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効果を上げる 営業力強化の戦略とは?

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効果を上げる 営業力強化の戦略とは?
効果を上げる
営業力強化の戦略とは?
SFA導入に失敗しないために
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CIO Magazine
Copyright Ⓒ 2012 IDG Japan, Inc. All rights reserved.
効果を上げる
営業力強化の戦略とは?
大企業を中心に、いまや業務パッケージシステムの“定番”の 1つとして浸透した感のあるSFA。しかしその利用実態を見ると、当初期待したような営業実
績を上げられていなかったり、現場での利用が根付かなかったりというケースも多い。そこで本稿では、企業がSFAの導入に失敗する理由を明確化するとと
もに、営業はもちろんのこと企業全体のプロセス改革までもSFAによって成し遂げた成功事例を紹介することで、SFAによる真の営業支援のあり方を考察
することとしたい。
激しく変化する
SFAを取り巻く状況
SFAの導入に失敗する
原因とは
SFAに限らず業務システムは関連スタッフ全員
が使えることが大切だ。そこで、最初は社員に
とっての敷居を低く設定しておき、慣れるに従っ
2000年以降、世界的に普及していったSFA
確実にニーズが高まっているSFAであるが、
て利用範囲を拡大していくのである
(図1)
。
(Sales Force Automation)、広くは CRM
一方で導入はしたものの結局定着しなかったとい
もう1つは、やはりトップが SFAを使うことの目
(Customer Relationship Management)
シス
う失敗事例も多い。それはなぜだろうか。
的を明確にしてしっかりと社員に示すことだろう。
テムは、日本国内でも大手企業のみならず中堅
まず言えるのが、SFAの導入に失敗する企業
そのためには、経営層、マネージャー、現場の 3
企業にまで利用が拡大しつつある。なかでも昨
は、SFAを使って何をしたいのかという目的が不
者が、
トップの意向を十分に理解したうえでそれぞ
れの合意形成を図って行く必要がある。
今、SFAの導入を促す鍵ともなっているのが「ク
明瞭のまま導入に踏み切っており、また、解決し
ラウド」
と
「スマートデバイス」
だ。
たい営業課題の優先度が決まっていないケース
クラウドへの移行を検討する際、まず営業系や
がほとんどだということだ。SFA導入の目的、もし
情報系のシステムに着目する企業が多い。その
くはそれと密接に関わる解決したい課題の優先
ネクストアクションにつなげる
プロセス・マネジメントで
失注を大幅に削減
理由は、基幹系システムをクラウドに移すとなると
度によって、SFAに必要な機能や使い方が大き
ハードルが高く感じられるが、SFA/CRMならば
く変わってくるために、それらがあいまいなままでは
比較的大上段に構えなくても導入できると考える
SFAが真価を発揮できるわけがない。
ここでSFA導入に成功した国内企業の事例を
企業が多いからである。またスマートデバイスの
次に業務の標準化への取り組みが伴わずに
紹介するとしよう。
導入でも、外回りの多い営業スタッフがその対象
失敗するケースである。SFAを導入することの意
SFAを導入して新しい営業体制を確立するこ
となりやすいことから、必然的にSFAをスマートデ
義の 1つに、従来の業務のあり方を見直して、プ
とで業務改革を実現したのが大手建材メーカーA
バイスでといった流れになるわけである。
ロセスを改善した新しい営業の
“型”
づくりができる
社だ。SFAを導入する前、同社では既存顧客か
これらとは別にSFAに注目が集まっている理由
ことがある。にもかかわらず、業務プロセスを標準
らの失注が増えていたことからその理由を調べた
として挙げられるのが、リーマン・ショック以降に強
化することなくケース・バイ・ケースで運用をしてい
ところ、初動の遅れが原因だったことがわかった。
く求められるようになったサプライチェーンの見直
たのでは、結局は何も変えることができず失敗して
そこで、営業スタッフの初動活動を強化しつつ
しを含めたコスト削減という課題である。多くの企
しまうのである。
も日常業務に負担がかからないようにするために、
業では、既存の顧客をただ守ってるだけでは経営
では、こうした失敗を避けるためにはどのような
業務プロセスと組織体制を見直し、初動に時間
が厳しくなったために、サプライチェーンを最適化
点に気をつければいいのか──まず有効なのは、
をかけるスタッフと、案件化した後に
“刈り取り”
を
しつつ新規顧客を開拓する必要に迫られた。結
フェーズごとに区切りよく使う機能に絞ってスター
行うスタッフといったようにチーム分けを行ったの
果、それを支援できるツールとしてSFAの導入が
トし、ある程度業務の見える化ができてきたら次の
である。そして、新たなプロセスに応じてそれぞれ
加速したのだ。
ステップへ・
・とレベルアップさせていくことである。
のスタッフが切れ目なくアクションを起こせるように
提案カバー範囲/スコープ
期待効果
進化
業の
営
た
向け
に
創出
効果
収益力向上
継続的に
解決すべき課題
目指すべき姿
優先的に
解決すべき課題
現状
化
の進
ム
ステ
るシ
え
支
化を
進
の
営業
取り組みレベル
図1:SFA導入を成功に導く段階的な導入と継続的な取り組み
2
CIO DeepDive
効果を上げる
営業力強化の戦略とは?
月次目標に追われる体質を改め、
計画的な売上達成が可能に
するためにSFAを導入したのだ。
A社が導入したのはソフトブレーンが提供する
とにあるのか、あくまで自分たちの希望なのか、そ
もそも存在すらしないのかの 3パターンに分けて
考えることが重要だ。個々の営業スタッフにネクス
SFA/CRMパッケージ
「eセールスマネージャー」
だ。このソリューションを選択した大きな理由と
次の事例は、大手計測器メーカーの販売会社
トアクションを示してもらうことで、過程が見えてく
なったのが同製品がプロセス・マネジメントツール
B社である。SFA導入以前、同社の営業部門で
るため、マネージャーをはじめとする上司は翌月、
として作りこまれている点である。また、ソフトブ
は月ごと、期ごとの売上目標ばかりを追いかける
翌々月までを見据えたアドバイスをしやすくなるの
レーンが顧客企業ごとに現場の意見を取り入れ
風潮が蔓延していた。そのため、長期的な営業
である。
た最適なプロセスを提案してシステムに反映する
計画を立てることもなく、営業マネージャーも当
こうした体制をSFA導入によって確立したB社
ことを重視していることも重要な採用ポイントと
月、当期の売上達成率ばかりに着目していた。
では、営業部門の動きが明らかに変わっていっ
なった。
しかしこうなると、月末や期末に一気に追い込
た。月ごとの数値に一喜一憂するのではなく、10
いまA社では、SFAのデータをベースにした営
みをかけて数字を上げ、月初や期首にはその追
月はいくら、12月はいくらといったような標準数字
業会議が定着し、そこでは現在抱える案件に対
い込んだ分の事務的な処理に追われて数字が動
を持つことができ、営業見込みに基づいた議論
して次にどういったアクションを行うかといった
「ネ
かないといった状況が繰り返された。さらに、月末
ができるようになった。その結果、いま同社では
クストアクション」
に重きが置かれるようになってい
や期末には物流や業務部門にも大きな負荷がか
計画性のある予算達成を実現しているのである。
る。
“返答待ちのまま放置”
といった状態になって
かるなど、全社的に深刻な影響が生じていたの
上記の成功事例からもわかるように、SFAの導
いないかチェックすることで、ネクストアクションの
だ。
入を成功させるためには、プロセス・マネジメントの
実施率が大幅に改善された。
このように、かつてのB社では業務の平準化が
観点から業務に型を取り入れること、組織の課題
同社ではこうしたプロセス・マネジメントの考え
できておらず、翌月や翌々月のためのいわゆる
「種
をしっかりと見極めて優先度の高いものから着手
方が全社的に定着しており、営業だけでなく、技
まき活動」にまで手が回っていなかった。そこで
することが肝となる。ソフトブレーンの場合、最大
術部門や工事部門のスタッフといった受注後の
SFAを導入しプロセス・マネジメントを実践するこ
の成果を上げられる型づくりや、組織の本当の課
案件引渡しまでに関わるすべてのスタッフが SFA
とで改善を図ったのだ。
題を見極め、どのように解決していけばいいのかま
を利用するようになっている。また、プロセス・マネ
この不安定な風土を変えたいと考えた社長か
でもサポートすることが可能であり、そうしたノウハ
ジメントに基づき全部門が、KPIを用いた3か月
ら業務改善の至上命令が下され、営業本部長を
ウを持つSFAベンダーと二人三脚で取り組むこと
後、6か月後の事業予測を打ち出すようにもなっ
中 心とした体 制で着 手 。
「 e セールスマネー
は非常に有効だと言える
(図 2)
。いずれにせよ、
たのだ。
ジャー」の導入を決定するとともにソフトブレーンに
SFAの導入それ自体を目的とするのではなく、顧
このように、A社においてSFAは、会社全体を
よるネクストアクション実行のための数々の提案
客とのコミュニケーションを向上させる有効な手段
横断的に連携するための情報基盤としていまや
を受け入れていった。
として導入するのだという、あらゆる企業に必ず共
欠くことのできない存在となっている。
一般に、ネクストアクションが顧客の合意のも
通する目的だけは見失わないようにしたい。
図2:ソフトブレーンによるSFA導入支援のプロセス
3
CIO DeepDive
解決すべき
課題の定義
具体的な仕組み/仕掛けの構築
導入企業
キーメンバーへの
ヒアリング
ベースシート
KPIの設定
導入企業キーメンバーとの合意形成
ワークショップ・ヒアリング実施
ソフトブレーンの
ベストプラクティス
効果創出に向けた
取り組みテーマ・施策の提案
ソフトブレーン株式会社
住所 :〒104-0028
東京都中央区八重洲 2-3-1
住友信託銀行八重洲ビル 9 階
TEL :03-6880-2600(代表)
FAX :03-6880-2601
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