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川はきれい?判定法
川はきれい?判定法 水質調査と水生生物調査 ビオトープフェスタin江津資料 水質調査とは? • 川の水をきれいかきたないかは目で見て も分かりますが、飲み水として安全か?、 生き物が住みやすいか?など目で見ただ けでは分からないことがあります。 • そこで薬品を使ったり、川の中の生き物の 種類などを調べて、きれいかきたないかを 調べることを水質調査と呼んでいます。 どんなことを調べているの? • 国交省では毎年「pH(ペーハー)」「BOD」 「COD」「SS」「DO」の5項目を観測してい ます。 • これらは川の水のよごれやにごりなどを調 べるものです。 水質調査方法は? • 水質調査はさまざまな方法で行います。 ① 試験室に持ち込む ② パックテスト ③ 川の中の生き物を調べる 試験室で調べる • 国土交通省などの河川管理者行う調査は 専門の試験室などで詳しく調べています。 •試験室で水質を調べると正 しい数値が出ますが、結果 が出るまでに1週間程度か かることがあります。 パックテスト • そこで、「パックテスト」という水質を簡単に 調べることが出来るものも使っています。 • パックテストは水と薬品を混ぜることによっ て水の色が変化するので、その水の色と 標準色という見本を見比べて水がきれい かきたないかを判断します。 パックテストで使うもの pHの標準色 パックテスト CODの標準色 パックテストの使用法 BOD(生物化学的酸素要求量)とは ・プランクトンなどの目に見えないような小さ な生き物(微生物)が水中のよごれ(有機物) を食べるときには、酸素を使います。 ・そこで微生物が有機物を分解するときに消 費する酸素量を調べることで、水がどれだけ 汚れているかを判定できる指標としてBOD を調べます。 BOD(生物化学的酸素要求量)とは ・水がきれいだと・・・ 微生物のえさ(よごれ)が少ないのでお腹がすい て元気がなく酸素をほとんど使わない。 =水中の酸素がたくさんあり生き物が住みやすい。 ・水がよごれていると・・・ 微生物のえさ(よごれ)がたくさんあるのでモリモリ えさを食べるため元気になり、水の中の酸素をたく さん使う。 =水中の酸素が少なくなり魚などの水中の生き物 が住みにくくなる。(息ができない) BOD(生物化学的酸素要求量)とは ・簡単に言えば BODの値が低い=よごれていない BODの値が高い=よごれている ・通常河川の水質はBODを調べますが、手順 が複雑で結果が出るまでに5日かかります。 〈BODで見る環境の状態〉 BOD値 [mg/l] 水質判定 環境基準の類型 底生動物 1以下 2以下 3以下 きれいな水 AA 少しきたない水 A B ヒラタカゲロウ カワゲラ類 ヘビトンボ 生き物から 見た水質 C シマトビケラ類 ヒラタドロムシ トンボ類 8以下 10未満 きたない水 D 10以上 大変 きたない水 E ミズムシ ヒメタニシ シマイシビル イトミミズ ユスリカ ハナアブ類 魚がすめる水質 すんでいる魚 ヤマメ イワナ 生活の中の水質 水道水に使える水質 利用するときに必 要な浄化の程度 5以下 簡易な 浄化 普通の 浄化 アユ 高度な 浄化 コイ フナ 魚はほとんどすめない 工業用水として利用 (水道水には使えない) 普通な 高度な 特殊な 浄化 浄化 浄化 江の川水系BOD経年変化 江の川水系B D経年変化 3.00 2.50 2.00 都賀 川本大橋 桜江大橋 川平 江川橋 1.50 1.00 0.50 0.00 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 COD(化学的酸素要求量)とは 水中に存在するよごれ(有機物)を薬品(酸化剤) 分解するとき必要な酸素の量のこと。 BODとよく似ていますが、 BOD=生物の活動による酸素消費量 COD=薬品の化学反応による酸素消費量 という違いがあります。 汚れていると値が大きくなる所はおなじです。 CODはパックテストなどで簡単に調べることができ ます。 ただし、河川で計るCODの数値は一般的にBOD の数値より1程度大きくなると言われています。 江の川水系COD経年変化 〈参考〉 江の川水系C D経年変化 4.50 4.00 3.50 都賀 川本大橋 桜江大橋 川平 江川橋 3.00 2.50 2.00 1.50 1.00 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 pH(ペーハー)とは 水素イオン濃度のこと。 酸性またはアルカリ性に傾いている度合いを表す ときに用いられる単位。 0 7 14 酸性 中性 アルカリ性 強い酸性 塩酸、硫酸 弱い酸性 酢、ミカン汁、炭酸飲料、ビール 中性 水道水、酒 弱いアルカリ性 灰、アンモニア水、尿 強いアルカリ性 石灰水、石けん水 pH(ペーハー)が変化すると • アルカリ性が強い水にさわるとヌルヌルし ます。 • 酸性が強い水をなめると酸っぱいです。 • 酸性・アルカリ性どちらにかたむいても生 き物が住みにくく、飲み水としても使えなく なります。 • pHの値は家庭排水などのよごれが大量 に流れ込んだりすると大きく変化します。 江の川水系pH経年変化 江の川水系pH経年変化 8.20 8.00 7.80 都賀 川本大橋 桜江大橋 川平 江川橋 7.60 7.40 7.20 7.00 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 生き物を使った水質調査 ・川の中には大きな魚から目に見えない小さな虫ま でたくさんの種類の生き物がいます。 ・それらはどこにでもいるように思えますが、その生 き物が住みやすいところを選んで住んでいます。 ・つまり、調査地点の川の中にどんな生き物がいる かを調べることにより水がきれいかきたないかが分 かります。 ・たくさんいる生き物の中でも水質調査で探す生き 物を「指標生物(しひょうせいぶつ)」と呼んでいま す。 指標生物とは • その生き物の存在から水の汚れを判定できる • 全国的にも見つけやすく、個数がいて、夏の期間 には必ずいる種である • 比較的見つけやすく、区別が容易である • 水温の変化に対しては幅広く生きることができる • 『水のよごれ』に対しては敏感で、指標性の高い 生物である 川での調査の前に • 川での調査の時にちゅういすること ①ひざより深いところへ行かない! ②水の中で走らない! ③つかまえた生き物は大事にあつかおう! 川のようすを見てみよう • 川の生き物をつかまえる前に川のようすを チェックしよう! ①川のまわりのようす ②天気は?(はれ・くもりなど) ③川の底のようす(石やすな) ④川の流れのはやさ、ふかさ ⑤川のにごり、におい ⑥川のまわりの生き物(鳥や水草など) 川の流れの測り方 2mのひもが ついたウキ ストップウォッチ 流れの速さの段階と目安 • おそい・・・・・1秒間に30cm以下 • ふつう・・・・・ 1秒間に30∼60cm位 • はやい・・・・・ 1秒間に60cm以上 生き物をつかまえよう! • 虫は川底の石の裏にも隠れ ているよ! つかまえるときは水から石を あげる前に網を下に入れて 虫が落ちないようにしよう! 二人でつかまえる時は一人 が下流であみをかまえてお くとさらにつかまえやすくな るよ! 調査に使う道具 つかまえた生き物をしらべよう! • つかまえた生き物を種類ご とに分けてみよう!(下敷き を参考に) • 分けた生き物の数を数えて 記録用紙に書き入れよう。 • 生き物の数が多い欄がその 場所の水質をあらわしてい ます。 記録用紙 集計用紙 水質の階級別とそこにすむ生き物 • きれいな水 (水質階級Ⅰ) • 少しきたない水 (水質階級Ⅱ) • きたない水 (水質階級Ⅲ) • 大変きたない水 (水質階級Ⅳ) きれいな水 きれいな水の指標生物 少しきたない水 少しきたない水の指標生物 きたない水 きたない水の指標生物 大変きたない水 大変きたない水の指標生物 生き物の成長した姿 水質変化の原因 ○自然・天候に起因する 川の水が少なくなると川の温度があがって、水 の中の酸素量が少なくなりよごれを食べる微生 物の元気がなくなり、川が汚くなってしまいます。 ○川へ入ってくるよごれ ・家庭からの洗剤や生活排水 ・農薬や農業排水 ・工場からの排水 ※よごれの75%は家庭から出る排水と言われ ています。 魚がすめるような水質にするには? BOD値=[5mg/l以下] しょう油 米のとぎ汁 日本酒 ラーメン汁 みそ汁 牛乳 使用済み てんぷら油 捨てる量 15ml 2000ml 20ml 200ml 200ml 200ml 500ml お風呂で何杯? (1杯300L) 1.5杯 1.6∼ 4.3杯 2.4杯 2.7杯 3.5杯 10杯 330杯 食品の種類 みなさんがいつも食べているものを台所などでそのまま 捨てると川が汚れてしまいます。 身近なところから始める水質浄化 ・台所には、目の細かいストレーナー、三角コーナーの設置 やろ紙を使う。 ・油は、使い切るか、新聞紙などにしみ込ませたり、固化剤 で固めるなどしてゴミとして廃棄する。 ・鍋や皿の汚れは、紙でふくなどしてから洗う。 ・調理くず等は、コンポストなどで堆肥にして使う。 ・車の洗車や朝シャンなど、水の使用量を減らす。 ・水路や側溝などを定期的に清掃する。 ・川や湖に、ゴミを捨てない。 ・庭木や菜園への肥料や農薬は、使いすぎない。 ・下水道への接続や合併浄化槽の設置を進める。 ・浄化槽は定期的に点検し、清掃、検査をする。 家庭でできる水質浄化等