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新庁応接室 - 神奈川県

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新庁応接室 - 神奈川県
第5回公契約に関する協議会議事録
審議会等名称
第5回公契約に関する協議会
開 催 日 時
平成 26 年 2 月 12 日(水)9:00~10:50
開 催 場 所
県庁新庁舎 5 階新庁応接室
出
席
者 ◎小池
(会長◎)
(副会長○)
治 横浜国立大学大学院国際社会科学研究院 教授
○小島 周一 弁護士
髙橋 俊樹 一般社団法人神奈川県ビルメンテナンス協会
理事
渡邉 一郎 一般社団法人神奈川県建設業協会 常任理事
林
克己 日本労働組合総連合会神奈川県連合会 事務局長
議事
1 課題の検討について
議事経過
1 課題の検討について
小池会長
それでは、資料1について、皆様の意見がここに反映されていると思いますが、さらに追加
すべきもの、あるいは修正すべきものがないか、ご意見をお願いします。
小島委員
資料1ですが、現状認識の部分で、(1)が工事、(2)が一般委託、ということなのです
けれども、そういうふうにまとめられているんですが、(1)の工事は、積極的な意見と消極
的な意見ということに分けて、取りまとめ案、という形で事務局の方で作成していただいてい
るのですが、一般委託の方は、これ、特に積極、消極というような評価はなく並べているのは
どういうことなのでしょうかというのが一点ですね。
それから、次の県としての対応策のところなのですが、これも(1)の工事の方は積極的な
意見、消極的な意見というように分けてあるんですが、(2)の一般委託については、とくに
そういう区分けがない、そして(3)の全体的な意見というのも、これ、積極、消極というの
を区分けしていない、この辺どういう取りまとめ案にしようとしているのか、というのが二点
目。
三点目がですね、一般委託のところの、県としての対応策に関連するのかとも思うんですが、
前回の髙橋委員から、委託の現状をいろいろ伺いまして、どうしても人件費が9割方を占める
という状況なんだけれど、仕様は全く変わらず、前年度落札額が翌年度の予定入札価格になっ
てくのがほとんどだと、かなり多いと。そこでそこのところが一定の基準を設けていただけれ
ば、というご意見も頂いているんですが、これが、この取りまとめ案の中では、何も反映され
ていないというのは、どういうことなのかなと。
特に現状認識のところでは、やっぱり実際にそのような状況にあるということは、取りまと
- 1 -
めに入れなければ、スタートラインとしての重要な事実ではないかと思いますし、それからや
はり、実際に委託の事業を行っておられる委員からの、ある程度の基準を作っていただければ
というご意見、そしてしかも業界が作ってしまうと、業界エゴという誤解に基づく批判もあり
うるので、むしろ第三者の立場で作っていただければというご意見も頂いているんですが、こ
の辺のところが全く取りまとめに入っていないのは、どういうことなのかと、その点について
伺いたいと思います。
小池会長
今三点ほど出ましたので、事務局お願いします。
調達課長
一般委託について、現状認識のところと対応策のところ、ともに積極・消極という整理がさ
れていないということが、一点目と二点目のお話だと思うんですけれども、今まで頂いたご意
見については、一般委託については工事のように積極・消極に分かれるというよりは、むしろ、
今ご指摘ありましたけれど、そもそも積算のルールがきちんとしていない、まずその所からし
っかり行政としてしていかなければいけない、というような点については、ほぼ共通した意見
としていただいているのかなというふうに認識をさしていただいて、特に積極・消極というよ
うに対立しているような受け止めをする必要はないのかなということで、一括して委託につい
ての賃金の実態あるいは対応策について、こういった形で整理をさせていただいた、いうこと
でございます。
それから、三点目の前回いただいた重要な意見について記載がないんではないだろうかとい
うことなんですが、前年度の落札価格が予定価格になってしまうというようなケースについて
は、1ページ目の一般委託の②の積算についてのひと丸目のところで触れさせていただいてお
りまして、ここではそもそも統一的な積算単価や積算基準がないということ、それと、前年度
の落札価格が予定価格となっているというようなケースをこの前ご意見いただいた部分をこの
中で盛り込ませていただいた。そして、対応策のところの3ページの(2)の一般委託のとこ
ろでですね、このふた丸書いてありますけれど、まず実態としてそうした基準類がないという
ことと、そして、行政としてはまず、適正な仕様、積算基準、積算単価に基づく入札を行うべ
きであるというこういったご意見を頂戴したと、こういった形で整理はさせていただいたとい
うことでございます。
小池会長
そういった事務局からの回答ですが小島委員よろしいでしょうか。
小島委員
率直に言うとあまりよろしくないんですが、いずれにしても、ここのところは後の議論にな
るのかなと思っております。
小池会長
少なくとも一般委託に関しては、工事のような積極、消極というような分け方でなくて、私
- 2 -
なりに解釈すると、消極的意見はないと、現状これでいいとは思っていないということで、こ
のようにここに指摘をしたと。具体的な数字は入っていませんけれども、現状では、まずいん
ではないかということはここに盛り込まれているということだと思います。
小島委員
座長のお話に関連して、ですから、一般委託に関しての私の理解としてはですね、かなり最
低賃金に近いところに張り付いてしまっている業種だとか、分野が多いということと、それは
とりまとめでも盛り込んでいただいているということですが、それは、落札価格が次の入札の
予定価格になるようなことを止める具体的な根拠がないということから、どうしても結果とし
て、競争入札の結果としてそういうふうに張り付いていくと。それについては、業界の実態を
よく知る委員からもむしろその点は一定の基準をたてていただきたいという要望が出ていたわ
けで、入札の仕方とか、積算の仕方とかを検討すれば、直ちに改善されるというようなことで
はないという問題として出されていたんではないかという理解なんですね。
ですから、この取りまとめが全体として積算の仕方とか、入札とかそういったところだけで
取りまとめられているような印象を受けましたから、その点、そういう議論に終始したという
訳ではないのではないか、今座長がおっしゃったように少なくとも委託に関してはむしろ公契
約条例の課題との関連に関しては特に消極というような意見は出ていないんではないかという
のが私の意見です。
小池会長
他にどうでしょうか。
渡邉委員
今日は資料を用意させていただきました。
小池会長
皆さんのお手元にもありますでしょうか。建設業における公契約条例導入に伴う意見メモと
いう渡邊委員からの資料。では、これについてよろしくお願いします。
渡邉委員
協議会に求められた意見ということでですね「現在の社会状況、賃金実態の分析」、「賃金
実態に関する対応策」「公契約条例に関する課題」についてということで、まずは「現在の社
会状況、賃金実態の分析」についてですが、建設産業を取り巻く現在の社会状況は、公共投資
の増額措置に加え、政府の経済対策の効果による緩やかな景気回復の効果などもあってですね、
民間の設備投資なども増加傾向にあることなどから、受注環境は改善されるつつありますが、
労務費や一部資材費の高騰などもあり、建設産業を取り巻く経営環境は、依然厳しさが続いて
おります。
賃金実態等は県から提出された調査結果がサンプル数が少ないこともあり、また、実態が正
確に反映されていないように思えるんです。
というのはですね、私も仕事をやっていましてですね、下請けさんには今まで以上に払って
- 3 -
おりますし、県の実態調査の結果の賃金は、設計労務単価と県の実態調査の方法の相違などを
勘案すれば、おおむね妥当な賃金が支払われていると思っております。
設計労務単価は、未習熟者などが調査対象から除外されておりますが、実態調査には含まれ
ていること、また設計労務単価は基準内単価が含まれていますが、実態調査には含まれていな
いということなんです。これはそうですよね。そのようになってますよね。
また、昨年10月に実施されました平成25年度の公共事業労務費調査においてですね、賃
金の実勢価格が調査時点の設計労務単価を上回っていたことから、国においても2月1日付け
で設計労務単価を7.1%、これは全国平均なんですけれども増額に改定したところであり、
このように国の公共事業労務費調査においてもですね、賃金の実勢価格が設計労務単価を上回
っていたことが裏づけられております。
なお、技能労働者の賃金が低下している主な要因は、国や他の多くの自治体が過度な競争を
強いる入札制度がですね、受注者の労務費を圧迫し、結果として技能労働者の賃金の低下を招
き、公共事業労務費調査に反映したことが、設計労務単価の減少につながったものと認識して
おります。
要するに、工事費は上がっておりますけれども、我々の業界も最低制限価格のアップ等をお
願いしているところでして、いわゆる競争する中では、自治体によっては底なしの自治体もあ
りますし、そういう意味では、入札制度にちょっと問題があるかと。
この公契約条例でですね、一番関係する業種はですね、建設というと土木と建築があるんで
すけれど、建築の場合はこの部屋をごらんになってですね、照明、天井、クロス材、最後のと
ころは全部人の手なんです。
土木の場合は、例えば最後に舗装する場合でも機械でバーッとやっちゃいますから、いわゆ
る人手の部分が建築の方が圧倒的に多いです。
建築物というのは建物の基礎以外は人の手に頼ることが多いですし、やはり建築工事の部分
に、この公契約条例というのは大変に影響しているかなと考えておるんです。
次のページにいきまして、賃金実態の課題に対する対応策についてですね。賃金実態に対す
る対応策は、技能労働者の賃金低下の最大の要因である設計労務単価の減少を解消することが
最も重要な改善策と認識しております。設計労務単価の算定方法の改善と過度な価格競争を強
いる入札制度の改善に向け、国や他の多くの自治体に改善を求めていくことが最も求められて
いる対策と考えております。これは業界でもやっております。
また、建設業はですね、売上高営業利益率が全産業平均の半分程度で推移していることや倒
産件数が全産業の中で最多であることも明白としており、厳しい経営環境の中においても負担
すべきものは負担してきております。
これは、会長どういうことかというとですね、要するにですね。払うものは払わないとです
ね、仕事が進んでいかないというものなんです。要するに、今は、こう賃金が上がっています
と、下請けに行けば下請けにいくほど、強い、一次、二次、三次の方が高いことを言ってくる
んです。それを、元請けとして赤字しょってでも支払わないとですね、仕事が完成しない、ま
た、元請けとして生きていくにはですね。下請けにきちっと支払をしないと、下請けがついて
きませんから、仕事そのものが出来なくなるという実態もありますので、これは、どこの元請
けさんもですね、それは下請けさんと折衝しながら100%とは言いませんけれども、95%
くらいの満足度でですね、私は今、賃金については支払っていると思っております。それも、
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役所の単価以上のものを払っていると思っております。これとあわせて、民間の発注者にも労
務費を適切に確保するよう働きかけていくことも必要と思っております。
また、公契約条例に関する課題についてですね、いろいろ羅列しましたけれども、中段部分
のですね、元請けが下請けの部分も含めて賃金の支払状況を管理することとなり、膨大な事務
量が発生すると書いてあるんですけれど、例えば1億円の工事でですね、公共工事の場合はで
すね、だいたい現場管理費というのは6%なんです。そうすると600万円位の現場管理費な
んですけれども、現場管理費には現場内の事務料とかですね、固定費、租税公課などもありま
して、大体600万のうち、現場監督の人件費というのは400万位になってるんです。そう
しますと、10か月で400万の人件費ではですね、事実上負担が多くなりまして、なかなか
事務には対応できない。また、そういうことも変えていかないとですね、なかなか導入という
ことは難しいと考えております。
また、県だけがこういう条例を作ってもですね、県内の建設の発注量というのは神奈川県の
場合はだいたい2~3%ですんで、適用される労働者は極めて少数であることに加えてですね、
国などは、賃金その他労働条件は、関係当事者の労使間で合意されるべきものであり、法令違
反の場合を除き、政府が介入するのは不適当との姿勢もあることに加えて、県内発注工事の案
件の4分の3を占める民間発注者が、自らそういった形のものを作って、自らの経営状況に基
づき発注額を決定するものであるので、県の公契約条例の導入が他の大多数の発注者に対して
先導的な役割を果たすことは考えられない。
まあ、民間についてはですね、自由な価格競争でありますから、発注も価格競争ですから、
神奈川県がですね、全体の3%のパイでこういうきまりを作っても、なかなか実情としては難
しいのではなかろうかと、考えております。
また、最後のページの総括的な意見といたしまして、本協議会の議論は、先行している自治
体もあり、本県においてもですね、公契約条例の導入が可能との前提の議論ですが、前述のと
おり適切ではないと考えております。
また、今日の若年労働者不足が、将来の建設産業の存続自体を危うくするものと勘案すれば
ですね、技能労働者の賃金も含めた労働条件の改善は、重要な課題と認識しております。民間
発注工事案件も含めですね、技能労働者の労働条件の改善に資する策を関係部門においてさら
に検討すべきものと考えており、私としては、当面、国において検討されております多様な入
札契約方式の検討状況を見守りたいと考えております。
提言案を取りまとめるということでありますなら、議論を踏まえて一本化することは困難と
思いますので、それぞれの意見をですね、並列して報告していただきたいと。まあ、要綱の2
条にもですね、意見を求めることとなっていますので、それを取りまとめて方向性を持ってい
く委員会ではないと私は認識しているんです。以上なんですけれど。
小池会長
一番最後の点については、取りまとめるというのは、別に一本化するという意味ではなくて、
皆さんのご意見をまとめるということですので、決して一本化するというような気持ちはあり
ませんので、その辺はご心配なく、と言っておきます。
今、渡邉委員の方から、メモということで、これまでおっしゃられたことに大体沿った話か
なと思いますが、具体的なことも書かれていて、より詳しくお話しされたのかなと思います。
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順番からいいますと、公契約条例にする課題については、ちょっと後回しにして、今、1、
2のところをやっていますので、先ほどの資料1のところについて、まず、どのような現状認
識、あるいは県としての対応策について、このような意見のまとめ方で、一本化ではなくて積
極、消極となっていますし、一般委託の方は消極はないのですけれど、これについて意見をま
とめようかなと思うんですけれど、これについて、もう少しご意見があれば、不足していると
ころとかありましたらお願いします。
林委員
私の方も、今日、資料を用意させていただいたので、渡邊委員がお話されたところとも被る
ので、そこは端折りながら、協議会のまとめにあたっての整理メモというタイトルをつけさせ
ていただいたのですけれど、まとめ方にも関わるところでいきますと、まず、各論点に対する
整理、今日一定程度、要旨という形で出していただいているんですけれど。一致しているとこ
ろと一致していないところをはっきりすべきかなと感じています、まとめ方として。ですから、
今日、出していただいた資料1でいくと、とりわけ工事の方は、積極的な意見と消極的な意見
とに分けられているのは、まあ、そういう分け方もあるんだろうなという認識はありますけれ
ど、一致していることがよくわからないというふうに思っていまして、まとめにあたっては、
まず、一致していることをしっかりまとめていかないといけないかなと思っています。
その中でいきますと、私が書いたペーパーの論点1でいくと、現状認識について一致してい
るところはどこにあるんだということを、まず確認したいと思っていまして、渡邊委員のご説
明にあったところと被りますが、添付で昨年の 3 月の公共工事設計労務単価が平均で15.
1%改定された時の資料、国交省の資料でありますが、パワーポイントの資料を参考にお持ち
しました。
この中の要旨は、さっき渡邊委員が説明されたことも全部入っておりまして、私が確認した
いのは、例えばこの資料の1枚目の右上にある基本認識のところで、長引く労働条件の悪化、
若年層の減少といった課題があって、建設投資の減少によるダンピング受注の激化と、下請へ
のしわよせによって、技能労働者の賃金が低下しているとか、こういうことが縷々まとめられ
ているんですね、国として。
全部はお話しませんが、労働者の賃金がどうなっているかとか、パラパラっとめくっていた
だければいいんですが、労働者も減っているだとか、社会保険に加入しているところが少ない
ので課題があるとかということがまとめられています。
それで、このことに対しては、現状認識として、まず、協議会としてはこういう認識に対し
一致していますかという確認が必要だと思っているので、そういった意味でつけさせていただ
きました。
これは、先ほど渡邊委員が説明されたところともほぼ重複する、現状実態に対するその認識
をよく表していると思いますし、関連する新聞記事をその後につけさせていただいていまして、
これも昨今の建設業の人手不足の問題だとか、東京五輪の話だとかを踏まえて色々な形で取り
上げられているので、これは皆様も見ておられると思いますので全部説明はしませんけれども、
ここに色々な現場の実態だとか、働く人の賃金がこういうレベルに落ちているとかということ
も、大きな見出しでいえば、増える工事減る若手職人とかという、取り上げ方の問題はありま
すが、そういった問題だとか、私はちょっと知らなかったのですが、次のページに、これは歩
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切りというんですかね、歩切りという問題が起きていて、そういうことに対する手当てもちゃ
んと国としてもやっていくということとか、最後の新聞記事は、先ほどご説明のあった、この
2月から7.1%上げるよということに対する新聞記事がありました。
それと、もう一つ付けているチャートが、先ほど県からもご説明があった、この2月から公
共工事設計労務単価を7.1%上げていきますよというところの資料で、こういった事柄に対
する現状認識というのが、この協議会として、共通の認識として持たなければいけないと思っ
ていますので、そのことの確認をしていただくということと、このまとめ方のスタイルは、消
極的な意見とか積極的な意見とか慎重な意見というまとめ方だけではなくて、工事というのは、
例えばこういう状況にあるんだという現状認識を、ちゃんと、まとめていただくべきかなと思
っていますし、委託も先ほどそういった選り分けがないというのであれば現状認識としてこう
いう実態に委託はあるというまとめ方を是非していくべきではないかなということが一点です。
それと、もう一つは、私のペーパーの頭のページに戻って欲しいんですけれど、論点の2の
ところでいくと、前回までも含めて、公契約に関わる労働者の賃金実態のお話が色々な意見、
今日も積極的な意見とか消極的な意見で分かれている部分がありますけれど、先ほどご説明し
たように、設計労務単価が、この 2 月のものはまだこれからなんですけれども、ご説明があっ
たように23%位ですか、平成 24 年に比べれば上がってきているという事実と、そのことを
踏まえて賃金改善が図られているんですかという評価をしなければいけないと思っています。
このことは、因子の中に入れておいてもらわなければいけないかなと思っています。賃金実
態を評価するときにあたっては、こういう観点で見なければいけないということが一つ。
それと、渡邊委員のご意見にもありましたけれど、今回の賃金実態調査は、一定程度解るん
ですけれど、やはりサンプルが少ないだとか、先ほど言ったような課題もありますので、私は、
少なくともこの協議会で認識を一にしなければいけないのは、賃金実態調査の継続というのは
必要なんだということ。また、賃金実態調査の仕方も含めて、先ほど指摘のあったようなこと
もあったと思うので、正しい評価をするために、どういう賃金実態調査をやるべきか、母数は
どの位あるべきかということも含めて、調査の仕方も含めてですね、やらなければいけないと
思いますが、賃金実態調査を引き続きやっていくことが必要なんだと、で、それは何でかとい
ったら、国交省もこういう風に設計労務単価を改定していったりしているので、その改善が図
られているかというメジャーになるためにこれが必要だということが、確認したい二つ目です。
それと、最後の方の話に関わってきてしまうと思うんですけれど、もう一つ、下に書いてあ
りますのが、まとめのストーリーというのをどういう形にするかということでいきますと、私
の案は、現状ということでは、前回、県の方から、工事だとか委託とかの平均落札率の推移、
併せて不調もどの位出ているかということもご報告をいただきました。これは、一つ事実とし
て、神奈川県における公契約の状態はこうなっているという事実の一つだと思っています。
そういうことも踏まえて2のところに書いてあるのは、公契約に関する課題点として、先ほ
ど一致している意見をまとめていったら、こうなるんではないかなという風に私なりに書いて
いったところが、この4項目です。
まず、一つ目は資材とか人件費は高騰しており、それと伴って予定価格が未反映だったり反
映が遅いということがあって企業の経営を圧迫しているということが、一つあるのではないか
と思います。
二つ目が、慢性的な人材不足というのは、やはりどうしてもあって、やはり魅力ある産業と
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しての労働力の確保は不可欠ということが課題として上がっているのではないかということ。
三つ目に、先ほどのまとめの中にも入っていましたように、前年実績が予定価格となる実態
があるということで、とりわけ委託については積算基準がないということが出ているというこ
と。
四つ目に、入札価格によっても影響される労働者の賃金という構造はあると。設計労務単価
の改定と、まだ、先ほど言ったように賃金改定7.1%の部分は分かりませんけれど、引き続
き賃金実態をしながら評価しなければいけませんが、まだまだ道半ばで、取組みは進められて
いるでしょうけれど進んでいないということでしょうし、一方で、神奈川県においては3市が
導入しているということがあるから、導入されているところと導入していない神奈川県の格差
という問題も出てきているということ。
⑤は他にもあると思いますけれど、一致していることを並べていけば、そのようなことを整
理しなければいけないと思っています。
で、最後、この協議会として何をまとめるんですかというところでいったときに、何らかの
改善をしていかなければならないということは一致できるのではないでしょうか。このまま、
放置しておいていいんですかと言ったら、そうではない。入札の課題もあるでしょうし、賃金
の改善というところもあるでしょうけれども、報告としてまとめるとしたら、何らかの改善は
引き続き必要なんだということについては、まとめられるんではないかなという風に思ってい
ます。これは、一つのまとめ方のストーリーとしての提案という形になりますが、是非、今日
のこの後の議論も含めていくと、一致しているところと一致していないところというのを、ち
ゃんと分けて、一致しているところのまとめ方というところを是非いただきたいし、私の方の
意見は、私の方のペーパーでいう論点1と論点2ということについては一致ができる点として
確認をさせていただきたいと思っています。
小池会長
今の林委員のメモにありますように、私は渡邉委員もですね、全てが消極的だということで
はなく、改善がほしいという部分も当然含まれているので、改善が必要だという点については、
この協議会としては意見がまとまったと思うのですね。
また、今、非常によくまとめていただいたのですけれども、この林委員の資料の論点1、論
点2についてもですね、例えば論点2の労働者の賃金実態調査ですが、サンプル数が少ないか
ら継続調査が必要だということについても、私たちはたぶん一致をしているのかなと思います。
このまとめ方は非常にいいのではないかと思うのですが、一点だけ、今いただいた資料のと
ころに書いてあったことで、この協議会で議論していなかったことがあった気がするのですけ
れども、歩切りというのですか。
林委員
私もこれは実態がわからないので、事務局に教えていただきたいと思っていたところです。
小池会長
前回の委託の場合のような前回の落札価格をスタートラインにする、というのとは別の話で
すよね。どういうことなのか説明してください。
- 8 -
県土整備局事業管理部長
工事の場合で例を出しますと、設計金額が 100 だといたします。その 100 で予定価格をつく
ります。予定価格をつくるときに、100 に対して一定の 0.9 とか 0.8 とか 0.99 とか数字を掛
けるわけですけれど、それを極端に割り落とすことを歩切りというのですね。設計金額が 100
なのに、コンマ 8 をかけると予定価格が 80 になってしまう。そうすると、過度な設計金額の
圧縮になってしまうので、それが問題視されているのです。
今回の賃金の改定に関する通知の中にもあるのですけれど、国土交通省と総務省の連名で、
歩切りを厳に慎むようにという通知が改めて出されており、この通知は頻繁に出るのですけれ
ども、改めて通知されたということです。ちなみに本県では、少なくとも工事では過度な歩切
りは一切行っていないということです。
小池会長
工事においては、という限定が気になるんですけれど。
私の理解が間違っていたら指摘していただきたいのですけれど、県の場合も予算が厳しいの
で、一律例えば 5%カットとか 10%カットとかあるときに、それをそのまま歩切りというかた
ちで設計単価に反映させるということではないんですか。
調達課長
委託についてご心配されていましたけれども、予算立てをするときと歩切りの段階とは全く
違う段階でして、予算については、それぞれの担当部署が、ルールは統一されておりませんけ
れど、それぞれ様々な資料を用いて積算をして適正な価格として予算の確保をしていくという
第一段階であり、予定価格については、最終的に執行権者が今お話にあったような形で事故防
止のような点も含めながら予定価格の最終決定をするというところです。
ですから、予定価格の決定のところで、大きな、今 8 掛けという話がございましたが、そう
いうような形で予定価格を切り落としていくというようなことは委託業務においても行われて
おりません。
県土整備局事業管理部長
誤解がないよう、ご参考までに、本県の工事においても設計価格イコール予定価格ではない
ということです。一定の指数をかけて設計価格イコール予定価格にはならないようにしていま
す。何故ならば、設計図書は決裁をいたします、すなわち複数の職員の目にとまるわけですね。
ということで事故防止の観点から、設計金額に一定の割落しをして予定価格を設定しているこ
とは、本県においてもあります。
ただし、設計が 100 に対して 0.8 とか、そういった過度な割落しはしていない、ということ
です。今、調達課長が説明したように、あくまでも事故防止の観点から予定価格は設計金額と
イコールにはしていないということでございます。
小池会長
行政の用語で事故防止がどういう観点かよくわからないんですけれども。
- 9 -
会計局長
結論からいうと本県において歩切りはありません。そして、今言っている話とは別で、予定
価格を決めるのは執行権者一人だけなのですね。例えば土木事務所の所長さんとか、県の役職
の方。これは、予定価格や最低制限価格が漏れてしまうと大きな事故になります。収賄である
とか談合であるとか。これは各団体で過去に色々な事故がありましたので、それを防ぐ意味で
執行権者しか知らないという形にしています。その調整を、設計金額は積み重ねで工事の価格
は固まってきますので、それと若干調整して、要するに執行権者以外はわからない調整をして
いると。ですから、歩切りとはまったく別のものですので、いま言っている事故防止とはそう
いう意味です。ですから、本県において歩切り、新聞では市町村でやっているところもあるよ
うな書き方されていますけれど、そういうものは一切ない、とご理解いただきたい。
渡邉委員
最後のですね、「歩切りをめぐっては、24 日に開かれた全国中小建設業協会の理事会でも、
一律に設計金額から 1%を控除したり、最大で 20%を減額するなど、市町村レベルで恒常的に
歩切りが行われている実態が報告されている。」という文章があるのですけれど、神奈川県内
はそういったことはないと思います。地方の町とか村へいくと、トップの権限で 5%切れとか
10%切れとかいう実例はあるようです。私も聞いた話ですから。私からするとこの記事は信じ
られないくらいです。神奈川県はこういったことはありませんから。だから、地方へいくとこ
ういったことがあるのだな、という認識です。
小池会長
あってはならない話だと思いますけれど。では、いま林委員のこのメモ、渡邉委員のメモを
踏まえまして、公契約条例は後にして、1と2の論点についてさらに追加の意見とか修正とか
ありましたらお願いします。
渡邉委員
例えば、委託の場合はどこの発注者も最低制限価格低いですよね。
髙橋委員
最低制限価格は、神奈川県は 80%です。川崎が 75%、今年から横浜が 75%、今年度から変
わったのですけれど、それまで 3 分の 2 でした。それもありますが、積算については国土交通
省が出している建物保全の労務単価があります。そちらには建築とか土木と違って清掃員AB
Cとか出てるんですけれども、基準は発表されているものなんですけれども、県内でそれに基
づいて積算しているところは少ないですね、清掃とかについては。屋外清掃という形で機械を
使う道路清掃とか、駅の周りの道路とか、そういうところは国土交通省の積算基準を使われて
いるので単価的にははっきりしているのですが、如何せん建物清掃だけについては基準が明確
ではないので、建物保全の労務単価を使っていただければ一番わかりやすいのですけれども、
それは使われていないので。ほとんどが業者さん何社かから見積をとって予算化されているパ
ターンが多いので、非常に低いというか、さらにその中で低いもの同士で組み合わせて予算を
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立てたりする場合もあるので、実際には読めない部分が多々ありますので、如何せん基準とう
いか、そこを明確化しないと、ちょっと難しいですね。
渡邉委員
仕事を受注するためには、予定価格の範囲内にはいらないといけない。ただ、競争性がある
ということは最低制限価格ぎりぎりのところに数字をもっていくと。今うちの業界でお願いし
ていることは 100 分の 92 以上とか 95 位にしてくださいというお願いはしているのですけれど。
ただ、予定価格と最低制限価格の差が狭くなれば、公契約の議論をすることもありませんし、
下請にも流れていくと思うのです。ただ今のように物価が上昇している時期は、我々は利益を
削ってでもですね、下請のいう価格を払わないと我々自身の会社の存亡にかかわってきますの
で、そういうことはしていません。だから委託のほうもある程度最低制限価格が上がってくれ
ば自然に解消されるような気がします。
小池委員
最初に小島委員が言われた話ですよね。
小島委員
そうですね。最低制限価格を上げれば全部解消するかは、また別の論点ですから、そこは別
として。ただ、今、少なくとも委託に関してはほとんど最低賃金に張り付いちゃってるような
状況での受注、しかもそれで 8 時間働かせるわけにもいかない金額になっちゃってるから 6.5
時間とか、時給的にはこれ以上下げられないので、働く時間を減らすというようなことも現実
に起きているというこの現状は、まずスタートラインとして、少なくとも委託に関しては一致
できるんではないかと理解しています。
林委員
私のメモにもちょっと書いてあるのですが、平均落札率の推移があって、不調もあって、素
人ですから言い方が不適切かもしれませんが、結果、落札率が 90%くらいの水準になってく
るようなイメージを持てば、色んな形の改善は手立てとして考えられるということになってく
ると思うんですね。今の落札率、入札条件、最低制限価格の状態で、公契約の話をすると、意
見の相違はありますけれども、そういった課題を含んでしまう要因が出てくるけれども、例え
ば 90%位の落札率というところに落ち着くっていう前提の今の水準から変わってくるという
ことから踏まえていったら、公契約条例だって可能になってくるでしょうし、違うところの改
善も進んでいくというようなイメージがあると思っています。
髙橋委員
ただ、委託の場合ですけれど、実情からいくと、神奈川県が実際そうだったんですけれど、
神奈川県は最低制限価格率が 80%になったときに予算が下がったんですよ。だから落札金額
も落ちてるので、結局なんにも変わらなかったという実情がある。だからこそ、そこで必要な
のは適正な仕様と積算基準になります。
- 11 -
林委員
委託はそうですよね。工事はさっき言った労務単価とかがあって、その予定価格とかは必ず
予算化されていると思うのですけれどね。委託はそこの積算がないから前年度実績に対して
何%アップとか位の範囲でしか予算が確保されない。
小池会長
歩切りはないというはなしだけれども、予算がカットされる、ということはあるわけですよ
ね。仕事の中身は変わらないけれども予算はカットされる。
小島委員
先ほど予定価格を委託の場合で検討するときに数社から見積りを取って、そこからどうする
かは県の担当の方が検討するという話でしたけれども、前回の髙橋委員の話を伺うと、やはり
委託の方は人件費割合が大体 9 割位という話ですから、そうするとほとんそダイレクトに、予
算が下がるということが現場で働く方の人件費にまわせるお金に影響してくるというのが現状
であるということになる。
髙橋委員
当然、社会保険料含めて法的なものは毎年上がっていますので、それで、仕様が変わらず予
算が下がるのはおかしいですよねという話になるのですが。
小池会長
何故、仕様を変えないで予算を下げるのですかね。まぁ、県にお金がないから。
髙橋委員
市でも同じなのですけれどね。
小池会長
事務局に聞いても答えにくいかもしれませんけれど。
小島委員
現状認識にかかわると思うので、工事に関して、委託に関して、特に委託の方、外注をする
ことで、民間の力を借りるということで、合理的でかつ効率的な仕事、しかも、まあ言葉悪い
ですけれど無駄な支出をできるだけ絞っていくという目的というのは当初もちろんあったと思
いますし、それが機能していた時期というのもあったと思うのですよね。それが一定の時期を
過ぎると、その下の部分を支える仕組みがない中でずっと来てしまったものですから、現状と
して行き着くところまで行ってしまった。そもそも委託の関係で不調件数が非常に多いとか、
そもそも応札なしが出ているということも含めると、そこら辺、改善を考える時期に来ている
というのが現状認識として一つあるのかなと理解しています。
渡邉委員
- 12 -
ただ、小島先生、不調が多いことに対する考え方なのですけれど、委託も工事も必ずしも予
算が合わなくて不調になるということが全部が全部じゃないと思うのですよ。
小島委員
それについては、前回お話いただいているので私も理解しているつもりです。
小池会長
いかがでしょうか、現状のところはこのような感じでしょうか。
小島委員
今日配っていただいた資料3の国土交通省からの通知ですが、「設計労務単価を引き上げて
それが若年層の建設業への入職ができるだけ促進されるように努力をされたい」という1月
30 日付けの通知の現状認識と渡邉委員のおっしゃった現状認識とが若干ずれているのかなと
いう理解がありまして。
というのは、「下請取引等実態調査で労働者の賃金を引き上げた企業は7月時点で、これは
国交省の調査ですけれど、まだ3割ちょっと3分の1強に留まるという現状認識」だとか、3
ページの適正な価格による契約の推進というところで、「近年のダンピング受注による下請企
業へのしわ寄せが、技能労働者の賃金水準の低下や社会保険等への未加入といった処遇悪化を
招き、これが若年労働者の確保に大きな支障となっている事態を改善するためには」というこ
の辺り、国土交通省の認識としては、現状この間、設計労務単価を昨年も上げた訳ですけれど、
なかなか若年労働者が入職しようというようなところまでの現場の働く方の賃金の改善、ある
いは下請、孫請等の企業の労働者への賃金水準への改善ということに結びついていない、むし
ろ低下している現状もあるんだという認識をしているように、私としては理解していてですね、
この辺ちょっと渡邉委員がおっしゃっている、いやむしろ現場では二次三次の方がたくさん払
わないと工事をやってもらえないんだという認識とずれているのかなと。
渡邉委員
賃金というのは、恐らく5年位前から直近の去年あたりのことだと思うのですけれど、自分
が申し上げているのは、いま現状のこと、去年の夏位から現在までのことなのですけれど、去
年の 12 月位に新聞に出ましたけれど、大手ゼネコンも利益の下方修正しましたよね、資材と
か運賃が上がっているということで。いま私どもの仕事やって一番厳しいのはですね、昨年の
前半に契約した仕事がいままさに竣工の時期なのですけれど、これが当初の見積よりも相当多
めに下請に払っています。こういった実態もあるので。ただ、近年のダンピング受注っていう
表現がですね、民間工事等も含めたものであれば、こういったことはあると思いますけれど、
神奈川県のように最低制限価格を決めているということは、最低制限価格以下では受注できな
いということですから、これはある面、広い意味で適正な価格で受けているということになり
ますからね。ただ、いま現在は下請にいくほど、二次三次にいくほど強い立場なのは事実なの
です。
小池会長
- 13 -
ここのところは競争が厳しくなっていますので、そういったことはあるのかもしれません。
国土交通省は全国的な情勢を捉えてこのような通知を出しているわけでしょうから、全国的に
はこういう状態があるということなのでしょうね。
これは私の感想なのですけれど、国土交通省の通知というのは、非常に率直なことが書いて
あって、要するにこれは国土交通省が発注する工事だけでなくて、全国の地方自治体にもこの
ような方針で臨むべしというような主旨のもですよね。
事務局
おっしゃるとおりです。
小池会長
もちろん地方自治でありますので、これはあくまでも国土交通省からのそういうご意見とい
うことだと思うのですけれど。このなかで最後の4の適正な価格による契約の推進というなか
に、持続可能性を確保できる、というふうに書いてあるところが、私は結構いい表現だなと思
って、最近この持続可能性という言葉がよく言われているのですよね。これは先ほどの渡邉委
員のメモにもありますけれども、若い方がちゃんと意欲をもって働き続けられると、そういう
環境を作る必要があるということですよね。
渡邉委員
これは大手も地元業者も含めてですね、非常に建設業の将来に対して危機感持っていますよ
ね。若い人が入ってこないということになりますと、なぜ入らないのだということになる。や
はり賃金の問題もありますし、また世の中の目ですよね、我々建設作業員を見る目。これは素
晴らしいことをやっていると思うのですけれど、それ以外にももっと安直に同じような賃金を
稼ぐような仕事があるということも現実ですし、やはり建設技術者、技能者のステータスを上
げるようなことを我々もしなければいけないとは思っておるんです。それを業界全体、各社が
考えていると思います。
それで先ほどから申し上げておりますように、特に小島委員には理解してもらいたいのです
けれど、我々元請は下請けにきちんと支払いを行わなければ存続できないということなんです
よ。これがやはり、世の中の誤解を受けているような感じがするのです。きちんと下請とやら
ないと次が来ませんから。それが非常に大事だと思います。
小池会長
渡邉委員のところはそのようなポリシーでやってらっしゃると信じておりますけれども、全
国的一律的に見ると、ここに書かれているような状況も存在することも確かなのだと思うので
すよね。
渡邉委員
大半はそういうふうに思っていると思います。
小島委員
- 14 -
渡邉委員のお話しの部分を全然信じていないとか、そうではないだろうと言っている訳では
ありませんので。
渡邉委員
やはり、下請から見て満足できないのは、我々が競争にあるからなのです。自分がきちんと
払っていると思っても、下請さんはわかりません。例えば、5%まけろとか長い付き合いだか
ら10%まけろという交渉はあります。けれど合意したものについてはきちんと払いますから。
それが当事者同士で満足いかないということもありますから。ただし、乱暴なことはできませ
ん。
小池会長
いま若い方が建設労働のほうになかなか入ってこない現状があるというのは、私も大切なこ
とだと思うのですよね。私はもちろん賃金も含めた労働条件とか労働環境というものも改善し
なければいけないと思うのですけれど、個人的な感想なのですけれど、特に 3.11 以降こうい
った現状がだいぶ変わって、建設業の方々はいざ自然災害のときには率先して地域の住民の皆
様方と安全のために活動するんだということで、地方自治体と防災協定を結ぶところが増えて
いますよね。また、横浜でしたか、結んでいると入札の時に一つのインセンティブになるとい
うような、そういう点では、準公務員というと言いすぎかもしれませんけれど、公共の重要な
役割を果たしていると、そういう位置付けはあっていいと思うのですよね。というか、そうす
べきだと思うのですけれど、そういう観点から発注者側と受注者側との関係というのもやはり
考えていく必要があるかなと、そういうときに胸を張って地域に貢献しているのだということ
で、また働く方も働く喜びを実感できるような、そういった業界に私たちが見ていかなくては
ならないと思うのですね、周りの見る目が変わってきているのではないかなと思うのですけれ
どね。それでは、それにあった条件が整ってきているかというと、労働条件の方はむしろ厳し
いという状況なのかなと。ちょっと余計なことを申し上げました。
ではこの現状のところ、県の対応のところについては大体このような意見がほぼ皆さん方か
ら出たということで、別に一本化するということではなくて、このような意見だということで、
これで意見書のほうはまとめさせていただこうと思います。もちろん後で変えてもいいのです
けれど。
それでは公契約条例の資料の2のほうですね。先ほど渡辺委員のメモにも、また林委員のメ
モにも公契約条例に関することがありましたので、それを含めて、資料2のこのようなまとめ
方でよろしいかどうか、ご意見をいただきたいと思います。
小島委員
資料1の要旨と資料2の委員意見とが、元々この協議会の目的に関連して、3の公契約条例
の課題ということでこの資料2を別途とりまとめられたのかなとは思うのですが、何となくど
ういう関連なのかが理解しにくくてですね。
私としては工事の関係に関してはまだ色々な意見がある現状ですから一致できるところ、そ
うでないところを先ほどの林委員の話のように整理していく。そして今後賃金実態調査をして
いくといった課題があるということで一致できる部分についてあればですね、とりまとめてい
- 15 -
くということでそれはいいんですが、私としては、少なくとも委託に関しては、そこで働いて
いる方の最低の報酬下限額が決まれば、そのことを勘案した発注の予定価格というのも決めら
れていくことになるはずだと理解していますので、現に川崎市の場合、前回の髙橋委員の話で
すと 907 円という、最低賃金から非常に多いというところまでは言えませんけれども、最低賃
金よりも上がったところでの価格ということが決まって、それをベースとした予定価格が恐ら
く算定されているのだろうと思うのですけれども、そのような形で、むしろ具体的な検討をす
べきだということを取りまとめられるのではないかと、前回までの話を聞いて思ったので、ち
ょっとこの公契約条例ということで工事と委託を全部ひっくるめてまとめるということになる
と資料2のようなまとめ方ということもあるのかも知れないのですが、そこをちょっと切り分
けて考えるということもあり得るのかなという風に思うのです。
小池会長
事務局にお聞きしたいのですが、資料2は特に工事と委託に分かれていないのですけれども。
調達課長
特にこちらでは分けていないで、今までの議論の中でいただいた意見をある程度項目別に整
理したものということです。
小池会長
ただ、さっと見ますと、委託というのがこの中にあまり含まれているように見えないのです
けれど。
調達課長
工事と委託を全く意識していないで、これまでの意見を整理したということなので、事務局
で手を加えているというようなことはしていません。
小池会長
今、小島委員からありましたように、委託についても私達は公契約条例の検討の中で同じよ
うに検討しているということについては、とりまとめの中に入れていただきたいということで
よろしいですか。
小島委員
はい。もし、この中で意見が、結論がほぼ一本化すればそういう内容でのとりまとめという
ことになると思いますし、そこまで至らないという時には二つの意見があったということを踏
まえた、とりまとめというのでしょうか集約と言うのでしょうか、委託に関してはむしろ協議
会としての具体的な意見を一つの結論として検討し得るのではないかという理解なのですけれ
ども。
小池会長
資料1で委託のところはずっと書いてあって、ここは消極的意見はなかったわけですから、
- 16 -
こういうような回答をすべきであると私達は意見については一致をみているわけですね。
それを公契約条例の検討の中にも、委託契約についても出てきた論点については入れるべき
であるということでよろしいでしょうか。
小島委員
そうですね、委託に関して、どちらかと言うと先ほど会長がおっしゃったように、委託に関
してはほぼ現状とか対応策について積極方向の意見だったと思いますから、それに関する具体
的な方策として、委託の現状を改善するための先ほどの県としての対応策の具体的な方策とし
て、公契約条例という形を通して、そこで働く人の報酬下限額を具体的に決める中で、それも
勘案した予定価格も予算も決めて運用していくということを一歩踏み込んで検討すべきだとい
うことでまとめられるのではないかと私は理解しているのですが。
小池会長
今の小島委員の意見についていかがでしょうか。
林委員
私も同じような印象を持っています。
小池会長
髙橋委員どうぞ。
髙橋委員
今おっしゃったように、多分全体的にまとめたものだと思うのですけれど、実際は建築とか
工事関係と委託は全く別の考え方だと思うのです。
そうすると、今までこの協議会をもってきた中での、色々な委託の問題点というか、こうし
た方がいいああした方がいいというのがあるのですけれども、それを具体的にもっと逆に入れ
ていただけるのだったら、その方が有難いのですが。
委託の場合、問題点はハッキリしていると思うのです。だから、その辺をもう少しハッキリ
と書くなら書いてもらった方が分りやすいと思います。
小池会長
それでは、渡邉委員どうぞ。
渡邉委員
委託も工事も人を使うことには変わりないのですけれど、設計労務単価、役所の単価という
のは、役所の設計ではこの値段で入れていますという考えです。
最低賃金を決めるということによって、例えばビルメンの会社もある程度下請とかそういう
ものがあった場合、最低賃金を決めることによって特に清掃業務の場合は高齢の方が多いと聞
いていますから、逆に建設と同じように若い方が入って来ないような形になるのではないのか
なと思います。
- 17 -
これは、髙橋委員の業界のことですから
それをこの協議会で決めるということが若い人の
入職に、委託もそうですし我々の工事についてもそうですし、業種は違うと言えども、自分は
この協議会で決めるといういうことであれば反対です。
小池会長
はい、わかりました。
事務局の方にこれは確認なのですけれども、確か川崎市の公契約条例ですけれども、これは
確か一般委託だけではなくて指定管理業務も入っていたと思うのですけれども、入っていまし
たよね。
事務局
入っています。
小池会長
指定管理ですからそれこそ様々なサービスが入ってくるわけでありますけれど、私は一般委
託というふうに限定するよりも、やはり今の小島委員のお話も多分そうだと思うのですけれど
も、そういう指定管理のところも委託ですのでそこまでも含めて、それは公契約条例の検討の
中に入れるべきではないかというご意見と。
それから、渡邉委員はこれは正に設計労務単価というところに関するものだから入れるべき
ではないというご意見ですね。
そのようなご意見が出たということでよろしいでしょうか。
林委員
一致しているところがここで、一致していないところはここだというまとめ方をするべきだ
と思っているので、そういうスタイルをとったらよいのではないでしょうか
こういう切り出し方をすると、何かこれが全て一致できているのかというようなイメージも
あるので、これは資料の体裁からまとめ方のスタイルとしてこちらとはあまりにも違うので。
会計局長
冒頭、事務局の説明も足りなかったところがあったかもしれませんが、確認の意味ですが、
この資料2については、今まで条例についてはここで議論というのは無かったのですね。
ただ、当然ながら当協議会の課題に入っていますから、今回提示させていただいた。
これは、今まで特に一回目などで各委員から出てきたものをまとめたものですので、協議と
いう形では今回初めてなのですね。
会長が言われたような指定管理も含めたらどうだという範囲の問題であるとかですね、そう
いうものも今回初めてここで話題にさせていただく。
委託については、今までの話の中で言うと価格の基準の決め方がおかしいのではないかとい
う意見はいただいていたのですが、それをどういう対応でするのかというと条例でやるのか他
の方策でやるのか、それもあまりハッキリしていなかったのですね。
ですから、これは先ほど言ったように素直に今までの意見をまとめたもので、その辺もし課
- 18 -
題があればここで初めて話題になりますので、議論になりますので、そこでいただけたらと思
います。それをいただいたものをまとめていきたい。これはあくまで参考という形です。
小池会長
意見を取りまとめるのも今日が最後になりますので、そういう点では今の公契約条例の中に
一般委託あるいは指定管理も入れてというような議論が出たとしたら、それはこちらの最後の
取りまとめに入るということになります。
林委員
そういう意味でいくと、この中にどうやってまとめるかということで、資料2のスタイルの
中でどうまとまるかわかりませんけれども、公契約条例のところで言うと過去から出てきたや
り取りだと思いますけれど、導入自治体があるわけではないですか、ここで解決している、こ
こで上げられているような課題が、ここの中で導入されている事例の中で解決していることが
ある。だから導入されていると思っているのですけれども、そこの部分と神奈川で導入できな
い部分の課題というのをもう少しハッキリさせないといけないと思っているのです。
こちらで解決して導入できているのに神奈川では導入できないのかという課題が、どこに神
奈川の問題があるのか。
例えば広域行政という特殊な部分があって、十把ひとからげに県内の例えば最低制限価格の
設定というのは単純にできないので、そういったところをクリアしない限りなかなか難しいと
いうことだとか、ということだったら何となく分るのですけれども、クリアできている自治体
がありできている課題が同じように載っているのは、何が問題なのでしょうかと、そこに一致
しているところと一致していないことも入っているのではないのかなという気がしますね。
例えばですね、資料2のペーパーでいけば1の理念目的はいいと思うのです。
そういった意味では他の自治体だって入れている。考え方としてはこうで、条例の形式もほ
ぼそうで、じゃあ三つ目の条例の対象となる範囲は、ご意見として今ここに記載されているこ
とはあるのですけれども、これはある意思をもって導入している自治体は1億円以上だとか3
億円以上だとか決めているわけですね。
だから、それはそれで理由があってそういうふうに決めているはずなのですね。
だからこのことはあるかもしれないけれど、神奈川において労働者の範囲をどのような形で
設定すればよいのかということについては課題があると思いますけれど、契約の範囲をどう設
定するかについては課題があると思いますけれども、決めなければいけない、公契約条例を入
れる時には決めなければいけないことなので、言っている意味が分りますか、論点が少し違う
と思うのですね。
こういう事実の意見もあるし、私の意見としてこの欄に入れてもらうとしたら、対象となる
契約者の範囲を県としてどういう基準で設定するかということについて課題があるという、検
討課題であるということは載せていかなければならないかなというふうに思いますし、決め方
の課題の一つだと思っています。
四つ目の適正な賃金下限額の設定でいくと、多分①、②というのは多分過去に私が言った意
見だと思うのでこれはいいとして、③の労働者の熟練度等による賃金差で、前回渡邉委員、先
ほどのメモも熟練工の賃金への影響を懸念されることがあって、下がってしまうことがないよ
- 19 -
う検討する必要があるというふうな書き方にここは変わっているので、それでいいのかなと思
いますけれど、下がってしまうから否定的な意見で言うと反対だという ご意見をいただいた
と思っているので、少し書き方が違いますよね。
下がってしまうことがないよう検討する必要があるということであれば、テクニカル的に言
えば公契約条例の条例そのものの作り方の話になってしまうと思っているのですけれども、例
えば未熟練工を除外するという条例を作ることも、条例としてはできると思っているのです。
それは、そのように労働者の範囲を決めればいいということですから。
そういうルールを作っていくのが条例なので、例えば、未熟練工をはずすことをやればこの
ことは熟練工に適用されるということに置き換わる条例になるので技術的にはクリアできると
思うのですけれども、あるべきか否かという論点がもう一つ別にあると私は思っており、未熟
練工をはずしていいのかという大本の問題がそこにはあるので、そこはそれで条例を入れる前
提で議論をしないといけないのかなと思っています。
先ほど事務局は出てきた意見をただ羅列していますということなのですけれども、このまと
め方は、初めて出てきているものなので、どういう視点でまとめるかの課題があると思います。
小池会長
まとめにはなっていないと思いますね。
林委員
全体のまとめのスタイルの中にどこに収まるのかな、という感じがするのですけれど。
小池会長
公契約条例の協議会のある回を使って集中して議論したわけではありませんので、ここで意
見を出し合ってまとめるというのは難しいと思いますので、皆さんのご意見をそのまま載せる
ということでまとめに換えるしかないのかなと思うのですね。
小島委員
指定管理業務を含めた委託の関係でこれまで発言させていただいたのですけれど、少なくと
も委託の場合に大体人件費の割合が9割方というところが多い。
特に成果物が具体的にあるという形ではなくて、かなり底が多いと。
仕様変更がなくて予算が前年度落札数字でそのまま移行しているという例が実態としてたく
さんある。で、その現場で働いている方の賃金が一般委託などは特に最低賃金ギリギリまで貼
り付いてしまっているところもたくさんあると。
そういう現状で、かつ設計労務単価的なものがきちんと定められているところが、分野が非
常に少ないという状況なので、どうしても競争入札という前提がある限りはその競争の中でど
んどん条件が落札する業者の方にも厳しくなっていくし、そこで働く方にも厳しくなる。
先ほど渡邉委員もおっしゃいましたけれど、工事の場合には設計労務単価があって、かつ現
状の中で熟練工の方には場合によってはそれ以上払う努力をしていたり、一次、二次の下請の
方にもきちんと払う努力をしているというご意見がありましたけれども、その中で最低報酬下
限額を決めてしまって、未熟練の方に廻ってしまうと熟練の方の賃金が下がって、かえって魅
- 20 -
力がなくなってしまうのではないかというご意見もありましたけれども。
少なくとも委託の関係ではそういう余地すらすでに無いというのが、先ほど高齢者の方が多
いとおっしゃいましたし、若年者が委託にはそもそも入ってこれるのかという話もありました
けれども、今の委託の関係の賃金水準を見たらですね若年者の方が入るようなところに廻すだ
けのお金を、雇う側で準備できるかと言ったらそれも厳しいという状況になっているだろうと。
そうすると、どうしても最低報酬下限額をきちんと決めて、それも含めた積算をした中で、
予定価格を決めて落札をする。
もちろん、最低の落札の割合をどうするのかという問題もありますけれども、いずれにして
もそういうことで、ある程度の下支えとしての最低報酬を決める制度がないと改善の方策とい
うのは無いのではないかというふうに私としては思いますので、これは、この協議会の中で具
体的な制度設計的なものまで踏み込むのは現時点で難しいとするならば、委託に関してはそう
いう形での公契約条例の制定も視野に入れた検討をすべきであるという風に、私としては一致
できるのではないかと思ったのですね。
渡邉委員が先ほどの高齢者の方の賃金の問題で反対だとおっしゃったのは、ちょっと私とし
ては趣旨が理解できなくて、委託に関しては少なくともそういう現状認識で一致できるのであ
れば、公契約条例を具体的に検討していくべきだという意見としてまとめることができるので
はないかと思うのですが。
渡邉委員
委託は、若い人はあまり入って来ないのですか。
髙橋委員
若い方は賃金が安いからまずないです。設備系の管理であれば若い方がいるのも事実なので
すけれど、結局有資格者ですよね、賃金が賃金なので、定年者とかでも資格を持っていれば支
障はないので、それはそれでということで。
民間の場合は中々そうはいかないので、それなりに若い人間を入れて。
内容も違いますけれどそれはあり得ますね。
個人的には公契約条例は神奈川県ではここにも書いてあるように地域差があるからすごく難
しいと思っているのです。
地域を分けて、ここはいくら、ここはいくらとなら可能だと思うのですけれど、それは、た
だ県として全体でいくらというのは難しいのかなという理解をしているのです。
ただ、大分前にも申し上げたと思うのですが、ビルメンの協会としては明確な仕様と適正な
予算があるのならば、公契約条例で縛られても支障ないということなのです。
適正なものがあれば適正に払えますし、今でも実際、川崎市、相模原市で公契約の案件が出
てますけれども、それはそれで皆さんクリアしていると思いますので、そういう点では問題な
いと思うのですけれど、現行、基準だけが上がっていかれてしまって、予算が下がってしまう
とどうしようもないという話になりますので、明確な仕様と適正な予算がしっかりしているの
であれば、対応はいくらでもできるという話だと思います。
小島委員
- 21 -
神奈川県が広域であると。例えば先行している川崎市、相模原市、厚木市の委託のそれぞれ
の報酬下限額が決まっているわけですから、そこら辺を尊重しながら県が発注するその地域の
工事についてもそこは同じようにしていくのか、その辺は技術的な問題だろうと思うのです。
ですから、その点をどうクリアしていくかは、次の話として検討すれば良いことなのかなと
いう理解をしているのですけれど。
小池会長
私先ほど、工事のところでも持続可能性ということを、若い方が入ってこないのは清掃も同
じ状況らしいのですけれども、今働いている方は高齢者の方が賃金が安いから多い。
その場合は、前も少しお聞きしたと思うのですけれども、ターンオーバーが多いというか、
すぐ辞めてしまうということが多いとおっしゃっていましたよね
髙橋委員
最初のころ、県の物件を調べていただいて、いくらもらっている、何年勤めているという一
覧表もあったと思うのですけれども、特に清掃の場合毎年入札になります。
毎年業者が変われば、雇用の問題がまずありまして、継続雇用できないのですね。
契約自体が一年なので、雇用も一年契約になってしまうのですけれども、翌年は一切保障が
ありませんので、そういう部分では業者が入れ替わっても働いている人が変わらないというの
は、本当に実際多いのです。
働いている人は現場に慣れているので、年齢も高いとなると他へ行っても今の賃金はもらえ
ないとか、仕事をまた覚えるのが大変だからというので移りたくないという人もやはりいるの
で、そうなると落札業者が変わっても働いている人は同じという変な状況はあります。
そうすると、パートにしても社員にしても毎回新入社員になってしまうのですね。そこはか
なり問題なのではないですかね。
小島委員
おそらく、多摩市だと思うのですけれど、落札業者が変わってもできるだけ雇用継続の努力
をしてくださいよということも公契約条例の中に盛り込んで、契約の一つの条件として入れて
いるところも確かあったという記憶なのですけれども。
小池会長
資料2の一番最初のところ、条例の理念、目的のところは問題ないですよという話だったの
ですけれども、ここにあるように地域経済への発展の寄与ということが目的にあるとしたら、
地元の企業で高齢者の方の雇用を通じて地域経済に貢献しているということだと思うのです。
そういう地域のために貢献していく企業を育てるというのも正に行政の役割で、その観点か
ら公契約条例を作って、そういうディーセント・ワークというのでしょうか、非常に誇りを持
って働けるようなそういう雇用の場を作る、そういう努力をしている企業をむしろ県が育てて
いくというような部分も大きいと思うのですが、今、何かそうはなっていなくて、逆とまでは
言いませんけれども、どんどん悪い条件を押し付けてしまっているというような傾向があるの
ではないかと、今の話を聞いてそう思ったのですけれども。
- 22 -
髙橋委員
清掃では地場の業者を、川崎市も同じなのですけれども地元の業者を優先してくださいとい
う優先発注はあるのですけれども、やはり県外業者も来ることもありますし、本社が川崎市に
ないと駄目ですよと言っても、本社を移してまで、別会社を作ってまで来る会社があるのです。
そこまでやってしまうとあれなんですけれども。やはり、地場の業者は、当然納税も地元に落
としているわけですから。
県も同じだと思うのですね、他の県から来るのは駄目ですよという形で、地元の企業という
ことでやっていただかないと。
ただ、県もそうですし、しばりが結構ありますけれど、何市は駄目だとかここに本社がない
と駄目だとか。
小池会長
もちろん公正競争というのが絶対なことなので、それはもう自由競争でありますので、その
時に例えば障害者の方を雇用している企業については優先的に調達すると、これは国の方でも
新しい障害者優先調達推進法が出来ましたし、そういうことで努力している企業というのはや
はりその分プライオリティを高くするということで。
髙橋委員
綜合評価方式のような形をとらないと関係なくなってしまうので。
小池会長
実際には、高齢者の雇用の場合でもできるだけ長く働いてもらいたいとか努力されているわ
けですよね。そういう部分についてきちんと県の方で認めると。
髙橋委員
条件付けですよね。そういう形で入札が行われていると、そこは。
小島委員
綜合評価方式というのは、ある意味非常にその辺を柔軟にできるという利点があると思うの
ですけれど、反面、公平性とか透明性という点から言うと逆にトラブル、クレームがつく余地
もあるわけで、その時のしかも多分入札の条件として、そこで働く人の賃金をこれだけ出せみ
たいなことを入札条件に入れるというのはまず仕組みとして無理だと思うのです。
ですから、その辺は働く人の最低ラインを何とか維持しようという観点で考えた時には、や
はり契約上のしばりというルートを通らないと難しいのかな、というのが私の認識です。
小池会長
今のようなことも公契約条例を巡る私達の意見ということで出ましたので、これについては
別に一本化するわけではないのですけれども、こういう議論も出ましたということは残してお
いて、最後の報告書にも反映させていただければと思います。
- 23 -
他にいかがでしょうか。まだ、もう少しこれだけはということがもしありましたら。
林委員
次回に向けての要望なのですけれど、事務局には大変お手数を掛けて申し訳ないのですけれ
ど、早めに案を見せていただきたいなと思っていまして。
まとめ案というのですか、多少こちらも読み込む時間が欲しいと思っていまして、そういう
意味ではご苦労をお掛けするのですけれど、最後なので事前に資料を早めに提出いただいて確
認する時間をいただければと思っています。
小島委員
遅くとも3月6日にはいただきたい。
渡邉委員
工事の方から申し上げると、先ほどから言っていますように、公契約条例を導入する前に、
発注者と受注者がやるべきこと、例えば我々の業界でですね入札制度を考えてもらいたいとか、
そういったことによって、今現在も私の会社は下請にはこの値段でないとできませんよという
ことの中で仕事をやっていただいているわけですから、これからはこういう状況が続くと思う
のですよ。
やはり、下請にとっては売り手市場のような感じがしますので、あと入札制度の問題ですね、
総合評価方式とか競争が激しくても損しない価格で取れる制度というようなものですね、公契
約条例を入れる前にもっとやるべきことがあると思っているということなのです。
小池会長
はい。そのこともしっかりと取りまとめに反映させていただければと思います。
では、事務局には、3月6日までという話がありましたが、もう少し早くてもいいのですけ
れども。
次回は最終報告書の検討を行いますのでよろしくお願いします。
議事の方はこれで終了とします。
<以上>
- 24 -
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