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3次元音場再生方式 「音像プラネタリウム」
3次元音場再生方式 「音像プラネタリウム」 立命館大学 情報理工学部 メディア情報学科 准教授 西浦 敬信 1 研究背景 ある場所にだけ音を届けたい 光のスポットライトのように特定の場所にのみ音を 届けたい オーディオスポットを実現! 2 音像プラネタリウム • プラネタリウムとは – 星空の像を映し出す装置 – 天井や壁面に星空を知覚 • 音像プラネタリウムとは – 音像を生成する装置 – 天井や壁面に音像を知覚(定位) ピンホールプラネタリウム (出展:「大人の科学」) 新しい3次元音場再生方式の提案 3 新技術の基となる研究成果・技術 • 超音波スピーカの基本原理 – 超音波を搬送波(キャリア)として利用 – 可聴音を超音波により変調させて放射 – 空気の非線形性により歪が生じ,この歪を可聴音と して知覚 振幅変調 可聴音 搬送波 (超音波) 振幅変調波 (超音波) 4 音像プラネタリウムの基本原理 • 音像プラネタリウムの基本原理 – 超音波スピーカによる超音波の直 進性を利用することで,天井や壁 面に音像を生成 • 超音波 – 人間の耳には聞こえない高い周波 数の波 • 低い周波数の波: 拡散する • 高い周波数の波: 直進する – 超音波を搬送波として利用すること で,可聴音を直進させることが可能 (超音波スピーカ) 5 デモンストレーション 普通のスピーカ VS 超音波スピーカ 聞き比べてください! 普通のスピーカ 広い指向特性 超音波スピーカ 鋭い指向特性 6 壁面反射を利用した音像提示 • 壁面反射を利用した音像提示 – 超音波スピーカによる放射音を,壁面に反射させて壁面 上に音像を構築し,体験者全員で知覚 – この際,反射音も超指向性を持つので壁面を工夫するこ とで,様々な放射特性を実現 超音波スピーカ 7 超音波の反射壁面 • 可聴スポットについて – 反射壁面を工夫することで,可聴スポットを制御可能 8 音像プラネタリウムデモンストレーション 9 従来技術とその問題点 既に実用化されているものには、超音波スピー カを用いた案内音声の提示法等があるが、 ○1台のスピーカで少人数にしか案内音を 提示できない ○音像はスピーカの位置に必ず定位 等の問題があり、広く利用されるまでには至っ ていない。 10 新技術の特徴・従来技術との比較 • 従来技術の問題点であったスピーカ位置以外に 音像を定位させることに成功した。 • 従来はスピーカ配置の点で3次元音像の構築に 制限があったが、超音波スピーカを応用すること で、スピーカのない場所にも音像を構築すること が可能となった。 • 本技術の適用により、スピーカをユーザの周囲に 配置しなくても3D音像が構築できるため、音場の 自由度が格段に向上することが期待される。 11 想定される用途 • 本技術の特徴を生かすためには、3Dテレビ などに適用することで視聴覚3Dを実現できる メリットが大きいと考えられる。 • 上記以外に、音の広告という新しい効果が得 られることも期待される。 • また、達成されたスピーカのない場所に音像 を構築することに着目すると、複合現実感な ど分野にも展開することも可能と思われる。 12 想定される業界 • 利用者・対象 映画館などのエンターテインメント業界 家庭用テレビなどの電機メーカ 音の広告など広告産業 13 実用化に向けた課題 • 現在、複数人に対して音像を定位可能なとこ ろまで開発済み。しかし、音質の改善が未解 決である。 • 今後、音像プラネタリウム筐体を拡張し、音質 について実験データを取得し、音楽再生に適 用していく場合の条件設定を行っていく。 • 実用化に向けて、筐体を小さく設計する技術 を確立する必要もあり。 14 企業への期待 • 未解決の音質については、サブウーファを筐 体に搭載することで克服できると考えている。 (2011年度前期に拡張予定) • 新しい音響デバイスの可能性に興味を持つ企 業との共同研究を希望。 • また、3D広告などを開発中の企業、音の広 告分野への展開を考えている企業には、本技 術の導入が有効と思われる。 15 将来の展望 • 音像プラネタリウムの最大の特長 – スピーカのない場所にも音像を構築 – 複数人が同時に体感 映画や家庭用TV等の音と映像の融合だけでなく, 公共空間での情報案内や広告等の情報提示とし ても応用可能な次世代音響再生装置 • 今後の拡張計画 – ベースユニット下段にサブウーファーを搭 載して,「音像」は超音波スピーカ,「質感 や残響感」はサブウーファーで表現 • 将来に向けての課題 – 超音波スピーカの基本性能の向上 16 本技術に関する知的財産権 • 発明の名称 • 出願番号 • 出願人 • 発明者 :音響システム及びその仮想 音源の設定方法 :特願2010-075788 :学校法人立命館 :西浦 敬信、森勢 将雅、 廣川 孝太郎、杉林 裕太郎、 田村 秀行、柴田 史久 17 産学連携の経歴 • • • • • • 2006-2008: 建材メーカからの委託研究 2006-2009: 機械メーカからの委託研究 2007: 精密機械メーカへの技術指導 2008: 電機メーカとの共同研究 2008から現在継続中: ゴルフ用具メーカからの委託研究 2010から現在継続中: 電機メーカとの共同研究 18 お問い合わせ先 立命館大学 研究部 理工リサーチオフィス 今村 真貴子 TEL 077-561-2802 FAX 077-561-2811 e-mail [email protected] 19