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社長スピーチ(PDF:25KB)
第44回東京モーターショー2015 プレスブリーフィング スピーチ(抜粋) 株式会社デンソー 取締役社長 有馬 浩二 今、自動車産業は大きな転換期を迎えています。異業種参入やIoT技術の進化など、従来の延長線 では予測できなかった変化の波が押し寄せてきています。 この中でデンソーは、クルマ社会のスピーディな変化に先手先手で、手を打っていかなければなりません。 自前の技術を磨くことはもちろんのこと、同じ志を持つ世界中の仲間との連携や、協業を通じて、新しい モビリティ社会をつくっていきたいと考えています。 私のキャリアの中でもっとも印象に残っているのは、2005年から約4年間、イタリアでグループ会社 の経営再建に携わったことです。その時代に日々、私を鼓舞してくれた言葉がありました。 それは、「情熱と笑顔」です。情熱を持っていればどんな困難も乗り越えることができ、そして笑顔がある 所に人は集い、笑顔は周りを幸せにするものだ、ということを学びました。 現在デンソーは、2020年を目途に自動運転の実用化に向けて、研究開発に取り組んでいます。 私たちが考える自動運転のコンセプトは「人中心に考える、人が真ん中にいる」です。人の状態を見守る 技術として、2014年に「ドライバーステータスモニター」を開発しました。加えて、ドライバーに体調異常 があれば、いち早くそれを検知する技術の開発も進めています。 また、デンソーは全方位で環境技術に貢献します。内燃機関の効率向上は、今後も継続的に進める べき技術課題であり、ガソリンエンジンでは2020年前後を目途に600気圧以上の高圧噴射システムを 製品化したいと考えています。電動化においては、電源、インバーター、モーターなどの組み合わせによ る最適なシステムを、その地域に最もふさわしい条件で提案していきます。ドライバーの嗜好や癖、道路 環境など、地域によって異なる交通事情を理解し、システムに味付けをし、最適な製品を提案します。 モノづくりでは、技術開発部門と製造部門が、開発の初期段階から連携し、製品設計と同時に、製造工 程や加工技術を作り込み、信頼性の高い製品づくりと、早期の量産化につなげられるよう取り組んでいま す。これらの活動をベースに、さらに競争力向上を目指し「ダントツ工場」づくりをスローガンとして、日々 の改善と生産工場での技術革新に取り組んでいます。ダントツ工場では、自働化、標準化をはじめ、数% ではなく、2倍から3倍という高いレベルの効率化に世界中の工場で挑戦しています。 そして、さらに IoT を活用し、このダントツ工場をより進化させたいと考えています。現場の知恵や工夫を グローバルでつなぎ、世界中の工場が一つ屋根の下であるかのように、情報を共有、活用すれば、技術 革新のスピード、質は飛躍的に向上します。世界の130の工場、2,500のライン、150,000の設備を リアルタイムでつなぎ、2018年にはグローバルで共有できる生産プラットフォームの構築を目指します。 デンソーは世界に誇れる日本のモノづくりをけん引し、世界初の技術、世界一の技能に挑戦し続けます。 最後に、私たちが大事にしてきた価値観の中に「総智・総力」という言葉があります。総智とは知恵を 結集すること、総力とはチームワークです。デンソーには38の国と地域に14万6千人の仲間がいます。 私自身もデンソーというチームの一員として全ての活動に責任を持ち、「情熱と笑顔」でリーダーシップを 発揮していきます。 「地球と生命(いのち)を守り、次世代に明るい未来を届けたい。」 皆さまを笑顔にできるようグループ一丸となって未来に向けて挑戦し続けてまいります。 以 上