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ライムギのアミラーゼについて

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ライムギのアミラーゼについて
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Issue Date
ライムギのアミラーゼについて
伊東, 哲雄; 小幡, 弥太郎
北海道大学農学部邦文紀要, 4(1): 1-6
1962-07-10
DOI
Doc URL
http://hdl.handle.net/2115/11714
Right
Type
bulletin
Additional
Information
File
Information
4(1)_p1-6.pdf
Instructions for use
Hokkaido University Collection of Scholarly and Academic Papers : HUSCAP
ライムギのアミラーゼについて
伊東哲雄*小幡弥太郎料
ST
后
UB
A
A
山
o
.
0とし, 40 で測定した。
衝液の pHを 5
Q
用いられているのは周知のことであるが,古くドイツの
一地方でアルコーノレ畷酵に先立つ糖化の段階で,
山
一
印
ほ
T
m
U
A
凶
a
壬
vdyY
R1 JB
1G
n
。
mA I 1
io
-G
,
.1 o
QUMU
hu
αーアミラーゼ; WOHLGEMUTI
壬改変法η に よ り , 綬
ライムギは主としてヨーロッパで,パンの原料として
.
0を
月一アミラーゼ:酵素液 5msと,酢酸緩衝液 pH5
ライム
2%澱 粉 液 5msの混液:i:り
lmsを 採 取 し , 反 応
ギ種子を未発芽のまま使用していたと云うことが知られ
含む
ている九麦類のアミラーゼに関しては,古くから多く
(
4
0,1
0分)前後の還元力の差を求める。還元力の測定は
の研究があり,現在結晶化されたものに,オオムギ麦芽
SOMOGYI変 法8) により,アミラーザ活性は酵素液 lms
から αーアミラーゼ 2)及 び
0
0 アミラーゼ 3,l コムギ種子
当り,又は乾物 19当りの生成マノレトース m gで表わし
より s
-アミラーゼ吋等がある。
た
。
告実験結果
ライムギアミラーゼに関しては,それ自体を扱ったも
1
.
のは非常に少なく, pH及び温度に対する性質を利用し
材料選定条件の決定
8
ーアミラーゼを分離すると云う古典
アミラーゼの分離に先立つて,活性皮の強い,しかも
tal.がオオムギ・ライム
的研究を行なった OHLSSONe
不純物の少ない材料を選ぶために,登熟過程及び発芽過
ギ・エンバク等一連の研究のーっとしてライムギの α
程におけるアミラーゼ活性の変化を調べた。
て
, αーアミラーゼと
及び 8
ーアミラーゼを分別し,それらの未精製の標品につ
a
. 登熟過程のアミラーゼ活性の変化
き,若干の性質を調べている。その後にはさしてまとま
開 花 後 約 1週間日より採集を始め,採集の間隔は 1週
った研究はなく,僅かにソ速において主としてノマン製造
間とした。この聞の成熟の度合及び風乾重量の増加は第
に関連して行なわれている他, S. 1
.PRONIN e
ta
.
1 は
1表に示す様であったっこれら各試料を乳鉢で摩砕し,
6
)
温度と pH と の 関 係 を コ ム ギ と 共 に 観 察 し て い る 程 度
第 1表
各熟期における粒重の変化
である。
われわれは,
ライムギと他の既知の麦類のアミラーゼ
問の異同を調べる意味で,ライムギアミラーゼの結晶化
を目指し,予備実験として小量の試料を用い,かなりの
程度に精製することが出来た。ここに得られた試料につ
3.
4••
き,若干の性質を調べたので,その結果につき報告する。
4{
音量の水及び小量のトノレエンを加えてよく境伴し,. 1
実験及び結果
夜の後癒過し,その溶液を酵素波とした;、これらの酵素
¥&
8実験材料及び方法
液につき
a
及びかアミラーゼ活性を測定し,活性度
ライムギ(北大農場第 2畜産部栽培品種)は,後述の様
の単位を試料乾物 19当り生成 m gマノレトースで;表わし
に種々の発育段階及び発芽段階の種子のアミラーゼ活性
て得た結果は第 1図に示す。ここで見られる様に, αー及
を調べ,適当なものを選定した。
び βーアミラーゼ活性は共に,乳熟期に最も強く,成熟す
るにつれて下降してくる点でかわりはないが,その減少
アミラーゼ活性の測定
後
州
北海道大学農学部附属農場
北海道大学農学部農芸化学教室
1
2
北海道大学農学部邦文紀要
b
. 発芽過程のアミラーゼ活性の変化
0
.
2
r
oホ
ノ
レ 7 リンで 3
0分間消 1
5後
, よく水洗した種子
の恒温器内で H
市所発芽させ,毎日一定時聞に試料をとり
四
乳鉢で磨砕し,風乾霊の 9倍宣の 7
]
(を加えて悦:t'l'し
5
時間の後泌過し,総液を酵素液とした。酵素活性は乾物
hu--川Juf出 凶 岸 (E¥巴)
、
、
、
気
、
¥
MW
Mm
t14EEEEEE'1i14hE1hE﹃
色
-MU
司ト
鮒
川
げ
(町¥コ)垣間山 Fimm川 弘 己
ゼ九テ
テ¥=-
β
亡
、
、
JI--一
0
を室温で 1夜波漬後,発芽血中の湿潤総紙上に並べ, 20
19当り生成マノレトース mgで表わした。その結果は第
2
1
玄l
に示す如く,
αーアミラーゼは急激な増加を続け,未
発芽種子の千倍以上に達するのみでなく,登熟過程のど
の時期のものより高い活性度を示している。一方。アミ
ラーゼも増加はするが,せいぜい 2-4倍程度に過ぎず,
しかも他方でャアミラーゼの増加が莫大であること等
%
を考え合わすと, α アミラーゼは発芽種子,。アミラー
ゼは未発芽種子を使用するのが妥当であると考えられ,
第 1図
その様に決定された。
b週
4
時
間
2
. a:アミラーゼの精製及び性質
発熱過程におけるアミラーゼ活性の変化
a
. ライムギ麦芽の調製
の度合に大きな差が見られる o I
'
!p
ち
, <1-アミラーゼでは
糊熟期後半から黄熟期初期の聞に,乳熟期の 10-20%に
.
2
9
もホノレ 7 リン水溶液で 3
0分間消奇
ライムギ種子を 0
0
し,よく洗浄して次いで水道水中で 1夜浸漬した後, 20
まで減少し,完熟期に至って始んど全く無視し得る程度
恒温器内で 1週間暗所発芽させて,平均芽長約 1cm に
にしか活性は見られなかった。これに反し,かアミラー
達したものを風乾し,次いで乾燥器内で徐々に温度を上
ゼは完熟種子でも,乳熟期のものに比べ,ほほと I~分の減
げ,最後は 75,3
0分で仕上げた。水分は約 5%で,収
少に過ぎない。一方,各j
羽の粒重を見ると,乳熟期から
量は 80%であった。
0
糊熟初期は収量の点で問題とならず,黄熟期以後ではア
b
. αーアミラーゼの分離精製
ミラーゼ活性にさほどの増減は見られない。又脱穀調整
.
5
s
(
1:
4
)及びトルエン
粉砕ライムギ麦芽 860gに水 3
等の操作から考え合せても,完熟種子が特に介アミラー
1
5msを加えてよく撹伴し
ゼ調整の材料として好都合であろうと思われる。
.5sの水で再
を遠心分離で上澄みをとり, 残主主は吏に 1
1夜放置後布鴻紙したもの
抽出し,さきの上澄みと合わせて粗抽出物とした。これ
より
8アミラーゼを除くため 70 で 30分熱処理し,急冷
0
した後生じた沈澱物を遠心分離で除き,結晶硫安を加え
問
問
て0
.
7飽和とし,
四
アンモニア水を加えて pHを 6
.
0に調
整し,生じた沈澱を遠心分離でとり, 0
.
7飽和硫安溶液で
司
、
ア
三
ラ
ー
ぜ
k
、
、
、
、
ー
組川
α7
'
三
ラ
ー
ぜ
司
、
。
ー
ー
圃
・
ー
ー
・
・
ー ー
ー
h l可川 Jwi市一回舟(矢口)
一
⋮
o
m
h
(町¥三牢問中
~ー β
洗浄した。
こうして得た沈澱を水にとかして 700m&と
し,硫安 0
.2-0.5飽和で分別し,少量の水にとかしたも
のを流水で 2日,蒸溜水で 1日透析した。透析Jf'l淡に塩
化カノレシウムを 1&中に 5g含む 8
0
r
oの冷ア Jレコーノレを
等量加え,不溶物を遠心分離で除く。ここに得たアノレコ
ーノレ溶液は,直ちに澱粉柱に吸着させた。澱粉柱はトウ
モロコシ澱粉とセライトの等量を混合して直径 4cmの
管につめて約lOcmの層を作った。この管に室温で溶液
を流し込んで吸着させ, 次いで吸着物を 40%アノレコー
1
0
2
0
#
第 2図
2
5c
:
n
ノレ溶液で洗液が無色となるまで洗う。溶出は硫酸カルシ
畏
ウムを含む水で行ない,主主出液は数個の画分に分けて活
発芽過程におけるアミラーゼ活性の変化
性の高い部分のみを集めて濃縮し,殆んど無色の透明な
3
伊東・小幡:ライムギのアミラーゼについて
第 2表
αーアミラーゼ精製の主要段階に
2
0
おける活性の変化
容積
(
m
/
!
)
粗
拍
出
液
3,
500
比活性 収 量
活性
(
u
/
7
0
)
(
u
/
m
/
!
) mgprot.) (
1
5
0
第 1回 塩 析 物
700
7
0
0
第2回塩析・透析液
1
2
0
2,
0
0
0
精製酵素液
5
0
被を得た。
1
,
0
7
0
1
0
0
1,
600
80
,
1
9
2
1
,
200 3
1,
300
8
.
8
この操作により,比活性約 30倍の標品を収
量約 970で得た。これらの主要段階の活性の変化を第 2
表に示す。
C.
1
.
精製 α アミラーゼの諸性質
最 適 pHの測定
50倍稀釈の精製酵素液を McIRVAINE綬街液で種々
2
0
3
D
4
0
。で活性を測定した。その結果第 3
の pHに調獲し, 40
第 4図
図に見られる様な曲線が得られ, pH5
.
4-5.8に活性の
.
0以上及び 3
.
5以下では殆んど活性が
様大があり, pH8
見られなかった。
5
0
6
0
'
C
R
J
"
~B
J
又
i
血
αーアミラーゼの温度による影響
告しているが,これは
Q 酵素に近いものではあるまい
かと惣像される。
OHLSSONE
.e
tal.めの粗抽出液による 5
.
1
5
.
9とほ
tal.')のオオムギ麦芽結晶ア
ぼ一致し, SCHWIMMERe
.4とは幾分差のある様に思われる。又
ミラーゼの 4.7-5
PRONINe
taし引の温度により pHの最適条件が変動す
ると云う知見よりすれば,この程度の差は問題とすべき
9
)
ta
.
1
程のものではないのかも知れない。一方 SOROJAe
は未発芽大麦の αーアミラーゼの最適 pHが 7
.
0だと報
1
1
.
最適温度の測定
0倍稀釈液を pH5
.
5において,種々の温
精製酵素の 5
度の活性を測定し,
曲線が得られた。 50
。
第 4図に示す i
附i
互に活性の極大が見られ,それより高温では急激に減
少し, 65
。では全く活性が見られなかった。組制i
出液で
0
0
同様のことを試みたが, 60 附近が最高で ,70 でも幾分
活性が見られた。
d
. EDTAによる酵素活性への影響
2
0
稀釈酵素液に,
0分間前処
種々の濃度の EDTAで 1
理し,その活性を測定してみると,第 3表の如くになり
1
O
-3M で完全に失活する。又 60分処理では 2xl
O-'M
(言¥苫)垣間取lh山川klHU
1
5
で失活が見られる。この失活処理後 Ca塩を加えて,再
活性化を試みたが,その効果は見られなかった。それゆ
えこの不活性化は,酵素蛋白分子内に強く結合している
カノレシウムが EDTA と結合して,不可逆的に失活をお
こすものと考えられ,
{也の既知の αーアミラーゼと似た
性質を持つ様に思われる。
第 3表
EDTAによる α アミラーゼの阻害
。I
EDTA濃度 (
M
)
1
0
' ¥2Xl
O-'¥4XlOぺ
~.O
,
。
。
0
T
.
D
PH
第 3図
αーアミラーゼの pH による影響
1
0
60
10-3
4
北海道大学農学部邦文紀要
3
. βーアミラーゼの精製及び性質
a
. ライムギ s
-アミラーゼの分離・精製
0
0gを 0.2M食塩水2sで 1夜主 1
1
1
1
'
,
し
,
粉砕ライムギ 5
コ
) 山容阿山中lhp川AIm4E¥
u.
'
ii
夜を酢酸で pHを 3
.
8
布始、し及び遠心分離で分けた1ll
に下げて:)I
時間処預することにより,微法存在する αー
ア
.
7飽和で沈澱を集め, 0
.
7
ミラーゼを除き,中和後硫安 0
f
i
Cl和硫安治液て、洗浄後水にとかし流水透析 2E
I蒸 i
m
水透
析 1日の後濃縮し,生じた沈澱を除き,アセトン 40-60
%の部分を分別し,更に硫安で 0
.
3
0
.
5飽和の部分を少
患の水にとかし,帯黄色の標品を得た。この様な分別沈
澱による操作をくりかえすことにより,比活性は徐々に
上って行くが,能率,収率共に悪く,イ也の方法を適用す
べきであると考え,種々の吸着剤,例えば,カオリン,
1'酸アノレミニウム, シリカゲノレ,
酸性白土, t
リン酸カル
4
.
0
シウムケりレ等を用いた吸着による精製も試みたが,いず
7
.
0
6
.
0
/
.
0
P
H
れも良い結果は得られなかった。
第 5図 作 ア ミ ラ ー ゼ の pHによる影響
上の操作の諸段階での活性の変化を第 4表に示す。
2
0
この酵素標品につき,他の類似カーボハイドラーゼの
混在の有無を調べるため ,a-アミラーゼ, "7ノレターゼに
つき試験したが,いずれも活性は見られなかった。
第 4表
。ーアミ ラーゼ精製の主要段階に
おける活性の変化
I~
ι
¥
E
│
容
量
│
(
4
m
札
│J「 収 率
(
m
e
) I m
e
)
l
m
g
p
_
r
o
t
.
)
1_(10)
処 理
4
4
2
5
0
理
1
,
5
0
0
4
1
3
5
7
9
2
.
5
I
入
硫安 0
.
7飽 和
330
1
1
6
494
5
8
.
0
宅
苫
アセトン t
t澱
I
1
5
0
1
8
7
843
4
2
.
5
E
50
260
硫安0
.
3
0
.
5飽 和
20
5
5
5
出
拍
酸
処
アセトン抗澱
液
1
0
0
事
岩
巳
1
,
5
0
0
粗
、、
~
量
"
1
0
ヰ
1
1
1
'
1
1
1
•
F
と
1
9
.
7
1,
3
0
0
1
6
.
8
度
a4
n
u
.
6
4
.
8の問に見られる。これ
条件は第 5図に示す様に 4
第 6図
唱皿
.0-8.0にわたって安定で,骨L
i
安沈澱物
冷所では pH4
は 1年以上活性を保持することを確かめた。 pHの最適
2
0
内崎〆
1
0
O
b
. 精製 3
ーアミラーゼの諸性質
7
0
ω℃
3 アミラーゼの温度による影響
これより PCMB,昇1(,硝酸銀の様な
(
S
Hを阻害す
ta
l.めによる 4
.
0とけ、大分ちがう様に
は OHLSSON E. e
る)試薬によって 1
0
0
7
0阻害され,
思われる。これにくらべてオオムギ 3)・コムギ坊の給品ア
理のものを,硫化水素 1時間処理して,第 6表 l
こ示す様
.2-5.3の附;5:で,幾分差が見られる様
ミラーゼでは, 5
次に温度の影響を見ると第 6図に示す様に 45-50 の
0
附近に最高の活性が見られる。
各種試薬による酵素活性の阻害
各種試薬による β アミラーゼ阻害の実験結果をまと
めて第 5表に示す。
に9
0
7
0以上の活性をとりもどすことがわかった。
又,モノヨーソ酢酸で 6
0分の処理ーにより 300
/
0 位の阻
に見える O
C.
このうち PCMB処
筈が見られると云う点からも,従来給品化された什アミ
ラーゼと類似構造を持つことが推定される。
一方,馬鈴薯ホスホリラーゼを阻害する川ことが知ら
れているビートサポニン及び大豆サボニンによる阻害及
びその機構解明のための一手段として
2種の界面活性
5
伊東・小I
橋.ライムギのアミラ{ゼについて
第 5表
着によって精製し,
各種薬剤による仕アミラーゼの阻害
処
薬
試
濃
(分)
。 "'
t
f
、
E
、
1
、
オ
主
不活性化
理
PCMB
1
O
-5M
1
0
,
I
HgC
10-5M
1
0
活性│限害率
(
'
7
0
)
1
0
'乱4 1
0
AgN02
。
1
6
.
8
o
。
。
比活性約 3
0倍の標品を得た。
この
.
4-5.8で OHLSSONe
tal.の結果とほ
ものは最適 pH5
ぼ一致し,又 EDTA'による失活の様子から,他の既知
αーアミラーゼと類似するものであることがわかった。
3
. s
ーアミラーゼは,ライムギ種子の 0.2M食塩水抽
1
0
0
出物を ,r~i安及びア犬小ン分別す精製して得た標品は最
1
0
0
適 pH4
.6-4.8と 01
江 S
SONe
tal
.
の4
.
0とはかなり異
1
0
0
なる。又阻害実験から SH基が酵素活性に対し一つの要
60
1
2
.
5
2
8
.
0
ーアミラーゼと類似す
因であり,この点からも既知の諸 0
ビート・サポニン
0
0.1% 1
1
0
.
2
3
8
.
0
ることがわかった。
大豆・サポニン
0
0
.
0
1
1
0 1
1
6
.
0
4
.
7
5xlO-2M
ICH2COOH
オレイル・アノレコーノレ
スノレホン酸ソーダ
10-1M
1
0
0.
4
9
6
ジイソプチノレ・ナフタ
レンスノレホン酸ソーダ
10-M
10
5.
4
68
1
不活性化
第 2苔産部の方々に厚く感謝致します。
文 献
第 6表 硫 化 水 素 に よ る 活 性 化
l
本研究にあたり,当初より助言をいただいた伊藤光治
氏並びに, ライムギを恵与下さった北大農学部直営農場
│再 活 性 化
1
) 大島幸吉・板谷真一,醸造学雑誌 2,5
0
1(
1
8
6
5
)
.
2
) SCHWIMMER,S
.andBALLS,A
.K
.
,J
.Bio.
lChem.
1
9
4
8
),1
7
9,1
0
6
3(
1
9
4
9
)
.
176,465(
.H
.andPIGUET,A.,
3
) MEYER,K.H.,FISCHER,E
H
e
l
v
. Khim.Acta3
4,3
1
6(
1
9
5
1
)
.
対
PC孔1B 10-5M
持活性皮は SOMOGYI試薬 D 液の消定備で表わした。
弗l
による限害実験を試みた。結果は大豆サポニンの場合
け、溶解度が低いため,はっきりした結果は得られなかっ
たが,ビートサボニンはたしかに阻害効果を示し
2種
も,かなりの高濃度で阻害作用を示した。
の界面活性弗j
以上より,これらの試薬による阻害作用は酵素蛋白と基
質問に界面活性剤として入り込み,相互間の接触をさま
たげることによると推定される。
d
. 酵素標品による澱粉分解物について
この酵素標品を可主主性澱粉に作用させ, 30,60分及び
20時間後の反応生成物に夫々エタ/ーノレを加えて 50%
エタノーノレ溶液とし,沈澱物を除いて濃縮し,ペーパー
クロマトグラフィーにより生成糖を調べたところ,マ Jレ
.H.,He
1
v
.Khirn.Acta35,
PIGET,A.,FISCHER,E
257(
1
9
5
2
)
.
4
) MEYER,K. H.,SPAHR,P
.H. and FISCHER,E
.
H.,H
e
l
v
.Khim.Acta36,1
9
4
2(
1
9
5
3
)
.
5
) OHLSSON,E
.and UOOENBERG,C
.E
.,Z
.p
h
y
i
ol
.
Chem.2
2
1,1
6
5(
1
9
3
3
)
.
6
) PRONIN,S
.1
. andDAKH,B
. M.,DokladyA
cad.
.SSSR
.77,3
2
1(
1
9
5
1
)
.C.
A
.45,7198g (
1
9
5
1
)
.
Nauk
.
, Ann.R
ep.OsakaU
n
i
v
.2,35(
1
9
5
4
)
7
) HAGIHARA,B
酸素研究法 1
1,1
0
8(
1
9
5
7
) 朝倉書庖
8
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)
.
トース以外の糖類は全く検出されなかった。
Summary
要 約
ライムギより αーアミラーゼ,s アミラーゼの分別・精
製法及び性質のいくつかにつぎ記載した。
1
. ライムギアミラーゼの分離に先 3
/
:ち
, ライムギの
登熟及び発芽過程でのアミラーゼ j
活性の変動を調べ, αー
アミラーゼには発芽種子,戸アミラーゼには未発芽種子
を用いることに決定した。
2
. a-アミラーゼは,ライムギ麦芽抽出物を澱粉柱吸
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