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人は財産,人と人とのつながりを大切に ~病院,プロ野球,そして別府大学

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人は財産,人と人とのつながりを大切に ~病院,プロ野球,そして別府大学
【研究者インタビュー No.122】
人は財産,人と人とのつながりを大切に
~病院,プロ野球,そして別府大学~
別府大学 食物栄養科学部 食物栄養学科 准教授 平川 史子 (ひらかわ・ふみこ)
専門: 応用栄養学(スポーツ栄養学。ライフステージ栄養学)
一般の人にも参考になりますね。
▲学科専用の研修室で国家試験を目指して受験勉強に励む
学生たちを背景に。
●応用栄養学とはどういう内容の学問でしょう?
赤ちゃんから高齢者に至るまで,それぞれのライフ
ステージに応じた食習慣や栄養の取り方を対象にし
た学問です。目的は,食事を通して健康の維持・増
進を図り,病気にかかりにくい体を作ることです。
私はプロ野球球団で管理栄養士として働いた経験
がありますので,一般の方からアスリートまで対象を
幅広く設定して健康増進を考えています。
健康の維持・増進のポイントは「運動・食事・休養
(睡眠)」の 3 つです。一つずつご説明しましょう。
まず運動。基本は歩くことです。1 日 30 分歩くことを
目安にしてください。
次に睡眠。睡眠は,ノンレム睡眠とレム睡眠の周期
が 90 分であることから 1.5 時間の倍数が良いと言わ
れますが,これは人によって違いがあるようです。自
分ですっきり目が覚める時間から割り出せば良いで
しょう。熟睡のポイントは,睡眠サイクル(体内時計)
を固定する。特に起床時刻を同じにすることが重要。
とは言っても,仕事の関係でそうも言っていられない
ことがあります。大事なのは疲労を蓄積しないように
することです。睡眠をしっかりとること以上の疲労回
復法はありませんから。睡眠と食事の関連で気をつ
けて欲しいのは,夕食時間と就寝時間の間を 3 時間
以上空けること。食べてすぐ寝るのは肥満になりや
すいので要注意です。夕食時間を早めるだけでも減
量することができますよ。
最後に食事です。主食(ごはん),主菜(メインのお
かず),副菜(サラダ・野菜・おひたし等),乳製品,果
物の 5 つが揃っていれば,ほぼ栄養バランスが保て
ます。いくらバランスが良くても食べ過ぎると太りま
すから腹八分をお忘れなく(笑い)。
プロのアスリートの条件は,常にベストコンディショ
ンを維持すること。そのためには疲れた筋肉を修復
させるための栄養と休息がポイントです。無理を続
けると疲労が蓄積して故障につながります。これは
●教育のポリシーは?
本学科の学生は管理栄養士の国家資格を取得して
社会で働きたいという夢を持っています。管理栄養
士の役割は,食を通して人の健康を守るという重要
なものですし,試験は難しいので勉強はハードです。
そこで私が教育で大切にしていることは,言われた
ことをきちんと受け止めることができる素直な心を持
つ人になって欲しいということが一つ。それから,人
は財産。出会った人とのご縁を大切にする人になっ
て欲しいということが一つです。これは私自身が病
院やプロ野球球団の管理栄養士として働いていた
経験でも感じたことですので,この 2 つを教育の上で
重視しています。(写真と文/安部博文)
【平川 史子 (HIRAKAWA Fumiko)プロフィール】
▼宮崎県延岡市生まれ。小学校時代は読書
や作文など国語系の科目が好き。巨人軍が
宮崎キャンプに来ると家族で見に行く。小学
4 年から音楽部に所属し,フルートを担当。合
唱も経験。中学では社会(歴史)や英語に興
味が広がる。宮崎県立延岡西高等学校に入
学。将来は医療分野に進みたいと考え,理
系を選択。▼福岡県立福岡女子大学家政学部家政学科食
物学専攻に入学。テニス同好会に所属。勉強や生活にまじ
めに取り組む姿勢の大学文化の中で充実の日々を過ごす。3
年時,将来の選択として大学院進学か病院所属の栄養士か
を検討し,後者を目指す。4 年で栄養学研究室に入る。指導
教官が進めていた産業医大との共同研究プロジェクトのメン
バーとして動物実験を担当。▼大学を卒業後,宮崎医科大学
(現在の宮崎大学医学部)栄養士室にインターンシップとして
所属し,病院での栄養指導や調理場で実地研修を行う。同年,
宮崎県の公務員試験(栄養士)に合格したのち宮崎県立延
岡病院に管理栄養士として着任。患者の献立作りや栄養指
導を行う。▼結婚を機に福岡市に転居。1989 年 1 月,ダイエ
ーの南海ホークス買収により新たに設立された,福岡ダイエ
ーホークス(現ソフトバンクホークス)球団所属の管理栄養士
としての仕事をスタート。パ・リーグで最下位球団から抜け出
すため何とかして強くなろうと球団・選手・関係者みんなが頑
張っていた時期に,球団管理栄養士として選手の食事内容を
把握し,故障しにくい体づくりを目指して寮や遠征先ホテルま
た選手の家庭での栄養摂取に工夫を凝らす。様々なプロ選
手とのやり取りを通して,健康管理は本人の考え方と行動が
重要であることを確認。▼1996 年 7 月,同球団を退職。夫の
米国ボストン大学医療センター留学に同行するため渡米。3
年間のボストン生活の間,英会話学校に通うかたわら現地の
一般向け料理教室にて米国北東部地方の郷土料理を学ぶ。
▼2001 年 4 月,福岡県立福岡女子大学院人間環境学研究
科栄養健康科学専攻修士課程に入学。研究テーマは更年期
の骨粗鬆症。▼2004 年 3 月,同修士課程を修了。夫の転勤
に伴い 2 人の子供と共に大分市に転居。▼2005 年,別府大
学に非常勤講師として着任。2006 年から専任講師。
平成 22 年度大学等産学官連携自立化促進プログラム / 地域連携研究コンソーシアム大分 / 取材時期 平成 23 年 2 月
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