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2016年5月号
~家電業界向け技術情報誌~ デジタル放送宅配便 5月号 2016年 NHKのインターネットによる テレビ放送同時再送信・検証実験結果 NHKではインターネットサービス向上のため、規律や計画を定め、実施状況の適切な評価に取り組んでい ます。2015年度には、テレビ放送同時配信の試験的提供を実施しましたので概要をご紹介します。 【試験的提供A】スポーツイベントの生放送番組を一般に対して試験的に提供するもの ■放送番組 2015NHK杯国際フィギュアスケート競技大会(2015年11月27日~29日) 第95回天皇杯全日本サッカー選手権大会 決勝(2016年1月1日) 第53回日本ラグビーフットボール選手権大会(2016年1月31日) ■実施チャンネル、及び参加者 総合テレビ、 自由に参加可能 ■検証を行うため「一般向けのウェブ調査」及び「NHKサイト利用者調査」の2つの調査を実施 ●検証項目と把握できた事柄(抜粋) (1)視聴ニーズに関する基礎的な検証 ・訪問者数 NHKフィギュア:約8.4万人、天皇杯サッカー:0.8万人、ラグビー日本選手権:0.3万人 ・3つのスポーツイベントいずれも利用者の約9割が満足 (2)ユーザー認証機能を使用しない場合の配信負荷の把握 ・競技スタイルや社会的関心の高さによって利用傾向が変化する傾向があるため、負荷の急激な変化に柔 軟に対応できる配信基盤の運用が必要 ・テレビ放送と同時配信では約45~55秒程度の映像・音声の遅延 【試験的提供B】受信契約者から募集する参加者を対象に、期間限定で試験的に提供するもの ■実施期間 2015年10月19日(月)~11月15日(日)の4週間、 午前7時~午後11時までの1日16時間以内 総合テレビ番組のうち、ニュース:125時間17分(期間中全ニュースの94%)、 その他番組等:220時間40分(期間中全番組等の71%) ■参加者 総数9,898人 (一般視聴者参加者:957人、ネットクラブ実験参加者:8,941人) ■提供番組内訳 ●検証項目と把握できた事柄(抜粋) (1)視聴ニーズに関する基礎的な検証 ・一般視聴者参加者:期間中に視聴ありは全体の8.9%で、利用者の9割近くは今後の利用意向あり ・ネットクラブ実験参加者:期間中に視聴ありは全体の66.4%で、自宅ではパソコン、移動中や外出先ではモ バイル端末の利用が多く、特に朝の通勤時間帯における視聴が目立った (2)配信基盤と関連システムとの連携の負荷や、各種端末への対応状況の把握 ・テレビと同時配信では約25秒程度映像・音声が遅延したが、端末343機種のうち約97%で正常動作を確認 (3)インターネット配信のための権利処理に関する課題と対応策の運用状況 ・ドラマ、ドキュメンタリー等の番組は、番組制作当初から権利者へ説明をして、配信の承諾を得ることで対応が可能 ・ニュース等の速報性が高い番組は内容の編集作業のため、直前にならないと配信の可否が判断できない ★詳細、および2016年度インターネットサービス実施計画は、下記ホームページでご覧いただけます。 http://www.nhk.or.jp/mediaplan/ (名古屋局 A.M) ■NHKデジタル放送宅配便 掲示サイト http://www.nhk.or.jp/nagoya/nouhau/info/forbiz.html バックナンバーの一部もご覧いただけます。 【設置確認メッセージ消去用販売店様専用電話】 0120-500536 自動音声応答による24時間受付(年末年始は休み) ~家電業界向け技術情報誌~ デジタル放送宅配便 5月号 2K・4K・8K+αへ取り組み 「NexTV-F」+「Dpa」=「A-PAB」発足 本誌先月号でも触れましたが、次世代放送推進フォーラム(NexTV-F)は、デジタル放送推進協会(Dpa)に 合併され、4月1日「放送サービス高度化推進協会」(A–PAB)が発足しました。 一般社団法人 放送サービス高度化推進協会 概要 エーパブ ■英語名:The Association for Promotion of Advanced Broadcasting Services(略称:A–PAB) ■事業目的:放送サービスの安定的な運用を図り、その普及・発達に努めると共に、放送及びそれに関連・ 応用するサービスや産業の高度化を推進し、もって公共の福祉の増進と国民生活の向上に資す ることを目的とする。 ■事業内容(主なもの): ・放送サービスの高度化関係(4K・8K、スマートテレビ等) ・地上テレビジョン放送および衛星放送関係(エンジニアリングサービス、コンテンツ保護含む) ・その他 地デジ化における国費補助事業のフォローなど ■同協会のホームページでは、「地上デジタル放送開局済一覧/今後の中継局開局予定」や、「地デジの放 送エリアのめやす」なども前団体から引き継がれています。 A-PABホームページ http://www.apab.or.jp/ A-PAB・今年度の事業計画~2020年に至る初年度 A-PABでは2016~2018年の3年間を「2020年に至る助走期」と位置付け、「放送サービスの高度 化」のために①送受信環境の整備、②コンテンツ制作やサービス構築、③視聴者への周知広報の3項目を柱 としています。初年度となる2016年度は、以下の事業を中核に据えて活動の予定です。(項目抜粋) (1)放送サービスの高度化(4K・8K、スマートテレビ等)/地上・衛星デジタル放送に関わる技術 仕様の検討、検証、評価等 (2)放送サービスの高度化にかかわる技術仕様の実用化に向けた実証および所要の期間の試行的な放送等 (3)放送サービスの高度化/地上・衛星デジタル放送にかかわる開発、普及、利用促進、周知広報 (4)新たな放送技術を用いたコンテンツの制作環境の高度化と浸透に向けた業務 (5)BS放送のエンジニアリングストリームの衛星基幹放送業務ならびに地上テレビジョン放送のエン ジニアリングサービスの運用および関係事業者との連絡、調整、契約にかかわる業務 (6)地上テレビジョン放送番組の著作権保護に関する関係事業者等との連絡、調整、契約にかかわる業務 (7)4K・8K、スマートテレビ等の技術基盤を用いた、新たな産業・文化の創成への貢献にかかわる業務 (8)その他、本協会目的を達成するために必要な業務 スカパー衛星で新4Kチャンネル開局、4K3波体制継続 「Channel4K」が3月末で放送終了した124/128度CSでは、5月1日に新しい4Kチャンネル「スカ パー! 4K 体験」(ch597・無料放送)が開局します。併せて4K放送(スカパー!4K 映画・同総合)が 24時間放送体制となります。 (記事はインターネット情報をもとに作成しています) 【デジタル放送など、NHKの放送受信に関するご相談窓口】 0570-00-3434 又は 050-3786-5005 (平日、土日祝日とも9時~20時) ホームページ「NHKデジタル」もご利用下さい http://www.nhk.or.jp/digital/ (名古屋局 K.N) ~家電業界向け技術情報誌~ デジタル放送宅配便 5月号 ~連載・次世代メディアマスターへの道(26) 4K/8K試験放送への疑問・質問にお答えします Q BSによる4K/8K試験放送は いつから始まるの? A NHKが8月1日、A-PAB(旧・次世代放送 推進フォーラム)が12月1日開始です。 <解説>本年BSで4K/8K試験放送を始める事業者として、NHKと次世代放送推進フォーラム (NexTV-F)への認定が2月17日に公表されました。その後、NexTV-Fとデジタル放送推進協会(Dpa) が合併して「放送サービス高度化推進協会」(A-PAB)が4月1日に発足し、4K/8K試験放送はNHKと A-PABの2者による実施となりました。この試験放送について、Q&Aの形でご説明します。 Q どんな放送(チャンネル)なの? A 前記2者が、曜日毎に時分割で放送します 4K/8K試験放送では、BS17ch(右旋)の中継器を1本占用します。この中継器には8Kであれば1番 組、4Kであれば最大3番組を放送できる容量があります。NHKとA-PABは、それぞれが受け持つ時間帯 の中で、4Kまたは8Kの番組を放送する予定です。(詳しくは本誌2016年4月号の2頁参照) Q 今の放送(地上波、BS)が高画質になるの? Channel4K、ケーブル4Kとどう違うの? A 現在の地上波やBS放送、他の4K放送 とも異なるまったく新しいチャンネルです 現行の地上波やBS放送(4K/8Kに対比し2Kとも呼ばれます)は今の画質で引き続き放送されます。 今後4K・8K放送が新しいチャンネルとして追加され、それぞれ併存することが想定されています。 なおChannel4Kは当初の役目を終え終了し、124/128度CSでの4K実用放送に移行しました。昨年 12月以降開始されたケーブル4Kは、一部のケーブルテレビで視聴できる4K放送です。 Q 受信するにはどうすればいいの? A NHK放送局にて、来館者にご覧いただける ように準備中です 残念ながら4K/8K試験放送が受信できるテレビ等は、現在は市販されていません(4月5日執筆時点)。そ こで全国のNHK放送局で受信公開の準備を進めています。85V型液晶大画面に加えて、一部会場では 22.2chサラウンドを体感いただけます。準備が整いましたら開館時間や定休日等をお知らせいたしますの で、是非お出かけください。 Q 試験放送はいつまで? 実用放送に移行する時期は? A 総務省は2018年からの4K/8K実用放送 開始に向けて制度整備を進めています※ 4K/8K実用放送は、今後打上げる衛星を使用し、新たにBSで3本、110度CSで5本の中継器による 左旋の電波を中心に実施する計画であり、関係法令等が今後整備されます(4月5日執筆時点)。今年から来年 にかけ、ハード・ソフト事業者の募集や認定も予定されています。(本誌2016年4月号の3頁参照)※ ※【更新情報】 総務省では関係する制度整備完了を踏まえて、BSでの4K・8K実用放送と110度CSによる4K試験放送および同実用放送について、ハード(衛星 基幹放送局)事業者の免許申請受付を開始しました。(受付期間:4月13日~5月13日) (この記事は、インターネット情報等を参考にしています) (名古屋局 O.T) 【NHKの放送受信料に関するお問い合わせ窓口】 0570-077-077 又は 050-3786-5003 (平日、土日祝日とも9時~20時) ホームページ「インターネット営業センター」もご利用下さい http://pid.nhk.or.jp/jushinryo/ ~家電業界向け技術情報誌~ デジタル放送宅配便 5月号 あけくれ ~連載・送受信akekure(13)~ タクシー無線からの地デジ混信障害 タクシー無線・完全デジタル化に伴い再周知! タクシーの移動局用に用いられるデジタル無線は、周波数(467.8MHz等)が地デジで使用している帯域に 近いことから、地デジ受信に障害を発生させることがあります。タクシー無線の完全デジタル移行期限(例外を 除く)が本年5月末でもあり、この受信障害の特徴と対策方法を改めてご紹介します。 タクシー無線障害の特徴 ・周波数が低い13ch、14ch*の放送などに、不定期かつ短時間のブロックノイズが混入する。 *地デジ13chや14chはタクシー無線(467.8MHz)の周波数に近く、影響を受けやすい状況にあります。 平常時 受信障害なし ブースターで歪を 発生し妨害! タクシー混信時 受信障害発生 →周波数 →周波数 13chテレビ信号 タクシー無線電波 13chテレビ信号 対策方法 ・タクシー混信用フィルタをブースター入力側に設置することで、障害が抑制さ れます。 (右写真はタクシー混信障害抑制用フィルタの一例です) 混信障害該当地区と支援制度 ・総務省のホームページ内で公表されている、「東海地区の地上デジタル放送のデジタル混信に対する計 画一覧」にて、混信障害の該当地区が確認できます。 http://www.soumu.go.jp/soutsu/tokai/housou/digital/ ・該当地区における地デジへのタクシー混信対策に関しては、28年度も国の支援制度があります。詳しく は総務省窓口へお問い合わせ下さい。 (参考)東海でのタクシー混信障害該当地区(全域ではなく、範囲内で確認) ・愛知県 名古屋市 豊橋市 豊川市 蒲郡市 刈谷市 弥富市 ・静岡県 掛川市 湖西市 静岡市 菊川市 富士宮市 ・岐阜県 大垣市 多治見市 揖斐郡池田町 (名古屋局 K.S) 【本誌記事のお問合せ先】 受信料関係のお問合せは 前頁欄外をご覧下さい 名古屋放送局 技術部(送受信技術) TEL 052-952-7266 (平日9時30分~12時、13時~18時) 次号6月号は、5月20日(金) 発行予定です。