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講義資料 - 情報流通プラットフォーム講座 長谷川研究室
平成24年度「情報ネットワーク学基礎論」 (4)ネットワーク管理とオペレーションの実際 (ア) NGNの目的と今後 平成24年12月19日 情報ネットワーク学専攻 インテリジェントネットワーキング講座 村上 孝三 ネットワークインフラの歩み • 電気通信網: 電話交換技術の進歩 – 交換手→SxS自動交換→XB交換→電子交換 • ディジタル網 – PCMディジタル伝送、デジタル交換機 – ISDN交換機・INS – ATM通信・ブロードバンドISDN・情報スーパーハイウェイ – インターネット、携帯電話網 • 次世代ネットワークNGN • 新世代ネットワーク 2012 情報ネットワーク学基礎論 2 2012 情報ネットワーク学基礎論 3 自律ルーティング スイッチモジュール 2012 情報ネットワーク学基礎論 4 ノースカロライナ州情報ハイウェイ (NCIH) ・1994年8月 ・州内の学校、病院、刑務所など結ぶ ・光ファイバとATM交換機、スーパーコン、 画像処理、並列コン、156/622Mb/s ・遠隔授業、遠隔医療等 2012 情報ネットワーク学基礎論 5 NGNとは • Next Generation Network • ITU-T(国際電気通信連合 電気通信標準化部 門)での国際標準仕様 • 「次世代ネットワーク」と呼び、NGNの次の「新世代 ネットワーク」の研究と区別 • 新しいネットワークインフラの構築をねらう • 世界主要国が取り組み、日本NTTが先行 • 固定電話網と携帯電話網の次世代版として、イン ターネットとは競合している 2012 情報ネットワーク学基礎論 6 内 容 • NGNが必要とされる背景 • NGNのアーキテクチャと基本技術 • NGNで可能になるアプリケーション • 国際標準化動向と各国の導入戦略 • NGN導入への課題 • 今後のネットワーク展望 2012 情報ネットワーク学基礎論 7 情報通信ネットワークの現状 インターネット (利用者数9,000万人) IPTV VoIP 移動通信網 (携帯&PHS 11,200万加入) ワンセグ 放送網 (TV普 及率 99%) インターネット ディジタル電話網 (4,730万加入、漸 減) 2012 情報ネットワーク学基礎論 アクセス 8 情報通信のサービス的進化 • 固定通信に代わり、携帯電話、IP電話、電子メール、 SNS等の新しいコミュニケーション手段が普及 • 無線アクセスとそのブロードバンド化の普及によりユビキ タス環境の進展 • クラウドコンピューティングへのパラダイムシフトとアプリ ケーション開発プラットフォームの進化 • ブロードバンド、臨場感の進化により、映像配信、IPTV 等のビデオアプリケーションが本格化 • 地球規模問題や各種社会問題の唯一の解決手段として ICTが期待されている 2012 情報ネットワーク学基礎論 9 NGNの出現背景 • ネットワーク事業者、サービス提供業者の経営環境の悪 化によるビジネスモデルの抜本的、構造的変革が必要 • 既存電話網の保守が限界で全IP化の流れ • インターネットの安全性、信頼性が深刻化 • 携帯電話の端末普及の限界とFMC、トリプルプレイ等の サービス融合化の必要性 • 音声・映像などの高精細アプリケーションの登場と通信品 質確保の必要性 • ユビキタスネットワーク社会の安心・安全なネットワークイ ンフラ構築への期待 2012 情報ネットワーク学基礎論 10 NGNの目的 • 安心・安全で、安定性・信頼性の高い社会基 盤になり得るネットワークの実現 • オープンで多様なマルチメディアサービスの 開発が可能なサービス基盤の実現 • 柔軟でコスト競争力の確保できるネットワーク の実現(全IP技術の採用) • 電話交換ネットワークからIPネットワークへの インフラ移行の実現 2012 情報ネットワーク学基礎論 11 NGNの定義 • ITU-T勧告:Y.2001 • “Next Generation Network (NGN): A packetbased network able to provide telecommunication services and able to make use of multiple broadband, QoS-enabled transport technologies and in which servicerelated functions are independent from underlying transport related technologies. It enables unfettered access for users to networks and to competing service providers and/or services of their choice. It supports generalized mobility which will allow consistent and ubiquitous provision of services to users." 2012 情報ネットワーク学基礎論 12 NGNの標準化経緯 RFC.2564(1999.3) SIP IETF Session Initiation Protocol RFC.3261 (Internet Engineering Task Force) Rel.4(2002.3) IMS IP Multimedia Subsystem 3GPP Rel.5, Rel.6, Rel.7 (3rd Generation Partnership) ETSI‐TISPAN NGN Rel.1(2005) Next Generation Network Rel.2, Rel.3 (European Telecommunication Standard Institute-Telecoms and Internet Coverged Services & Protocols for Advanced Networks) NGN ITU-T (International Telecommunication Union – Telecommunication sector) 2012 情報ネットワーク学基礎論 Rel.1(2007.9) Rel.2, Rel.3 13 NGNの国際標準化機関 デジュール標準 ITU-T 国別投票 東アジアCJK 北米ATIS 欧州ETSI TISPAN 日本 TTC ARIB 韓国TTA 3GPP 中国CCSA International Telecommunication Union-Telecommunication Alliance for Telecommunications Industry Solutions Telecoms and Internet converged Services & Protocols IETF Telecommunication Technology Committee Association of Radio Industries and Businesses 個別機関参加、参加者多数決 Telecommunications Technology Association China Communication Standards Association 2012 14 情報ネットワーク学基礎論 デファクト標準 NGNアーキテクチャの特徴 • • • • • • • 電話網とインターネットの長所を採用 オールIPパケットベースの転送技術 SIPプロトコルによるセッション確立型通信管理 端末、ユーザ認証による高セキュリティの実現 優先クラス設定によるQoS制御により高品質化の実現 パケット転送とサービス関連機能の分離 IMSによる多彩なマルチメディア・アプリケーションプラッ トフォーム • アクセス系/異種網間/アプリケーション系のインター フェースのオープン化 • ユーザが自由に選択できるアクセスネットワーク/サービ スプロバイダ/サービスアプリケーション 2012 情報ネットワーク学基礎論 15 主要ネットワークの特徴比較 固定電話網 携帯電話網 インターネット 加入者数 6,150→4,730万加入 11,200万加入 9,000万利用者 サービス 有線電話 インターネットアクセス 移動網連携 移動電話 E-mail、Web カメラ、ワンセグテレ ビ、電子決済 E-mail、Web 電子決済、 VoIP、IPTV 長所 緊急電話 高い信頼性、QoS ワイヤレスアクセス 端末高機能化 IPマルチメディア化 短所 IP通信との親和性 ブロードバンド化に難 基幹網の整備 (IMS)が課題 信頼性、セキュリティ に問題 QoS保証が不十分 将来に向けての 対応 ユニバーサルサービス の維持 NGN(IMS)による 統合網化、サービス 開発 IPv6による信頼性、 SIPによるマルチメ ディアサービス 技術的特徴 64kb/s回線交換 No.7CCS, ISDNプロトコル ワイヤレス 回線交換/パケット 交換、AIN,IMS パケットルーティング TCP/IP、IPv4/ v6 16 SIP 2012 情報ネットワーク学基礎論 NGNの基本アーキテクチャ 3rd パーティ アプリケーション 勧告Y.2012 ANI: Application Network Interface アプリケーション&サービス サポート機能群 サービス制御機能群 機 能 他 サービス ストラタム ー ー 機 能 トランスポート制御機能群 トランスポート転送群 トランスポート ストラタム 2012 UNI:User Network Interface NNI: Network – Network Interface 17 情報ネットワーク学基礎論 メディア 制御信号 管理情報 トランスポート ストラタム(層) トランスポート制御機能群 NACF ネットワーク RACF リソース受付 制御機能 アタッチメント トランスポート 制御機能 ユーザ (端末認証、IPアドレス プロファイル SIP (QoS保証) 管理、位置情報管理) トランスポート機能群 (会議ブリッ ー 端 末 アクセスネット ワーク機能 (発着ルータ) エッジ機能 等 コアネット ワーク機能 (IPv4/IPv6/WDM等) 2012 他他 ー (PSTN NGN ) (FTTH、無線、 有線等) メディアハンド ジ、トーキー リング機能 等) 情報ネットワーク学基礎論 ゲートウェイ 機能 18 サービス ストラタム アプリケーション ANI アプリケーションサポート機能群& サービスサポート機能群 ISC(IMS Service Control)インタフェース サービス制御機能群 ー サービスユーザ プロファイル (サービスレベルの ユーザ認証) サービスコンポーネント P-CSCF (セッションの設定開放) I-CSCF ー (IPマルチメディアサービス) ー 端 末 端 末 他 S-CSCF SIP P-CSCF: Proxy Call Session Control Function(最初のコンタクトポイント) S-CSCF: Serving CSCF(呼セッションの管理) 2012 I-CSCF: Interrogating CSCF(ホーム加入者サーバHSSにアクセスしてS-CSCFの割付) 19 情報ネットワーク学基礎論 SIP(Session Initiation Protocol) プロトコル • IETF標準のインターネットプロトコル (1999年:RFC2543、2002年:RFC3261) • P2P通信におけるEnd to Endの「セッション」の確立・ 切断を行う。「セッション」とは、音声や映像等の一定 時間継続するストリーム型IP通信 • HTTP型(リクエスト・レスポンス型)のテキストベース で拡張性、柔軟性に富む • UDPおよびTCPで動作し、APIも規定されている • インターネットでVoIP、テレビ電話、テレビ会議等マル チメディア・リアルタイム通信を実現する • SDP(メディアタイプ等セッション内容記述)、RTSP(ス トリーミング送受信制御)、RTP(時刻印、シーケンス番 号等実時間転送制御)等との連携でサービス実現 2012 情報ネットワーク学基礎論 20 SIPの構成と手順 -リクエスト・レスポンス型トランザクション処理モデルー リダイレクト SIPサーバ DNS ロケーション サーバ b 現在位置 登録 b d プロキシ SIPサーバ (発信側 c) プロキシ SIPサーバ (着信側 d) セッション確 立要求 INVITE(b) 現在位置情報 200 OK IPストリームメディア通 信 ユーザ端末a (発信側) 2012 レジストラ SIPサーバ ユーザ端末b (着信側) 情報ネットワーク学基礎論 21 NGNネットワークの品質規定 (ITU-T勧告I.350 3x3マトリクス規定法) レスポンス性 正確性 確実性 接続処理 接続処理遅 延時間 呼損率 通信中 IPパケット転 IPパケット誤 送遅延時間 り率 IPパケット損 失率 切断処理 切断遅延時 間 切断失敗率 性能品質 処理 フェーズ 2012 誤接続率 誤切断率 : NGN固有部、他は電話網と同様 情報ネットワーク学基礎論 22 高品質化への対応 優先/保証型クラス設定によりQoSを保証 勧告Y.1541 品質クラス 優先転送型 転送保証型 ベストエ フォート クラス0 クラス1 クラス2 クラス3 クラス4 パケット遅延 100ms 400ms 100ms 400ms 1s 品質尺度 パケット遅延 変動 50ms 制限なし 制限なし パケット損失 率 1 × 10 −3 パケット誤り率 1× 10 −4 アプリケーショ ン例 2012 クラス5 VoD テレビ会 議 制御信号 トランザク ビデオス 従来型IP VoD アプリ テレビ会 トランザク ションデー トリーミ タ ションデー ング 議 タ 情報ネットワーク学基礎論 23 安定性・信頼性の確立 • 一次パラメータ品質(3×3規定)劣化への対応 • 輻輳(発信、企画型、地域)に対する制御 規制制御 留保制御(優先制御) 迂回ルーティング制御 ネットワークと端末の協調制御(ユーザへの 輻輳通知、網への再送信タイミングの調整) • 冗長構成 2重化構成、多ルート化 2012 情報ネットワーク学基礎論 24 セキュリティの確保 • ネットワーク接続 エンドユーザ機能がネットワークアタッチメント機能にアクセス。あらか じめ登録されたトランスポートユーザプロファイルの内容と照合してア クセス許可 • サービスの利用許可 エンドユーザ機能は、上記で取得した情報によって、サービス制御機 能へアクセスし、サービス利用許可を要求。あらかじめ登録されたサー ビスユーザプロファイルの内容と照合してサービス利用許可 • サービスの利用 エンドユーザ機能は、サービス制御機能に対してサービス利用要求 サービス制御機能は、他の機能群と連携してサービス提供を準備 2012 情報ネットワーク学基礎論 25 IMSとは • IP Multimedia Subsystemの略 • オールIPネットワーク上で様々なマルチメディアサービスを提 供・実現する仕組み • 制御系のソフトウェア技術仕様であり、転送系ハードウェアと 論理的インターフェースを持つ • 3GPP(W-CDMA標準化)において規定された • SIPプロトコルを採用しインターネットに親和性高い • SIPの機能に、ASアクセスや網間移動機能を拡張 • 事業者間ローミングや個人認証等移動通信に対応できる • 課金/QoS/暗号化機能等キャリアグレードIP網に対応できる AS: Application Server 3GPP: 3rd Generation Partnership Project 2012 情報ネットワーク学基礎論 26 サービス制御アーキテクチャへの変遷 -その1- ATM交換機の階層型オブジェクト指向ソフトウェア構成 アプリケーション (サービス階層) フレームリレー 基本サービス ・・・ サービス SMDS サービス S2インタフェース 拡張OS 論理交換 リソース管理階層 回線管理 ・・・ ファイル管理 IROS S1インタフェース ROSEC 基本OS ハードウェア 制御階層 ハードウェア 系構成管理 カーネル Gマイクロプロセッサ ハードウェア ・・・ 依存部 通話路装置 ドライバ 信号装置 ROSEC:Real time Operating System based on CTRON specification IROS:Interface for Real-time Operating Systems 2012 情報ネットワーク学基礎論 27 サービス制御アーキテクチャへの変遷 -その2- インテリジェントネットワーク(IN)の提唱 サービス網 サービス制御ノード SCF サービス ロジック 実行 サービス管理ノードSMF サービス 開発支援 データ ベース サービス カスタマ 定義端末 サービス ロジック プログラム 標準インタフェース 共通線信号網 サービス 交換ノード (ΑΤΜ交換機) SSF 2012 サービス 交換ノード (ΑΤΜ交換機) -INのねらい ・サービスの多様化への柔軟な対応 -開発ポイント ・交換機よりサービス制御機能の分離階層化 ・ネットワークデータベースの導入 ・カスタマプログラマビリティ環境の実現 *SCFとSSFの標準化、実装が必ずしも簡単でない 情報ネットワーク学基礎論 28 サービス制御アーキテクチャへの変遷 -その3- IMSによるセッション確立 OK P-CSCF X コネクショ ン設定 Y P-CSCF INVITE I-CSCF *サービスアクセス、制御機 能をホーム網に集約すること で実装の容易化 Xのホーム網 S-CSCF AS I-CSCF HSS S-CSCF AS MRFP Yのホーム網 2012 情報ネットワーク学基礎論 29 IMSの6つの主要構成要素 • セッション制御ブロック – – – SIPサーバによるセッションの設定、開放 P-CSCF,I-CSCF,S-CSCF CSCF: Call Session Control Function (P: Proxy, I: Interrogating, S: Serving) – – ユーザID、認証ID、基地局情報、サービス加入状況、個別サービスプロファイル等セッション制御、サービス制御の ためのすべてのデータベース HSS: Home Subscriber Server SLF: Subscription Locator Function – – ビデオ、音声などのミックス、発生、変換処理等 MRF: Multimedia Resource Function (C: Control, P: Processor) – QoS制御のためのポリシー決定機能と実行機能 PCRF: Policy and Charging Rules Function PCEF: Policy and Charging Enforcement Function • 加入者サーバブロック • マルチメディア制御ブロック • QoS制御ブロック – – • アプリケーションサーバブロック – – 個々のアプリケーションサービスを実現 S-CSCFにより起動 AS: Application Server – – – 既存の回線交換網との接続(メディア変換、信号変換、ポイント選択等) MGCF: Media Gateway Control Function IM-MGW: IP Multimedia- Media Gateway SGW: Signaling Gateway BGCF: Breakout Gateway Control Function • 既存網ゲートウェイブロック 2012 情報ネットワーク学基礎論 30 IMS機能間インターフェース プロトコル • SIP (Session Initiation Protocol、IETF) マルチメディアセッションの設定、監視、開放 IETF RFC3261 • Diameter(ダイアメータ、IETF) AAA(認証、認可、アカウンティング)機能 IETF RFC 3588 RADIUSの拡張版 Remote Authentification Dial in User Service • H.248(ITU)/MEGACO(IETF) ソフトスイッチアーキテクチャの実現(MGCが MGを制御するMGCPマルチメディア拡張版) Media Gateway Control protocol 2012 情報ネットワーク学基礎論 31 NGNの標準化リリース日程 • リリース1: 2008年1月完 – 電話網のIP網への移行に関する技術 (POTSエミュレーション/シミュレーション) – マルチメディアサービス • リリース2: リリース1の1.5年後 – 放送と通信の融合(IPTV、VoDサービス) – 移動網と固定網の融合(FMC) • リリース3: – RF-ID等多彩なユビキタスサービスの創生 – アプリケーションプロバイダとの連携 2012 情報ネットワーク学基礎論 32 リリース1で提供できるサービス ■マルチメディアサービス ・リアルタイム会話型音声サービス ・ポイントツーポイントビデオ電話等 ・インスタントメッセージ(IM,SMS,MMS等) ・Push-to-Talk ・プッシュ型サービス ・ファイル共有/e-ラーニング等 ・ブロードキャスト/マルチキャストサービス ・IPセントレックス等 ・3GPP OSAベースサービス ■PSTN/ISDNエミュレーション ■PSTN/ISDNシミュレーション ■他のサービス ・VPN ・インターネットサービス ・センサーネットワークサービス ・オンラインアプリケーション等 ■公衆サービス ・緊急通信 ・障害者サポート ・顧客保護(悪意呼の追跡、ユーザID表示等) ・通信傍受 ・サービスプロバイダ/ネットワーク選択 2012 情報ネットワーク学基礎論 33 各国の動向と戦略 • 米国 – – – – トリプルプレイ、FMC等を既存網で実現し、サービス面で世界に先行 電話事業者(FTTH)とCATV事業者が通信・放送融合サービスで激しい競争中 アプリケーション開発と管理統合のためのIMS実現に注力 新プラットフォーム指向のNGNには関心が薄い(欧州との対抗意識) – – – – NGNは欧州が提唱 BT,FT,DT等電話事業者がNGNを積極推進、固定電話網のIP網への置換え オールIPとIMSで固定電話網・移動網の統合を目指している 通信・放送の統合はそれほど熱心ではない • 欧州 • 日本 – – – – – 2012 電話網の全IP化方針は全事業者共通であり、NGNへの後継移行でNTTが先行 FTTHの普及の加速化が期待されている 「光の道」構想等事業者間ルール調整が遅れている アプリケーションプラットフォームとしての期待 通信・放送融合やFMCの具体サービスの実現が遅れている 情報ネットワーク学基礎論 34 NGNの今後の展望 • 国際標準化(リリース2,3)の促進 – 関連標準化団体との連携・整合(SIP,IMS) – サービス仕様の策定(FG IPTV, SDP, N-ID) • ネットワーク理念の確立 – 社会的役割、法整備、セキュリティ・品質基準 • ネットワークの移行戦略 – – – – ユーザのブロードバンドアクセス(FTTH)への移行戦略 キーアプリケーションの創出(IPTVが有力) 事業者間相互接続性の検証、再構築 新ビジネスモデルの創出 • 技術イノベーション戦略 – – – – – 2012 オープンなサービス提供基盤(SDP)の構築 オープンなアプリケーションインターフェース オーバレイネットワーク、アンダーレイネットワーク、クロスレイヤの新アーキテクチャ 全光ネットワーク研究開発(グリーンIT、光スイッチングルータ、光ICチップ) 自律回復ネットワーク研究のブレークスルー 情報ネットワーク学基礎論 35 3Com エンドエンド全光通信 SD PRO 光スイッチ 3Com Professional Workstation 6000 3Com User Station ネットワークマップ SD PROLIANT 8000 ESC Application SD DLT SD SD PROLIANT 8000 PROLIANT Agent Execution Platform 8000 ESC ESC SD SD PROLIANT SD 8000 ESC DLT DLT SD OS DLT ・ソースルーティング によるコネクション 型光スイッチング方 式 Mobile Terminal ・サービスコンポーネントの構 成法 ・ネットワーク制御とサービス 制御の一元化 ・分散ネットワークマップ ・エージェント通信の動的制 御方式 新世代光ネットワークに向けた 自律的サービス制御プラットフォームの研究 総務省戦略的情報通信研究開発推進プロジェクト(SCOPE)H20~H22 2012 情報ネットワーク学基礎論 36 ネットワークマップの導入 • ネットワーク全体を俯瞰する基盤データベース – サービスコンポーネントの位置/機能 – ネットワークコンポーネントの接続/性能 • 実用的な頻度での情報交換 →過度の厳密性を 求めず、準最適 性を目指す 局所的な分散管理 大域的俯瞰 2012 情報ネットワーク学基礎論 37 新サービスプラットフォームの開発 コンポーネント サーバ コンポーネント アプリケーション サーバ n n n n n n ネットワーク OS:Debian lenny 5.0.2 / kernel 2.6.26 実装言語:Ruby1.8.7 データ形式:JSON Webフレームワーク:Sinatra Webサーバ:WEBrick オーバレイ管理用DB:SQLite3 2012 ユーザ端末 コンポーネントサーバ6台 PentiumIV 3.00GHz 512MBメモリ アプリケーションサーバ+仮想ユーザ端末6台 PentiumIV 2.66GHz 512MBメモリ FastEthernetスイッチ 情報ネットワーク学基礎論 38 障害時のシステムの自己回復 a サービスコンポーネントの オーバーレイネットワーク構築 6(a)の代替探索 コンポーネント 9 a ②代替コンポーネント としてノード5のaを通知 ①a,bに同時に 障害発生 5 2012 b 6(b)の代替探索 コンポーネント コンポーネントa,bを利用するサーバ群 β <課題2> 異種コンポーネントで連続的に障害 が発生した場合における効用の変化 a b <課題1> ノード単位での障害発生に おける負荷分散 6 α 3 7 <課題3> 復旧したコンポーネントの扱い a b a γ θ ③代替コンポーネント としてノード5のbを通知 b 4 b 1 各サーバを利用するユーザ群 8 情報ネットワーク学基礎論 b 2 39 今後、さらに勉強するために • NGNの背景、技術内容に関しては – 「やさしい次世代ネットワーク技術」 石川宏 監修、電気通信協会 – 「NGN入門」 井上友二監修、インプレスR&D – 「改訂版ワイヤレス・ブロードバンド教科書 3.5G/次世代モバイル編」 服部武、藤岡雅宣編著、インプレス社 – 「IMS制御技術」 金武完他著、明石書店 • 情報通信市場を取り巻く状況に関しては – 総務省 グローバル時代におけるICT政策に関するタスクフォース http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/global_ict/ kyousou_seisaku.html • 新技術の動向については – 大学で多いに議論、研究 2012 情報ネットワーク学基礎論 40 おわり 2012 情報ネットワーク学基礎論 41