないんです。
何をやるかっていうと氷を持っていくんですって。これ相手の身になったらそうじゃないですか。冷蔵
庫が壊れたっていったら冷蔵庫の中身のもの腐っちゃうというのが本音ですよね。冷蔵庫の修理なんて
すぐ来るわけないんだから。そしたらまず何やるかっていったら、カタログなんかどうでもいいから、
まず氷を持っていくんです。これやられてたらきません?まさに 10%上をいくってことはそういうこと
ですよね。
これもよくお話しますけどね、この縦軸に質があるとして、仕事の質。この辺に一般社員、この辺が
課長レベル、この辺が社長レベル。一般社員が仕事をしました、ここまで仕事をした。例えば課長が見
たら「いや、お前そうじゃない。お客様はここまでやらなきゃ喜ばない。」これは課長のレベルですね。
今度はトップに見せた。トップに見せたら「いや、お前ここまでやれ。」これが役職ですよね。よく社
長こういうふうにやりましたって一般社員がいうと「お前こうじゃない、もっとこういうふうにやれ。」
って指導するけど、それって当たり前ですよね?見ている目線が全然違うわけですから。トップはどこ
の目線かっていうと顧客の目線ですよね、そうですよね?だから、一般社員が一生懸命頑張ってもここ
までだったら、これをグッとここまで引き上げるのがトップの役目ですものね。だから現場を見極めな
きゃいけないっていうのはそういうことですよね。一般社員はここまでしかわからないからここまでし
かやらないんです。一般社員が悪い訳じゃなくてだから一般社員なんです。課長はここまでの経験の中
でやるからここまで引き上げる。これからはさっき言いましたこの 10%上をいかなきゃいけないんです。
これをトップがやれるようにしなきゃいけないんです。ですから、現場に出て相手の期待の 10%上をい
く。
ここには書きませんでしたけど、10%先をいくっていうのもすごく大事ですね。我々の仕事でいえば、
こういうふうにしようと思うんだけどこういう資料作ってくれないって言われると下請けですね。社長
これからはこうですからこういうものをされたらどうでしょう?今度作ってみましたって持っていっ
たらこれは 10%先をいくんです。相手から先に頼まれるとこれは実は下請けで、こっちから提案すると
仕事の創造ですからね。ですから、10%品質の上をいくこと、かつ、相手より先に提案をする、これも
すごく大事だと思います。冷蔵庫が壊れたら氷を持っていく。すごい気遣いですね。これをぜひやりま
しょう。
5、売り上げを、「料金」から「報酬」に変えていく
なんのこっちゃって話かもしれませんけど、お金のもらい方っていうのは料金っていうのと報酬って
いう2つあるんだと思うんですね。料金っていうのは、数量の量って書くとわかりやすいと思いますけ
ど、まさに数量の量金です。報酬っていうのは相手に報いた分の対価ですね。これから 1 時間あたりい
くらっといういう仕事はどんどん単価が下がります。さっきのインターネットだってそうですよね。昔
は 3 分とか 1 分つなぐと 100 円とかいわれていたのが、つなぎ放題で 1,000 円、2,000 円ですものね。
どんどん単価が下がります。ですから、ご自身の会社の売上の構成の 1 割から 2 割は報酬を頂くってい
うふうに変えていく必要があると思います。
報酬とは相手に得させることないしは損をさせないことのどっちかですよね。商売の基本ってそうじ
ゃないですか。相手が徹底的に満足するってことですよね。信頼ってかっこいい言葉がありますが、あ
る方が「信頼の定義は?」って言ったら「不利益を与えないことだ」って言っていました、相手にね。
お前信頼しているよって、そうですよね?お前信頼しているからさあって言われたら、俺に損とか絶対
にさせないよねってことでしょ。商売に信頼関係が必要だってことは、商売していて相手に絶対損をさ
せちゃいけないですよね。誰でもやれるような料金、これは価格競争ですよね。単価が高かったら俺に
損をさせたなって相手は言うだけですから。
相手に報いたものは報酬ですから、本来の意味での報酬、いわゆる相手を得させる、相手に損させな
い、これのどちらかに売上の構成を変えていかなきゃいけないです。1 割、2 割これが社長の仕事の創
造の取っ掛かりですね。こういう仕事は競争相手がいませんから、価格はこちらで決められますね。
6、組織を「稼ぐ集団」に変身させる
あと 3 分くらいしかなくて、ぜんぜん終わんないですね。少し飛ばしましょう。
4高付加価値経営実現のために、社長がみるべき数字
数字の所は、今度別に時間を作って数字編でやりますね。ぜひ来てください。
3資金対策・銀行対策
1、銀行は、貸すことが問題じゃない、返してもらえるかが問題
そうですよね。貸したいんですよ、でも返してもらえるかわからないから貸せないんですよね。だか
ら、返せるような会社になることが一番の資金対策、当たり前ですけど。絶対に経常利益+減価償却費
でマイナスにはしない、この時期ね。
2、緊急保証枠(30 兆)、セーフティーネット(17 兆)の活用
追加融資⇒一本化⇒条件変更(リスケ)こういう順番です、やるのは。一本化っていうのは結構やり
ますよね。残り 2 年、5 年、7 年残っているのを一本化して返済を長期化する。実はリスケって返済を
止めることですけど、これ一本化するっていうのは同じ効用がありますから。リスケすると格付けは下
がりますけど、一本化しても格付け下がりませんので。今リスケしているのが日本全国で 3%らしいで
す。100 社に 3 社くらいリスケしている。今リスケってこんなこと言っていいかどうかわかりませんけ
ど、意外と簡単ですよ。
「あのー厳しいので返済止めて下さい」
「わかりました」こんな感じです。でも、
リスケすると新規の借入ができませんので、十分考慮してやって頂きたい。もちろんご相談ください。
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